いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

岐路に立たされる対アフガン政策

2009年01月24日 13時28分54秒 | 外交問題
オバマ政権の新たな方針は明確になってはいないが、就任前の考え方としては、イラク撤退を進めるとともにアフガンに重点を置く、ということであった。この基本方針を果たして貫けるのか、という疑問はあるのである。それを阻害する要因はいくつか考えられるであろう。


1)予算の問題

戦争とは、昔から「金」の戦いである、というのは変わっていないだろう。戦士の食糧調達から始まって、傭兵の給金(報酬)、装備品や兵器、病気…etc.色々とあったわけだ。戦費負担が続けられない王様や貴族や富豪は負けていた、というか、停戦合意を取りつけるか、参った降参となるとか逃げてゆくとか、破産するとかだった。現代においても、基本的には変わっていないであろう。

米軍のイラク撤退で若干の余裕が生まれるとしても、それがアフガンに向かうのであれば、戦費負担が重く圧し掛かることになるのは同じだ。米国自身がいつまでこうした戦費を出し続けられるのか、という問題がまず第一にある。昨今の経済情勢と国内経済問題を抱えながら、巨額の戦費を出すことについて疑問を生じることはあるだろう。アフガン戦争の長さについても、次第に厭戦気分を高めることになるだろう。5年以上も戦争をやっていると、多くの場合には「もう止めよう(止めたい)」という国内意見は強まることが予想されるからだ。

第二に、米国以外の国々がいつまで続けられるのか、という問題がある。
この危機に直面しているのは、恐らく英軍だろう。今の英国の経済危機は多分深刻なものだ。そうなれば、長々と戦争を続けるという思い負担には耐えられなくなっていく可能性が高いだろう。国内の財政事情でさえ「火の車」なのに、わざわざアジアの辺鄙な山奥に行って戦争を継続しなければならない、ということに苛立つ人々が増えてくることは容易に推測されるのだ。これは他のNATO諸国にも同じく言えることでもある。
欧州人の昔からの癖(笑)というわけではないかもしれないが、十字軍を思い出だすとよいだろう。
キリスト教徒の為に戦おう、聖地を奪還しよう、とか言っても、段々金に窮すると、賛同していた王様や貴族たちだって「もう参加しない」とか「今回はパスね、見送らせてもらう」とか言って、抜けてゆくケースというのはよく散見された。それとあまり大きな違いはない。抜ける国々が出てくると、主力となる国(今までは英米)にとっては負担が増大してゆくことになる。ラグビーで15人が揃わなくなり途中で3人抜けてしまうと、残った12人で15人分の働きをしなければならず、個々の負担は大幅に増えることになるのと同じだ。

つまり、戦争を継続する為の金がいつまで続けられるか、というのが大きな問題なのである。


2)中央アジア情勢の変化

これも以前から判っていたことだが、米国の置かれている状況は厳しくなっている。

以前に書いた通り、米軍はウズベキスタンのハナバード基地から撤退させられた。
米軍基地問題についての補足

(因みに、この中で「仕掛けてきた連中」を叩き出すまでは許さん、と書いたのだけれども、これは本当になってしまったね(笑)。別に呪術でも預言でもないけれど、結果的に彼らは出て行くことになってしまったわけだ。人生って不思議でしょ?汚い手を使うから、こんなことになるんだよ。これ、ホント。)

そればかりか、マナス基地を失うことになったわけだ。
08年2月28日>世界は広いね

これも現実になったでしょ?
09年1月17日>オバマ政権のアフガン戦略に打撃、キルギスが米基地閉鎖へ 国際 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

要するに、米軍の拠点を次々と失っている、ということです。航空戦力が十分使えない、ということになってしまって、広い地域に人力で対応・展開せねばならず、カバーしきれていないということでしょうね。これは過去のアフガンでの戦争でも大体同じ。
アフガニスタン問題に日本はどう対処するか

かつて英軍がアフガンを攻略するのは簡単だったが、その後に実効支配を維持するのが困難なのだ。まともに向かってくる敵に対しては、軍事力の差が歴然としている分だけ圧倒的に勝ってしまえるけれども、そのあとから続くのが「全土を支配下に置く」という困難な作業なのである。過去の英軍というのは、悉くこれに失敗したということに他ならない。だからこそ、軍隊を引き上げざるを得なくなるわけで。

旧ソ連の侵攻後にも、01年以降の戦いでも同じで、当初の戦闘には成果はあるものの、その後の支配体制確立までは程遠いのだ。


昔、家康が天下分け目の関が原で1600年に勝利して、幕府を開くまで3年、豊臣勢を排除するのに2度の大坂決戦(冬の陣、夏の陣)が15年かかっており、国内の安定化にはかなり時間を要するのが普通、と考えるべきだろう。島原の乱が1637年だから、国内戦争が消えてゆくように支配するのは、かなり大変なことなのだ。

また、明治維新時期には、1867年大政奉還、翌68年より明治の元号となり新政府が実効支配したものの、戊辰戦争は69年まで続き、国内反政府勢力排除までには長い時間を要した。77年には西南戦争が起こり、大日本帝国憲法発布の89年、帝国議会が90年と、混乱期から国内戦争が治まって政治基盤が整うまでには約20年かかっている。だから、そう簡単にはいかないだろう、というのが、普通の考え方なのではないだろうか。


オバマ政権のアフガン戦略は、こうした阻害要因を乗り越えないと成果を得ることは難しいだろう。日本にこれらの肩代わりとか一部責任を求められても、出来ることは限られているだろう。



米国債保有高増加ランキング

2009年01月23日 20時25分55秒 | 経済関連
前の記事の続きといいますか、予告していた別な話ね。


単純に08年と07年の持ち高を比較して、07年時点から増加した割合が多い地域のトップ10を抽出してみましたよ。


(07年11月→08年11月)

            (億ドル)(増加率)
1.ロシア        +446  +133%
2.ノルウェー      +315  +114%
3.英国         +1859  +106%
4.カリブ海       +1128  +104%
5.アイルランド    +177   +101%
6.スイス        +249   +65%
7.中国         +2230  +49%
8.産油国       +593   +43%
9.香港         +143   +28%
10.タイ         +76   +28%


このランキングを見ると、元々の自国通貨がちょっと脆弱か、若しくは金融危機のダメージを受けやすくてドル準備を多く求められるような地域が入りやすいのかも?と思った。
だって、ロシアとか、いかにもじゃね?(笑)
絶賛売られ中のUKとかも、それっぽくない?
アイルランドもいい勝負?だし。


後は、外貨の獲得が元々多いというのもあるかな。
例えばノルウェーや産油国の増加は、そういった部分が強いんじゃないかな、と。中国もそうだね。

それと、カリブ海関係の所謂タックスヘイブン地域は、かなりの持ち高があるんだね、ということかな。オランダ込み、ということのようなので、それぞれがどの程度の持ち高なのかは判らないけれどもね。知らなかったよ。


因みに、日本は選外。というか、マイナスだし。
カナダやシンガポールもマイナス。
韓国もマイナスだったけど、これは別な意味でマイナスなのかも。少なくとも、日本、カナダ、シンガポールとは違いそう。


ま、興味深いというのは、色んな意味において、ということでございます。

(笑)



経済危機の一因は中国?

