シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

否定と肯定

2017-12-19 | シネマ は行

何よりもまず最初に言っておきたいことがあります。いままでこのブログでは邦題のセンスが悪いとかミスリードなどを指摘しては来ましたが、今回ほど邦題に腹の立ったことはありません。原題は「Denial」(2016年の原作本の改編時に「History on Trial」から変更)です。原題は「否定」これはホロコースト否定論者の否定でもあるし、否定論者を否定するという意味も含まれているのではないかなと思うのですが、邦題は「否定と肯定」肯定って何?ホロコーストに否定も肯定もないよ?日本のメディアお得意の両論併記ってやつですか?これではまるでホロコーストに否定側と肯定側が存在するかのような書き方です。そんなものは存在しません。ただ事実を否定したい人たちがいるだけ。口に出すのもはばかられるような恥ずかしい邦題つけないで欲しい。

さて、映画の内容ですが。ワタクシはこの映画の存在を知った時に原作本をすぐ手に取って読みました。原作には事細かに裁判の様子やその前の資金集めや資料集めの様子が書かれていました。これが映画になると思うとワクワクして、主演が大好きなレイチェルワイズということもあり、映画を見るのを楽しみにしていたのですが、映画そのものはちょっと全体的に物足りなかった気がしました。

資金集めの部分はイギリスのユダヤ人コミュニティに示談を薦められた話と、スピルバーグが全額出そうとしたとリポーターが話したくらいで、その他の細かいところはカットされていました。アメリカのユダヤ人コミュニティにはスピルバーグ以外にも支援を申し出てくれた人がたくさんいましたし、その方たちとのやりとりもありました。

資料集めはおそらく一番大きなアウシュヴィッツへの訪問部分はきちんと描かれていました。あそこでエモーショナルになってしまうリプシュタット教授(ワイズ)と冷静に証拠を集めようとする弁護士ランプトントムウィルキンソンの姿が対照的に描かれていました。その他にも膨大な資料を集め読み込み、弁護の材料にしていった弁護士やパラリーガルの姿は時間的に入れることはできなかったのでしょう。

肝心の裁判部分ですが、原作を読んでいる者からすると、これ映画だけ見た人はなんで勝ったか分かったかな?と思ってしまいました。原作ではもっとたくさんのやりとりが描かれていたし、証人と否定論者であるデヴィッドアーヴィングティモシースポールとのやりとりも多くそこで少しずつアーヴィングが馬脚を現していく部分がスリリングだったのですが、ちょっと裁判部分にかける時間が短かったような気がします。

映画では裁判そのものよりも、リプシュタット教授と弁護士団の人と人との関係のほうがスポットライトが当たっていたような気がします。自分の良心を信じて突き進んできたリプシュタット教授が裁判では一言も発することを禁じられ他人に自分の運命をゆだねるはめになってしまう。そんな彼女が弁護士たちと信頼関係を築いていく姿をよく映し出していました。ダイアナ妃の離婚弁護士であり、周囲からは名声を求めていると思われがちだった弁護士アンソニージュリアスアンドリュースコットが実は信念の人であり、ホロコーストのサバイバーたちを証言台に立たせるというリプシュタット教授にそんなことをしたら、どんな酷い質問がアーヴィングから飛ぶか分からないとそれを拒否し続けていた姿が素敵でした。

裁判の判決が出てもまだ「内容的には自分は勝った」などとほざいていたアーヴィングのような歴史修正主義者がいまこの日本にもウヨウヨいてイヤになる。

コメント

ビハインドザコーヴ~捕鯨問題の謎に迫る

2017-10-13 | シネマ は行

2010年に「ザ・コーヴ」を見たときにどうして「メイキング・オブ・ザ・コーヴ」というカウンタームービーを作らないんだ!という感想を書いていたら、カウンタームービーができた。2015年、映画作りは素人の八木景子監督が作ったというので見たかったのだが、見る機会がなくこの度ケーブルテレビで見ることができました。

正直に言います。まぁとにかく素人くさい。本当に手作り感がすごいです。ぶっちゃけ見ていてしらけそうになるくらいなんだけど、最初にちょっとそこに目をつぶって我慢して見ているとだんだん内容に必死になって見ていました。

太地町の人々、太地町の役人、市長、太地町の活動家、国の役人、シーシェパード、ノルウェーの教授、アニマルプラネットの元カメラマンとインタビューは多岐に渡り、それぞれの人が話す内容もあっちゃこっちゃ行ってちょっと分かりにくい。ワタクシが期待していたのはまさに「ザ・コーヴ」のカウンタームービーで「ザ・コーヴ」のはい、ここがウソ、あそこがウソってひとつひとつ指摘していってくれるような作品だったのですが、これはそこまで逐一やっていくわけではなく全体的な反論となぜここまで捕鯨問題がアメリカで取り上げられるかという疑問に迫るといった感じでした。

結局日本の国が「ザ・コーヴ」に関して何もしなかったのは、こんなことにお金をかけても無駄だからってことだったらしい。捕鯨なんて大した経済効果もないし、日本の片田舎のとある町の人たちがやりたいなら勝手にやったらいいじゃないくらいのもんなんだろう。それプラス、アメリカはベトナム戦争への世界的な非難から目を背けさせるために日本の捕鯨をやり玉に挙げたっていうんだから、それには驚きだったな。シーシェパードがイルカに固執するのは儲かるからっていうのは予想がついたけど、まさかアメリカが自分とこへの非難を避けるために捕鯨問題を利用したとはね。

シーシェパードの人たちにもインタビューをするんだけど、何を聞いてもお話にならないよね。一応質問したことには答えてはくれるけど、内容は要領を得なくてイライラする。あの代表にインタビューさせまいとやたらと手を回してきたシーシェパードの日本人女性にもイライラしたな。

捕鯨問題を原爆の問題と結びつけるのはちょっとどうかと思う部分もありましたね。捕鯨問題でアメリカが日本ばかり責めるのは人種差別があるからというのは、あながち完全な間違いではないかもしれないけど、それだけで断罪してしまうのは危険な気がします。こちらの文化をはなから理解する気がないという傲慢な態度は結局有色人種を下に見ているからというのがあるかもしれないけど、もう少し鯨とイルカを獲って食べることの環境への影響などを科学的な見地からシーシェパードに疑問をぶつけてほしかった。

