マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『絵本合法衢』で片岡仁左衛門を観る

2018年04月20日 | 映画・美術・芝居・落語

 4月16日(月)、歌舞伎座で『絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)』を観て来た。
 
今までは、歌舞伎座や新橋演舞場への観劇チケットを頂いてきたが、それはジ・エンドとなった。この間、歌舞伎観劇に親しんできた身には観たい歌舞伎に直ぐに反応するようになっていて、例えば、片岡仁左衛門が主役を張る、この『絵本合法衢』もその一つ。しかし、桟敷席はいざ知らず、1・2等席も観劇料は高額で高嶺の花。そこで歌舞伎座3階で観ようと決めた。3階B席ならば木戸銭は4,000円。という訳で、前売り券をサンシャインで購入しておいて、出掛けていった。(写真:大学之助演じる仁左衛門)




 四月大歌舞伎の夜の部は通し狂言『絵本合法衢 立場の太平次』のみ。何度か演じられてきた芝居らしいが、妻も私も初めて観る演目なので、やや早めに到着しプログラムを購入し内容を一読しておいた。筋立ては難解だった。登場する人物の人間関係が入り組んでいて上手く呑み込めない。まあ筋はどうでもいいか、仁左衛門の悪党振りをじっくり拝見しようと決めた。歌舞伎座は3階から舞台が遠い。双眼鏡的なものが必須なのだ。二人とも自前のオペラグラスを多用しながらの観劇とあいなった。 





 作者は『東海道四谷怪談』で名高い鶴屋南北。実際に大坂天王寺付近の合邦辻閻魔堂で起きた仇討事件を素材としたらしい。
 御家横領を企む、近江国多賀家の分家左枝大学之助を演じるのが仁左衛門。その大学之助の配下で、大学之助と瓜二つの無頼漢・太平次演じるのも仁左衛門の、一人二役。自らの野望のためには平気で幼児をも手に掛ける大学之助と、強欲な悪漢の太平次を演じ分けが見どころ。特に人の好さそうに見える太平次が突然悪人となり、平気で仲間をも裏切り、殺害に及んだあとにせせら笑う姿には「悪の華」が漂う。各幕毎に殺しの場面が入る芝居を始めてみた。
 


 暗闘(だんまり)はあり、時蔵の早変わりは演じられていたが、残念ながら仁左衛門の早変わりの場面は登場して来ない。昨年観た『霊験亀山鉾』の方が仕掛けが大がかりで華やか。単純な鑑賞者の私にはそちらの方がより楽しめた。
 大詰焔魔堂の場では、閻魔様の前で、弥十郎の槍の穂先によって大学之助は討取られ、遂に悪は滅びたのでありました。(そうでもしなければ上演は不可能だったのか?)

 観たい芝居があれば、新橋演舞場の3階席にも足を運ぼうという思いで帰って来たのでありました。


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