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賃金に関するbojのペーパー

2009年07月25日 13時07分05秒 | 経済関連
これは中々よい分析ではないかと思った。

賃金はなぜ上がらなかったのか? ― 2002~07年の景気拡大期における大企業人件費の抑制要因に関する一考察 ―:日本銀行


拙ブログでも、過去に賃金に関する記事はいくつか書いてきて、日銀のペーパーは大体想像していた通りであったよ、と思って読ませていただいた。

分析としては、モデルがないので「primitive」(笑)というお断りが書かれていて、学問的にはそういう評価なのかもしれない。しかし、有り得ないような仮想モデルに更なる仮定を積み重ねることの意味は感じられず、そうであるなら日銀ペーパーの如くプリミティブな分析であろうとも、そちらの方にこそ事実を捉える分析結果があるのではないかな、と思った。他の経済学者たちの意見を聞いてみなけりゃ、評価は判りませんが。


参考記事:

価格とULC

デフレ期待は何故形成されたのか・3

続々・イルカはサメになれない~株主と従業員

イルカはサメになれない~補足編

無知が日本を不幸にする



ここ最近、日本の経済学分野への厳しい批判を書いていたが、こういう地道な分析を積み重ねていき、事実を得ることにもっと注力すべきなのでは。
仮説が違ったデータセットでも成り立つ議論なのか、影響度の重み付けはどうなのか、課題点はカバーされるか、或いは分析手法や考え方に批判を加えるべきかどうか、そういうことを複数の研究者が取り組むべきではないかと思う。一本のペーパーで確認できることは多くはないのだから、他の研究者たちの協力は必要であるし、彼らの「追試」に耐えうるものが求められるのも当然なのだ。他の研究者たちからも「同意できる」という評価を得られてこそ、共通理解として認識されるに至るのだから。





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