科学的な資料とか、歴史的な資料もたくさん登場して客観的に判断できるようにはなっているんだけど、その資料の出し方が一瞬映るだけだったりして、物足りなさはあった。

太地町の人たちは「ザ・コーヴ」以降もうメディアはこりごりという感じだっただろうから八木監督が信頼を得るまでは大変だっただろう。そういうところは素人だったのが幸いしたのかもしれない。



と、レビューを書くために人名などネットで調べているとこの作品の「アメリカがベトナム戦争への非難から目を背けさせるために日本の捕鯨をやり玉に挙げた」というのはウソという情報が、、、んーーーなんなんだ。これこそドキュメンタリー作品を鵜のみにしてはいけないというこの作品の意図と合致した意味を持った例になってしまっているではないか。

コメント

ヘイトフルエイト

2017-09-28 | シネマ は行

南北戦争後のアメリカ。町へ向かう途中激しい吹雪のため山小屋へ避難し、居合わせた男7人+女1人。

賞金稼ぎのマーキスサミュエルL.ジャクソン
同じく賞金稼ぎのジョンカートラッセル
ジョンが捕らえて連行中のデイジージェニファージェイソンリー
保安官のクリスウォルトンゴギンズ
山小屋の店番ボブデミアンビチル
絞首刑執行人オズワルドティムロス
カウボーイジョーゲイジマイケルマドセン
南軍の元将軍サンディスミザーズブルースダーン

これで8人なんだけど、実はチャニングテイタムもクレジットされていて、彼はクレジットしとかないほうが良かったんじゃないの?と思った。

荒くれ者たちに加えて女1人が人殺しでクビに賞金がかかっているような面子なもんだから、穏やかに済むはずはない。

「レザボアドッグス」やら「パルプフィクション」やらのようにまーもうずーーーっと登場人物の与太話というか無駄話が多いのがいかにもクエンティンタランティーノ監督作品。そういう与太話の中にそれぞれの性格やら思惑やらを入れ込んでくるのが彼のスタイルですね。だから、実際にストーリーがぐわーーーっと動き出すのは結構後半なのでそこまでは慣れていない人はちょっと我慢が必要かも。

まぁしかし今回タラちゃん、よくもここに書いた全員をキレイに殺しきれるような脚本を考えたねって感じ。とにかく全員をキレイに殺しきるっていうのもある意味では彼のスタイルなんだけど、今回はなんか最後に妙な爽やかさまで感じてしまったわ。あれだけ人がエグい方法で死んでいくのに不謹慎だけど、タランティーノ作品なんて不謹慎の塊のようなものですから。それを楽しめるかどうかはあなた次第です。

コメント   トラックバック (1)

THE FORGER~天才贋作画家 最後のミッション

2017-08-23 | シネマ は行

ブログ記事のタイトルを書いた瞬間、随分とまぁ大そうな副題をつけたもんだと苦笑しましたが、まぁ、一応最低限内容には合っている副題です。

あと9か月で出所が決まっている贋作詐欺師レイジョントラヴォルタが敵のボスに検事を買収してもらって無理やり出所してきた。あと少しなのになぜ?と思うのだが、実は15歳の息子ウィルタイシェリダンがガンに冒され余命いくばくもないので共に時間を過ごしたいとボスに借りを作ってまで出てきたのだった。

そのボスにお金を返すためモネの贋作を製作し、美術館の本物と交換してくるよう脅されるレイ。息子と貴重な時間を過ごしつつ、最後の大仕事に出る。

まぁこのジョントラボルタが天才贋作画家に見えないこと、見えないこと。でもワタクシはジョントラのファンなので、いーんですっ!の精神でなんとか見ました(笑)モネの贋作作る過程も結構雑だったしな。この仕事部分と息子との絆部分を描かなくちゃいけなかったのでその辺は仕方なかったのかな。

死にゆく息子の最後の願いを叶えてやろうとするところは素直に泣けますね。特に麻薬中毒で別れたお母さんと会わせてあげるところね。お母さんも精一杯頑張ってニューヨークで成功しているという嘘を吐くんですが、お母さんと別れてから「嘘を吐いてくれてありがとう」とお父さんに言うウィルに泣けます。

このウィルを演じるタイシェリダンくんは「X-MEN:アポカリプス」でサイクロップスの若い頃を演じていましたね。めちゃカッコいいとかじゃないけど、なんかキュートな感じでこれからの活躍に期待しています。

最後の大仕事のシーンはオチは分かるし、なんだか都合良くうまくいったなって感じはしますが、どうしてもレイが悪いヤツとは思えなかったし、息子のこともあるから単純に応援してしまいました。

ジョントラボルタに関しては、彼が実生活で16歳の息子さんを亡くしているだけに、よくこの役を引き受けることができたなぁと思って、その分なんだか妙に感情移入してしまいました。

コメント

PAN~ネバーランド、夢のはじまり

2017-08-18 | シネマ は行

これも先日WOWOWでやっていたので見たのですが、ネットでレビューを見ると結構評価が低いんですね。ワタクシ、普通にめっちゃ楽しんで見ました。最初の期待値が低かったからかな?

ピーターパンの前日譚を描く物語。赤ちゃんの時孤児院の前に母メアリーアマンダサイフリッドに捨てられたピーターリーヴァイミラーがいかにしてピーターパンとなったかをジョーライト監督が描く。

孤児院から海賊にさらわれたピーターはネバーランドに連れて行かれる。ネバーランドは黒ひげヒュージャックマンが支配していた。黒ひげ登場の場面でニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」を全員で歌うシーンがあったので、お、これはまさか「ムーランルージュ」みたいに現代のポップやロックをミュージカル風に歌っていく作品なのか!?と思いきや、それはここだけでした。残念。

最初黒ひげがフック船長だと思って見ていたのですが、途中でピーターを助けてくれた青年がのちのフック船長ギャレットヘドランドだと判明してビックリ。お~フック船長とピーターは最初友達だったんだー!と面白い展開。

