シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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ある愛の風景

2013-10-03 | シネマ あ行

先にこれのリメイク作品である「マイブラザー」を見てしまっているので、見ようかどうしようか迷ったのですが、やはりスザンネビア監督バージョンも見ておきたいと思いレンタルしました。

妻サラコニーニールセンと幼い娘2人を持つ国連軍の兵士ミカエルウルリッヒトムセンはアフガニスタンでの復興支援の任務に就く。その前日、強盗の罪で服役していた弟ヤニックニコライリーコスを迎えに行き、父母を交えて家族全員で食事をするが、優秀な兄と比べられてばかりでヤクザな弟はうんざりしていた。

出所しても酒ばかり飲んでふらふらしていたヤニックだったが、ミカエルがアフガニスタンで追撃されて死んでしまってから、サラを元気づけようと家のキッチンをリフォームしてあげたりと、徐々にサラや娘たちとの距離を縮めていった。

突然夫を亡くし寂しさが募っていたサラは、家族が誕生日パーティをしてくれた日、ヤニックにキスしてしまう。戸惑う2人。お互いに魅かれあっていることは分かっていたが、寂しかっただけ、とキスをなかったものとしこれまで通りに過ごすことにした。

何かとサラや娘たちの面倒を見ていたヤニックだったが、ある日死んだと思われていたミカエルが実は生きていて捕虜に獲られていた先で救助されたと連絡が入る。しかし帰って来たミカエルは捕虜に獲られていた先で酷い目に遭っており、そのトラウマのせいでまるで別人のようになってしまっていた。

失礼を承知で書くのですが、北欧映画には珍しく主人公の女性が美しかったなー。それも飾りっ気のない美しさで未亡人(じゃなかったけど)のサラにピッタリでした。

どうしても「マイブラザー」と比べてしまうのですが、こちらのほうが「マイブラザー」よりも兄の妻と弟との恋愛要素が薄めだったような気がします。やはり、あちらはハリウッドがリメイクしただけあって、どうしてもこちらが地味目に思えてしまいますね。まぁ、それは仕方ない。

ミカエルがとても優秀で夫としても父としても良い人だったから、帰って来てからの豹変が余計に辛かったですね。それをきちんと受け止めようとするサラもすごいな。あそこまで暴力振るわれたりしたら逃げ出しそうなもんだけど。あれで、ちゃんと刑務所に入ってるっていうのが、北欧的な感じかもと思ったりもしました。日本だとDVで簡単には服役にならないだろうし。

変わってしまったミカエルとの対話をきちんと望み、それを拒否するのであれば、自分もミカエルを拒否するというサラの覚悟が素晴らしいと思いました。題名はこちらも「兄弟」なんだけど、後半めっきり弟の存在感が薄くなっちゃったね。スポットは「兄弟」より「夫婦」だったような…

スザンネビアの他の作品に比べると少しヘヴィさはマシかもしれない。いやまぁ十分にヘヴィな状況なんだけど、サラとヤニックがキスで終わっていたからまだ救われたかも。スザンネビア入門編としてはこれよりも古い「しあわせな孤独」よりもこっちを先に見るほうがとっつきやすいかもしれません。

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冷たい熱帯魚

2013-10-02 | シネマ た行

埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした作品ということで以前から興味があったのですが、なんせ「愛のむきだし」の園子温監督だったもんで躊躇していました。「愛のむきだし」は一般的な評価は高い作品ですが、ワタクシはダメだったもので。面白い部分はあったけど、4時間あるでしょ。あれ、2時間くらいにまとめられたよね?っていうくらい無駄なシーンが多く感じたので。でも、今回は2時間20分と頑張ってまとめてくれたみたいだし、見てみようと思ってレンタルしました。

小さな熱帯魚店を営んでいる社本吹越満は、後妻妙子神楽坂恵と娘・美津子梶原ひかりの関係がうまくいっておらずうんざりしていた。そんな時美津子が万引き事件を起こし、それを助けてくれた巨大熱帯魚店を持つ村田でんでんと親しく付き合うようになる。その途端、社本は村田が金をだまし取った吉田諏訪太郎という男の殺害、遺体遺棄に加担させられる。

