シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

存在の耐えられない軽さ

2005-07-06 | シネマ さ行
「服を脱ぎなさい。僕は医者だ」遊び人のエリート医師トマシュダニエルデイルイス。このセリフで何人もの女性をおとしていく彼。結婚後もそれまでの愛人レナオリン(帽子のお姉さん。見ていただければ意味は分かります) とコンスタントに会い続け… 

「あなたの人生への態度の軽さに耐えられない」と奥さんに逃げられるのですが…それでもやっぱり元のサヤに収まるんですよね。しかも、その奥さんジュリエットビノシュ、愛人とも仲良くなっちゃったりしてねー。なんか不思議です。普通なら異常にドロドロして見えるはずなのに、トマシュも愛人もなんか憎めないんですよね。外見がイイ人そうとかそんなんじゃ全然ないのに。むしろその逆。でも、こうもスマートにやられちゃうとねぇ。開き直りの強みとでも言いましょうか。

この作品、恋愛話ではあるのですが、背景が社会主義時代のチェコスロバキア。ソ連の軍事介入・チェコ事件という政治的な事件をはさんで展開します。ちと背景を理解してないと、どうして主人公たちがこんな目(国を逃げ出したり、色々尋問されたり、医者の地位を奪われたりします)に遭うのか理解できないかもしれないので、予備知識を入れて見たほうがいいかもです。

物語の最後はなんか都合よく終わっているように思う人もいるだろうけど、ワタクシは良かったと思いました。色々あった二人だけど、最後は一緒にシアワセにって。きっと、愛人のお姉さんもそれを聞いてシアワセを感じただろうなと。不思議だけど、最後にはなんか爽快感を感じた作品でした。