タイガーリリールーニーマーラも、人魚たちも時計ワニもスミーアディールアクターもティンクも全員ちゃんと登場して、満足してしまったのですが、ピーターパンのお話が好きな人にとってはピーターとフック船長が友達だったなんてありえないし、タイガーリリーとフック船長のロマンスなんてのも絶対にありえないのでしょう。歳のころも合ってないですしね。あとは時代背景も合ってないのですね。ワタクシはその辺りのことは全部うっちゃってこの作品を楽しめる程度にしかピーターパンそのものに思い入れがないのでしょうね。

そういう意味では前日譚というよりも、ピーターパンの登場人物を使ったパラレルワールドのお話と考えた方が楽しめるかもしれません。

ピーターが飛べれば本物の勇者だと認められるんですが、1回飛べてから2回目が全然飛べないんですよ。何度も何度もいまか?いまか?というシーンがあるんですが、普通にドスンと落ちるだけ。いつまで引っ張るねん!と腹が立った人も多かったようですが、ワタクシは毎回楽しんで見ました。

最後に「僕たち親友だね」「そうさ、ケンカなんてありえない」と言っていたピーターとフック船長がどういういきさつでピーターがフック船長の腕を切り落としワニに食べさせるようなことになったのかと想像するのも楽しいもんだなと思いました。

ピーターパンを演じるリーヴァイミラー君がすごく可愛かったのでこれからが楽しみです。

コメント

ヒトラーへの285枚の葉書

2017-07-19 | シネマ は行

ナチス関連の作品はよく見に行くのですが、今回はブレンダングリーソンエマトンプソンが主役を演じるという時点で英語劇であるということが分かっていて少し微妙かなとも思いつつ、世界市場を考えて言語が英語になる作品はたくさんあるので最近ではあまりそこんとこは気にしないようにしている。

こういう題材なので、はばかられる部分もあるのだけど、映画作品の作りという意味では少し退屈だった。それだけヴァンサンペレーズ監督は変に脚色しないで作りたかったということなのかなと好意的に見たりもしているのですが。

オットーとアンナクヴァンゲルの夫婦は一人息子を戦争で亡くす。それ以来オットーは葉書にナチス政権批判を書いてベルリンの街角にそっと置くという抵抗運動を始める。ナチス政権批判を扇動したものには死刑が待っている。そんなことは百も承知で夫妻は地味ながらも抵抗運動を続ける。

その葉書を拾った市民は警察に届けた。エシャリヒ警部ダニエルブリュールは捜査に乗り出す。ナチス親衛隊はこのようなことはあってはならないとエシャリヒ警部にすぐに犯人を逮捕するよう圧力をかけてくる。

逮捕されるまで実に3年もの間に285枚の葉書を書き続けたオットー。そのうち警察の手に渡らなかったのはたった18枚だった。ナチスを恐れてか、本当にナチスを信奉していたか、そのどちらかは分からないが93、4%の割合で警察に届けられたことになる。エシャリヒ警部が捜査を始めたとき、部下がこんなものを書いても95%は我々の手に渡りますよと言っていて、大きく出たもんだと思ったのだけど、実際ほとんどその通りになってしまった。それを考えるとやはり独裁政権って恐ろしい。

クヴァンゲル夫妻はナチス政権に息子を殺されたから抵抗運動を始めたのであって、ナチスのユダヤ人や社会的弱者などの迫害や独裁主義的な政治という部分に反対して運動を始めたのではない。途中、夫妻が同じアパートに住むユダヤ人のおばあさんをかばうシーンがあったので、ユダヤ人迫害に賛同していたわけではないということは表現されていた。彼らは強い信念を持ってこの運動をしたというよりもどちらかと言えば息子を亡くして自暴自棄になった夫婦という印象だった。ただやはり自暴自棄という言葉だけでは説明できない普段の生活からのナチス政権への抵抗が彼らにはあったのだと思う。

オットーのメッセージをほとんどすべて読み、ナチス親衛隊の理不尽な暴力を目の当たりにしてきたエシャリヒ警部の心がかき乱されていく後半はなかなかに見どころだと思う。原作が完全なドキュメンタリーではなく実際の事件を基にしたフィクションであるということからエシャリヒ警部が自殺したのはフィクションの部分なのだろうなと勝手に想像しているのですが。

展開が静かすぎて眠くなってしまう部分も正直ありましたが、重厚なドラマではありました。

コメント   トラックバック (1)

ハクソーリッジ

2017-07-11 | シネマ は行

以前から見に行こうと思っていた作品です。

「汝、殺すことなかれ」この信念を持って戦争に行った人デズモンドドスアンドリューガーフィールド。事前の情報で殺すよりも救った人ということは知っていましたが、まさか銃を持つことすら拒否していたとは。

メルギブソン監督は彼がなぜこのような信念を持つに至ったかを少年期、青年期と丁寧に描いていきます。戦争映画は戦場のシーンにばかり目が行きがちになりますが、きちんとデズモンドの背景も描かれています。第一次世界大戦で傷ついて帰ってきた今で言うなら完全にPTSDの父親トムヒューゴウィービングとの関係も丁寧に描かれていて、悪い人ではないけど、戦争であんなになっちゃったお父さんとそれでも一緒にいるお母さんレイチェルグリフィスの状況が辛かった。のちに奥さんになるドロシーテレサパーマーとの出会いのシーンはちょっとした青春映画のようで少しほっとできるシーンでした。

デズモンドが入隊し、銃を手にする事すら拒否し、軍隊は彼をやめさせようと組織的に圧力をかけ、仲間からも壮絶ないじめを受ける。軍法会議にかけられてさえ信念を曲げないデズモンド。まぁ頑固な男だね。

果たして沖縄に上陸したデズモンドたち。先行して入っている他の隊の状態を見て青ざめる。ハクソーリッジとは一体どんなところなのか。アメリカ軍がハクソーリッジと呼んでいる崖を登っていくとそこは随分と静かな場所だ。日本軍の姿は目に見えない。少しほっとしているとどこからともなく銃弾が降って来て兵士が撃たれた。あちこちに掘った地下の穴から攻撃してくる日本軍。姿は見えないのに絶え間なく撃ってくる。

