江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

脇役

2011-10-25 17:38:40 | 劇評・他
「芸と人」(織田紘二著 演劇出版社)を読んだ。
時々芸談ものを読む。
その人の意識や演目や芸に対する考えが、時に大きな刺激になるからだ。

この本は、戦後の歌舞伎を支えた歌舞伎俳優を取り上げている。
そのほとんどが一度は生の舞台を見たことのある人たちで、
親しみを持って読むことができたし、刺激を受けた箇所も幾つかあった。

そして私も感じている気になる言葉が1つ。
「脇の払底」

テレビドラマ、とりわけ若い人が中心のドラマを垣間見ると、
全員主役のような感じがするものがある。
以前名脇役と思っていた人も、いつの間にか主役を張るようになってきた。
芝居を見ていても、「いつか主役」と思っている人たちが多いように感ずる。

私が修業していたところでは、
脇がしっかりしているから芝居がしっかりしている
と言われていた。
極端な話し、芝居は主役に誰を持ってきても、脇がしっかりしてさえいれば
見られるものなのだ。
そこを今の人は勘違いしている。

歌舞伎にしても、売れる役者を作ることばかりに気を取られているから、
脇で味のある芝居のできる人がいなくなっている。

脇が甘いと、そこを突かれる、
脇を固めると、攻めも自在になる、
ということか。
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