シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

エンドオブデイズ

2005-07-30 | シネマ あ行
ワタクシにとって主演のアーノルドシュワルツェネッガーはどうでもいい。(ファンの人ごめん)この作品をわざわざ取り上げる理由はただひとつガブリエルバーンだ。彼は悪魔にとり憑かれるのだけど、彼の悪魔は最高にセクシー。

レストランで男性と女性と3人で食事中の彼。仕事の相手なのだろうか、友人同士といった気さくな雰囲気ではない。そして彼は中座してトイレへ。そのトイレで手を洗っている彼に悪魔がとり憑く。その後の彼の目つきを見て欲しい。さっきまでとは全く違う。そして、彼は食事をしていたテーブルに戻り、同席の女性のイス後ろに立って彼女に激しくキスし始め、ドレスの胸の間に手を滑り込ませる。「白昼堂々」というのとはちょっと違うけど、たくさんの人がディナーを楽しんでいるレストランの中でだ。でも、彼は悪魔。周囲の目など気にするはずもなく、相手の女性も嫌がるどころかすっかり魅了されてしまっているじゃあないか。

ワタクシにとってのこの作品のヤマ場はこれで終わりだ。前半20分程度だろうか。

あとはオカルトちっくな儀式やら、悪魔の花嫁やら、戦うシュワちゃんやらで面白い映画ではあるけど、特筆すべきことはない。とはいえ、悪魔対人間の定番を全部踏まえて悪くはないデキだし、上のシーンを見れただけでこの映画はワタクシにとっては見る価値があったと思うのだ

「悪いことしましょ!」といい、「ウェルカムヘブン!」といい悪魔を褒めるコメントがやたらに多いワタクシ。別にオカルト信者とか悪魔崇拝者とかではありませんからね。でも、なんか悪魔ってセクシーじゃありませんか?もちろん、ファンタジーの中だけだけど、「ワル」には憧れちゃいますね。

疑問キリスト教の神様が万物を創造したなら、悪魔も神様が創造したんじゃないんでしょうか?なら、神様よりは絶対的に弱いはずでは???

ビューティフルガールズ

2005-07-29 | シネマ は行
30歳手前というのは微妙な年頃だ。結婚し子供のいる者。これから結婚しようとする者。まだまだ精神的にお子チャマなヤツ。人生が何タイプかに別れてきて、自分の人生に満足していない者は、周りを見回してアセッたりする年頃だ。

同窓会のために里帰りした主人公ティモシーハットン。長い間付き合っている落ち着いた関係の恋人はいるものの恋愛、仕事とこれからの人生に不安はあるようだ。そんな彼を取り巻く同窓生たちとのお話。ということでまぁ、アメリカ版「ふぞろいの林檎たち」?ってあんまりこのドラマ世代じゃないので詳しく知らないんですが、雰囲気的にそんな感じ?日本のドラマにもよくありそうな設定でデキも“まぁ悪くないな”って感じなんですが、この作品での大注目はこの主人公の20代後半男がちと本気で好きになっちゃう13歳の少女ナタリーポートマンなんです。

「レオン」で鮮烈デビューした彼女。その後もすばらしい演技力を見せてくれていますが、ワタクシが一番凄いと思ったのがこの作品。主人公の実家の隣に住むこの少女ですが13歳でT.ハットンに色目を使います。でも、それがいやらしくなくってお兄さんドキッなんですね。

この子のためならお兄さん10年待ってもいいかもぉってちょっと本気で思いそうになっちゃいます。ナタリーの仕草や台詞まわしがすべてアメリカの13歳の女の子そのものでワタクシはアカデミー賞助演女優賞もらってもいいなと思ったくらいでした。

ウマサーマンマットディロンも出ているし、ちょっぴり胸キュンの大人の青春ものを見たい方、ナタリーの13歳ぶりに興味のある方はどうぞ。

映画バトン

2005-07-28 | シネマ あ行

e-monさんから受け取った「映画バトン」(詳しくはこのブログ内「クッキーフォーチュン」7月25日のコメント参照)ワタクシ、e-monさんから聞くまで「映画バトン」の存在を知りませんでした。ブログ書いている身ながらあんまりネットの世界のこと知らないもので。この「映画バトン」いつから始まっているのか知らないけど、検索してみると結構前の記事もあったりして、かなり前からつながっているみたい。なので、もういっぱいの人が書いちゃってるのかなー。だとしたら、ワタクシからバトンを受け取ってくれる人がまだいるのかしらん…という不安は残しつつ、受け取った以上は挑戦します。

