崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「先生のような生き方をしたい」

2015年01月22日 05時35分58秒 | 旅行
 昨日は文化人類学の後期最終講義だった。イントロで二人の日本人がイスラム国に拘束され、身代金を要求され、殺害の脅迫を受けている難しい問題に触れた。イスラム等異文化への理解という私の意見に正田君がテロを容認することではないのかと反論があり、議論になった。テロ自体への処罰はもちろんであるが、テロを起こす環境を作るのではないか。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の共通の唯一神信仰を基礎とし偶像崇拝を許し堅い信仰によることへの理解が必要であると話した。学生の中にはヒンズー教とイスラム教、キリスト教、仏教の信者たちがいて宗教問題と関連して私の講義は平和主義の話になり、特に信仰の世俗化の肯定的な意味を語り、終わった感がある。
 昨日は普段は静かな実習室などには学生たちが卒論準備のために多かった。私は4人の学生の卒論などの相談を受けた。日本の野球の特徴、食べ物のサンプル、山口百恵、ホテルのお客サービスなどに私の関心と合わせてコメントをした。対話の中、意外の話が出た。韓国からの留学生から「先生のような生き方をしたい」という。日本で勉強をして大学教授になりたいという。私の人生は決して平坦ではなかったので学生のモデルになってよいだろうかと自分を振り返ってみた。先日本欄で紹介した眞鍋氏の著書に触れられたSさんのことも思い出した。彼女もそのような希望を持って留学をしたが病気になり、亡くなった。来年度には留学生がかなり多くなる予定である。よりよい講義をしたい。
*写真は中国・中山大学で発表した私の講演と討議が掲載されている報告書