2009年01月23日 17時05分41秒 | 経済関連
ポールソン発言が発端となり、米国メディアの論説にも反感を覚えた中国、ということのようだ。

「金融危機の原因は中国の高貯蓄率」は責任逃れ -- pekinshuho


確かに、どちらの言い分も判らないでもない、という部分はある。この問題についてもう少し考えてみたい。


①「中国は被害者」という言い分

これは、間違いではないだろう。元々はサブプライム・ローンという米国発の借金が問題となったわけだから、その点においては中国側の言い分は間違いではない、ということだ。ただ、そのことは今回の経済危機全体の本質的な話と繋がっているかと言えば、そうでもないだろう。なぜなら、米国発の「この借金」が悪いことの原因であり、そこに全ての問題が集約されているなら、損害額は高々知れているであろう。これほどまでに大きなダメージとはならない。もっと世界経済全体を巻き込むような、大きな欠陥が潜んでいない限り、ここまで世界中に経済危機は拡散したりはしなかったであろう。


②ITバブル崩壊後に世界は何が変わったか?

世界的に起こった最も大きな変化を挙げよと言われれば、「中国の台頭」、これに尽きる。世界経済のうちの労働供給に大いなる貢献をしたであろう。これまでに国際貿易という世界経済機構に参加していなかった数億人が、一気に流入してきたのだから。これまで日本や欧米等の先進国で行われてきた労働のかなりの部分が、中国に移っていった。このモデルは新興国にも当てはまる部分はあるだろう。かつては先進国の住人の中だけで、靴やパンティやバスタオルを作ったりしていたのを、今度は中国やメキシコなどで作るようになったのだ、ということ。更には、台湾や韓国で組立ていたパソコンも、中国に部品を全部持ち込んで(一部は中国で生産して)組み立てられるようになった。中国は「世界の工場」となった。


③中国経済の傾向

貿易依存度が高く、名目GDPの約4割に達する(日本:約16%、米国:約12%)。逆に家計消費は過少であり、僅かに35%程度しかない(日本:約60%弱、米国:約70%)。政府最終消費支出も少ないので、中国経済は消費のウェイトが小さい、ということになるであろう。代わりに、固定資本形成が多い。

全体像としては、海外からの投資呼び込み(=人口規模、潤沢な低賃金労働力など)、ということが第一である。市場規模は、単独でもかなりの大きさを持つので、需要増が期待された。近年は都市部において賃金上昇率が高くなり、コスト競争では圧倒的優位ということではなくなってきたが、それでも一人当たり所得の低さなどは他の先進諸国に比べるとまだまだ優位である。
第二は、組立(加工)貿易等を中心とする輸出である。世界第三位にまで成長した輸出高によって、外貨を獲得し続けてきたということになろう。この外貨の使い道が恐らく問題になるのだ。
第三には上記で触れたように、国内の個人消費が弱く、貯蓄率が異常に高いということがある。


④「中国マネー」はどのような影響を与えたか?

米国以外の第三国への資金投入ということが行われるようになった。例えば、アフリカや中央アジアなどの途上国と呼ばれる国々に対して、中国マネーが向かうようになり、中国の政治的価値を高めることに用いられたという面がある。同時に、資源戦略ともいうべき先行投資とも見ることができるであろう。

そして、今回槍玉に挙げられたのは、中国マネーが米国に向かった、ということであろう。これは以前から謎とされていた現象の一部であるかもしれない。
「インフレ期待」封殺を目論む日銀総裁

この記事中で触れたけれども、米国長期金利(国債指標金利)が上がっていかない、という05年当時の謎のことだ。

米国の金利引き上げは続けられていたわけだが、短期金利が高くなるものの、国債金利が上がっていかないという現象があり、金利差だけでは説明が難しいという要因であったのだろう。判りやすいのは、記事中にも触れたように、新発米国債の需要がかなり多かったのではないか、ということだ。その買い手になっていたのは…そう、誰もが思うように、中国だった、というわけだ。


⑤中国の外貨準備高は08年末まで増加の一途を辿ってきた

中国国内には投資対象が限られるということがまずあって、投資資金や投資主体は主に海外勢であったのではないか、ということだ。日米欧の投資額は06年以降には既に減少(前年比マイナス)に転じており、それ以外の国々が対中投資をしていたのだ。また、中国が輸出で獲得した外貨は、中国国内投資にはあまり使われず、海外に資金が向かったものと思われる。それは、先の第三国投資や米国への投資、ということであろう。

その傍証としては、06年秋に日本を抜いて外貨準備高世界1位になったこと(約1兆ドル弱)、その後も増加を続け、08年末には1兆9千億ドル以上と、2年で約2倍の準備高となった。ドルの保有分のうち、米国債購入に充てられる額は増大を続けた。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES

こちらの資料によれば、中国は日本を抜いて米国債保有1位となっている。08年11月時点の持ち高は6819億ドルで、日本より約1千億ドルも多いのである。
(この資料は中々興味深いので、後ほど別な話も書いてみたいと思う)

中国の外貨準備高約2兆ドル分あったうち、約6800億ドルが米国債だとして、残りは何なのか、というのが気になるところです。先日、この外貨準備金の損失が拡大して準備高が減ったという報道があったが(確か1兆6千億ドルに減った、とか)、それはどういった損失だったのかは不明である。

ただ言えることは、米国債の購入が中国や産油国(特にドルペッグ国)の潤沢な資金によって買われていた為に、米国の長期金利が抑制された状態が継続し、結果的に「借り手の調達金利」までもが低い水準となってしまった可能性はあるかもしれない。つまり、ベースになる長期金利が低い水準である為、そこに上乗せされて貸出や投資に回る資金の調達コストがあまり高くはならなかった、ということである。これが借り手にとって甘い環境を作り出し、貸出も借り手の規律も緩んでしまった、ということであろう。