しかもまた、質問内容が難しいのよー。

1、過去1年間で1番笑った映画

「ブリジットジョーンズの日記~きれそうなわたしの12ヶ月」

3月26日に記事にしましたが、これは笑いました。クスクス笑いから大笑いまで色んな形で。しかも期待していなかっただけにやられちゃいましたね。

2、過去1年間で1番泣いた映画

「ミリオンダラーベイビー」

5月24日に記事にしています。これはもうだだ泣き。予告も見たことなくて見たのであんな展開になるなんてまったく知らなくって。かなり衝撃も受けました。「映画バトン」を記事にするために過去1年間の公開映画を見直したのですが、「海を飛ぶ夢」と「コーラス」もかなり泣きましたけど、「ミリオンダラーベイビー」はダントツでもうボロボロ泣きでした

3、心の中の5本の映画

①「恋人たちの予感」
②「コーカサスの虜」
③「ラブアクチュアリー」
④「ロードオブザリング」
(シリーズ3本で1本に数えさせて下さい)
⑤「ハリーポッター」(これから作られるものも含めて全部のシリーズ)

ちょっと軽めかな…ちょっとミーハーぽいかなー。もっと小難しいので好きなのもいっぱいあるけど最近単純なのが好きになってきたような…それにしてもかなり反則気味?だってこんなん選べるかーーーー。あんまり映画見ない人なら簡単に選べるでしょうけど、もう分母が多すぎて無理です。④と⑤はもう別格。殿堂入りです。本当はこういうの選ぶのあんまり好きじゃないんです。ホントに無理やから。
①はワタクシの映画人生に大きな影響を与えた作品。自分がどんなタイプの映画が好きなのかという方向性を与えてくれたもの。「恋愛映画」が好きというのではなく、セリフで成り立っている映画が好きということですが。
②はやはりラストの切なさが忘れられない。見てる人が少ないだけにワタクシが言いふらすことで見る人が増えて欲しい。
③はただただ見てて幸せになる作品。
ホントに単純に頭に浮かんだものを書きました。何度も言いますが絶対選べないから。きっと、半年後、一年後に書いたら違う作品が入ってくるだろうけど、たった今はこの5作品ということで。

4、見たい作品

「ヴェラドレイク」

たった今で聞かれればこれですね。1本だけ選ぶのかな?分からんけど、言い出したらまたキリがないので1本にしときます。

以上、ワタクシの「映画バトン」でした。

このバトンを受け取ってくれる方のアテがないのですが、もし、受け取っちゃるという心優しい方がいたら、コメントください。以上の質問をブログ内でつないでいくというものらしいのです。多分、本来の主旨はこちらから”受け取って”と持ちかけるんでしょうが、まずはここで募集してみます。そんな方いないかなーーー

5つ目の質問として、このバトンを渡す5人というのがあって、それをここに書かなくてはいけないみたいなんですが、まずは募集してみます。

誰か受け取ってぇぇぇ!(こういうのは反則なんかなー?でもやっちゃう)よろしくですっ

 


マダガスカル

2005-07-28 | シネマ ま行

こちらはFOXの「ロボッツ」、ディズニーの「ハービー」の対抗馬、「シュレック」「シャークテイル」のドリームワークスのCGアニメ。もちろん、声優陣は豪華(いつものことです)。ベンスティーラークリスロックデヴィッドシュワイマー(TVシリーズ「フレンズ」の人ね)、ジェイダピンケットスミス(姓でも分かるようにウィルスミスの奥さん)とかですねー。

全体的な印象は「ロボッツ」よりももう少し子供向け度強し。動物たちが主人公なせいもあるでしょうけど。笑えるところは多々アリですが、ストーリーはかなり単純。「大人もめちゃくちゃ心底楽しめる!」とはちと言い難いです。いや、面白いんですけどね。うん、発想は悪くないと思います。ただなんかもうひと押し欲しかったな。

ニューヨークのセントラルパーク動物園の動物たちがマダガスカルにたどり着いちゃってさぁ大変。野生を知らない動物たちのアドベンチャー。彼ら、野生を知らないので、ライオンとシマウマが大親友。そして、カバとキリンもみんなお友達なんですねー。ところが、マダガスカルでライオンが野生に目覚めて…

このあたりのライオンくんの苦悩が「キャットピープル」とかを彷彿とさせました。といっても、もちろん深刻なトーンなのはほんのちょっとの間です。

個人的にはペンギンくんたちがいい味を出していたのと、ジェイダピンケットスミスの声がなかなか素敵だったなー。でもデヴィットシュワイマーの病弱な(というか健康マニア?)キリンくんはちょっとうるさかった。

そして、終わらせ方としては「やっぱあーするしかないよなー」って感じです。アニメなので堅いことは言いたくないんだけど、ライオンが肉を食べずに生きるには…ならば!「ライオンキング」でもそうでしたけど、哺乳類には罪悪感を感じるけど他なら、、、っていうのはアメリカ的なのか…?

