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フランス語になった俳人たち(2)

■旧暦4月12日、水曜日、

(写真)初夏の草花(名は不詳)

珈琲メーカーがいかれてしまって、買いかえに柏まで。佐藤優の『獄中記』を購う。佐藤君と面識はないが、大学時代よく話に聞いていた。




涼しさを我宿にしてねまるなり
  芭蕉


Dans la fraîcheur
je m'établis―
et je m'endors



涼しさの中に
わたしは安住している

そして眠るのだ


※Traduction de Corinne Atlan et Zéno Bianu
HAIKU Anthologie du poème court japonais Gallimard 2002

■この句をフランス語に訳すのは難しかったろうと思う。句中の「切れ」を仏訳に入れているところに苦心が伺われる。芭蕉のオリジナルバージョンの5・7は、「涼しさを我宿にして」である。この意味は、確かに仏訳のように、「涼しさの中に己を据える」ということだろう。オリジナルバージョンは、二つの素材を詠んでいるわけではなく、一物仕立てになっているから、句中に「切れ」はない。フランス語で「je m'établis」とすると、これだけで、一つの内容を持ったフレーズになる。ここをジェロンディフにして、後ろから主語を修飾させたらどうだろうか。


Je m'endors
m'en établissant
dans la fraîcheur


わたしは眠る
涼しさの中に
宿りして


これで文法的に自然なのかどうか自信はない。ご教示いただければ幸いです。
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