ここでの戦闘は苛烈を極めた。そんな中デズモンドは銃も持たずに負傷した兵たちを救い続ける。訓練で一番デズモンドをいじめていたスミティルークブレイシーがデズモンドを援護してくれた。スミティと分かりあえたと思ったのもつかの間彼は日本軍に撃たれて死んでしまう。戦場のシーンだったのでこう思うのは少し不謹慎かなと思ったけど、このスミティがとてもカッコ良かったです。

一旦崖の下に降りた隊の後にデズモンドは1人残って負傷兵を助け続けた。応急手当をしモルヒネを打ち、ロープを体に巻きつけて下に降ろす。「神様、あと一人、あと一人助けさせてください」そう祈りながら。

戦場のあの状況でよく神を信じ続けられるもんだと無神論者のワタクシは思ってしまうのだけど、その信念の強さがデズモンドを突き動かしていた。ある意味では狂気と呼べるものだったかもしれない。デズモンドを演じるのがアンドリューガーフィールドだったので数か月前に見た「沈黙」の彼と信仰を試されるという意味で重なってしまった。

デズモンドがこの日あの崖から降ろした負傷兵は75名。うち2名は日本兵だったらしい。彼らは一命を取り留めることはなかったそうだけど、デズモンドは敵も味方も関係なく助けた。

こんな人があの時戦場にいたなんて、まったく知らなかった。彼の存在はもっと語りつがれるべきだと思う。これを映画化したことはとても深い意味があると思います。

オマケ随分キャストがオーストラリア人だらけだな。メルギブソンが監督だからか?と思ったらオーストラリアとの合作だったのですね。

コメント   トラックバック (1)

ふたりの死刑囚~再審、いまだ開かれず

2017-06-13 | シネマ は行

ワタクシがよくここで取り上げている東海テレビのドキュメンタリーです。ふたりの死刑囚とは2014年3月27日に釈放された袴田事件の袴田巌さんと2015年10月4日に獄死した名張ぶどう酒事件の奥西勝さんのことです。

釈放後の袴田さんとお姉さんの生活、奥西さんの面会に行く妹さんの生活などが語られますが、正確な時間配分は分かりませんが、袴田さんに重点を置いているような気がしました。

袴田さんは48年に渡る拘置所生活のせいで拘禁反応が出ており、お姉さんと一緒に暮らすマンションの部屋中をただただ歩き回って一日を過ごしていた。歩き回るかお姉さんの用意してくれた食事を取るか疲れて眠るか。初めはマンションの外へ出ることもできず、このドキュメンタリーの取材陣が来ても、それが一体誰なのか分かっていない様子で相手にしようともしなかった。

それが徐々に少しずつお姉さんと一緒に近所に出ることができるようになりドキュメンタリーのスタッフと将棋を差したりするようになる。時折よく分からないことを言いだしたりするが、こちらの質問に普通に答えることも多くなってきた。袴田さんはうちわを片時たりとも離さない。それも拘禁反応のひとつだという。

48年間拘置所に入れられると人はこんなふうになってしまうものなのか。しかもただ閉じ込められているだけではなく、明日の朝には死刑宣告されるかもしれない、今日が最後の一日かもしれないと思いながら日々を過ごしているのだから極限の状態と言っていいだろう。それも自分の犯した罪の罰ならばどこかで観念する部分もあるかもしれないけど、無実の罪で閉じ込められ続けたのだから想像を絶する。

そして、袴田さんのお姉さんは変わらずずっと弟を支援してきて離婚もし、弟が釈放されたときのためにとお金を貯めて彼のためにビルを買っていた。ただ「だって弟だから」としかお姉さんは言わない。姉弟でもここまでできるもんじゃないと思う。

いまでも袴田さんは死刑囚であり、いつ保釈を取り消されまた収監されるか分からない状況なのだ。

昨今の痴漢と言われたらもう絶対に有罪になるから逃げろなどというアドバイスがテレビで面白おかしく取り上げられ、それを真に受けて実際にそういう行動出る人たちが続出するのも、実際に日本の司法がきちんと機能していないからで、痴漢冤罪と袴田さん、奥西さんの事件の重要性をいっしょくたに語るのはダメなのかもしれないけど、根本的な話としては同じことなんだと思う。警察、検察、裁判所の怠慢、腐敗以外の何物でもない。

警察や検察は一度逮捕した人間を有罪にしようと躍起になるが、それが冤罪だった場合真犯人は野放しになっているという事実に関しては何とも思わないのだろうか?袴田事件もぶどう酒事件も事件から50年以上経ちもはや真犯人が判明する確率はゼロだろう。冤罪で逮捕した人に対しても被害者たちに対しても警察や検察は重大な罪を犯している。

こんな司法の国で共謀罪の法案が国会を通過しようとしている。

コメント

光をくれた人

2017-06-05 | シネマ は行

予告編を見て見に行こうと思いました。レイチェルワイズが好きだし、アリシアヴィキャンデルはいま一番注目している女優さんだし、物語も良さそうだったので。

第一次大戦で心に傷を負って帰還したトムシェアボーンマイケルファスベンダーは一人静かに暮らしたくて灯台守の仕事に就く。灯台のある島の近くの街に住むイザベル(ヴィキャンデル)と出会い、恋に落ち結婚し、灯台のある島での2人きりの生活が始まる。イザベルは妊娠するが2人連続で流産してしまう。2人目を流産して深く傷ついたところに島にボートが流れてきて、そこには男の死体と赤ん坊が乗っていた。

トムはもちろん通報しようとするが、イザベルは赤ん坊を離そうとしない。通報すれば里子に出されて不幸になってしまう。このまま私たち2人が黙っていれば誰にも知られることなく自分たちでこの子を育てていける、と。トムは葛藤するが、イザベルの幸せそうな顔を見て通報できずにいた。

流されてきた男の死体を埋め、赤ん坊にルーシーと名付け、本土には本当は流産した赤ん坊が予定よりも早く生まれたことにした。赤ん坊はすくすくと育ち、夫婦は幸せな時を過ごす。本土での洗礼式の日、トムは教会で夫と娘の墓の前で泣く女性ハナ(ワイズ)を目撃し、それがこの赤ん坊とあの死んでいた男の妻だと知ることになる。