次々にCGアニメ作品が登場していますが、お約束のように毎夏作っているとだんだん苦しくなってきているのではないかなーと。稼げる時期だから作るのは分かりますが、ちとつまり気味では?本当にいいアイデアが毎夏続くとは思えないんですよねー。何度もこのブログ内で書いていますが、豪華声優陣、パロディ満載を卒業してCGアニメの新時代を作ってほしいなーとファンとしては思ってしまうわけです。


生きてこそ

2005-07-27 | シネマ あ行
実話だそうです。雪山に墜落した飛行機。救助を待つ人々。一人、また一人と仲間が死んでいく。遭難生活が長期に渡り、食料も底をつく。そんな時、遭難した仲間の屍骸を食糧にして生き延びる。

「ゲェーーーーッ」って言う人もきっとたくさんいるだろう。でもワタクシはそうは思わない。もちろん、野蛮人だとは思われたくないけど、こんな極限状態に置かれて死を取るかもう一つの選択肢を取るかと問われればワタクシはもう一つの選択肢を選ぶだろうと思うし、それを選んだ人のことをそういう状況になったことのない人が非難する権利はないと思う。それに、彼らは待っているだけではなくて自分たちの力で助けを呼ぼうとも努力していたんだし。

実際の生存者がインタビューに答えていて、印象に残ったことがある。それは墜落した時助かった唯一の女性のことだ。この女性、映画にも登場する。彼女は残念ながら生き延びることはなかったが、生存者は言っていた。男性ばかりの中にこの女性がいたことによってみんなの精神が健全に保たれたと。もし、男性だけだったらその場はもっと殺伐としたもので誰一人耐え抜くことはできなかったろうと。彼女はまさに母であり、太陽であった。やはり女性はそうであってほしい。普段は男性に守られていても(そうでもない???)いざという時には、女性らしい強さと優しさが世の中を救うのだとワタクシは信じていたい。「強い」って相手を押さえつけることではなく包み込むことなんですよね。

と、カニバリズムよりもワタクシの女性観のほうに重点を置いてみました。

最後に好きな台詞をひとつ。雪山を歩き続け救助を求める遭難者たち。くじけそうになる仲間にイーサンホークが言う。「たとえ死ぬとしても歩きながら死のう。僕たちは今生きているんだ」

シラノドベルジュラック

2005-07-26 | シネマ さ行
フランスの古典中の古典。
ただでさえ鼻のでっかいジェラールドパルデューがさらにつけ鼻をしての怪演。

このシラノという男、顔は醜いが腕はたつし、頭はいいし、アーティスティックでもあり、ユーモアのセンスも抜群でフランス社交界の人気者。そんな彼が恋する美人のいとこ。そのいとこが恋するのはハンサムな青年。シラノはそのいとこと青年の恋を実らせようと青年のために恋文の文章を考えてあげたりします。だって、自分は醜すぎて彼女が相手にしてくれるわけないんですもの…という、いかにも古典的なお話。

これが現代の話なら、「なんぢゃ、コイツ。好きなら好きって伝えろよ。自分も好きなくせにライバルの手伝いするなんて、そんなんほんまの好きじゃないわい」とワタクシは思うタイプなんですけど、それが古典の話だと思うとなんだかロマンティック~って思えるもんなんですよね。

愛の言葉も「お慕い申し上げております」だもんねー。

しかも、シラノはその想いを胸に秘めて生き抜くんですからね。半端じゃない騎士っぷりですな。シラノが死ぬシーンでは、一緒に彼の切ない人生を振り返って涙してしまいました。

アカデミー衣装デザイン賞、ゴールデングローブ外国語映画賞も納得ですが、中でもカンヌで男優賞を取ったドパルデューの演技が素晴らしいです。まさにハマリ役とはこのことでしょう。

フォーチュンクッキー

2005-07-25 | シネマ は行
日本ではどの程度か分からないんですが、アメリカではティーンに非常に人気があるらしいリンゼイローハン主演のアイドル映画。

反抗期真っ盛りの女子高生(リンゼイ)と再婚を控えた堅物ママジェイミーリーカーティスが摩訶不思議な中華料理屋のフォーチュンクッキーのせいで中身が入れ替わっちゃうというお話。

そうです。みなさんの予想通り中身が入れ替わることによって、お互いの気持ちが見えるようになり反発していた親子が理解し合ってメデタシです。

ティーン映画の嫌いな人は見ないほうがいいですね。ティーン映画の王道ですから。ワタクシはティーンコメディ好きなので面白かったです。ティーン映画でもあまりにバカバカしすぎる…というかユーモアのセンスが合わないものはもちろん好きではないけど、この作品のユーモアは笑っちゃいました。

堅物ママは学校に行って(外見は娘です)友達の言葉遣いを注意したり、急にマジメキャラになって娘の友達を驚かせますが、かねてから娘をいじめていた先生を懲らしめたりするところは痛快。

