崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

甘さ

2009年11月27日 05時15分13秒 | エッセイ
 韓国人が日本の食べ物は甘すぎというのを頻繁に聞いている。韓国の辛さに反して日本の食べ物は甘いと言える。日本製造のキムチ、海苔巻、お稲荷などまで砂糖を入れている。甘さが美味しさを主導するものが多く本質の美味しさが分かりにくいものが多い。人間社会が甘さを探ってきた歴史は長い。15世紀ポルトガルがアフリカに砂糖を求めた植民地対象の食品になって以来、西洋諸国は植民地プランテーションとして大量生産するようになり、ブラジル、インドネシアなどはコーヒーと砂糖が有名になった。(写真はイギリスブリストルの大英植民博物館で2008年展示している砂糖などの植民地食材)日本は沖縄と南洋などでサトウキビを栽培し、比較的に砂糖が豊富である。しかし韓国には砂糖キビはなく、高粱などを長く煎じて作る「朝鮮飴」位であった。ただ戦後アメリカから軍儒品として入り、多く普及されるようになり、以降アメリカの「飴玉政策」(ごまかす、騙す)ともいわれるほど砂糖が豊富になった。苦い薬を飲む時飴玉を舐めるなどに利用し、苦さをカンプラージュするような、「サタンバリム사탕발림(砂糖塗り)という否定的な言葉がある。砂糖には否定的な言葉も多い。
 私は料理が上手くない人が砂糖を大量に使うという偏見のような感をもっている。お土産の多くの何々マンジュウなどには常に甘過ぎると感ずる。甘さが食材質の味を補助するのではなく、甘さが味を主導するように感じる。あんこなどの小豆の味を感ずることもできない。特に長崎カステラは砂糖の粒さえ残っているのが特徴と言える。甘さの高い食品には腕前が疑わしい。
 韓国や中国の料理より日本の料理は砂糖を多めに使っている。だから韓国人は日本の食べ物を「甘い」という。それは食品に限るものではない。日常生活でも甘えたり、甘やかすことも一般的である。甘さは日本人の食文化であるからよそ者が文句を言うべきではない。日本語のレトリックにも甘さが高い。中でも褒め殺しが一番恐ろしい。いろいろと甘さを若干減らしてほしい。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