いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

ハドソン川の奇跡

2009年01月17日 16時16分48秒 | いいことないかな
まさに神業。


ハドソン川に不時着の米機、「選択肢尽きた」機長が冷静な判断 ワールド Reuters

(以下に一部引用)

 同機はノースカロライナ州シャーロットに向け、ラガーディア空港を午後3時半前に離陸。わずか数分後、ニューヨークの管制官には鳥にぶつかって両エンジンがやられたとのコックピットからの連絡が入った。管制官や航空当局者らの情報を集めると、全ての出来事は数分内に起こり、サレンバーガー機長は長年の経験で得たあらゆる知識を駆使してとっさの判断を迫られたようだ。

 ラガーディア空港に戻ったり、川の向こう側にある小さなティータボロ空港に着陸するにも、遠過ぎて間に合わなかったとみられる。管制官らによると、コックピットとのやり取りの中の「不気味な沈黙」が、選択肢がなくなっていることを示唆していた。管制官の労組によると、唯一残された道が、川に着水するという大胆な方法だった。

 レーダーは、同機が左方向へ何度か急旋回してハドソン川に向かい、ジョージ・ワシントン橋の上を低く通り過ぎる様子を示していた。機体が川面に着くと、おびただしい水しぶきが上がった。

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いくら経験豊富とはいえ、咄嗟に色々な選択肢を考え、瞬時に判断を下す、というのは極めて困難なこと。本当に凄いの一言に尽きる。これが日本の政治家や政策担当者のようなタイプの人たちなら、確実に墜落して全員死亡していたであろう(笑)。

決して諦めない、僅かなチャンスであろうとも道を探す、ということなのだろう。そして、迷ってはいけない、ということなのかなと思った。自分のできること・できないことを適確に判断すること、可能性のある選択肢について瞬時に考えること、そういうのを考える訓練を受けているかどうかではないかと思う。

時間をかけすぎると、選択の幅が狭まって行くというのは、日常生活の中でもよくある話だろうと思うのだけれど。政府や日銀には、そういう感性がない人間が多すぎるのだ。


いや、それにしても、神のご加護があったとしか思われないよね、本当に。そういう「不思議な力」でもないと、ここまで完璧に「犠牲者なし」では終わらないような事故だもの。


昔、ポトマック川に飛行機が落ちた時にも冬だったけれど、あの時には川の水に落ちた人がいて、低体温で男性が死んでしまった。女性に救命綱を譲ったので、水に沈んでいってしまったのだった。あれはとても可哀想で、その男性は英雄にはなったけれども、死んでしまって名を残せてもな…と、当時少年だった私には思われたのだった。けれど今回の機長さんは、全員を助けたので良かった。真冬の川に落ちると、飛行機事故には助かっても低体温で死亡(溺死)ということは十分起こりえるからね。

だから、今回の事故というのは何重の意味で奇跡としか言いようがないのだと思う。これほど大勢の乗客を短時間で救助できたという幸運も必要だったのだ。ポトマック川の時には、僅か数人を救出するのに時間がかかって、間に合わなかったのだから。


幸運や奇跡というのは、たぶん待っていてもやってこない。

高度な訓練とか経験に裏打ちされた行動の結果、そうした幸運を自分の力で招き寄せるのだろう。幸運がなければ、奇跡は起きない。そういうものなのだろう。

けれど、きっと神は見ている。



遂に売り出された「ホワイトハウス」(笑)

2009年01月17日 15時57分43秒 | 社会全般
現実って、やはり笑える。いや、不謹慎と言われてしまうのだけれども。けれど、悲惨な事件なんかじゃないから、まだマシさ。

金融危機の世界は今:失業者割引するバーも登場 世界のこぼれ話 Reuters


特に気に入った部分を見ていこう(引用部は『』で示す)。

『◎英国南部の町プールで、金融危機に見舞われた人々が1ポンドショップを廃業に追いやった。1ポンドショップと通りを挟んで場所に開店した99ペンスショップに買い物客が押し寄せたからだ。』

これって、日本で言うと、「100円ショップ」の向かいに「ショップ99」ができたようなものか。
疑問に思ったのは、1ポンドショップの人はどうして99ペンスで売らなかったのだろう?売上の1%を放棄することになってしまうだろうけど、利益率が下がったとて潰れるよりはマシなような気がするが。廃業するくらいなら、何か対策を講じるべきだったのでは?


『◎米国内販売台数が12月に急激に落ち込んだ現代自動車は、潜在的な顧客向けの新たな販促を導入。購入から1年以内に職を失った場合、車の返却を可能としている。』

ヒュンダイ、強烈。「後で返す」って、買ったことになるんかいな(笑)。
とりあえず、目先の売却代金だけが目当てということか。それくらい販売店の資金繰りが悪化している、ということなんだろうね、きっと。


『◎資金繰りに苦しむ人々のキャンセルが相次いだを受け、英海運会社大手P&Oはクルーズ船「ベンチュラ」の空席を埋めるため、出航直前の割引を行った。ロンドンのタイムズ紙によると、直前に乗船を決めた人々の中にはクルーズの作法に通じてない人もおり、「上流階級と庶民」的な問題も表面化している。どちらが良いシャンパンを飲んでいるかをめぐって英国人2家族がけんかとなり、子どもたちは客室係に食べ物を投げつけた。』

抱腹絶倒なのよ、これが。コメディ映画とかではなくて、本当に起こったんですよね?まさに絵に描いたようなシーン。「作法に通じてない人」って、やや控え目な表現になっているが、日本の流行りっぽい表現で言うと「モンスター・パッセンジャー」みたいなものですかね。うーむむ、これは経済学の勉強の題材としても興味深いかも。
作法に通じている上流階級の人たちを「ツウ」と呼び、通じていない庶民を「モンスター」と呼ぶとしよう。
情報の非対称があるので、船の予約係は乗客の質を事前に正確に見分けることができない。けれども、高額マーケットであると参加費用の価格(=障壁)が高いので「モンスター」はこの障壁によって自動的に排除され、乗客構成は殆どが「ツウ」になるため問題が発生しにくくなる。価格を下げて低額マーケットにしてしまうと、参加費用が少なく済むので「ツウ」と「モンスター」が混在する可能性が高くなり、乗客に問題が発生しやすくなるということだ。この状態が続くと、「ツウ」は不満が高まっていくので段々「ツウ」が参加を敬遠するようになり、遂には大部分が「モンスター」によって占められていくようになる。逆選択みたいなもんさ。そうだな、そうなんだよ。価格の高かった「ツウ」は、作法に通じてない低価格の「モンスター」たちに駆逐されていってしまう、ということさ。勉強になるな~。マジで。

教訓:高級路線を一度でも下げてしまうと、二度と元には戻れない(ウソ)


『◎米国の住宅危機の犠牲となり、「ホワイトハウス」が売りに出されている。アトランタにある「ホワイトハウス」は、ワシントンのペンシルバニア通り1600番にある本物のホワイトハウスの縮小版。1533平方メートの広さがあるこの「ホワイトハウス」は、厳しい状況に陥っている所有者が988万ドルで買い手を探している。』

これはそのまんま。ミニチュア版がある、ということだけで笑えるけど、経済危機の影響を受けて売り出されているというのは、まさに象徴的。
さらばアトランタのホワイトハウス。