娘は娘で著名な心理学者である母親の代わりにTVに出演し、好き勝手なことを言って視聴者を喜ばせたり、弟の学校の面談でいつもケンカばかりの弟が実は自分のことを好きって知ってちょっと喜んでみたり…

ほとんどのシーンでリンゼイとジェイミーリーカーティスが入れ替わって演技しているので、堅物ママに扮したリンゼイが頑張って演技しているのが分かってかわいいし、ティーンネイジャーのジェイミーリーはピアス開けたりだらしなく振舞ったりしてこっちは更にかわいかったですね。もし、本当にジェイミーリーカーティスがお母さんだったら、うらやましいほどめちゃめちゃクールなママやろうと思うけどなー。

お気楽な気持ちで楽しめる作品です。&これからのリンゼイにちょっと注目してみてください。

とらばいゆ

2005-07-22 | シネマ た行
あんまりご存知の方はいないですかね。瀬戸朝香主演の日本映画です。「とらばいゆ」とはフランス語で「仕事、労働」という意味。ま、みなさん聞いたことある言葉でしょう。表記方法が違いますけどね。

このお話なかなかに設定が個性的です。瀬戸朝香はスランプを迎えている女流棋士。そして、その妹市川実日子も女流棋士という姉妹棋士のお話。この二人、棋士というだけあって超超超負けず嫌いの意地っぱりです。そのため、姉は夫塚本晋也 と喧嘩ばかり。妹は本当の愛を求めるものの意地っぱりな性格が災いして次々と彼氏を変えている。そして、またこの姉妹も喧嘩ばかり。

と、出演者同士が思いっきりぶつかり合う。普通に会話が弾んでいてもいつの間にかヒートアップ。喧嘩に至る。というわけで、自然と台詞の応酬となるので、非常に台詞と長回しが多い。それでいて、喧嘩のシーンがうるさすぎず、うっとおしくなく、小気味良く思えるのは監督大谷健太郎という人の演出力か。

ま、この姉妹が夫、彼氏、そしてお互いとぶつかり合い、素直になっていくまでのお話なワケでストーリーは単純明快ですが、このそう簡単には反省しないヒロインたちっていうのも面白いし、そこで語られる夫婦、姉妹、親子などの関係があまりにもナチュラルで隣の家族のお話を見ているよう。それでいて、「渡る世間」のような貧乏臭さというかぬかみそ臭さがないのは、主人公が瀬戸朝香ということと、セリフやファッションの構成がどこかヨーロッパ的というかフランス語のタイトルがよく似合う雰囲気を持っているからでしょうか。導入部からすごく自然に観客を引き込んでいきます。ラストでは、夫の優しさに触れ脱皮する主人公と共に観客も爽快感を味わうことができます。

そして、ここで主役を演じる瀬戸朝香。彼女の演技がとても素晴らしかったとワタクシは思います。妹役の市川実日子がこの役で賞を取り、その後の映画でもモスクワ映画祭で賞を取ったらしく評価されていますが、ワタクシは瀬戸朝香の一皮剥けた感のある演技が良かったと思います。

ワタクシはとにかく台詞の多い芝居が好きなのでこれはドンピシャでしたそして、将棋はまったく分からないのですが、分かる人にはもっと楽しめる部分もあるかも。(もちろん、将棋なんてまーーったく分からなくてOKですけどね。

アイランド

2005-07-21 | シネマ あ行

クローンがアイデンティティを持って自らの自由のために戦うってなぁんかもうどっかで聞いたようなというかすでに新しくもないようなアイデアじゃない?と思ったアナタ。アナタは正しい。ですよね?この話、どうなん?と思いつつ試写会へ…

ワタクシの好きなユアンマクレガーが自分の世界に疑問を抱くクローン、リンカーン3エコー、スカーレットヨハンソンがその親友ジョーダン4デルタを演じます。クローンたちの世界はいたって単純明快。彼らは刷り込みの記憶によって地球が汚染され生き残った自分たちは唯一汚染されていない「アイランド」に行く権利を抽選で得るまで健康に気をつけて生きるのだと思わされている。彼らは運動をし、単純な作業の仕事をし、健康管理をされた何不自由のない暮らしをしている。その生活にリンカーンは疑問を持ち始める…そして、外界から入ってきた蛾のあとを追って外へ出てみた彼は重大な秘密を知ることになる。

地球が汚染されていないことを知り、「アイランド」など存在せず、なぜか殺される仲間たち。ジョーダン4デルタと外へ出た彼の疑問はこの施設で働くエンジニアのスティーブブシェミがあっさり解決。秘密をペラペラと教えてくれちゃいます。彼らは金持ちの人間たちの延命のために臓器を取るためのクローン。クライアントの人間たちはクローンが植物状態だと知らされている。彼らに真実を教えなきゃ。

