崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

北京の汚染

2007年09月15日 06時59分24秒 | エッセイ
 飛行機が北京空港へ着陸態勢に入り、雲層を通過するので、久しぶりの北京を見下ろそうとした。しかし、それは揺れを引き起こす雲層ではなく、汚染層であることが分かった。市内の中心地にあるホテルへ向うタクシーから新しい高層ビルが聳えているのが目に入る。それより霧がかかったような煤煙、長い直線の長安路の交通渋滞にはとても失望した。ホテルに着く前から「脱出」したい気持ちだった。オリンピック開催の準備のための建築からの塵と自動車の排気ガスなどによるものといわれる。一昔前の日本や韓国の汚染を思い出す。近代化の必要悪であろうか。しかしその汚染の程度は桁違いである。中国は黄砂などで東アジアの空を被うのは毎年のことである。最近まで高級レストランやホテルなどでも唾器を置いていたが、さすがに今は見当たらない。しかし、この調子だとオリンピックの準備にはまた唾器も用意しなければならないのではないかと感じた。