どるち & えこう の 『美術館・博物館めぐり』 & 『美味しいもの』日記なのだ

プレーリードッグのぬいぐるみの『どるち』と 飼い主?の『えこう』が書く 美術館・博物館や 飲食店の感想なのだ

『若冲アナザーワールド@静岡県立美術館』なのだ

2010年04月26日 | アート【展覧会 & 常設】(~2022年)

※このブログわ 2010年に違うサイトに載せたものを再編集したものなのだ

<ロダン館> & 収蔵品展の<Newコレしずおか 新収蔵品と静岡ゆかりの美術>を見たぼくらわ 今回のメインの<若冲アナザーワールド>を閉館時間になるまで ずっと見ていたのだ



企画展会場の入口に 静岡県立美術館所蔵の<樹花鳥獣図屏風>高細精複製品があって フラッシュしなければ写真撮影OKだったので 屏風の前で記念撮影をしてみたのだ



左隻の 鳥たちなのだ



右隻の 獣たちなのだ


クリックすると拡大するのだ
    

レプリカでも 作品の前で写真が撮れたのわ 嬉しいのだ


そして ウキウキ気分で 会場内に入ったのだ

これも 前期と後期に分かれていて ぼくらわ 前期に見に行ったのだ(今わ 後期展示なので ご注意なのだ)

若冲さんの作品が主だけど 若冲さんのじゃない作品も 20点?くらい展示してあって 全部で100点以上展示していたのだ

どの作品も素晴らしくて 良かったのだけれど ぼくが ものすごく気に入った作品を 数点ご紹介するのだ

<樹花鳥獣図屏風>なのだ


1センチ間隔の升目を作って モチーフの輪郭線を引いて 1つ1つ升目を塗りつぶして色を付けている絵で たくさんの鳥や 獣 霊獣などが描かれていて 楽しそうで 愉快な動物たちの楽園の絵なのだ ぼくわ あの絵の中に 遊びに行きたいと思ったのだ

えこうが言うにわ この作品に似ている屏風の作品がもう1つあって その作品を隣に置いて 見比べてみたいと言っていたのだ


<白象群獣図>なのだ


<樹花鳥獣図屏風>と同じように 升目を作って 描いている作品なのだ 白象わ すぐにわかるけど 他の動物わ じっくり見ないと 見つけづらいのだ たぶん白象を含めて7匹と思うのだ

白象の鼻に乗っている リスが面白かったのだ


<象と鯨図屏風>わ 2008年に北陸の旧家で発見されたものなのだ


左隻に 背中の身を描かれ 潮を吹く鯨 右隻に 座っている ゾウさんが描かれているのだ しかも ゾウさんの 目を見てみると まつげまで 描かれているのだ この 海と陸の 巨大な動物屏風わ 見ていて笑みがこぼれるくらい良かった作品なのだ


<雷神図>なのだ


雷神が太鼓を追いかけて 落下しているところが描かれているのだけれど 雷神がわんぱくぼうずのように描かれていて 面白いのだ


ぼくが挙げた作品わ ほんの一部だけれど 若冲さんの良い作品が展示しているので ぜひご覧になってほしいのだ

<若冲アナザーワールド>わ 興味がない人でも 見に行ったほうがいいと思うくらい良かった展覧会だったのだ




ここから先わ 展覧会の詳細と えこうの感想を載せるのだ


静岡県立美術館 <若冲アナザーワールド> 5月16日(日)まで

http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2010/01.php

作品リスト
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2010/01_imgs/sakuhin_list.pdf




展示構成

1.若冲前史

2.初期作品

3.着色画と水墨画

4.晩年-多様なる展開

会場の都合上、<2.初期作品>と<1.若冲前史>の順番が逆となって展示していました。若冲の作品を中心100点近くに展示していますが、20点ほどは他の画家の作品となっています。


気になった作品(作者名がないものは、伊藤若冲筆)

27.烏賊図

解説には、『鶏の貴重な初期の作例。主役であるはずの鶏は、後の作品と比べると控えめな扱いとなっている。』と書かれていました。


28.隠元豆・玉蜀黍図(※画像は、隠元図)