ここからはモチロン必死になって追ってくる者たちから逃げる逃亡劇。それにしても…

彼ら二人の存在は極秘!なわりに追っかけ方が派手過ぎだよ。追っ手がいきなりブシェミに発砲してあっさり死んじゃうし…珍しく純粋にいい奴の役だったのに。あんなに街中破壊していろんな人巻き込んで死人何人出してんねんって感じやし、ジョーダン4デルタの本物の方の人間がモデルで有名人で今事故にあって病院にいるのに、顔さすやろー、とか…

そのへんのアクションはもの凄かったですけどね。さすがマイケルベイ監督。こういうのが好みな人にはいいかも。そして、近未来ですからいろいろ面白いもんが登場しますが、やっぱ空飛ぶバイクがダントツカッコ良かったですね。あれは最強カッコ良かった。

あとは、クローンたちが何も知らされないで生活してるので子供みたいでちょっと可愛いです。スラングとかも分かんなくって人間たちに変な顔されたり、本物の「子供」を始めてみて感動したり。「キス」の映像を初めて見て真似してみてから、簡単にベッドインするところは、「いや、それはちょっと無理がないか?」と思ったけど、「キス」を知らなかった二人がキスの感触に感動するところは純粋で良かったかな。

ただねー、これがハッピーエンドでいいの?ってワタクシは思いました。製作者がこれをハッピーエンドと思っているわけではないんならいいんですけど、もし、これをハッピーエンドとして作ったならちょっとなぁ…まぁ、主人公たちには感情移入してるから彼らが助かったことは良かったこととして受け止められるかもしれんけど、他の人たちはどうなるのよ?と思うわけです。逆にもっとゾッとするような感触を残しての終わりにしたほうがしっくりきたかも。実際ゾッとするようなことなのに、ハッピーエンド的に終わられることのほうが実はゾッとするのかもしれないけど、それを狙ってるようには思えないし。(何言ってるか分かりませんよね?ゴメンサナイ。見ていただければ分かるかと。)

それでも、前半の展開にはなかなか興味深いものがあるし、もの凄いアクションと主演の二人が好きな方なら最後まで飽きずには見れるんではないでしょうか。あと、追っ手のジャイモンフンスーの役どころがなかなかにオイシくていいかも。エリート追っ手集団のわりにはなかなか捕まえられなかったけどね…(それはこういう系の映画では当然の成り行きですね)

それから、自分がお金持ちでクローンを持てたらどうするかと考えてみるのも面白いかも。ワタクシならなー、延命のためには欲しい気も…

オマケまたまた、ワタクシの好きなショーンビーンが悪役で出ています。今回はインテリな悪役だったけど、最後にはやっぱり彼らしい悪役になってしまいました。残念

オマケ2ユアンのアップが多いんですがなんか老けたなーーーって思っちゃっいました。ちと悲し

オマケ3「ロボッツ」にもちらと書きましたが、ここでもユアンがアメリカ英語を話しています。そして、クローン→アメリカ英語、本物→スコットランド訛りとなっていて区別できるようになっているところが少し面白かったですね。そーーんなにたくさんは出てきませんが、少し比較してみてください。


壬生義士伝

2005-07-20 | シネマ ま行
最近流行ってますね、貧乏サムライ話。ワタクシはこの作品がダントツ好きですね。

方言で話すダサダサ侍の中井貴一がカッコよすぎるんです。侍の名誉よりも誇りよりも面子よりも何よりもお金を稼ぐことに励む男。周りの侍からはさげすんだ目で見られるが、それもひとえに故郷で貧しい暮らしをしている家族のためなのだ。

家族のためなら、名誉も面子もどうでもいい。かっこいいじゃあないか。

それにこの男、ただの守銭奴じゃない。実は頭が良くて腕もたつのだ。そんな男だからこそ、初めは反発していた佐藤浩市も徐々にこの男の本当の姿に魅力を感じるようになっていくのだろう。

その彼らの姿と新撰組と幕府の関係など歴史に翻弄される侍たちの姿をうまく絡めて描いていて映画的な流れにも素晴らしいものがある。

佐藤浩市の相手役の中谷美紀 も潔い女の生き様として爽やかな印象を残してくれたし。回想として語られる中井貴一の子供たちが彼を見送るシーンは涙なしでは見られない。それ以外でも後半はもう涙、涙、涙ですけどね。

この男の生き様にワタクシはもの凄く共感したわけだが、彼の死んでいく様にもワタクシは共感を覚えた。彼はあがく。みっともないほどに、あがいてあがいてあがきまくる。愛する家族に会いたいからだ。

