留学生の母親が韓国ソウルから訪ねてこられた。彼のお母さんは専門大学の教授、私の生まれ故郷の近いところに住んでいるというので、緊張する韓国の南北情勢、戦争への脅威の話をイントロとした。「それは全然ない」といい、南北の対話への動きさえあるという文政府の雰囲気が伝わってきた。初対面ではあるが私への情報は得ておられるようであった。韓国入試所長から大学には韓国語ができる韓国出身の私がいると十分説明されたという。しかしそれらは私が留学して、成功した、(?)人物のサンプルのような印象だったと言う。私の苦労話は一切入っていない。『雀様が語る学問と人生』の韓国語版をさし上げた。
彼は好きなドラム演奏者から日本留学へ変換、親の反対をおし切って、日本の女性と学生結婚をした。そのストリーは韓ドラが目の前で語られ、時には論争のようになり、わが夫婦は毎晩見ているKBS「輝けウンス」のドラマを鑑賞しているような気分だった。彼が日本女性と結婚したことと、私が同じように日本女性と結婚していることを知って驚いておられた。彼はここは日本だと母親に注意しながら私の日本文化論を代弁するように日本では「・・・してはいけない」、「日本人の表現はこうだけど、実はこんな意図がある」などと分析して語っていた。彼が私を見本に立派な学者になりたいという話を聞いて母親は少し安心したようだった。