タイトルでも分かるとおり、双幅の作品。両方ともにいいのだが、とくに右側の<隠元豆>の方が良かった。下の方にひょこんといるカエルがいい。


36.烏賊図

この作品は、イカの墨で描かれているそうです。


37.芭蕉葉図

この作品は、『筋目描き』という手法で描かれている。

筋目描きの説明・・・『画箋紙に墨をにじませたときに、墨面どうしの境界線に生じる線を積極的に描写に生かす。』


43.寒山拾得図

双幅の作品。子供?と思える可愛らしい寒山拾得が描かれている。


44.寿老人・孔雀図・菊図

3幅の作品。寿老人は後ろ向き、孔雀は横向き、菊は正面を向いて描かれている。中央の寿老人が面白い。


45.布袋図

大きな袋を前に持っている布袋様が描かれているが、前にある大きな袋が、布袋様のお腹のようにも見える。表情は柔和で子供のよう。


49.雷神図


雷神が太鼓を追いかけて、落下するところが描かれている。この雷神は神様というより、わんぱく坊主みたいで面白い。


53.双鶴図・霊亀図

これも、双幅。左側の鶴の胴体はタマゴの様な楕円で描かれ、飛べるのか?と思ってしまうくらいメタボです。右の亀の甲羅は六角形で何重にも筋目描きで表している。


63.鶏図押絵貼屏風

二曲一隻の屏風。右側のつがいの鶏の羽が碁石のように白黒の斑模様で美しい。


70.蛙図

目が出目金のように飛び出ていて、ぷっくりとしたカエルが描かれている。えさを見ているような気がする。


91.旭日松鶴図


松の木がタコの吸盤にように描かれ、鶴の体は繊細なレースのように描かれている。(解説)


100.仙人掌群鶏図 (重要文化財)

対決展以来、2度目。金地の襖に様々なポーズをとった鶏と両端にサボテンが描かれている。遠目から見たときは分からなかったが、左端などにひよこも描かれていた。とくに、正面を向いた鶏が驚いているように見えて印象に残る。

この作品は、千葉には巡回しないそうです。


108.象と鯨図屏風



左隻



右隻


2008年に北陸の旧家で見つかった作品。

解説には、『水辺の白象と海から背中を現した鯨である。白と黒を対比させ、陸も海も対比させている。背地墨を濃くしたり、白く塗り残したりしてかたちを際立たせている。鯨の体は墨の「たらしこみ」を行なったようだ。』と書かれています。

この屏風を見て、海と陸の最大の動物を画面全体を使わずに、ともに屏風の片側の半分にしか描いてないので、より自然(海)を大きさを物語っているようにも思えた。


111.樹花鳥獣図屏風


↑入口にあった高細精複製品(レプリカ)の写真を載せます。

左隻には、鳥たちが描かれています。


右隻には、獣たちが描かれています。


UPで撮った写真も載せます。(クリックすると拡大します。)
      

解説には、
『画面に縦横約1センチの間隔で淡墨線を引いて画面一杯に升目を作り、モチーフの輪郭線を引いたのち、1つ1つの升目を塗りつぶすように着色していく「枡目描き」の技法により描かれる。この技法については、織物の図案による正絵や朝鮮よりもたらされた紙織画から援用が想定されている。様々な動物たちや鳥を描く構成には、涅槃図のような仏画との強い結びつきがうかがえる。』と書かれていました。

前に見たことがある2006年に見た、プライスコレクションの<鳥獣花木図屏風>と隣りに並べて見たいと思った。

※参考として、<鳥獣花木図屏風>を載せます。




112.白象群獣図


モノクロの枡目描きなので、白象以外の動物はじっくりみないと分かりづらい。白象、龍、リス?など、たぶん7匹?が描かれていると思う。白象に白いまつ毛が描かれていたり、ゾウの鼻に乗っているリスなどが面白い。


114.親犬仔犬図

親子の犬が描かれ、子犬は親犬の足にしがみついて甘え、人間のように思える。


116.鹿図

NO.111の右隻の同じ鹿が水墨画で描かれている。墨一色なので、首をのばして見上げる姿は龍のようにも思える。

↓これが、<樹花鳥獣図屏風>に描かれていた鹿です。(高細精複製品の写真)



127.猿蟹図

蟹の背中に馬乗りになる姿は、有名に猿蟹合戦に着想したものか?と解説に書いてありました。


千葉にも巡回するのですが、ひと足早く見れて満足です。閉館間際になると全く人がいなくて貸切のように<樹花鳥獣図屏風>・<白象群獣図>・<象と鯨図屏風>をじっくり見れました。

しいて言えば、<果蔬涅槃図>を見たかったですが、その作品は千葉で見ることにします。
この<若冲アナザーワールド>はオススメだと思いますので、ぜひ、千葉市美術館でご覧になって下さい。


巡回情報

千葉市美術館 5月22日(土)~6月27日(日)
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2010/0522/0522.html


千葉市美術館で見た感想を載せます。

↓前期展示の感想
http://blog.goo.ne.jp/dolci_ekou/e/fef06244694f305bb7c2c5a3ded58f33

↓後期展示の感想
http://blog.goo.ne.jp/dolci_ekou/e/56711ec2b1a61c9352af8f0fc5ad4f24


それから、また各駅電車で4時間近く時間をかけて帰りました。

今回は、移動時間の方が長かったですが、ひと足早く見れたことで、充分に元は取っているような気がします。素晴らしい作品を見れて、大満足でした。

ありがとうございます。