みっともない部分をすべて隠して誇りや面子を重んじる侍道が好きな人は嫌悪感さえ覚えるだろうけど、ワタクシはそんなもんクソくらえと思っている人間なので、それよりも妻や子供たちを想う彼に大共感なのでした。

(なんか、今回「共感」しか言ってないような…)

ひかりのまち

2005-07-19 | シネマ は行
なんかドキュメンタリーのような映画だ。映像をそんな感じにしてあるから余計なんだろうけど。

イギリスのとある3姉妹+弟を取り巻く生活を映している。さして大きな事件が起こるわけではないが、長女シャーリーヘンダーソンの元夫イアンハート(ハリーポッター1作目のクィレル先生ね)がグータラな半分チンピラみたいなヤツっだたり、三女モリーパーカーの夫がリストラされたことを妊娠中の妻に打ち明けられず、それがバレてケンカの末臨月の妻を置いて家を飛び出してしまったり、主人公である次女ジーナマッキーが伝言ダイアル(出会い系というやつね)で出会った素敵な男性スチュアートタウンゼントは実は何股もかけてるようなヤツだったり一番下の弟はなぜか両親と絶交状態だったりという、まぁまぁどこの世界にもあるっちゅやーあるなーみたいな感じで、一番大きな事件と言えば長女の元夫が息子を連れて出掛けたとき息子とはぐれて、まだ小学生の息子がリュックを盗られ警察沙汰になるというとこぐらい。  

そのときの警察の対応が非常に日本と違うなぁと思ったのが一番印象的でしたね。欧米の映画を見ているとよくあるシーンなのですが、子供がそういった被害に遭うとまず親の監督不行き届きがかなり責められそれが母子、父子家庭だったりするとすぐにでも福祉局に連絡して子供を取り上げられそうになります。こういうシステムを知らない人が見るとちょっとビックリするかもです。

全体的に野暮ったく途中退屈に感じるかもしれませんが、最後の展開にはそれぞれ希望があって心温まるとまではいかないかもしれないけどイギリスっぽい感じが好きな方にはオススメです。

バティニョールおじさん

2005-07-18 | シネマ は行
「コーラス」の先生役のジェラールジュニョが脚本、監督、主演をした作品。彼はフランスでは超有名な一時代を築いたコメディアンらしく、彼を含むコメディアン集団が作った流行言葉なんかもたくさんある、とこないだ日本に遊びに来ていたワタクシの友人Florent君が言っていた。日本で言えば南伸介とか、植木等とかみたいなもんだろか。

このバティニョールおじさん、そういうジャンルが公にあるわけではないけど、いわゆる「巻き込まれ型ヒーロー」という分類にあたる主人公。第二次大戦下、肉屋&総菜屋を黙々と営んできた彼。娘の婚約者が隣人のユダヤ人を密告したことで、計らずもナチスの協力者となってしまい、そのユダヤ人の家までもらい受けてしまう。そんな彼の前に逃亡してきたそのユダヤ人家族の幼い息子(シモン)が現れて…彼は、嫌々ながらも自分の罪を償うかのようにその子をかくまい、スイスに逃がしてあげようと奔走する。

この作品、ナチスやユダヤ人というテーマでありながら、お涙頂戴なところがまったくなく、適当に笑いをちりばめ、戦時下ではあるけれども、地方のフランス人の生活というのはこんな感じで都市部に比べれば少々のんきなところもあったんではないかなと、少し不謹慎ながらも、本当んとここんな感じだったかもと思います。

ユダヤ人の子供を演じる彼の役どころやキャラクターというのをどういう位置付けにするかによって、ただのお涙頂戴ものになるかどうかというのが左右されたと思うのですが、そこんとこの演出が非常にうまいですね。この子はこのバティニョールおじさんに頼るしかないし、実際おじさんは自分を助けてくれている。でも、このおじさんは自分の家族を収容所に送る片棒を担いだ(と彼は思っている)んだから、敵でもある。という位置付けだ。だから、結構わがままを言っておじさんを困らせたりもする。まぁ、いわゆる普通の子供らしいわがままなんだけど、「けなげぇ~な子供」という設定があまりに多くあり、“いかにも”な演出が溢れる中この作品のシモン君はとーーーってもナチュラル。

色々手を尽くしてついにスイスへと向かう道中、何箇所も検問をうまくくぐり抜け、(この間もいろんなことが起こって緊迫した中にもちょっと冒険みたいな感じでこれまた不謹慎にも少しワクワクさせる)国境の村で仲介人を待つうちに親しくなった家の子がバティニョールおじさんを悪者だと言い、シモンもそれにたぶらかされる。そこで、仲介人に渡すはずのお金をシモンはバティニョールおじさん暗殺のためにレジスタンスに渡そうとする。子供が大金を持ち歩きスイス逃亡の話を聞きつけた警察に捕まってしまうのだが、その身柄を引き取りに行ったバティニョールもユダヤ人だと疑われてしまう。初めは否定していた彼だけど、警官の横柄さについにブチ切れ。自分はユダヤ人でもないのに、「ユダヤ人で何が悪い!お前らと同じようにフランス人として生まれて税金だって納めている。その金で給料もらってるくせに!どうして、ユダヤ人というだけでこんな目に遭わなきゃならない?」と開き直ってみせる。

