崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

伊藤亜人『韓国夢幻』感想

2006年03月13日 06時56分34秒 | エッセイ
 伊藤亜人著『韓国夢幻:文化人類学者が見た七〇年代の情景』が新宿書房から送られてきた。著者の34年間にわたるフィールドの地、珍島、安東に寄せる思いを綴り、70年代の生活写真180点を収録したものである。私も写真を整理しており、彼が韓国を調査している時代から付き合っているが、彼の人生も写真もダブっているようであり、懐かしく拝読した。
 私個人はかなり変わったとは思っても実際にはあまり変わってはいない。写真を見ているうちに社会というものがこんなに早く変わるものかと驚くばかりである。その韓国社会の激変の時代が朴大統領のセマウル運動であった。私はそれについては民博で発表した時、伊藤氏と昔話のように盛り上がってしまったことを覚えている。失われ、忘れ去られた時代をもう一度、当時の風景をみながら自分の人生を振り返ってみた。