トムはどうしても黙っていられず、ハナの家のポストに赤ん坊が生きていて大切に育てられているという手紙を入れてしまう。ハナは警察に捜査を依頼するがいまいち進展しまいまま数年が経つ。

ルーシーはイザベルとトムの夫婦の下で成長し、4歳になる。灯台の周年記念日で本土で式典が行われ、そこでまたハナに再会するトムたち。ハナの焦燥しきった姿を見て、トムはさらにルーシーが流れ着いたときに持っていたガラガラをハナのポストに入れる。それがきっかけで捜査の手がトムたちに伸びてきた。

トムはイザベルをかばいすべては自分がやったことと警察に言い、イザベルはルーシーを取り上げられトムを恨み、トムが流れ着いた男を殺したことにしてしまう。

一方、ルーシー(本当の名前はグレイスだった)を取り戻したハナだったが、ルーシーにとってママはイザベルであり、ハナにはまったく懐かない。ある日、ルーシーはママとパパを探して灯台に戻ろうとし行方不明になる。娘の無事を祈るハナはもし無事に戻ったら娘の望むようにしてあげるから命だけは助けてほしいと神に祈る。

海辺で発見されるルーシー。ハナはトムさえ刑務所に行けばルーシーをイザベルに任せても良いとイザベルに告げる。その言葉を聞いて目を覚ましたイザベルは移送される寸前のトムのもとに行き、トムは本当は男を殺していないし、赤ん坊を黙って自分たちのものしたのも自分のせいだと証言する。

三者三様の辛さが想像できるだけに、すべてが切なかった。戦争で心傷ついたトムはそこから救ってくれたイザベルのためなら死刑になることさえ厭わなかった。2度の流産を経験したイザベルはあの時波に運ばれてきた赤ん坊が神の恵みとしか思えなかった。夫と娘をいっぺんに亡くした(と思っていた)ハナの元に戻ってきた娘は赤の他人をママと呼んでいた。

もちろん、悪いのはイザベルとトムなのだけど、それだけでは済まされない人の気持ちというものがそこにあって、理性でダメだと言うのは簡単だけど、やはり割り切れない人の心が切ない。

死んでしまった夫が、どんなに辛い時も笑顔でいた人で「一度許せばいいだけだから」と他人を恨まずに生きることを信条としていたことを思い出したハナがトムとイザベルを許すのは、ものすごく尊い行いだったと思う。母親として娘を奪った犯人を憎み続けることもできたはずだし、それでも誰にも責められることなどなかっただろうに、それを許すと言ったハナ。それでこそ、ルーシーグレイス(ハナたち家族は娘をこう呼ぶことにした)が最終的にはトムたち夫婦に会いにくることができたのだし、ハナのことも受け入れて暮らすことができたのだろう。

誰の気持ちを考えても涙が止まらない作品でした。

コメント

美女と野獣

2017-04-24 | シネマ は行

どこで第一報を知ったのか忘れましたが、エマワトソンがベルを演じると知ってから、もう待ち遠しくて待ち遠しくて。何か月この公開を待っていたことか。というわけで公開初日に行ってきました。

まぁとにかくエマですよ。エマのベルが素晴らしい。顔は美しいけど、ちょっと田舎っぽさも残していて、頭が良くて読書が好きで自由な考えの持ち主。もうエマ以外のベルなんて考えられない。その上、ミュージカルにふさわしくちゃんと歌も上手っていうんですから非の打ちどころがない。エマワトソンはハーマイオニーを演じるために生まれてきて、ベルを演じるために美しく成長したのだと思います。

ベルと野獣ダンスティーブンスを取り巻く脇役たちがまた完璧で。
ロウソク立てのルミエールユアンマクレガー、ミセスポットエマトンプソン、古時計コグスワースイアンマッケラン、ピアノのカデンツァスタンリートゥッチ、ガストンルークエヴァンス、ベルの父ケヴィンクライン。みんな歌が上手くて本当に夢の世界です。そしてチップネイサンマックはやはりとても可愛いし、もちろん犬のフルフルも健在。この犬は原作にも登場するのかなぁ?アニメ版を見たときにアメリカ人てこういうところに絶対犬を登場させるよねって思いました。

“ディズニーアニメの「美女と野獣」の実写版”というただのこの作品の説明が実はこの作品のすべてを表していると言っても過言ではありません。変な表現ですが、本当にアニメの実写版なのです。それだけで説明が事足りてしまうくらい、本当に素晴らしい実写版です。

そして、それプラス、少し上映時間に余裕がある分物語にさらに深みを加えています。王子(野獣)がどうしてこんなイヤな奴になってしまったかという理由が語られたり、ベルの母親の死について語られたり、ベルと野獣の恋心が深まっていく様子もアニメより詳しく語られていて説得力があるし、オリジナルキャストやオリジナルソングも増えてより深く物語を楽しめるようになっています。

ルミエールが歌う「Be Our Guest」のシーンでは本当に現代のテクノロジーの素晴らしさを感じることができます。少し前ならアニメでしか表現できなかったことが、実写版でここまでできてしまうんですよねぇ。もちろん、テクノロジーだけではなくてそのCGに命を吹き込む役者たちの演技が素晴らしいからこそリアルに感じることができるのだと思います。

ベルが黄色のドレスを着て野獣と踊るシーンの再現性が素晴らしくて、いつまでも見ていたいような気になりました。全体的にベルが主役だけど、そこまで出ずっぱりという役周りではないので、もっとエマを出してーーーー!!!という気になってしまいました。もちろん、エマの出番を増やせばそれでいいっていうもんじゃないということは分かっているのですが、本当に永遠にエマがベルを演じる姿を見ていたい気持ちになりました。

アニメ版では正直、野獣が王子様に戻った時「あれ?野獣時代のほうがカッコ良かった?」ってなったんですが、正直今回もちょっとそれありました。でもなんか、それはそれでいいのかな、と。もちろんダンスティーブンスが野獣のメイクをしているからなんでしょうけど、王子様に戻っても野獣っぽく見えてそこが良かったです。最後にベルが「ヒゲを生やさないの?」って聞くところがお茶目で大好きだったなぁ。野獣の時の姿もなかなか好きだったんだなって分かるのが可愛らしかった。