具体的な数字で例を書いてみる。
ある時点で、基準となる長期金利(長期プライムレートみたいなものでもいい)が4%、これにリスクプレミアムなどが上乗せされて、借り手は6%の金利で資金調達する、と。この借りた資金を別な投資対象に投資して儲ける、ということになる。投資や経済活動が過熱してゆくと、中央銀行は金融引き締めに動き、政策金利を引き上げる。すると、基準となる長期金利はつられて上昇することはあるだろう。以前には4%であったものが、金利引き上げによって6%となれば、これに同じリスクプレミアムが乗せられても、借り手にとっての調達金利は8%となり、それだけ投資対象が限られてゆくことになる。これを超えるリターンが期待できなければ、借りないからだ。そうやって引き締め効果が出るはずだったのが、政策金利を引き上げても基準となる長期金利が上がらず(国債の買い手が多数いて、どんどん買われていくため)、その結果投資活動が過熱しているのに借り手の調達コストが上昇していかない為に、これまでと同じリターン水準で投資が続けられていってしまう、ということになるだろう。

ある種の価格調整機構の機能不全みたいなものだな。
それは需要がどんどん増えていっているのに、価格が上がっていかない為に需要抑制には繋がらない、というようなことだ。調達コスト6%の時の借り手にとっての価格は1万ドルにつき600ドル。金融引き締めでコストが8%に上昇すると800ドルに値上がりする、ということになる。この800ドルを上回る投資対象以外には投資できなくなるので、借り手にとっては条件が厳しくなるということになるのである。つまり過熱を防げるということだね。けれど、こうした調達コストの値上がり(=金融引き締め)がうまく機能しないと、短期金利だけが上がるけれども長短逆転現象みたいなことになってしまって、借り手の調達コストの価格(=調達金利)が上がらないままとなる。借り手は安い方を選択すればいいだけだからだ。

これが、過剰貯蓄を原因とする国が米国債買いを行った結果、借り手の調達コスト価格の調節機構を麻痺させたようなものだ、というロジックなのではないだろうか。


⑥何が問題なのか?

ガイトナーが暗にほのめかしていたのは、「中国が為替を意図的にコントロールしているからだ」ということであろう。「オバマ大統領は知っている」という言い方をしていたけれども。

これは確かにそうだろう。
05年に、雀の涙ほどの「たった2%」の元切り上げを行って大義名分を果たしたふりをした中国だけれども、その後のドル元のレート調整は鈍いままであるからだ。これは中国側が意図的に変動幅を抑制しているのであり、結果として巨額の貿易収支黒字を生むのと、獲得外貨でドル(or米国債)を買うとか、米国企業やその他資源関連企業等の海外資産などを買ったりする資金に回されているようなものなのだから。

ドル元レートは05年の切り上げ時に1ドル=8.1100元で、現在は6.8371元である。約4年での変動幅はざっと16%に過ぎず、年に4%増価していけばいいという程度の調節しか働いていないのである。日本だと、プラザ合意以降の急激な円高に見舞われたりして、激しい変動の中を生き延びてきたのだけれども、中国はそういう変化を極力避けようとしてきたのだ。元の為替変動は、判りやすくドル円で喩えるなら、1ドル=150円だったのが、翌年には144円、次の年に138円、次に132円、次に126円という程度である。これが年に4%の増価であって、150円→126円という変化が4年越しで起こりました、というだけに過ぎないのである。全然大した変化ではないのだ(笑)。

中国にとっては、元安を維持する為に国内経済を犠牲にしているようなもので、インフレなどにも悩まされることになるのである。為替の調節機構が働けば、元高となってインフレが抑制されるし、国内経済にとってはプラスに働くだろう。貿易依存度を相対的に下げ、内需拡大には適しているはずなのだ。今の経済構造を続けても、いずれインフレに悩まされるようになるだけであろう。実際、08年には賃金上昇率が2ケタの伸びとなっていたり、消費者物価上昇率もかなり急激なものとなっていた。

なので、変動幅を大きくすることを受け入れるなら、貿易収支不均衡や対外投資不均衡などが緩和され、国内消費のウェイトを多くすることができるようになるだろう。輸出だけで伸びていこうとしても、どこかで限界は訪れるだろう。国民全員が豊かにはなっていかない。通貨高は均等に人々を裕福にするが、外貨獲得(貿易黒字)増大だけではごく一部の人間に富が集まるだけなのである。

これは、日本が得た教訓だ。
「輸出頼み」みたいな錯覚に陥ると、たった2割しかいない製造業のせいで、日本全部をダメにされてしまうわけだよ。
分散投資と同じ意味合いなので、できるだけセクターがバラバラの方が変動に対するバッファーが確保できるのだ。前にも書いたけど、株式の銘柄を分散するのと似ているし、農作物の作付けを「地域、品種、生産物」というように分散している方が危機には耐えられるはず。

なので、貿易ばかりに依存しない経済の方が、ドカンと一発当てられないかもしれないが、逆に変動には強くなるだろう。1銘柄だけに集中投資していれば、値上がり益も大きいけど、損失時にも大きくやられる、ということ。



円とポンドの格の違い(笑)

2009年01月22日 19時21分31秒 | 経済関連
最近注目の話題がポンド安だそうです。

だから言ったでしょ?(笑)
100年に一度の出来事

Wall St.とThe City は、予想通り、ということかもね。


それはいいとして、耳寄り情報を書いておきましょう。

 ※英国債券は「トリプルA」ですから!


ムーディーズさんによると、僅か数年前まで日本国債は「A2」ランクでした。
ボツワナよりも下位の格付けだ、ということで一世を風靡しましたね!
当時、ボツワナ、チリ、中国の国債よりも日本国債の方が下のランクだったわけですよ、お嬢さん!

戦争勃発など地政学的にリスクの高いイスラエルと同じ格付けでした。同じ「A2」仲間ですね。

07年くらいだったか、何の理由もなく格上げになったと思いましたが、今でも「A1」くらいでしたか?もうちょい上がったんでしたっけ?


でもね、英国の格付けは最高ランクですから。大丈夫ですとも。

アイスランドの格付けだって、日本よりははるかに上だったくらいですので、磐石ですとも!

リーマン・ブラザーズだって、日本の大企業よりも上の格付けだったし。
AIGだって、最高ランクの格付けをもらってたことがあったし。

それくらい、格付けというのは素晴らしい、ということです。
ね?さすがでしょう?「格付け」は。


ああ、S&Pとかフィッチは若干違う格付けでしたか?
でも、引下げだったし、英国なんかよりも全然下なんですよね?


