崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

新入生ガイダンスに参加して

2006年04月13日 06時32分36秒 | エッセイ
 日本では博士課程しか教育を受けていない私としては新入生にガイダンスをすることは難しい、否無理である。むしろ学生から多く教えられた。この度のガイダンスでの門司港旅行では学生たちから漫画の読み方とパチンコの国際化などに関する知識を得たのが大きい収穫である。私は漫画やアニメーションの面白さが分からない。小学校の4年生までは読んだけれども、漫画は子供の読み物という偏見を持っていた。学生たちの説明によって多少偏見を捨てることができるかもしれないという気がした。またパチンコの不正を狙って韓国や中国からいろいろな人が来るという新しい情報も得られた。楽しい時間であった。

季節の変化

2006年04月12日 18時17分20秒 | エッセイ
 地球上には季節の変化がそれほどはっきりしていないところも多い。日本と韓国はほぼ同様の四季を持っている。厳寒と暴雪の冬が過ぎて桜が満開のこの季節を迎えることはほんとうに幸せである。しかしこの下関では桜がちょうど満開の時に、暴雨と暴風で花見を楽しむ出来なかったことは残念であった。でも花は桜だけではない。日本では桜に集中して花見をするためか、桜が散ってしまうと花の季節が終わったような感じになるが、これからいろいろな花を楽しめる。桜の次は山桜、山つつじなどが咲く。しかし、桜ほど注目されることは無い。桜は「花見」という文化が加わって成り立っているからである。私は山をピンクに染める山つつじが満開になる5月になると朝鮮半島の山を懐かしく思う。

出版記念祝賀会

2006年04月09日 16時58分32秒 | エッセイ
 昨夜はこちらの下関韓国教育院の李先生の主催で民団団長李相福氏、朝鮮総連委員長沈盛久氏、山口新聞社支社長の佐々木正一氏、読売支局長の南隆洋氏、朝日新聞記者の山下知子氏、梅光大学の韓国語講師権氏、北九州韓国語弁論大会実行委員長の金桂満氏、ノンフィクション作家の李隆氏などが集まって拙著『差別を生きる
在日朝鮮人』出版記念祝賀会を行ってくれた。普遍的な差別現象と在日の差別の問題が話題になった。
 この集まりでは民団団長と総連委員長が並んで座って協力関係の構築に関して話したこと、これを契機に研究会談話会でもできたらと私は思った。私はこの本を書いた趣旨について差別自体を敵としておりそれをなくすためだと主張した。

差別されている

2006年04月07日 20時26分42秒 | エッセイ
 私は差別されるという在日の被差別体験を持っていないと書いた本が出たばかりであるが、今日突然在日の30代、朝鮮籍の女性が研究室に訪ねて来られ、朝鮮人社会からも日本社会からも差別を受けて、どうにもならない状況であるということを訴えながら大声で泣いた。2時間くらい泣た後で少し話が出来た。話を聞いて、私は日本の社会の問題もあるが貴方自身はどうなのかと訪ねながら、肯定的な生き方を勧めた。私は帰宅路で日本の社会がはたして良い人文環境であるのだろうかと考え、不安に落ちていた。彼女が差別され、悲嘆にくれている姿に大きなショック受けた。そして悲しい一日であった。

君の名は

2006年04月06日 22時33分24秒 | エッセイ
 日本では戦後純愛映画が流行ったが過ぎ去った。そしてミステリーやSF流、漫画などが盛んになった。今「君の名は」が再放映されている。私にとって「冬のソナタ」のブームから想起されたのがこの映像であったので、以前からこの映画を探していたところであった。楽しく視聴している。数十年間、日本は純愛などの愛情物語を失っていた傾向にある。その隙間に日韓関係、国際化に拍車がかかって韓国の冬のソナタに始まる韓流が始まったのかもしれない。もしかしたら冬のソナタに刺激され「君の名は」が再登場するようになったのかもしれないと思ってみた。

ハングル講座の開講に

2006年04月05日 11時09分48秒 | エッセイ
下関市韓国教育院のハングル講座の開講式に行って挨拶をした。聴講生の年齢や性別、またいろいろな職種の方々などバランスが取れている。。終講段階には韓国旅行が予定されており、現場で学んだ語学の実習があるという。生き生きとした表情には情熱が表れている。さらにプロの講師の教授法も素晴らしく、楽しいクラスになりそうである。このクラスに希望が感じられてうれしかった。

波市に関する研究

2006年04月03日 21時53分19秒 | エッセイ
 戦前吉田敬市が韓国西海のグチ漁業の盛んな地域に臨時市場の「波市」に関する研究があって、私は1980年代にその現場の調査をして、韓国で最近翻訳書を出版した。それを参考に高麗大学大学院の徐鐘源氏が「波市」を研究して修士論文を書いて送ってきた。研究したものが批判されることもあっても、またこのように引き続けられ発展されることをみると嬉しい、一方、年を取っているとも感じる。

日本の官僚制度の限界

2006年04月02日 18時49分53秒 | エッセイ
 韓国から下関に派遣された通商関係者に会った。彼は日本の官僚の態度を非難していた。強風のために遅れた貨物船が到着した日が到着予定日と異って休日となってしまったので税関業務をしてもらえなかった。それで、運搬した品物が使えなくなった。その事情をあらかじめ連絡して相談したが対応してはもらえなかったというつらい思い出を語った。決められたこと以外は融通が利かないということは当然であるかも知れないがよい官吏とはいえない。規制緩和とはいっても人の能力を縛っているような規制のために日本は韓国に遅れてしまうのではないかと思われる。

花見は日本文化

2006年04月01日 21時02分44秒 | エッセイ
 民団下関市支部の花見に参加させていただいた。しかし、あいにくの天気で桜はまだ1分も咲いておらず、寒い風が吹いて花見の雰囲気ではなかったけれどもいろいろな方々との交流は楽しかった。韓国では伝統的に「花迎え」という言葉があるが、日本の花見のように一般化されてはいない。それでも桜が咲く頃花見をする人もいるのは日本植民地時代の残滓である。それには抵抗感を持つ人もいる。しかし花見は様式や形式よりも純粋な心で花を鑑賞する事で良いだろう。その意味では韓国の「花迎え」が良いかもしれないと考える。