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デフレ期待は何故形成されたのか・3

2006年01月31日 20時51分25秒 | 経済関連
今まで期待形成などについて書いてきましたので、まとめてみたいと思います。これほど持続的に起こってしまったデフレというのは、日本経済を大きく毀損したと思います。一部には失政による影響もあったかもしれないですね。

(ちょっと追記してます。0時頃)

経済学は難しい13(追加あり)
価格とULC
デフレ期待は何故形成されたのか
デフレ期待は何故形成されたのか・2
アニマル・スピリット(ちょっと追加)
「不確実性」と価格
「不確実性」と価格・2(追加あり)
「不確実性」と資産価格
「不確実性」と資産価格・2


心理的要因によってかなりの落ち込みとなってしまったことが大きな原因であったと思います。そして、資産(主に土地や株)取引においては、「アニマル・スピリット」が資産価格に反映されると思いますので、経済全体の強気・弱気というものが出やすいのではないのかな、と。資産価格下落という「弱気」情報は、不安や更なる弱気などのstickyな情報として作用したかもしれません。主に企業を中心とする経済主体に広がり、デフレ持続に繋がった可能性が有り得るのではないでしょうか。株価下落で、1万円割れ、8千円割れ、などというネガティブな情報は、投資心理を冷え込ませるには十分であったでしょう。新規投資抑制や資産価格の下落予想が強まったかもしれないですね。つまり、「現金頼み」というか、安全地帯への退避ですね。キャッシュで持っていれば損しない、ということです。退蔵資金にも通じますね。


輸入品の影響についてですが、これは決定的なデフレ要因とは言えないが、「低価格戦略」という幻想によって、価格決定側である企業のマインドに影響した可能性はあると思います。主にマインドの問題であろうな、と。実質的な直接作用というのは明らかになっていませんが、一応要因分析などでも下落圧力と見られており、また特定業種(繊維業界)では大きな影響を受けた可能性が有ります。経済全体で見れば、下落圧力として存在したが、直接のインパクトは強くはなかったと考えます。


それから、賃金、価格やデフレに関する資料を見つけました。

ESRI ディスカッションペーパーNo.90


原文を読んで頂いた方がいいと思いますが、私の理解で大雑把にまとめると次のようなことが書かれていると思います。この資料によれば、98年の影響が大きいものであったことを述べられており(私が「97年ショック」と呼んでいる危機のことです)、物価下落要因としては賃金の影響が大きいのではないかと分析しています。即ち、ULCの低下ということになるのではないかと思います。デフレ脱却を目指すのであれば、遅行指標ではあるけれども、失業率についてもよく観察するべきである、ということも述べられています。これは人心の不安が大きい期間が長く続いたので、その緩和という意味合いでもあろうかと思います。


別な資料を見てみます。

価格下落に向けた企業のR&D対応


企業の行動傾向としては、収益が悪い方が人件費削減圧力が強まるようです。連続減益の場合にはその傾向が最も高くなっています。日本企業の場合、先の資料に見られるように「コスト・プライシング」が多いようですので、価格決定において「低価格戦略」を実現するには経費削減―殊に人件費であろう―を行わなければならない、と考えがちだったのでしょう。そもそも日本経済全体で需要が伸びなかった為に、相対的に労働分配率が上昇することとなってしまい、その是正を試みると、結果的には人員削減・リストラ・非正規拡大・給与引き下げ、といった方向に突き進んでいくこととなったのでしょう。「日本型経営は敗れ去った」「終身雇用悪者説」「成果主義がいいんだ」「会社にいる2割は働いてない不要な人間だ」・・・・こういった説が蔓延していたしね。


賃金要因は「低価格輸入品」よりも影響が大きかった可能性が高いかもしれません。つまりは、生産性向上や賃金抑制(低下)などのULCの低下ですね。このインパクトはかなりあったと考えられるでしょう。しかも、業績に一定の連動が見られるので、即効性のある抑制要因であったでしょう。