そんな日本円が独歩高で、ポンドは史上最安値更新ですか。

これも英国が「トリプルA」で、日本はボツワナ以下まで落ちた程度の信用度しかないからなんだね、きっと。


あーあ、ポンドが羨ましいよ、と言ってる経団連の偉い人たちは大勢いるよ?
日本では円安になると、万歳三唱をして祝う人たちとか、高級デスクでふんぞり返る人とか、大勢出てくるんだよ。「円も安くなって、ポンドみたいに売られまくらないかな~」と心底願っている大企業経営者とかは結構いるんだよ。そう思えば、大丈夫さ。
何たって、最上級格付けだから。
アイスランドみたいに、雪崩みたいな引下げなんてあるわけないさ。



剥落する「優良企業」バブル

2009年01月22日 18時20分31秒 | 経済関連
これまで好調な世界経済によって、最も恩恵を受けていた日本を代表する輸出企業の多くが、急速なマイナスの影響を受けたようだ。過去数年の「実感なき景気回復」の正体が、改めて明からにされた、ということに他ならないだろう。「日本の景気が良かった」のは、現在最も苦しんでいる企業の周辺のごく一部と、海外資本から資金提供を受けた一部の不動産業界などだけだった。これら輸出企業の多くは、日本全体の利益を代弁するかのような振る舞いをしながら、それは正しくはなかった。彼らはただひたすら「自らの利益」を求めただけだった。彼らを救済する為の措置など必要がない。


貿易統計では、予想通りというか予想以上に輸出急減となったようだ。
12月貿易統計は3カ月連続赤字、過去最大の輸出減=財務省 ビジネスニュース Reuters


12月単月で見れば、ざっと4兆8332億円ということで、結構な貿易赤字となったようだ。
けれど、何度も言ってきたように、さほど悲観しなくてもよい。輸出額のドル換算は1ドル=93.53円として約516億ドル。これは過去の12月実績と比較して、07年の673億ドルから見ればかなり少ないけれども、06年597億ドル、05年530億ドルというのと、そんなに大差ない。財務省発表の通りなら過去4位の「好成績」(笑)と言っていいだろう。04年が520億ドルですから、大体それと同じくらいでしょうね。ならば、そんなに大袈裟に騒ぐような水準ではないのでは。04年くらいには、「少し景気が上向いてきたね、良かったね」という雰囲気だったではありませんか。

輸出企業のヤツラはネガティブな情報ばかり流すので、ウザイ。いちいち苦しいとか介入してくれとかリストラとか、騒ぎすぎ。
景気が良くなる時にも、同じくらいポジティブな情報を流してきたかというとそうでもないので、国民の弱気スピリットを刺激し過ぎるのが腹立たしい。輸出企業が若干沈んでも、これは1回きりだから。一度、ドーンと落ちれば、次の上昇が弱くても、プラスになるから(笑)。来年の12月に5兆円なら、それでも「プラス寄与」になるから。これが今年の年末には3兆円になってしまいました、って話になっていれば、それは辛いわね、ということにはなるだろうけど。そのシナリオは可能性は小さいだろうね。

ま、暦年で08年貿易収支が2兆円以上プラス、ってことなら、それはそれで良かったんじゃないか?(笑)
貿易黒字額が200億ドルもありますってことなら、他国からはかなり羨ましがられるよ?
それなのに、大袈裟に「困った困った」って、輸出企業の連中が煩い。もっと大幅な赤字とかになってから、「困った、困った」言えっての。


話はちょっと飛びますが、今頃になって、08年度第3Q(10-12月期)のGDP成長率が、「年率換算でマイナス10%」という記録的縮小見通しだとか言うくらいなら、定額給付金をさっさと配ってサクッと使わせりゃ良かったんじゃないの。アホですか?
だから言ったろ?
記録的マイナスだ、みたいに悲観的になっていくような方々が大勢いるから、だからこそ政府支出をさっさと発動して、金をまいて使わせりゃ良かったんじゃないか。そんなことは、ずっと前から、こうなる前から、しつこく言ってきたことじゃないか。それを、今更何を言ってるんですか、ってな話だわな。

08年9月24日>Its the economy,stupid!

公共投資は前倒しでもいいよ、というのも言っておいたでしょ。

08年9月25日>財政赤字を心配する前に


貿易統計が出揃う前に、大体80兆円くらいだろうね、というのは、誰でも予想できた程度ではないですか。

10月24日>円高で日本だけが助かる

で、輸出額(季節調整済値)は11月が5.44兆円、12月が4.86兆円と、軒並みダウンだった、というのがあるとしても(以前にはこの2ヶ月で12兆円という予想を書いたので楽観しすぎではあった)、マイナス幅をカバーするように考えておけば経済減速がキツクなる前に対処できた可能性はあったはずだ。特に、年末商戦に間に合っていれば、それだけでも効果があったかもしれない。
ところが、経団連とか自工会や主だった輸出企業なんかが軒並み大騒ぎして、そこに雇用不安という追い討ちと資金繰り不安などのダメージが重なったのが年末商戦だったわけだ。これに拍車をかけたのが、マスコミの悲観増幅報道だったかもしれない。そうやって、みんなでダメージを大きく育てようとするわけだ(笑)。


だから、揃いも揃って愚かなんだって。
ゴチャゴチャ言ってる間に、配るなら配って、さっさと使わせて、10-12月期の「GDP成長率の記録的なマイナス」に陥る前に手を打てば良かっただけなんじゃないの。
それを、効果がどうの、正しいのはどっちだの、そんなことを言い争っている間に、どんどん病状を悪化させ、統計数値に反映させて「遂に実体経済に波及した!ダメージが実体経済に数字となって現れた!大変だ!もっと大変だ!もっと悪くなっていく!」という具合に、自分で自分の病気を次々と生み出しているようなもんだわな。だからこそ日本というのは、失われた十数年、ということになってしまっているわけだけどさ。


細かい正しさなんて、後からやってりゃいいんだっての。
後から好きなだけ、効果が乏しかったかどうかの判定をやってくれや。
飛行機が墜落しそうです、って時に、「○○空港に行くのが正しい」「イヤイヤ、××空港に向かうのがセオリーだ」「もっと高度を上げてからじゃないと~できない」…って、そんな言い争いをやっているから、間に合わなくなるんだろ。
責任ある人間が「ハドソン川」と決断したら、検証なんかは後回しにして、やるべきことをやるだけだろ。「ハドソン川」でいいんだって。任せてやるしかないでしょうが。その場でのベストを尽くすしなかいわけだから。これは時間との戦いなんだってば。
「1手30秒以内でお願いします」って言ってるのに、正着を考えてからじゃないと指せません、ってアホですか?
こうやって、簡単な例示をこれまでにも幾度となく示してきましたよね?それなのに誰も考えてないし、理解してはくれない(笑)。