アニメ版で何度も見ているからストーリーは完全に知っているのに、ガストンに真剣に腹が立ったり、召使たちが最期を覚悟して別れを告げあうシーンでうるっときたりと、十分この実写版にはまって見ることが出来ました。それもやはりそれほどに出来が良いという証拠なのだと思います。

コメント   トラックバック (4)

パディントン

2017-03-07 | シネマ は行

ペルーの森の奥深くからロンドンにやってきた人間の言葉を話すクマ。ロンドンのパディントン駅で「このクマをよろしくお願いします」という札をぶらさげて座っているところをブラウン一家の奥さんサリーホーキンスに声をかけてもらう。ブラウン一家の旦那さんヒューボネヴィルは初めは反対するが、奥さんに押されて正式な家が見つかるまでという約束で家に連れて帰る。クマには人間語の名前がなかったため見つけた駅にちなんで「パディントン」と呼ぶことに。

パディントンはペルーの森で人間のマナーを学んできており、とっても礼儀正しいのだが、実際の都会の暮らしが分からずにシャワーにびっくりして家じゅうを水浸しにしてしまったり、ブラウンさんの歯ブラシを耳に突っ込んで耳掃除をしたりと家の中をめちゃくちゃにしてしまう。

初めはパディントンのことを煙たがっていたお姉ちゃんジュディだったが、パディントンがたまたまスリを捕まえたところに遭遇して友達に羨ましがられ、パディントンを受け入れるようになる。

色々と騒動を起こすパディントンなんだけど、持ち前の礼儀正しさと純粋さで、ブラウンさんも彼を好きにならずにはいられず子供たちとも仲良くなって街の人気者になっていく彼を狙う黒い影があった。それはパディントンをはく製にしてしまおうとするミリセントニコールキッドマンという謎の女性だった。

パディントンはぬいぐるみとかイラストでしか知らなくて、基になっている児童書は読んだことがないのですが、原作を知らなくてもまったく問題なく楽しめました。とにかくこのクマのパディントンがすごく可愛い。礼儀正しいくせに思いこんだら一直線みたいなところもあって騒動が巻き起こっちゃう。でも、純粋で素直な性格だからなんだか丸くおさまっちゃうんですね。なんか他にはない雰囲気を持ったパディントンが可愛くてたまりませんでした。

パディントンを迎えるブラウン一家も面白くて。反抗期のお姉ちゃんがパディントンと仲良くなっていくのもいいし、それによってお母さんとも歩み寄ったりとか。頭の固そうなお父さんもパディントンをなんだかんだ言って受け入れてくれるし、家政婦のバードさんジュリーウォルターズもちょっと豪快なところもあったりして面白い。

パディントンのしゃべり方も可愛いし、素敵な声だなぁと思いながら見ていたのですが、ベンウィショーが声を担当しているとはまったく気づきませんでした。いやーこれは嬉しい驚きだなぁ。めちゃくちゃピッタリだった。最初はコリンファースで録ったけど、ポールキング監督が「やっぱり」とまたベンウィショーで録り直したという情報をネットで見たのだけど本当なのかなぁ。それならコリンファースには気の毒だけど、正解だったかも。

超子供向けの雰囲気ですが、大人でも十分に楽しめる作品だと思います。

コメント

はじまりのうた

2017-01-12 | シネマ は行

みなさま、明けましておめでとうございます。
去年の夏からロードバイクという新しい趣味を始めて、映画を見る時間がかなり減ってしまいました。
ブログの更新も時々になってしまいますが、細々と続けていきますのでよろしくお願いします。

さて年末年始、一度も映画館には行きませんでしたが、家で録りだめた作品を見ましたのでアップしていきます。

まずは「はじまりのうた」

この作品が公開されたとき、キーラナイトレーって歌えるんだーと驚きました。結構歌える役者さん多いですね。

歌手の恋人デイヴアダムレヴィーン(Maroon5)と一緒にイギリスからニューヨークへ渡ってきたグレタ(ナイトレー)。デイヴの曲が売れてスターとなり、いままで一緒に曲を書いてきたグレタはなんとなくお飾り的な存在になってしまっていたところへ、デイヴがツアー中に浮気したことで2人は破局を迎える。イギリスに帰ろうとしていた前の夜、イギリス時代の友人スティーヴジェームズコーデンが歌っているバーでグレタも無理やり歌わされる。

そこにたまたま居合わせたのが、元敏腕音楽プロデューサーだがいまは落ち目のダンマークラファロ。グレタの歌を聴いた途端、ダンのプロデューサーとしての才能がうずく。ギター一本で弾き語りをしているグレタのバックにピアノ、ドラム、ストリングスが重なり見事にダンの頭の中で編曲されていくシーンが素晴らしい。

渋るグレタをなんとか口説き落とし、デモアルバムをレコーディングすることに。スタジオを借りるお金はなく、ニューヨークの街角でゲリラレコーディングを行う。この一連のシーンもとても素敵でした。ニューヨークという街はもうその存在そのものがアートみたいな雰囲気なので、その街の様々な音が入り込んだアルバムなんてとても魅力的に思えました。

ダンとグレタが作り出す音楽が素朴だけど、胸に刺さる歌詞とメロディで非常に心地よく見ることのできる作品です。そして、音楽のシーン以外でも、お互いと出会ったことによって人生を見つめ直すダンとグレタの姿がとても自然に描かれていて、これまた心地よい。

ダンの妻にキャサリンキーナー、娘にヘイリースタインフェルドと渋いキャスティング。ヘイリースタインフェルドも歌える役者ですよね。今回はギター担当だったけど。ヘイリースタインフェルドはこんなに若いのにすでに「渋いキャスティング」と形容してしまうほどの貫録があると思います。

完成したアルバムをすべて聴いたわけではないのに、この作品を見ると1枚のアルバムを聴き終ったような気持ちになりました。

コメント

バイオハザード~ザ・ファイナル

2016-12-26 | シネマ は行

「ザ・ファイナル」ついに。はぁぁぁ、やっと終わる。いや、このシリーズ好きなんですけどね、4作目以降はちょっともうええやろ、みたいになってきてまして。それでもミラが好きだし、この作品の全体的な世界観が好きだから絶対に見に行くんですが。

5作目の最後にジルが正気に戻って、やったー、またジルとアリスミラジョヴォヴィッチが一緒に戦うんやー。これでアリス、ジル、クレアアリラーターの3女性戦士3ショットが見られるやーん!とめちゃくちゃ楽しみにしていました。(もはや、ストーリーはどうでもいい)

な、の、に!

