崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

組閣とリーダーシップ

2010年09月16日 04時50分25秒 | エッセイ
 菅内閣の組閣にシャーマンのリーダーに関する私の研究を思い出す。そのリーダはクッを行うたびに自分の人脈を利用して15人からなる儀礼団を作る。それは儀礼を効果的に行うための一時的なものである。メンバーたちの横関係などや永続的なグループではない。専門的にはアクションセット(action set)という。その良いリーダーとはその村において住民との関係、シャーマンたちの能力を考慮して儀礼を効果的に行うように作る。そのメンバーの中には互いに人間関係が悪い者が参加することもある。しかしリーダーとの関係を優先する。私が調査した儀礼には本妻と妾が一緒に参加したことがある。仕事を徹底的に成し遂げることが鉄則である彼らの中では問題が発生することはない。そこではリーダーシップが重要視される。
 今民主党国会議員の全員野球という発想から組閣する上リーダーシップが問われている。適所適材の原則では寄せ集めのようになり横関係が悪くなる憂いがある。しかしその人たち(内閣)の素質や能力を発揮させるのが良い親分であり、良い内閣総理である。そこに人格とパワーが問われる。組閣発表を楽しみにしている。
 

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