ま、いいか。
しょうがないんだわ、日本の場合は。

政策担当者以外の、周りのレベルもその程度だから。
しょうがないんだって。これが日本の姿なのだから。



オバマ大統領の誕生

2009年01月21日 15時15分17秒 | 外交問題
遂に祝福すべき瞬間がやってきた。
世界が待ち望んでいた新大統領の登場だ。これまでの大統領の中で、オバマ大統領ほど各国から期待されて迎えられた人はいないのではないだろうか。混沌と低迷の時代にあって、人々の―特に米国国民の―自信と信頼を取り戻すべく使命を持った指導者なのだ。

未来を作るのは、自分たちなのだということを、再び思い出すだろう。
時代を切り開くのも、同じく一人ひとりなのだ、ということを知るだろう。

しかし、選ばれし者がいなければ動かせない、ということがあるのは、歴史が教えるところである。オバマ大統領が果たして「選ばれし者」かどうかの真価が問われるのは、これからだ。


日本では、閉塞感と失望が広がっているというのが現状である。
果たして「絶望大国」の汚名返上はなるか、ニッポン(笑)。



つーか、やっぱり羨ましいですよ、米国が。
この日を待っていた名も知れぬ黒人の人とかが、あの会場で涙する姿を見れば、米国で戦い続けてきた人々の思いと、全ての歴史がしのばれます。

よくぞ、この日を迎えました。
今から20年前に「黒人が大統領になるのさ」と言ったら、笑って誰も信じなかったであろうけれど。でも、可能なんだ、できるんだ、ということが、多くの米国人に実感されたのではないかと思います。それを思えば、経済危機なんて、どうにかできるはずですよ、きっと。



ネット経済大統領(笑)

2009年01月20日 16時40分01秒 | 社会全般
これに類するような、「ネット経済ナントカ」のような連中はいるでしょうね、日本にも。

ネットの預言者「ミネルバ」を逮捕した韓国 煽ったマスコミの罪インターネット-最新ニュースIT-PLUS


何故か実体のよく判らない「ネット経済大統領」を信奉する人々。
預言者のご託宣を有り難がるという社会の、あまりの凄さ。

しかも、たった1人の無職31歳ひきこもり男性、ミネルバの書き込みが「風説の流布」であり、それで為替市場や国家信用度に影響を与えた、ということになれば、これは大変なことになってしまうだろう(笑)。


日銀の発表もある意味、風説の流布みたいなもんだろ?
大ハズレの成長率予測は虚偽情報の流布でしょ?(笑)

他のほにゃららエコノミストだの、経済ナントカの連中だの、虚偽情報をばら撒いている人間は大勢いるもんね。「もうすぐ破綻する!」とか、「~がやってくる!」とか、ガセネタ書き放題の人たちだって大勢いるでしょ。そういう連中の本とかは、全部「風説の流布」みたいなもんだわな。ウソや間違ったことを堂々とメディアに発表している人々なんて、いっぱいいるよ?


ミネルバとかいう人の言うことを、いちいち信じる方がどうかしているんだって。
カスケードのいい見本だな。
エコーチェンバーはどこにあるか


仮に正しいことを言っていて、それを信じたとしても、だからといって国家の信用度を落とすということにはならないでしょう。もしそうであるなら、どこの馬の骨とも知れぬ「ネット経済大統領」の方が政府や大統領などよりも本当の意味で偉い、ってことになってしまいますよ。たった1人のひきこもり男性が口先だけで経済を動かす力を持っている、ということになってしまいます。人々の行動にも、有意に影響を与えることができてしまう、ということになりますね。本当でしょうか?(笑)

まあ、ミネルバを強化したのは、マスメディアの姿勢にあったことは間違いないでしょうね。まさにメディエイター役を担った結果だ、ということです。なので、出発点は小さな点でしかありません。ミネルバというひきこもり男性の書いたコメントだけです。後はカスケードの威力を発揮して、世の中の大勢の人々に影響を及ぼすということなのでしょう。


こういのをいちいち全部逮捕してたら、ネット上で書けることは殆どなくなってゆくね。

お隣の国での出来事だけど、怖いというか、いやはや何とも……。



雇用問題について考える上で

2009年01月20日 13時07分34秒 | 社会全般
大竹先生のブログに基本的な論説が紹介されてします。

大竹文雄のブログ 最低賃金・派遣・ワークシェアリング


必読!です。


で、この前書いた「派遣労働」は何が問題かという記事では、派遣を切られてしまった場合に次の派遣先が用意されるまでの間受給できる保険が必要なのではないか、ということを書きました。

また、こちらの記事では、非正規労働者側には失業給付がないので、労働者側に不利な交渉なのだということを書きました。


さて、上記紹介された論説群の中の、太田聰一氏(慶應義塾大学経済学部教授)の論説中で、脚注6)に次のような式がありました。

手取り賃金 w-te =(1-β)b+β(y-t)
利潤 =(1-β)(y-t-b)

 w:労働者賃金水準
 t:合計社会保険料
 te:社会保険料(労働者負担分)
 y:生産性
 b:交渉決裂時の労働者リターン(失業給付)
 β:労働者交渉力
 1-β:企業側交渉力

ここで、非正規雇用者のような社会保険料がゼロ、失業給付もゼロ、ということであると、t=0、b=0ということになるので、

手取り賃金 w =βy
利潤 =(1-β)y

ということになります。
つまり、労働者賃金水準は、交渉力に依存し、企業側の利潤も交渉力に依存する、ということになります。
では、交渉力を変動させる要因とは何か?
一般的に考えれば、失業率が高くなれば労働者の交渉力が弱まり、逆に失業率が低いと高まるでしょう。労働供給が多い場合にもやはり交渉力は弱まるでしょう。


言うなれば「見せしめ処刑」ゲームみたいなもんです。
例えば、「侵略者」グループと「人質」グループ数人~数十人がいるとします。侵略者が最初に人質サイドには受け入れ難い要求Xをしたとしましょう。人質が要求Xを拒否します。次に、侵略者は「要求を拒むと死ぬ」ということを叩き込む為に人質から数人を射殺しました。すると、人質グループは恐らく要求Xを受け入れるようになるでしょう。更に、侵略者がもっと困難な要求Yを提示した時、人質グループは見せしめで射殺された事実を知っている場合には受け入れる可能性が高いでしょう。見せしめ射殺がない場合には、やはり受け入れを拒否する可能性は高いのではないかと思います。