多くの企業経営者達が「会社の為に」と思って行動したことが、実は社会全体の為には大きなマイナスであったのですよ。一致して似たような行動をとっていたことが、経済の収縮をより大きくしてしまい、デフレ持続の原因となり、病状悪化の大きな原動力を生み出したのですよ。そして、資産売却も心理的悪化要因として作用したことでしょう。何でも、キャッシュに変えていったのですから。「現金を持ったら、何に投資するか」ということではなくて、「とりあえず、キャッシュフロー経営でも」とバカの一つ覚えみたいに、みんなのマネをしようとしただけなのですよ。「金、金、金」って、現金に魅入られ、特に大企業の経営者たちは、日本経済により大きなダメージを与えたのですよ。


多分、デフレの張本人は、実は大企業経営者たちであったのではないのかな。もとはと言えば、企業がクソみたいな投資をして、そのツケは国民に回された。金を企業に回していた銀行も同じだよね。そいつらを救済する為に、国民はザッと百兆円規模の経済価値を失ったのさ。民間大企業は政治がどうとか非難するが、「”おまいら”を救う為にいくら払ったと思っているんだ」と言いたいね。経営者たちの判断の誤りの為に、凄く大きな調整コストを払うこととなってしまったのさ。確かに民間企業も血を流した。だが、これは自業自得であり、そんなの国民全部が背負うべきものでもないはずだ。しかし、日本経済を救うという大義名分で大企業は救済されたが、その陰では多くの個人が悲惨な目に遭った。左翼的な「資本家」批判じゃないけれど、クソみたいな企業経営者たちが大挙して「狂った」結果じゃないのか、と思うね。


何だか、根本原因に辿り着いたような気がする。年寄り達は、「拝金主義」だの、「額に汗して働け」だの言ってるけれども、日本経済を沈めたのは、そもそも「爺さん社長達」=財界のお偉方たちだろ?日本経済が上り坂にあった時に、多くの企業経営者達が余りに愚かであり、金の有効な使い方も知らず、持ったことのない金を持ってしまったが為に、ただドブに金を突っ込んでいったのだろ?せいぜい銀座で豪遊したり、ゴルフ会員権を自慢するとか、愛人囲ったりする(笑)ことくらいしか思いつかなかったのだろ?そういうことをやってたクソじじいどもが、大挙して一気に沈んでいったのさ。それは次の時代に繋がるものに、全く投資されていなかった、ということ。新たな価値や将来の収益を期待出来るものなどには、誰も投資しなかったのさ。人材教育・育成にも投資しなかったのだよ、多くのクソじじいどもは。逆に、何にも収益をもたらさない、新たな価値の創造には繋がらない分野にばかり投資したのさ。要するに非効率分野への過剰な投資によって、特定業界の延命効果となっただけなのですよ。建設業界や不動産業界というのは、そういうことになった訳ですよ。自分の懐を肥えさせることばかりを考えた結果、過剰な不動産投資や株式投資に金をつぎ込んでいただけなのですよ。本質は「金儲け」だけを考えてたのですよ、クソじじいどもは。


こういうバカなクソじじいどもがいなければ、日本経済の急速な悪化はもうちょっと緩和されていた(それか、バブルもバブル崩壊もなかった)かもしれない。企業経営者としての資質に欠ける連中ばかりが財界のお偉方だったので、日本経済全体がそういう「クソみたいな方向」に突き進んだのですよ。バブルで最も踊っていたのが、一般庶民よりもお偉方のクソじじい達が多かったので、深刻なダメージを食らったのですよ。そうでなければ、銀行なんて破綻せんのですよ。たとえ個人が株で破産しても、まともな銀行やノンバンクなら破綻など起こり得ないのですよ。民間の大銀行は「リストラなどの努力をして・・・云々」とかって言うでしょ?でもね、本当は当たり前なんですよ、そんなの。瀕死の状態だったのを、「国民の血」を直に輸血(公的資金注入)して助けてあげたんですから。こいつらのツケを未だに国民が払わさせられて、公的資金も何十兆円も投入したのに、それでいて彼らは社会に何か恩返しをしたか?誰か1人でも国民を救ってくれましたか?国民に詫びも入れず、一体何をしてくれましたか?失われた15年は、銀行・大企業経営などをやっていたクソじじいどもの悪行三昧と頭の悪さのせいです。


