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剥落する「優良企業」バブル

2009年01月22日 18時20分31秒 | 経済関連
これまで好調な世界経済によって、最も恩恵を受けていた日本を代表する輸出企業の多くが、急速なマイナスの影響を受けたようだ。過去数年の「実感なき景気回復」の正体が、改めて明からにされた、ということに他ならないだろう。「日本の景気が良かった」のは、現在最も苦しんでいる企業の周辺のごく一部と、海外資本から資金提供を受けた一部の不動産業界などだけだった。これら輸出企業の多くは、日本全体の利益を代弁するかのような振る舞いをしながら、それは正しくはなかった。彼らはただひたすら「自らの利益」を求めただけだった。彼らを救済する為の措置など必要がない。


貿易統計では、予想通りというか予想以上に輸出急減となったようだ。
12月貿易統計は3カ月連続赤字、過去最大の輸出減=財務省 ビジネスニュース Reuters


12月単月で見れば、ざっと4兆8332億円ということで、結構な貿易赤字となったようだ。
けれど、何度も言ってきたように、さほど悲観しなくてもよい。輸出額のドル換算は1ドル=93.53円として約516億ドル。これは過去の12月実績と比較して、07年の673億ドルから見ればかなり少ないけれども、06年597億ドル、05年530億ドルというのと、そんなに大差ない。財務省発表の通りなら過去4位の「好成績」(笑)と言っていいだろう。04年が520億ドルですから、大体それと同じくらいでしょうね。ならば、そんなに大袈裟に騒ぐような水準ではないのでは。04年くらいには、「少し景気が上向いてきたね、良かったね」という雰囲気だったではありませんか。

輸出企業のヤツラはネガティブな情報ばかり流すので、ウザイ。いちいち苦しいとか介入してくれとかリストラとか、騒ぎすぎ。
景気が良くなる時にも、同じくらいポジティブな情報を流してきたかというとそうでもないので、国民の弱気スピリットを刺激し過ぎるのが腹立たしい。輸出企業が若干沈んでも、これは1回きりだから。一度、ドーンと落ちれば、次の上昇が弱くても、プラスになるから(笑)。来年の12月に5兆円なら、それでも「プラス寄与」になるから。これが今年の年末には3兆円になってしまいました、って話になっていれば、それは辛いわね、ということにはなるだろうけど。そのシナリオは可能性は小さいだろうね。

ま、暦年で08年貿易収支が2兆円以上プラス、ってことなら、それはそれで良かったんじゃないか?(笑)
貿易黒字額が200億ドルもありますってことなら、他国からはかなり羨ましがられるよ?
それなのに、大袈裟に「困った困った」って、輸出企業の連中が煩い。もっと大幅な赤字とかになってから、「困った、困った」言えっての。


話はちょっと飛びますが、今頃になって、08年度第3Q(10-12月期)のGDP成長率が、「年率換算でマイナス10%」という記録的縮小見通しだとか言うくらいなら、定額給付金をさっさと配ってサクッと使わせりゃ良かったんじゃないの。アホですか?
だから言ったろ?
記録的マイナスだ、みたいに悲観的になっていくような方々が大勢いるから、だからこそ政府支出をさっさと発動して、金をまいて使わせりゃ良かったんじゃないか。そんなことは、ずっと前から、こうなる前から、しつこく言ってきたことじゃないか。それを、今更何を言ってるんですか、ってな話だわな。

08年9月24日>Its the economy,stupid!

公共投資は前倒しでもいいよ、というのも言っておいたでしょ。

08年9月25日>財政赤字を心配する前に


貿易統計が出揃う前に、大体80兆円くらいだろうね、というのは、誰でも予想できた程度ではないですか。

10月24日>円高で日本だけが助かる

で、輸出額(季節調整済値)は11月が5.44兆円、12月が4.86兆円と、軒並みダウンだった、というのがあるとしても(以前にはこの2ヶ月で12兆円という予想を書いたので楽観しすぎではあった)、マイナス幅をカバーするように考えておけば経済減速がキツクなる前に対処できた可能性はあったはずだ。特に、年末商戦に間に合っていれば、それだけでも効果があったかもしれない。
ところが、経団連とか自工会や主だった輸出企業なんかが軒並み大騒ぎして、そこに雇用不安という追い討ちと資金繰り不安などのダメージが重なったのが年末商戦だったわけだ。これに拍車をかけたのが、マスコミの悲観増幅報道だったかもしれない。そうやって、みんなでダメージを大きく育てようとするわけだ(笑)。


だから、揃いも揃って愚かなんだって。
ゴチャゴチャ言ってる間に、配るなら配って、さっさと使わせて、10-12月期の「GDP成長率の記録的なマイナス」に陥る前に手を打てば良かっただけなんじゃないの。
それを、効果がどうの、正しいのはどっちだの、そんなことを言い争っている間に、どんどん病状を悪化させ、統計数値に反映させて「遂に実体経済に波及した!ダメージが実体経済に数字となって現れた!大変だ!もっと大変だ!もっと悪くなっていく!」という具合に、自分で自分の病気を次々と生み出しているようなもんだわな。だからこそ日本というのは、失われた十数年、ということになってしまっているわけだけどさ。


細かい正しさなんて、後からやってりゃいいんだっての。
後から好きなだけ、効果が乏しかったかどうかの判定をやってくれや。
飛行機が墜落しそうです、って時に、「○○空港に行くのが正しい」「イヤイヤ、××空港に向かうのがセオリーだ」「もっと高度を上げてからじゃないと~できない」…って、そんな言い争いをやっているから、間に合わなくなるんだろ。
責任ある人間が「ハドソン川」と決断したら、検証なんかは後回しにして、やるべきことをやるだけだろ。「ハドソン川」でいいんだって。任せてやるしかないでしょうが。その場でのベストを尽くすしなかいわけだから。これは時間との戦いなんだってば。
「1手30秒以内でお願いします」って言ってるのに、正着を考えてからじゃないと指せません、ってアホですか?
こうやって、簡単な例示をこれまでにも幾度となく示してきましたよね?それなのに誰も考えてないし、理解してはくれない(笑)。


ま、いいか。
しょうがないんだわ、日本の場合は。

政策担当者以外の、周りのレベルもその程度だから。
しょうがないんだって。これが日本の姿なのだから。




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