同じように、リストラとか「派遣切り」などといった雇用調整は「見せしめ効果」があるのであり、企業側の交渉力は増すのではないかと思われます。少なくとも交渉力が対等である時には、β=1/2で労働者と企業は同じ1/2yを手に入れるのですが、β<1/2となってしまうと企業側利潤が多くなるのだ、ということはあるのではないかと思います。

失業給付があることによって、交渉力が弱まった場合でも労働者には利得を生じます。『(1-β)b 』の項が残されるわけですから、βが小さくなれば決裂時利得が大きくなるということを意味しているのです。しかし、失業時の給付がない労働者であると、βが小さくなったとしても b がゼロである限り決裂時利得はないということになってしまうのです。よって、βが小さくなっていても、やむなく賃金水準βyを受け入れざるを得なくなってしまうのです。




イスラエルの「20日間戦争」

2009年01月19日 21時41分05秒 | 外交問題
この続きです。
ガザ攻撃はイスラエルの民族殲滅作戦


一応、形だけの停戦ということになったが、これにはいくつか理由が考えられるだろう。

①所期の目標を達成したから
・標的としていた中枢部分に打撃を与えることができた(誰かの殺害?)
・標的としていた武闘・過激・急進派勢力の戦力を殺ぐことができた
・「容赦しない」という恐怖を植えつけることができた

②オバマ就任のタイムリミットに来てしまったから
・停戦はオバマへの就任祝い
・オバマ政権下の中東・イスラエル政策を評価するため

③反イスラエル機運の高まりに気まずくなったから
・欧州各国での反応
・イスラエル国外のユダヤ勢の立場
・イスラム諸国その他の反応

実際のところ、内幕は不明。
まさか、「恩知らず」は日本では人気がないと言われたから、というのは違うだろうけど。それとも、トゥルンぺルドールが本当に日本にいたことがあるかどうかの調査に時間がかかったとか?(笑)


イスラエルが軍事的優位に立つようになってから年月がかなり経つので、ここ10年くらいに周辺を攻撃しているイスラエルの人たちというのは、かつての記憶や体験がないユダヤ人が多いのだろうと思う。まさに消滅危機に晒されるような、苛酷な経験が失われた世代なのではないだろうか、ということだ。生き残りを賭けた厳しい戦いを知らない人たちは、ユダヤ人が受けた仕打ちと同じことをやっているということに気づかないのだろうと思う。


停戦に至った主な理由というのは、恐らく計算づくであったのではないか。
それは、侵攻前からの攻撃計画で、「オバマ就任式」がタイムリミットとして設定されていたのではないだろうか、ということだ。なので、「20日間」の予定通り、ということなのでは。で、米国の出方を見るということにしていたのであろう。

つまり、停戦理由の主要な部分はやはり②で、どの程度の攻撃成果があったのかは未知数だろう。けれど、地上展開が行われたということから、概ね目標は達成されていたのではないだろうか。真意としては、「もっと大勢殺したかった」ということに違いはないだろうと思うが。①もまずまずだろう。

そして最も影響が小さかったのは③で、これはほぼ無視だったろう。
「非難決議?ん?そんなもん、大したことないよ、無視でいいよ無視で」
というのが本音だろう。
それが如実に現れたのは、米国に安保理決議の採決10分前に電話して「賛成に入れるな」とイスラエルが強要したことだろう。すると米国は棄権した。イスラエルはこれをまるで手柄とでも言わんばかりに、マスメディアに公表したわけだ。イスラエルにとっては、国際社会の非難なんて全然平気、どうってことないよ、命を取られるわけでもあるまいし、という受け止め方らしいです。まあそうだわな。イスラエルが虐殺を行っても、何らの制裁も加わらないわけだから。けれども、血の報酬は必ず血で返すことになるだろう。

これまでのユダヤ人排斥運動の歴史を辿れば判るだろう。幾度となく繰り返される。数十年か数百年で、激しい排斥運動が周期的に起こってくるわけだ。それはどの地で発火するかは判らない。けれど、どこかで起こる。残忍な虐殺国家であり、暴虐を辞さない集団であると思われたら、その時にはユダヤの側に立つ人間がどれほど残っているだろうか、ということだ。

ここ数十年ではイスラエルが攻め込まれて苦しんだことがない。軍事的劣位に置かれたことがない。
負けを忘れていると、いずれしっぺ返しを受けることになるだろう。



うちの犬

2009年01月19日 11時17分48秒 | 俺のそれ
もう少しで5歳。
ボクと同じ「オッサン犬」になりつつあるわけさ。

しかも、ホモ犬だ、多分。
オスの犬にやたらと興味あるようで、オスの小型犬に「あのポーズ」とか。

恥を知れ、とは思うが、まあ、しょうがない(笑)。


のんびり屋さんで、ちょっと臆病というか、気が弱く、誰でも愛想よくなつく。
きっと泥棒さんが入ってきたとしても、尻尾を振りそう。



チョクサイ的に言わせてもらえば、「若者の雇用が守られないのは東京高裁裁判官のせい」(笑)

2009年01月18日 18時00分18秒 | 社会全般
ボ2ネタさんのところで知りました。

2009-01-18 - ボ2ネタ ボ2p5



究極の反論封じ?
『多くの若者が労働の場を与えられないまま年齢を重ねるのは国家全体から見れば大いなる損失であるが,その原因となっているのが東京高裁の判決である。』
というご意見らしいので、ま、若者をどん底に追いやってしまったのは、東京高裁判決―すなわち東京高裁の裁判官たちということではないか。悪魔だな(笑)。立つ瀬なし、判事。

そもそも論として労働基準法を改正すべし、ということなら、判決が悪かったという(ことが判明した)時点で改正しちゃえば良かったんじゃないの?(笑)
竹中氏の言う東京高裁判決がいつの時代のものなのか、私には判りかねますが、それが数年前とかではないのであれば、判決が出されて以降に改正しておくと、即解決するんじゃございませんかね。少なくとも郵政民営化よりは、改正のハードルが低かったであろうことは、容易に想像ができますが、いかがでしょうか。


あれですか、ウチのブログごときに漢字の読めない経済学者のオンパレード(笑)と書かれたりして、矛先を変えたのかもしれませんね。
NHKの番組の時の発言とかも、多分評判は悪かったんでしょうしね。中々懲りませんね、竹中氏は。

これは議論の時の鉄則ですな、きっと。
少なくとも小泉政権下での出来事のせいで若年者の「Lost decade」がもたらされたわけではないでしょうね。それ以前からの変化だった。竹中さんは、「オレが大臣時代にやったことのせいじゃない」ということを暗に言いたいのかもしれませんが、そこを責められるのを回避する為に、別な「ワラ人形」を用意する必要がある、ということで、そちらにバッシングターゲットを集中させてしまえ、という、よくある戦術でしょう。これは、例えば「官僚が○○をしたんだ」というような、霞ヶ関に怒りのターゲットを向けさせ、国会議員たちが非難を逃れようとする時にもよく用いられる手法ではありますね。政治家や政権与党だって、同じように悪いんですから、大体の場合には(笑)。


まあ、何れにせよ、「東京高裁(判決及び判事)が諸悪の根源」というようなことらしいですから、裁判所(法務省?)の方々とか、労働法制の専門家の方々は経済学者にきちんと何か教えてあげてくださいよ(笑)。



別に日銀がやらなくてもいいよ

2009年01月18日 14時52分08秒 | 経済関連
これって、何なの?

