崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

風刺漫画

2006年04月21日 18時09分27秒 | エッセイ
 イスラムに関して講義を始めるにあたって去年の9月30日に、デンマークの『ユランスポステン』新聞が、イスラム教の預言者・ムハンマドの風刺画を12枚掲載したことを扱った。ムハンマドの過剰な髭など、特に頭が爆弾という描写も、イスラム教=テロリストというイメージにしているが、イスラム教ではその内容の侮辱より“偶像崇拝”禁止という宗教的な意味において、イスラム諸国が反発した。その抗議に対し、『言論の自由』という世俗的な理由で対応した。
 漫画で自由に描けることは『言論の自由』がある国であろう。韓国では独裁政権時代に大統領と似た顔のコメディアンが出演を禁止されたこともあり、特に今の北朝鮮では将軍様を漫画で書くことは出来ない。日本はどうであろうか。日本では天皇、国旗などへのタブーは強く残っている。つまり聖域はそれぞれの国家、社会にあることを理解することが必要であろう。