ジルは???ジルはいつ出てくるの?あ、いまこの窮地をジルがどっからともなく表れて助けてくれんの?とジルの登場を今か今かと待てど暮らせど出て来ず。どうやら、ジルは前作「5」とこの「6」の間に死んだっていう設定だったらしい。っていうのはいまこのブログを書こうと思ってネットで調べたら載ってた。いや、そんなん知らんやん。映画のノベライズ版で「5」と「6」の間の出来事が書かれてあるらしいのですが、そんなん誰も読んでへんわ!(あ、誰も、は言い過ぎか)というわけでアリス、ジル、クレアの待望の3ショットは見られませんでした。待望のってワタクシだけ?

冒頭にアリスのナレーションで色んなことを説明させといて後は爆走するっていうのが、このシリーズのパターンですが、今回の爆走がまたすごい。暗い画面の中でよう分からん巨大な異常生物と戦うアリス。画面が暗い上に動きが早過ぎて何がどうなってるのかサッパリ。どうやってやっつけたんかはよう分からんけど、とにかくアリスが勝ったみたい、みたいな。

レッドクイーンエヴァアンダーソンに48時間以内に人類が絶滅するからその前にハイブの中に戻ってアイザックスイアングレンが持っているT-ウィルスの抗体を奪って空気にばら撒けば、アンデッドたちは死滅すると聞いたアリスはハイブに向かいます。レッドクイーンを演じるエヴァアンダーソンというのは、ミラとこのシリーズのポールW.S.アンダーソン監督の娘です。来日もしてレッドカーペットを歩いていたので、ちょろっと出演しているのかなぁと思っていたら、ちょろっとどころかレッドクイーンという重要な役でした。後で登場するアリシアマーカスとアリスとレッドクイーンの関係を考えるとミラの娘が演じるというのはぴったりの役どころでした。

レッドクイーンが見せてくれたT-ウィルスが蔓延する前の会議の様子の時にアイザックスの真正面に座っている人の声がミラの声やなぁと思って、何かアリスに関連のある人だなとは思ったけど、アリシアマーカス、アリス、レッドクイーンの関連性にまでは思い至りませんでした。ストーリーはどうでもいいと言いましたが、この3人の関係のところは好きでした。

「5」でなんか知らんけどアリスの味方をしてくれたウェスカーショーンロバーツがまた敵になっていてよう分からん。これもノベライズのほうで何かあるとか。もー。

ハイブに行くまでに登場したケルベロスの姿がすっかり変わってしまっていて残念だったな。強くなっていたんだろうけど、まだ犬の形を留めていたころのほうがカッコ良かった。

ハイブ内のレーザービームの部屋もこのシリーズではお馴染み。最後に見られて良かった。いや、もっと細かいレーザー出したら終いやん、と心の中で突っ込みつつも、アリスがレーザーをよける姿にはドキドキしました。

「ザ・ファイナル」ということでやっとこさ、ラスボスは死ぬけど、なんかクローンとかウィルスの話って続けられようと思えばいくらでも続けられますよね。いや、もうほんと最後にしてほしいけど。

最後にアリシアの記憶を継ぐアリスの表情がとても良かった。「1」で目覚めた以前の記憶がないアリス。そして、それは当然のことだったと分かるのですが、そこに初めて流れ込んでいく幼少時の記憶。ミラの泣き顔って昔から変わっていなくて好きだなぁ。

いや、もうね、ほんまにやっと終わったわ。っていうのが正直な感想です。いやとにかく終わって良かった良かった。なんにしてもシリーズ途中で映画化できず中途半端に終わってしまう作品も多い中一応最後まで作れたってだけでもすごいです。同じ監督、同じ主演っていうのもすごいし、2人が夫婦でいまもうまくいってるってのもハリウッドではすごいことかも。アクション以外のミラも好きなので、これからも色んなミラを見たいです。

オマケ結構すぐ死んじゃったけどローラも頑張ってましたねー。

コメント   トラックバック (2)

ハンズオブラヴ~手のひらの勇気

2016-12-06 | シネマ は行

ベテラン刑事のローレルジュリアンムーアは職場ではゲイであることを隠していた。ある日、ステイシーエレンペイジという随分歳の離れた女性と出会い恋に落ちる。2人は年齢も環境も職業も何もかもかけ離れていたいたが、とても惹かれあい愛し合うようになる。

郊外に一軒家を買って住み始める2人。収入はローレルのほうが多く、家の購入費、ローンはローレルが負担し、その代わりステイシーは家のリフォームをがんばった。まだ法律的に「結婚」という形は取れない2人だったが、パートナーシップ制度を利用しパートナーとして郡に登録をした。家を買い犬を飼い幸せな生活が続いていたある日、ローレルが検診にひっかかり、末期のガンであることが判明する。

刑事のローレルには遺族年金というものがある。自分が死んだら年金をステイシーが受け取れるようにしてほしい。ローレルの要望は簡単に郡の委員会に却下された。

隠れゲイだったローレルに初めはショックを受けた様子だった長年の仕事上のパートナー・デーンシェルズ刑事マイケルシャノンはその決定がおかしいとローレルを手伝ってくれることに。初めは反発していた職場の仲間たちも最終的には賛同してくれる人が増えていく。

ローレルの訴えがゲイの人権団体を率いるスティーブンゴールドスタインスティーヴカレルの耳に入り、その団体が援助してくれることになる。しかし、この団体の最終的な目的は法律的に同性婚を認めさせること。ローレルは同性婚を望んでいるわけではなく、ただ単に自分のパートナーに他の夫婦と同じように“平等に”年金を支給してもらうことだけだった。その辺りの違いはありつつも、やはりゴールドスタインの人脈でデモが行われ、世論や郡政委員会が動かされたのも事実だった。

