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貸金業の上限金利問題~その6

2006年04月28日 20時12分14秒 | 社会全般
ちょっとしつこいですが、また書きます。

一応、ある世帯(個人でもいいですが)での、収支を考えてみることにします。これを、非常にヘンな言い方で申し訳ないのですが、「代謝」と呼ぶことにします(用語としては明らかにオカシイのですけど、他の言い方が思いつかず。なので、当面こう呼ぶことにします)。


代謝はかなり重要なことです。普通は、基礎的な代謝量が大体決まっていることが多いでしょう。それは生活の為の、必要最低限の支出額というのがある、ということになります。今の生活環境を維持する為の、いってみれば固定費みたいなものと考えればいいと思います。例えば住宅ローン返済額や家賃、公共料金、各種保険料、学校の授業料、最低必要食費、等々でしょうか。裁量的な支出ではなく、既に払込先が決まっていて、毎月の金額もほぼ同じくらいであると思います。これらの費用は、支出削減努力が非常に困難な種類の支出ということになると思います。


この基礎代謝に対して、摂取するエネルギー量、つまり収入ですけれども、この両者の差額が一般的な自由支出ということになると思います。貯金するかもしれないし、服を買ったり、本を買ったり、娯楽に回したり、ということですね。これらは、通常削減努力によって、いくらかは支出カットが可能であろうと思います。カット幅は人によって異なります。浪費タイプは当然ながら、カット幅が凄く小さくなってしまいます。支出カットの努力に対して感じる苦痛が同じであっても、「苦痛に感じやすい人」のカット幅はそうでない人(=節約上手とか)よりも小さくなり、同じカット幅を達成しようとするならば苦痛は大きくなってしまいます。


式で書けば、次のように表すことができます。

収入=基礎代謝+自由支出  ・・・(1)


ここで、初期段階で支出カットできる額を「一次カット額」とし(通常は自由支出から削減します)、受け入れられる削減努力の限度を示す係数として「受忍係数」として、次のように定義することにします。

一次カット額=一次受忍係数×自由支出  ・・・(2)
(ただし、0≦一次受忍係数≦1)


先に述べたように受忍係数が小さい(削減が受け入れ難い)人は、同じ自由支出額であっても一次カット額が小さくなってしまいます。借金返済に回すという場合には、この一次カット額から振り向けられることになると思われます。更に返済負担が大きくなっていくと、受忍係数を半ば強制的に1にせざるを得ず、この時は自由支出を全部返済に回す、ということになるということです。


これよりも大きい返済を必要とする場合には、どうなるでしょうか。収入が同じであれば、当然基礎代謝を減らすしかないですよね。これは自由支出削減よりも、もっと厳しく感じられることが殆どだろうと思います。持家やマンションを「手放す」(抵当で取られるということかな?)とか、現在家賃よりも安い賃貸に転居する、私立学校を転校・退学する、食事を削る、というような苦痛を選択するとなれば、普通は自由支出を削減するよりももっと大変ですね。なので、一般にこれらの受忍は容易ではないため、一次受忍係数よりも小さくなるでしょう。それでも、生きていく為の最低金額は必要なので、一定限度以上には削減できなくなります。これを二次受忍係数とすれば、

二次カット額=二次受忍係数×基礎代謝  ・・・(3)
(ただし、0≦二次受忍係数<一次受忍係数、と推定、例外あるかも)


返済に回せる金額範囲は、初めのうちは「0~一次カット額」、次のステージへ進むと「一次カット額+二次カット額の一部」、さらにステージが進行すると最大の「自由支出+二次カット額」に向かっていくということになるかと思います。
通常では、一次カット額>二次カット額であろうな、と思います。


元々低所得である場合、(1)式で言えば、自由支出が少なく、相対的に基礎代謝の割合が多くなります(低所得ほどエンゲル係数が高い、というのと似ている)。なので、一次カット額の絶対値が小さくなります。自由支出の割合・絶対値とも大きい方がセーフティマージンの幅が広く、逆に小さければ小さいほど収入減少や基礎代謝増加(家賃や公共料金の値上げ、食品値上がり等)の影響を受けやすく、セーフティマージンは狭い、ということになります。

また、ギャンブル狂、異性に貢ぐ、アルコール依存、薬物中毒、高額ブランド品買い漁り、などといった状況にある人は、一次受忍係数が小さいので(他の大多数の人にとっては優先順位が低いと思われるような特定の支出を削れない)、すぐに二次カット額へと移行するでしょう。たとえ収入が一定以上あっても、一次受忍係数が極端に小さければ低所得と同様にセーフティマージンは狭いことになります。


全く預貯金がない場合、支出水準が収入よりも少なければ新たな借入は生じません。しかし、基礎代謝+自由支出が一定期間内で収入を上回ってしまうと借入するよりないでしょうね。セーフティマージンの狭いグループでは、広いグループに比べて自由支出部分で吸収できない変動が発生しやすいと推測されますし。


まとめると、借金の返済限界は基本的には、「一次カット額+二次カット額」、最大値付近では、「自由支出+二次カット額」ということかな。収入が基礎代謝以下しかない場合には、普通の借入返済は不可能(親などが返すとか、返済開始時期を遅らせるなどの設定などがあれば可能かも)。既に有している借入返済の為に、自由支出が大幅に減少している場合には、新たな借入がよりシビアな「二次カット額」に突入しやすいと予想される。


こういうことは、経済学の、基本のキの字でなのですか?よく知らんけど。投資や政府支出などを考えない時の、基礎消費と限界消費性向にちょっと似てるね。




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