崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

ものまね番組

2012年12月29日 04時18分55秒 | エッセイ

 私は子供の時から真似することを蔑視し、創造だけを高く評価するような価値観で育ってきたので物真似は正体より非常に低級な稚拙なことと思っていた。しかし最近「ものまね」番組をおもしろく視聴するようになった。物真似といっても声帯真似から動物真似まで様々である。物真似を楽しむためには本物を知らなければならない。本物が真似されるからである。本物が真の正体といえば物まねは偽りの偽物である。本物が創造的であれば物真似は真似に過ぎない。ものまねの面白さの本質は何処にあるのだろうか。顔つきや表情、服装などで真似をするパフォーマンス、それが面白いのだろうか。

 真似する人はまず正体の特徴把握、それを美しく、面白く演ずる。真似が本物を超越することはできないが、面白さでは本物を越えなければならない。したがって物真似とは正体を素材にして創作しているといえる。我々は先祖、先生などから学ぶというが真似をするかもしれない。つまり人の真似から文化人になろうとしていると言える。ファッションの本質もその真似類である。しかしただの真似ではなく、自分の個性に調和するパーソナリティを創造すべきである。国家社会においても先進国をただの真似ではなく、自国の特徴にあうように創造してほしい。真似の面白さの本質を考えながら物真似をみるのが楽しい。

 


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