社債買い切り、日銀が検討…企業資金繰り支援へ(読売新聞) - Yahooニュース

日銀にとってはCP、社債の買い切りによって、企業が経営破綻(はたん)して資金を回収できず、損失を被るリスクを抱え込むことになる。中央銀行としての信任の低下を招く恐れがある。

=====


だからさ、別に日銀が直接購入しなくてもいいなら、それでいいんだって。
他の「枠を持つ金融機関」があれば、それでいいわけで。

これは以前に書いた通り。
続・「お金LOVE」を打ち砕け

政策投資銀行でもいいでしょう。
日銀はその代わりに保有国債を大幅に買い入れて償却すればいいだけなんだって。それで一体何が問題なの?
「中央銀行としての信任低下」を嫌うなら、CP買入は日本政策投資銀行がやって、日本政策投資銀行に「貸付or買入」の枠を拡張してやればいいだけなんじゃないか。そんなに難しいことなの?これが。いや、オレみたいなド素人には業界の掟とか民業圧迫だのという銀行協会の文句の具合とか知らないし、日本政策投資銀行が儲けるのは「ケシカラン」とか色々とあるのかもしれないから、ダメなのかもしれんけどさ。

いずれにせよ、日銀がCP買入を直接やってくれ、みたいなことを言っていたのは、経済界のお偉方の連中とその意向を汲んだ日経あたりの主張だったんじゃないの?
日銀が文句あるなら、そっちに向かって言えばいいじゃないか(笑)。
これまでのお仲間同士で、文句を言い合えっての。

ばっかみたい(笑)。


日銀は「日本企業は低金利に頼っているからダメなんだ、もっと金利正常化(笑)になっていなけりゃダメなんだ」とか、しごいてやれよ。大企業だからといって、甘やかすんじゃないよ。だろ?

ガンガンしごいて、高金利に耐えられる企業体質に構造改革してやらないとダメなんじゃないのか?オイ。だったら、大企業だからといって、優遇すんな。市場で経済原則に基づいて調達してこい、って、はっきり突き放してやれよ。
官業金融がよくない、ガバナンスがなってない、民間銀行が正しいんだ、民間の金利こそが正当な市場評価なんだ、ってことで、大企業であろうと高金利で調達させるのが筋なんじゃないのか?(笑)
だったら、今こそ民間銀行にやらせりゃいい。


もう、こういう連中の言い分ってのは、大笑いなんだわ。

経済界も、日銀も、アレな者同士で、永遠にやってりゃいいんじゃないか?


「互いが互いの足を引っ張るの図」が目に浮かぶようで、何よりです。

ダメな者同士ってのは、何人集まってもダメなんだね。

社会の仕組みがよく判って何よりです。大変勉強になりました。
こうして人生の教訓を得ていくのですね。
本当に有難うございました(笑)。



囲碁も「モンテカルロ」なご時世(笑)

2009年01月18日 14時10分51秒 | 俺のそれ
「タララ~モンテカルロ~~」


歌のタイトルも中身も忘れた。けど、昔の歌の歌詞に、どういうわけかモンテカルロが歌われていた。時代がだんだん「インターナショナル」(笑)になっていく流れの中では、海外の地名がよく入れられるようになっていったのかもしれない。

飛んでイスタンブール~(だったか?)
みたいな。

割と見かけたように思うのは、やはりアメリカの地名。
ありがちなのは、「ロサンゼルス」「ニューヨーク」、都市じゃないけど「カリフォルニア」とか。
意外なところでは、「エーゲ海」とか(ジュディ・オングのヤツ)、「コートダジュール」「モロッコ」「サンパウロ」とか。

日本の演歌なんかに多いのは、「○○岬」「○○半島」とか「○○海」「○○海峡」なんかかな。傾向としては、太平洋岸は少なく、日本海側に圧倒的に多い。南国のトロピカル風演歌は、成り立たないからだろう(笑)。歌の地名だけでも、結構勉強になるかも。

冗談はさておき、前置きが長いのは申し訳ありませんが、本題は囲碁の話です。


モンテカルロ囲碁は必ず半目勝ちを目指す - 生駒日記

将棋の電脳棋士がかなり強くなって、ボナンザとか有名になったりした。囲碁はまだそこのレベルには到達していない。けど、モンテカルロ棋士がどうやら強くなってきているのと、寄せが強いというのは将棋とも共通しているかも。終盤で間違えない、というのは機械の絶対的強さなんだろうと思ったりする。

いずれ囲碁にも、強い電脳棋士が生まれてくるに違いない。

王銘琬先生が対戦して、置石なしでもモンテカルロ棋士が勝つわけですから、これは凄いんですよ。うむむ…私に勝てるはずがない。
19路盤なら、モンテカルロが間違ってくれてどうにか勝つかもしれんが、もうすぐに歯が立たなくなるかもしれない。機械に勝てないなんて!悔しいッス。



ハドソン川の奇跡

2009年01月17日 16時16分48秒 | いいことないかな
まさに神業。


ハドソン川に不時着の米機、「選択肢尽きた」機長が冷静な判断 ワールド Reuters

(以下に一部引用)

 同機はノースカロライナ州シャーロットに向け、ラガーディア空港を午後3時半前に離陸。わずか数分後、ニューヨークの管制官には鳥にぶつかって両エンジンがやられたとのコックピットからの連絡が入った。管制官や航空当局者らの情報を集めると、全ての出来事は数分内に起こり、サレンバーガー機長は長年の経験で得たあらゆる知識を駆使してとっさの判断を迫られたようだ。