こういう形であの時代のユダヤ人虐殺の核心の部分をドンと批判するジェラールジュニョのやり方は本当にうまいなぁと感心してしまう。見てる側もあっけにとられてしまうような方法でこちらの“気付き”を促してくるのだ。

本当にまったく観客に“難しい”と感じさせることなく、ことさらに涙を押し付けるわけでもなく、ユダヤ人問題を語ってくれる作品です。ただ、単純にハートウォーミングな作品が見たい時でも十分に楽しめますよ。

夏休みのレモネード

2005-07-17 | シネマ な行
ベンアフレックとマットデイモンが主催した脚本コンテストの第一回優勝作品。彼ら自身も脚本を書いてチャンスを掴んだことからどんどん才能ある人を発掘しようと始まったコンテストなんだろう。そして、その第一回目に優勝したピートジョーンズが自ら監督もした作品。

主人公はカトリック系アイリッシュのピート君8歳半アディスタイン。カトリック系の学校でいたずらばかりしてシスターに「このままでは地獄に落ちますよ」と言われ夏休みを機に改心することに。天国へいけるようにするにはどうすればいいかを幼い頭で一生懸命考える。そこへお兄ちゃんから他の宗教の民をキリスト教に改宗させて聖人になった人の話を聞き一念発起。「ボクもユダヤ人を改宗してあげる!」とユダヤ人地区へ。シナゴーグ(ユダヤ教の教会)で出会ったラビケビンポラックに親切にしてもらい、そこでユダヤ人たちを待たせてもらうことに。ちょうどその頃ラビの家が火事になりラビの息子ダニーマイクワインバーグをピートのパパ(消防士)アイダンクインが助けたことから2つの家族の交流も始まり、騒動が起こる…

ユダヤ人を改宗させようとするピート君がとてもいじらしい。手っ取り早いところでダニーを改宗させようとするんだけど、そのためにカトリックの神父さんやユダヤのラビに色んな質問をぶつける。またこの質問が子供らしくて大人が困ってしまうようなことばかりなんだけど、それがまた真実を突いていたりして本当に大人が絶句させられることもしばしば。

この作品での重要なファクターはやはりアイリッシュとユダヤの文化的背景。主人公がアイリッシュ側なのでそちらが中心に描かれてはいますけど。

ピートの家は典型的なアイリッシュの子だくさん。ピートは8人兄弟。お父さんは消防士(これも非常にアイリッシュに多い職業)で家では四六時中ビールを飲んでいて頑固者(でも本当はあったかい人)お母さんボニーハントは毎週日曜日必ず子供たちを教会に連れて行く。こういう表面的な設定を見ただけでも決定的に典型的なアイリッシュなのだけど、非常にうまかったのは家族の関係の描き方。

時代が1976年ということもあって家の中でお父さんの言うことは絶対。長男も大学なんか行かずに働けと言われている。お父さんとお母さんの関係がうまく描かれているのは、その長男にユダヤの教会がラビの息子を助けたお礼にと大学の奨学金を出すと言われたとき。意地とプライドから反対するお父さん。「ママ、なんとか言ってやってよ」と息子は頼むがお父さんには逆らわないお母さん。でもそれは…子供たちの前ではお父さんの威厳を絶対に守ろうというお母さんの配慮。夜、二人っきりになってからは、 「あなたのプライドのために息子を犠牲にするなら、明日からずっと冷たいベッドで寝てちょうだい」ときっぱり言い切る強い女。それがアイリッシュのお母さん。おそらく高校の頃かそれよりも幼い頃からお互いを知っている、なにもかも知り尽くしたお父さんとお母さんの安心感溢れる喧嘩、という雰囲気をアイダンクインとボニーハントがうまくかもし出している。(特にボニーハントが「本当は家の実権を握っているお母さん」をうまく演じている)

だから、同じくピートのこともお父さんは反対するがお母さんはそっと応援してくれる。ピートとお母さんのやりとりを見ているとすごくほのぼのして、それでいてお母さんの言うことには知恵が詰まっていて、こんなお母さんがいるのがうらやましくなっちゃう。お父さんも頑固者だけど、本当は優しい人なんだけどね。

ユダヤ教のラビ、ケビンポラックもよその地域から来てユダヤ人を改宗させようなんて言うピートにも祝日しか教会に来ない自分の地域のユダヤ人よりも熱心でいい子だと言ってくれ親身になってくれる姿がとてもいいし、子供たちが必死で天国へ行ける道を模索する姿もヒヤヒヤもんだけど、子供らしい魅力に溢れたシーンになっている。

