待ちに待った「家守綺譚」の続編です。
友人「高堂」の家の家守として住み込んだ作家「綿貫」が
その庭でフリー状態で飼っていた犬のゴロー。
ゴローは、グッドタイミングでひょっこり現れ、すべてお見通しという具合に
助け舟を出してくれる本当に頼りがいのあるいいやつだった。
そしてこの「冬虫夏草」では、ゴローが数か月帰ってこないという。
なんと。
綿貫は、ゴローを見かけたという情報をもとに鈴鹿の山々に出かけていく。
綿貫のゴローに対する思い入れはすごい。
ゴローの素晴らしさを語るくだりは、自らをしっかり下座においている。
それほどゴローはすごいのだ。
ところで、冬虫夏草(とうちゅうかそう)とはサナギダケつまり虫の幼虫にキノコが寄生したもの。
漢方ではコウモリガの幼虫の寄生されたものを用います。
寄生されたと思うと、命を乗っ取られたようだけど、
この本では「冬は虫として夏は草として生きる」との理解でこの物語の象徴となっています。
やがて襲いくるらしい大きな天変地異。防ごうと思ってもどうにもならない。
そこに暮らす生き物はひとたまりもないだろう。
いや、
生き物は、きっとそこで、生きられる形に変化して生きていく。
最後の「茅」の章は、泣いた。
二度目を読んで、登場するさまざまな人たち、河童、イワナ、竜、
季節を彩るたくさんの植物たち、うつくしい日本語たちによって、
情景が一層鮮やかとなり、
そして最後の「茅」の章ではやっぱり、泣いた・・・
過去の家守綺譚のレビューではやはりゴローのエピソードを書き出してました。
村田エフェンディ滞土録 梨木香歩関連記事
友人「高堂」の家の家守として住み込んだ作家「綿貫」が
その庭でフリー状態で飼っていた犬のゴロー。
ゴローは、グッドタイミングでひょっこり現れ、すべてお見通しという具合に
助け舟を出してくれる本当に頼りがいのあるいいやつだった。
そしてこの「冬虫夏草」では、ゴローが数か月帰ってこないという。
なんと。
綿貫は、ゴローを見かけたという情報をもとに鈴鹿の山々に出かけていく。
綿貫のゴローに対する思い入れはすごい。
ゴローの素晴らしさを語るくだりは、自らをしっかり下座においている。
それほどゴローはすごいのだ。
ところで、冬虫夏草(とうちゅうかそう)とはサナギダケつまり虫の幼虫にキノコが寄生したもの。
漢方ではコウモリガの幼虫の寄生されたものを用います。
寄生されたと思うと、命を乗っ取られたようだけど、
この本では「冬は虫として夏は草として生きる」との理解でこの物語の象徴となっています。
やがて襲いくるらしい大きな天変地異。防ごうと思ってもどうにもならない。
そこに暮らす生き物はひとたまりもないだろう。
いや、
生き物は、きっとそこで、生きられる形に変化して生きていく。
最後の「茅」の章は、泣いた。
二度目を読んで、登場するさまざまな人たち、河童、イワナ、竜、
季節を彩るたくさんの植物たち、うつくしい日本語たちによって、
情景が一層鮮やかとなり、
そして最後の「茅」の章ではやっぱり、泣いた・・・
過去の家守綺譚のレビューではやはりゴローのエピソードを書き出してました。
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