数千万円とか貰ってるであろう、役員給与の半分は毎年返せよ。災害募金用に積み立てるとか、奨学金を設立するとか、何かで返すことくらい出来るはずだろ?頭の悪いクソじじいどもが、日本経済をどん底に陥れたというのに、奴らはこれっぽっちも悪いとも思ってないんですよ。責任なんてないと思って、涼しい顔して知らないフリをしてるんだよ。そういうお偉方ばかりのくせに、何が「額に汗して働け」だ。それは”おまいら”だろ。銀行は個人が破産しようが自殺しようが、ガッチリ取り立てるくせに。銀行や大企業ならば、救ってもらえるんだとよ。金も国が融通してくれるんだとよ。「再生」してくれるんだと。個人ならば「再生」されずに、一生涯日陰暮らしなのに。浮かび上がれるチャンスさえ失うというのに。


要するに、日本の財界トップの大方の連中は、まともな判断力も何も無かったのだ。みんな派手にやってるから、マネしただけ。会社とは何か、企業のあるべき姿とは何か、企業家の志とは何か、なんて殆ど考えていなかったのだよ。ただ横並び意識でドブに金を突っ込んだ挙句に、バブル崩壊後にも横並びが続いて、リストラや賃金カットや経営判断もみんなの真似をしてただけ。成果主義が流行りなら、「ウチも早速導入せにゃならん」、アウトソーシングが流行れば「ウチもウチも」、「派遣、派遣・・・」「インセンティブ、インセンティブ・・・」「キャッシュフロー、キャッシュフロー・・・」「株主、株主・・・」、、、ありとあらゆる幻想に惑わされて、他人の判断情報に影響されて、揃いも揃ってデフレの歯車を力いっぱい駆動していたのだよ(笑)。で、経営が苦しいのは政治が悪いから、補助金を削るから、法人税が高いから、天下りが、公務員が・・・って文句ばかり言うの。そりゃ先代とかのクソじじいども(少し前の経営陣)がみんな揃って頭が悪かったせいだろ?(笑)


ホリエモンが調子に乗ってるとかってじいさんたちに言われるが、本当に調子に乗り有頂天になっていたのは、ヒルズ族でもお立ち台ギャルとかでもなくて、大企業経営陣のクソじじいどもなのだ。今の若者たちは、そのクソじじいどもの大きな負の遺産だけを残されていて、それでいて「イマドキの若者は・・・」とクソじじいどもから文句を言われるんですよ。もしも、私が20代前半くらいのフリーターだったら、「クソじじいどもは若者に土下座して謝れ!」って、怒っているかもしれない。「藻前ら、全財産没収」って叫ぶだろう。国民全体で見れば、ほんの一部の大企業トップの連中の頭が本当に悪かったのだ。それに一緒になって浮かれていた政・官もくっついていたかもしれないが、本当の罪人は恐らく大銀行や大企業の腐れ頭のクソじじいどもだろう。現在まっとうな経営者になっているのであれば、多分この意味が理解出来るだろう。「ちゃんとした企業経営者が多ければこんなことにはならなかった・・・」と、本当は誰しも知っているだろう。


そういう訳で、デフレは何故起こってしまったのか、まとめてみたいと思う。

「大銀行・大企業経営者の半分以上が異常で、頭が悪かったから」
じじいのバカどもが揃って、熱病のようなeuphoria になってしまったからですね(笑)。

これではダメですか?仕方がありませんね。
これが結論だと言ったら文句が多いと思いますので、もうちょっと違うのにしましょう。


・最大要因は「97年ショック」以後の経済収縮
・資産価格の下落は「弱気」スピリットを刺激した
・企業は資産売却し企業貯蓄を増加させた(キャッシュフロー幻想?)
・人件費や投資の抑制を企業業績に応じて行った
・輸入品は直接のインパクトは大きくなかったが、価格決定マインドに影響した
・コストプライス型の為、企業が「低価格戦略」を選択した
・「弱気」情報は特に企業のデフレ期待をstickyにして持続させた

実際の現象面で代表的なものは
・ULCの低下(物価上昇吸収要因)
・政策的要因(規制緩和、医療費削減など)
・電話、通信等公共料金の影響




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