 ラガーディア空港に戻ったり、川の向こう側にある小さなティータボロ空港に着陸するにも、遠過ぎて間に合わなかったとみられる。管制官らによると、コックピットとのやり取りの中の「不気味な沈黙」が、選択肢がなくなっていることを示唆していた。管制官の労組によると、唯一残された道が、川に着水するという大胆な方法だった。

 レーダーは、同機が左方向へ何度か急旋回してハドソン川に向かい、ジョージ・ワシントン橋の上を低く通り過ぎる様子を示していた。機体が川面に着くと、おびただしい水しぶきが上がった。

=====


いくら経験豊富とはいえ、咄嗟に色々な選択肢を考え、瞬時に判断を下す、というのは極めて困難なこと。本当に凄いの一言に尽きる。これが日本の政治家や政策担当者のようなタイプの人たちなら、確実に墜落して全員死亡していたであろう(笑)。

決して諦めない、僅かなチャンスであろうとも道を探す、ということなのだろう。そして、迷ってはいけない、ということなのかなと思った。自分のできること・できないことを適確に判断すること、可能性のある選択肢について瞬時に考えること、そういうのを考える訓練を受けているかどうかではないかと思う。

時間をかけすぎると、選択の幅が狭まって行くというのは、日常生活の中でもよくある話だろうと思うのだけれど。政府や日銀には、そういう感性がない人間が多すぎるのだ。


いや、それにしても、神のご加護があったとしか思われないよね、本当に。そういう「不思議な力」でもないと、ここまで完璧に「犠牲者なし」では終わらないような事故だもの。


昔、ポトマック川に飛行機が落ちた時にも冬だったけれど、あの時には川の水に落ちた人がいて、低体温で男性が死んでしまった。女性に救命綱を譲ったので、水に沈んでいってしまったのだった。あれはとても可哀想で、その男性は英雄にはなったけれども、死んでしまって名を残せてもな…と、当時少年だった私には思われたのだった。けれど今回の機長さんは、全員を助けたので良かった。真冬の川に落ちると、飛行機事故には助かっても低体温で死亡(溺死)ということは十分起こりえるからね。

だから、今回の事故というのは何重の意味で奇跡としか言いようがないのだと思う。これほど大勢の乗客を短時間で救助できたという幸運も必要だったのだ。ポトマック川の時には、僅か数人を救出するのに時間がかかって、間に合わなかったのだから。


幸運や奇跡というのは、たぶん待っていてもやってこない。

高度な訓練とか経験に裏打ちされた行動の結果、そうした幸運を自分の力で招き寄せるのだろう。幸運がなければ、奇跡は起きない。そういうものなのだろう。

けれど、きっと神は見ている。



遂に売り出された「ホワイトハウス」(笑)

2009年01月17日 15時57分43秒 | 社会全般
現実って、やはり笑える。いや、不謹慎と言われてしまうのだけれども。けれど、悲惨な事件なんかじゃないから、まだマシさ。

金融危機の世界は今:失業者割引するバーも登場 世界のこぼれ話 Reuters


特に気に入った部分を見ていこう(引用部は『』で示す)。

『◎英国南部の町プールで、金融危機に見舞われた人々が1ポンドショップを廃業に追いやった。1ポンドショップと通りを挟んで場所に開店した99ペンスショップに買い物客が押し寄せたからだ。』

これって、日本で言うと、「100円ショップ」の向かいに「ショップ99」ができたようなものか。
疑問に思ったのは、1ポンドショップの人はどうして99ペンスで売らなかったのだろう?売上の1%を放棄することになってしまうだろうけど、利益率が下がったとて潰れるよりはマシなような気がするが。廃業するくらいなら、何か対策を講じるべきだったのでは?


『◎米国内販売台数が12月に急激に落ち込んだ現代自動車は、潜在的な顧客向けの新たな販促を導入。購入から1年以内に職を失った場合、車の返却を可能としている。』

ヒュンダイ、強烈。「後で返す」って、買ったことになるんかいな(笑)。
とりあえず、目先の売却代金だけが目当てということか。それくらい販売店の資金繰りが悪化している、ということなんだろうね、きっと。


『◎資金繰りに苦しむ人々のキャンセルが相次いだを受け、英海運会社大手P&Oはクルーズ船「ベンチュラ」の空席を埋めるため、出航直前の割引を行った。ロンドンのタイムズ紙によると、直前に乗船を決めた人々の中にはクルーズの作法に通じてない人もおり、「上流階級と庶民」的な問題も表面化している。どちらが良いシャンパンを飲んでいるかをめぐって英国人2家族がけんかとなり、子どもたちは客室係に食べ物を投げつけた。』

抱腹絶倒なのよ、これが。コメディ映画とかではなくて、本当に起こったんですよね?まさに絵に描いたようなシーン。「作法に通じてない人」って、やや控え目な表現になっているが、日本の流行りっぽい表現で言うと「モンスター・パッセンジャー」みたいなものですかね。うーむむ、これは経済学の勉強の題材としても興味深いかも。
作法に通じている上流階級の人たちを「ツウ」と呼び、通じていない庶民を「モンスター」と呼ぶとしよう。
情報の非対称があるので、船の予約係は乗客の質を事前に正確に見分けることができない。けれども、高額マーケットであると参加費用の価格(=障壁)が高いので「モンスター」はこの障壁によって自動的に排除され、乗客構成は殆どが「ツウ」になるため問題が発生しにくくなる。価格を下げて低額マーケットにしてしまうと、参加費用が少なく済むので「ツウ」と「モンスター」が混在する可能性が高くなり、乗客に問題が発生しやすくなるということだ。この状態が続くと、「ツウ」は不満が高まっていくので段々「ツウ」が参加を敬遠するようになり、遂には大部分が「モンスター」によって占められていくようになる。逆選択みたいなもんさ。そうだな、そうなんだよ。価格の高かった「ツウ」は、作法に通じてない低価格の「モンスター」たちに駆逐されていってしまう、ということさ。勉強になるな~。マジで。

教訓:高級路線を一度でも下げてしまうと、二度と元には戻れない(ウソ)


『◎米国の住宅危機の犠牲となり、「ホワイトハウス」が売りに出されている。アトランタにある「ホワイトハウス」は、ワシントンのペンシルバニア通り1600番にある本物のホワイトハウスの縮小版。1533平方メートの広さがあるこの「ホワイトハウス」は、厳しい状況に陥っている所有者が988万ドルで買い手を探している。』

これはそのまんま。ミニチュア版がある、ということだけで笑えるけど、経済危機の影響を受けて売り出されているというのは、まさに象徴的。
さらばアトランタのホワイトハウス。