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防衛大綱の攻防

2004年12月05日 01時06分51秒 | 防衛問題
新防衛大綱は財務省の削減案に対して、防衛庁が激しく抵抗しているようです。今までの記事(防衛関係参照)にも述べてきましたが、私は財務省を支持しています。決着がつかずに閣議決定が延びていますが、次の記事を見つけました。




asahi.com(12/2)の防衛大綱に関する記事を抜粋します。



「新大綱」装備決着へ 戦車と主要火砲は三分の一削減


 今後の防衛力のあり方を示す新しい「防衛計画の大綱」の策定をめぐり、1日までの財務省と防衛庁の調整で(1)戦車と主要火砲の量を現大綱から約3分の1削減する(2)戦闘機についても約50機削減する――など主要装備では一部を除いて決着する方向だ。しかし、財務省が大幅削減を求めている陸上自衛隊の定数については溝が埋まっておらず、閣議決定の日取りが見えない状態が続いている。

 防衛庁は9月に陸海空3自衛隊の編成や装備の素案をまとめ、財務省と調整を続けてきた。財務省は当初、「日本への本格的侵攻の可能性は低い」ことを理由に北海道の4個師・旅団を1個師団に統合するなど、部隊編成にまで踏み込んだ案を提示。陸自定数を現大綱(16万人)から4万人削減を求めた。これに対し防衛庁も陸海空の各幕僚長が財務省へ直接説明に乗り出すなど、異例の展開を見せてきた。

 先月29日には防衛局長と主計局次長が「妥協案」を持ち寄って協議。財務省が新大綱の「別表」に盛られる主要装備量については、戦車約600両、護衛艦約45隻、戦闘機250機などとする案を提示。これを軸に最終調整をしている。

 しかし、財務省が防衛予算の抑制・削減のうえで重視している陸自定数をめぐっては、財務省は14万人、防衛庁は16万人まで譲歩したが、なお2万人分の開きがある。30日深夜に防衛事務次官と主計局長とが協議したが、溝は埋まらなかった。

 対立が先鋭化しているのは、新大綱に併せて今後5年間の防衛力整備目標・予算総額を定める「中期防衛力整備計画」(中期防)をめぐる攻防が絡んでいるからだ。予算総額をめぐり防衛庁が「ミサイル防衛導入で防衛費増はやむを得ない」と主張。これに財務省が「伸び率をマイナスにすべきだ」と反発しており、大綱別表と中期防の予算総額をめぐる綱引きが続いている。





防衛庁の策定する防衛政策には理念が感じられない。今後自然減少する陸自隊員を敢えて補充しなければ削減は困難ではないであろう。BMD構想を優先するのであれば、他を削減するしかないことも分かるはずである。単に予算総額を守り抜きたい、防衛庁の権益を確保したいという思惑が見え見えである。現実に現在陸自の常備自衛官が14万7千くらいであるから、この実数に近づくだけであるのに譲歩できないというのも理解不能である。

財務省はよく防衛庁の抵抗に耐えて、ここまでの数字にしたと思う。当初案の方が良かったのですが、防衛庁が「異例の抵抗」を示したとのことです。

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5 コメント

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Unknown ((゜д゜ ))
2004-12-05 11:43:00
財務省の役割は査定とそれに基づく予算の配布です

今回の財務省の行為は完全な越権行為であり其の点

については民主や公明の議員も指摘しています



防衛大綱の別表は現に自衛隊は守っていませんし

中期防は5年で24兆数千億が投入されるのこと

財務は張子の虎を相手にし過ぎましたね
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理念ねぇ (独楽犬)
2004-12-05 12:06:03
・対テロ・ゲリラ戦及び災害対策の為の歩兵増強

・周辺諸国の軍拡に対応する為に必要な護衛艦、潜水艦、哨戒機、戦闘機などの維持

・抑止力維持の為の戦車部隊の維持(防衛庁案が適当

・NBC兵器対策の為の化学科部隊の増強

ちゃんと自衛隊/防衛庁も考えてやってますよ。

 私には「MDで戦闘機を撃ち落せばいい」だの「潜水艦はもう時代遅れ」などとほざく軍事素人でしかも専門外の財務省が、日本には無いEU、NATOという<まとまり>がある欧州を手本にアジアの情勢を無視して考えた防衛政策の方が疑問ですな
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連続投稿で悪いけれど (独楽犬)
2004-12-05 12:19:17
私に言わせてもらえば、MDが一番の無駄だろう。

 現状では、日本が保有を許される兵器で弾道弾に対処できそうなのはMDくらいなのだから仕方ないけどさ。

 しかしMDで撃ち落すより、敵のミサイル基地なり軍の重要拠点なり攻撃したほうがよっぽど成功率が高いし、予算的にも少なくて済む。そういう意味で自衛隊の長距離誘導弾開発を指示できる。敵地を攻撃できる能力を持つのは有意義な事だと思うよ。

 ちなみにオーストラリアは、敵地を攻撃できる能力を持つF-111戦闘爆撃機を持つ事で防空用の戦闘機の配備数が少数で済んでいる。



 あと日本に必要なのは地雷かな。対正規軍戦にも対テロ・ゲリラ戦にも使えるし、安価で大量に揃えられる。少ない兵力をある程度補う事もできる。なんで対人地雷を全廃しちゃったんだろうね。
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地雷 (zen)
2004-12-05 16:12:53
オタワ条約を批准してイイ顔したい外務省が無理やりネジ込んだんでしたっけ。おかげで日本の防衛戦略がガタガタになりました。

対人地雷を無節操に売り捌いてる中露は批准してないので何の役にも立ってません>オタワ条約
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いかにも朝日的記事 (異例の展開?)
2004-12-06 22:58:26
異例の展開と書いた朝日の記者はよっぽどの間抜けですね。

政府のコメントを一番的確に記事にしているには読売新聞です。記事の質を見抜く眼力が読者には問われていますね。



定数は過去最低まで落ち込んでいきますが、任務はどんどん増えています。

明らかに机上の空論を唱えているのは財務です。

苦労しているのは現場でしょう。

スポーツも国力も貧乏では勝てないのです。

豊富な資金と人材があって勝てるのです。

なんの為に人を減らすのか、その数字の根拠を財務の人は説明できるのでしょうか疑問です。



分かりやすい例を挙げれば、今日まで2人のパイロットで運行していたジャンボ機を現場の分からない担当者が人件費を削減するために明日から1人で運行しろと言っているような物です。

乗っている乗客(日本国民)はかわいそうですね。

パイロットの年齢も65まで引き上げられていますのでパイロットが不意に倒れたら墜落するだけですから。
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