残暑の行軍吟行である。俳句の吟行は普通は八月は休みにするのであるが、ここは若い世代が多いので、少々の炎天下の行軍であっても大丈夫だろうということもあって行軍実施。
この日の吟行のテーマは「秋を探す」である。目と耳と鼻、そして足を総動員して小さい秋を探すのだ。しかし先月は水遊びをする子供たちの喧噪で溢れていた公園も、この日は人っ子一人子どもたちの姿が消えた。聞こえてくるのはときどき樹々を揺らす風音と秋の蝉、そして草むらから洩れ来る虫の声くらいである。子どもたちはきっと今頃は、家で宿題に追われているのだろうか。
行き合いの空がビル街の四角い空に広がっていた。
草蔭に耳を澄ませば虫のこゑ