そして、このピート君が悲しい出来事を乗り越えて最後に彼なりの真理を見出す。それは子供らしい素直な解釈で得たものだけど、それこそがこの世の真理を突いてるんじゃないかを思わせるほど。

70年代のなつかしい小物たちにもほっとするし、色んなしがらみの中に生きてきて大切なものが見えなくなっている大人たちの目から鱗を落とすような視線で語られる素敵な作品です。夏休みにどうぞ。

ただやはり、宗教的なことが背景なのでカトリックとユダヤの違いとかをまーーーーったく知らないという人にはつらいところもあるかもです。

ファイナルデスティネーション

2005-07-15 | シネマ は行
期待感ゼロで見た作品。

修学旅行でフランスに行く飛行機が爆発する夢を見たデボンサワは実際の離陸直前にパニックを陥り機内で大騒ぎ。その騒動で飛行機から6人が降ろされる。そして、その飛行機が本当に爆発。生き残った6人の運命は…?

実際に死ぬはずだった人間はその運命からは絶対に逃れられない。それぞれの死に方とかエグいのがあったりして、それやったら始めから飛行機の爆破で死んだほうが幸せやったんちゃうん???と思わされます。

死ぬはずの運命は絶対に変えられないとか言って助かった人が次々死んでいくなんてめちゃくちゃ非教育的です。これを完全にフィクションでティーンホラーものとはこんなものとして楽しめる人にはです。

それにしても、期待度ゼロで見始めたワタクシはいつの間にかかなりのめり込んで見てしまいました。みんなどうなっちゃうのぉぉ?って。ラストもなかなか甘くなくてシニカルホラーっぽくて好きでした。続きの「デットコースター」はまだ見ていませんがどうなんでしょうか?

ロボッツ

2005-07-14 | シネマ ら行
おとつい、試写会へ行ってきました。

みなさん、これはディズニーではありませんよ。FOXのCG長編最新作です。「アイスエイジ」のクリスウェッジ監督。声優陣はもちろんお約束の豪華な顔ぶれ。ユアンマクレガーロビンウィリアムスグレッグキニアハルベリーって感じです。

ポンコツロボットのロドニー(ユアン)がロボットシティで一旗あげる話なんですが、このロボットの世界の設定がうまくできています。まず、ロドニー誕生の話から。彼らはロボットですが、ワタクシたちが一般的に想像するロボットではなく、ちゃんと人間のように生活をしているロボットたちです。だから、ロドニーもきちんとロボットのお父さん、お母さんから生まれます。えっ?どうやって?って?別に彼らはセクサロイドではありませんよ。子供たちが見る映画ですからねぇ~ロドニーのパパとママのところに赤ちゃん組み立てキットが送られてくるんです(!)それを二人で一生懸命組み立てて、床に転がってる大事な部分のパーツ(←一瞬忘れられそうになってた。大変!)を最後にくっつけたら、ほぉらかわいいBABY BOYの出来上がりです。というわけで、誕生日ごとに新しく組み立てるのですが、ロドニーの家は小市民なので、パーツは全部いとこのおさがり。一度なんて女の子のいとこの体をくっつけられちゃいます。ようこれでグレへんかったなーと妙に感心しつつ…

あとは青年に成長したロドニーが花の都大東京、、、じゃなかったロボットシティへ出て、仲間たちとポンコツロボットを葬り、金持ちだけアップグレードさせようという悪徳業者をやっつける。という、友情と冒険の物語~。

このロボットシティの交通手段がスリル満点でまるでこちらまで遊園地のジェットコースターに乗ってる気分!ロボットシティで仲間になるのがロビンウィリアムスですから、もちろんお約束通り笑わせてくれますし。試写会場は99.9%大人でしたが、みんな大ウケでした。でも、子供やったらここで笑うんやろうなぁっていうスラップスティックな笑いもたくさんあるので、もちろん子供たちにも大ウケでしょう。

一番の悪者を意外なキャラがやっつけるのも見ていて爽快。素直に応援しちゃいますね。仲間が危険な目に遭うシーンで「あ~~」っていう明らかに大人の声が試写会場に響き渡ってました。それだけ入り込んでたんでしょう。

いまや、アメリカのCG長編作品が面白くないことはないので、これももちろん期待していいです。ただ、ワタクシはすこーーーーしこのCG長編のパターンに飽き気味ですが…プラス、ロドニーはユアンに良く似てもちろんかわいいんですが、ワタクシ個人的にはやっぱりfluffyなのが主人公のほうがいいなぁ…

オマケユアンマクレガーのアメリカ英語にちょっと耳を傾けてあげてください。がんばってマス