一句！《１５１４》

梅雨空に
走った簾？が
阿波踊り！！《爆》

黄昏れどきの神戸市内に、突然降り出したハゲしい雨。

ちょっと涼しくなったからか、ポロシャツ姿で散歩に、遠出した、年頃６０は、とうにすぎたであろう、スダレ満月頭のオヤジ。

この、いつ来るか分からない梅雨空の下で、傘はおろか、帽子も被らず、タオルも持たず、の～んびり歩いていたの…。

あぁ、急に降ってきた雨に、頭部に手をかざしながら、猛ダッシュで走りだした。

俺の、一体どこに、こんな素晴らしい運動神経が残っていたのか、あわてる最中にも、心の数％では、しかし、確実に、ある種の恍惚たるものを感じつつ、また一部でアキレス腱は大丈夫か…、などとチラリ心配しながら、濡れまいと、必死に激走したのであった。

がぁ、右手、次は左手…もう前は見えなくたって両手で、スダレ頭をおおっても、それは、あぁ、むなしいだけの、あがきでありますた。

いまは六月っすが、五月雨に集めてハヤシ、最上川…とゆふ句もありますけれど、オヤジの頭には森も林もないのです。

雨は、縦横無尽に、容赦なく、スダレをたたきつけ、したたり、流れ落ちる、滝汗状態。風邪ひくよぉ～。ったく！

ミジメ～！

だから、だからこそ、手をかざさざるを得ない、情けない心情は、同じ人間として、痛いほど理解できるわけでありますが…。

やがて、満月の、そのスダレオヤジの左右の手の、交互に繰り出されれ活発なハゲしい動きっぷりが、真夏の徳島のアレ…そ、そふなんです川崎サン！

まさに、阿波踊りに見えてきて、なんとも、あひゃひゃ。

そのやうな、光景を、道路のトイメンのバス停で、この三日間で三本の傘をなくした、ほぼ同年輩の白髪頭オヤジが、ボ～っと、突っ立つて、口元をシニカルに歪ませながら…バカっぼく凝視していた。

と、ゆふ図っす。

白髪頭オヤジは、もちろん、アチキでおまふけれど、何か？

四本目の傘は、なくさなかったしさ。