髪が抜け声も満足に出せなくなったローレルが訴える″Equality"(平等)という言葉が胸に突き刺さる。もし男女のカップルであれば、たったいま出会ったばかりでも、長年夫婦というだけでそこに愛なんか全然存在していなくても、どんなに優秀でない刑事であったとしても、結婚さえしていれば何の問題もなく遺族年金が支給される。自分たちが同性同士というだけでどんなに愛し合っていようとも平等には扱われない。自分がどんなにこの地域に貢献した刑事であったかということすら関係ない。どうしてこんな簡単な希望が、当然の権利が否定されなくてはいけないのか。

郡政委員はそんなことを認めてしまったら財政が立ち行かなくなるとかなんとか言っているけれど、刑事の人数と同じだけ遺族年金が支払われる家族がいるとすれば、そんなものはくだらない言い訳でしかない。

ジョッシュチャールズが演じる一番若い郡政委員が、ローレル側に立ちたいけど立場上賛成できず「妻と娘に連続殺人犯を見るような目で見られている」というシーンがなぜか印象に残りました。郡政委員のじじいたちはローレルのことを理解しようとしないけど、世論はそちらに傾いているんだなというのがよく分かるシーンでした。

お金なんかいらないからくだらない運動に時間を費やさず治療に専念してほしいというステイシーの気持ちもとてもよく分かりました。市民運動に利用されている時間など自分たちには1秒たりともない。そんな中最後には2人で過ごしたあの家を自分に遺したいと思ってくれているローレルの気持ちを汲み、苦手な人前に出て話をするステイシー。そんな愛を見つけることができたことは幸運だったけれど、やっぱりもっと長い間一緒にいさせてあげたかったと思います。

ジュリアンムーアはいつものように素晴らしく、周りを固めるキャストもみな素晴らしかったと思います。なぜかあまり取り上げられていない作品ですが、オススメです。

コメント

ファンタスティックビーストと魔法使いの旅

2016-11-29 | シネマ は行

ワタクシ、ポタリアンですのでもちろんこの作品は以前から楽しみにしていて、公開日に見に行ってきました。

舞台はニューヨーク。ハリーたちが生まれるずっと前。魔法動物学者のニュートスキャマンダーエディレッドメインがイギリスからニューヨークにやって来る。彼の小さなカバンの中には魔法動物がいっぱい詰まっている。そのカバンが開いちゃったからさぁ大変。ニュートは元闇祓いのアメリカ魔法省で干されているティナゴールドスタインキャサリンウォーターストンと行きがかり上関わったノーマジ(マグルのアメリカでの呼び方。設定が細かい!こういうとこ好き)のジェイコブコワルスキーダンフォグラーと共にカバンから飛び出した魔法動物たちの回収に奔走する。

このニュートスキャマンダーがね、こんなアドベンチャー作品の主人公とは思えないほど挙動不審。人の目を見て話せないし、なんだか妙にしどろもどろ。(過去のリタレストレンジとの関係が原因か?)でも魔法動物の扱いは得意らしい。

登場する魔法動物たちがとても可愛らしい。ワタクシのお気に入りは何と言ってもニフラー。原作「炎のゴブレット」でハグリットの授業に登場するんですよね。キラキラが大好きなモグラっぽい見た目の仔。小さい体にいっくらでもキラキラが入るんですよね。さすが魔法動物。動きもなんかふにょんふひょんしてて可愛い。デミガイズはめちゃ怖い顔してるのにオカミーの赤ちゃんを守っていたのが愛おしかった。ニュートにべったりのボウトラックル・ピケットは情報と引き換えに引き渡されそうになって、ニュートにめっちゃ怒ってすねてたのが可愛かった。大きくなったオカミーをゴキブリとティーポットで捕まえたシーンが今回一番ハリポタらしいシーンだったような気がするな。

今回ニュートスキャマンダーのお話と思っていたら、“ノーマジ”ジェイコブが隠れた主人公でしたね。まさか最後あんな太ったおっさんに泣かされるとは思わんかったわー。あんな美女クイニーゴールドスタイン(キャサリンの妹)アリソンスドルに恋されちゃって憎いねー。クイニーが魔法杖でジェイコブの上に差す傘が素敵だった。これまであんなふうに深くこの魔法界に関わったマグル/ノーマジっていなかったもんね。これからもこのシリーズで活躍してくれるんでしょうか。ぜひ登場してほしいなぁ。

魔法動物たちの騒動の裏でうごめく悪者たちのお話は描き方がちょっと雑だったような気がしますね。そこもまぁ言ってしまえばハリポタ感ありでしたが。抑圧された気持ちが悪となるオブスチュラスに支配されてしまったクリーデンスエズラミラーという若者が簡単に殺されてしまったけど、あれであの子の出番は終わり?もしかして実は生きてるとかなのかなぁ。せっかくニュートが説得しようとしていたのに、、、あそこでニュートの説得が失敗したからニュートって実は特に何もヒーロー的な活躍はしていないのよね。魔法動物集めて回ってたのって自業自得だし。魔法動物も実際にはストーリーに何の関係もない。冷静に考えるとなんだそりゃ?なんだよねー。

舞台がアメリカだけに「セーラム」に触れないわけにはいかなかったんだろうけど、新セーラム慈善会の代表者メアリールーベアボーンサマンサモートンもあっけなく殺されたしなぁ。ま、とにかく大事に思えた人物があっけなく殺されるのはJ.K.ローリングっぽいです。

最後にグリンデルバルドが登場します。ネット上でかなりネタバレしているので書いても大丈夫だと思うんですが、サプライズ的に登場するあの人が誰なのかを知りたくない人はこれ以上読まないでください。





その人物というのは世界中で大人気のジョニーデップなんですが、このブログをずっと読んでくださっている方はご存知かもしれませんが、ワタクシ、彼好きじゃないんですよねー。あ~彼にはこのハリポタの世界に入って来てほしくなかった。このシリーズは5部作になるという噂なんですが、これからハリポタシリーズのヴォルデモート的な存在として彼が登場するのかなぁ。イヤだなぁ。。。ちょっとこのシリーズへのテンション下がる。

とか言いつつ、これからもこのシリーズは見ていきますけどね。本家同様またどんどん暗くなっちゃうのかなぁ。せっかくニュートが主役なのだから、もっと魔法動物たちがストーリーに関連して活躍する世界が見たいですね。

コメント   トラックバック (3)