verse, prose, and translation
Delfini Workshop
箒木
旧暦3月23日、木曜日、。洗濯物がよく乾いた。終日、仕事。
◇
溝口健二の「新・平家物語」を観た。かなり大掛かりなスペクタクルで楽しめたが、山場になりかけて終った感がある。あれでは、前編終了という感じだ。一つ気になったのは、市川雷蔵をはじめ、出演者がみな東京言葉であること。しかも、女性は、山の手っぽい。これでは白ける。当時の言葉を再現するのは至難なんだろうか。現代人にもわかるような再現の仕方もあるような気がするのだが。
◇
十年以上使ってきた電話・ファックス複合機が、エアコンから洩れた水滴を浴びて、とうとうご臨終になった。電話が定期的に繋がらないようになってしまったのだ。新しい複合機に買い換えて驚いた。ファックスは、今や、感光紙を使わないんですね! 普通紙でプリンタと同じように出てくる! これから、何ができるのか、どうやったらできるのか、マニュアルを眺める日々になりそう。
◇
この数日、朝起きると、飴山實(1926-2000)の俳句を読んでいる。「花浴び」から遡って今「次の花」を読んでいる。そこにこんな句が出ている。
石走る水のとばしり箒木に 實
實の句を読むと感嘆するのは、実にさまざまな言葉を知っていることである。驚くばかりに言語的な世界が豊穣なのである。このため、辞書は欠かせない。ぼくの教養のなさもあるのだろうけど、世代的な教養の違いというものも感じる。こういうとき、電子辞書はありがたい。串刺し検索ができるので、ベッドで寝転がって読んでいても、同時に何冊も辞書を引くことが出来るからだ。
箒木(ははきぎ)は、箒草のことで、夏の季語。とばしりは、ほとばしる。この季語、箒木を調べていて、面白い、伝説に行き当たった。
信濃の薗原にあって、遠くから見るとあるように見え、近く寄って見ると形が見えないという伝説の木。(広辞苑)
上記を踏まえて、情があるようでないようすをたとえていう。(全訳古語辞典)
箒をウィキで調べてみると、非常に面白い。ウィキ「箒」。
箒木
伊那郡阿知村
箒木とは、園原の伏屋といふところに生へるといふ木で、遠くから見ると箒のやうに見え、近づくと何も見えないといふ峠の木である。木の下の小屋で行なはれた忌籠りについての伝承だらうともいはれる。園原は伊那郡阿知村智里の台地をいふらしく、現在は中央高速道のインターチェンジの名にもなった。
○園原や、伏屋に生ふる帚木の、ありとは見れど逢はぬ君かな 坂上是則
○ありと見て尋ねばこれもいかならむ。伏屋に咲ける山の初花 宗良親王
俳句の季語は深い世界があって、飽きない。
◇
溝口健二の「新・平家物語」を観た。かなり大掛かりなスペクタクルで楽しめたが、山場になりかけて終った感がある。あれでは、前編終了という感じだ。一つ気になったのは、市川雷蔵をはじめ、出演者がみな東京言葉であること。しかも、女性は、山の手っぽい。これでは白ける。当時の言葉を再現するのは至難なんだろうか。現代人にもわかるような再現の仕方もあるような気がするのだが。
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十年以上使ってきた電話・ファックス複合機が、エアコンから洩れた水滴を浴びて、とうとうご臨終になった。電話が定期的に繋がらないようになってしまったのだ。新しい複合機に買い換えて驚いた。ファックスは、今や、感光紙を使わないんですね! 普通紙でプリンタと同じように出てくる! これから、何ができるのか、どうやったらできるのか、マニュアルを眺める日々になりそう。
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この数日、朝起きると、飴山實(1926-2000)の俳句を読んでいる。「花浴び」から遡って今「次の花」を読んでいる。そこにこんな句が出ている。
石走る水のとばしり箒木に 實
實の句を読むと感嘆するのは、実にさまざまな言葉を知っていることである。驚くばかりに言語的な世界が豊穣なのである。このため、辞書は欠かせない。ぼくの教養のなさもあるのだろうけど、世代的な教養の違いというものも感じる。こういうとき、電子辞書はありがたい。串刺し検索ができるので、ベッドで寝転がって読んでいても、同時に何冊も辞書を引くことが出来るからだ。
箒木(ははきぎ)は、箒草のことで、夏の季語。とばしりは、ほとばしる。この季語、箒木を調べていて、面白い、伝説に行き当たった。
信濃の薗原にあって、遠くから見るとあるように見え、近く寄って見ると形が見えないという伝説の木。(広辞苑)
上記を踏まえて、情があるようでないようすをたとえていう。(全訳古語辞典)
箒をウィキで調べてみると、非常に面白い。ウィキ「箒」。
箒木
伊那郡阿知村
箒木とは、園原の伏屋といふところに生へるといふ木で、遠くから見ると箒のやうに見え、近づくと何も見えないといふ峠の木である。木の下の小屋で行なはれた忌籠りについての伝承だらうともいはれる。園原は伊那郡阿知村智里の台地をいふらしく、現在は中央高速道のインターチェンジの名にもなった。
○園原や、伏屋に生ふる帚木の、ありとは見れど逢はぬ君かな 坂上是則
○ありと見て尋ねばこれもいかならむ。伏屋に咲ける山の初花 宗良親王
俳句の季語は深い世界があって、飽きない。
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