この村田ってやつが胡散臭いのなんのって。最初からめちゃくちゃ馴れ馴れしいし、妙子や美津子へのボディタッチもやたらに多い。でもなんかあれだな、こういうおっさんってなんか人懐こいというか、油断してるとふっと懐に入られちゃうみたいなとこあるんだろうなー。天性のソシオパスってとこなんだろうけど、人の弱みにつけこんだり、親切にしてくれたかと思えば恫喝するようなこと言ったりしてグイグイそいつのペースに持ち込まれてしまうんでしょうね。このおっさんを演じるでんでんがうますぎて怖いよ~。ビックリした。

そして、村田の妻・愛子を演じる黒沢あすかっていう女優さんもめちゃくちゃ怖いね。自分も十分に強い女でありながら、より強いオスに支配されることを切望している女とでも言えばいいのか。ある意味こいつのほうが村田よりずっと壊れているのかもな。

犯人像までは分からないけど、実際の事件の内容を見ると結構流れ的には忠実に再現されているっぽい。村田がずっと言ってた「ボディを透明にする」という表現も本当に犯人が使ってた言い回しらしい。犯罪の残虐さ的に北九州監禁殺人とか尼崎事件と似ている気はするんだけど、この事件の犯人は他のと違って自ら死体を解体したりしていたんだよね。それをどうやら楽しんでいたっぽいふしもあって、北九州や尼崎事件とは少し性質の違うものなのかもしれない。

その死体の解体シーンなんてのが、あまりにリアルに本当に臭いまでしてきそうなほどに映し出されるのがめちゃくちゃグロくて閉口してしまった。ワタクシは結構グロいのは平気なほうなんですけどね。この作品のシーンも目を伏せたりはしなかったし。でもやっぱ気持ち悪くなるくらいのシーンでした。しかも何回もあるしね。あれをあそこまで全部見せつけることができる監督はやっぱ園子温くらいしかいないかもしれない。

村田と愛子の性欲まみれのシーンも気持ち悪かったなー。エロいシーンを見せられているのにこちらの性欲は減退してしまいそうな気持ち悪さでした。社本の妻を演じてた神楽坂恵も無駄に谷間強調してたしな。その気持ち悪さは監督の狙いだったんだろうけど。

社本がキレてからエンディングに向かうところは蛇足だったなと思っていたら、監督ももう一度編集しなおせるなら社本がキレたところで終わると言っていたらしいから、やっぱ蛇足と感じたのは間違いじゃなかったんだろう。警察があんな現場に社本の妻子を連れてくるわけないし、結局みんな死んじゃうってのはあんまり面白くない。娘の美津子が死んだ社本をざまあみろって蹴ってたのはさすがにビックリしたけどね。

普段からこういう事件に興味があるからかもしれないけど、146分間かなり釘づけになって見てしまいました。悪趣味だなと自分でも思いますが。エログロ映画が嫌いな人は見ないほうがいいです。というか見ちゃダメです。とは言え、実際の事件っていうのはこの作り物よりもずっとずっとエグいんでしょうね…

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カンパニーメン

2013-10-01 | シネマ か行

リーマンショックで不景気に陥った会社にリストラされた3人のそれぞれのその後の人生を描く作品。

販売部長のボビーベンアフレックは若手の急先鋒といったところだったのに、ある日突然リストラ担当のサリーマリアベロに呼び出されクビに。妻マギーローズマリーデウィットとまだ幼い子供2人。豪勢な持家にポルシェ。贅沢な暮らしを満喫していたボビーは現実を受け入れられないが、それでもどうせすぐに再就職先は見つかるさと甘い考えでいた。しかし、実際には全然仕事は見つからない。就職口があったとしても給料は前の半分以下。そんなところに就職できるか!と撥ね付けるボビー。妻は現実を見て生活スタイルを変えるように言うが、一向に聞き入れようとしない。妻の兄ジャックケヴィンコスナーが大工の仕事を手伝えば?と提案してくれるがそれも受け入れられるはずもない。

作業員から重役に上り詰めたフィルクリスクーパーもリストラ組。妻に近所に恥ずかしいから毎日夕方までは帰って来るなと言われる。年齢が年齢だけに再就職は非常に難しく、昔のツテを頼りにしてみるが鼻で笑われる。

CEOクレイグT.ネルソンの右腕としてやってきたジーントミーリージョーンズもリストラされる。彼は会社の株を持っておりクビになってもある程度余裕のある生活はできている。これを機に妻の元を離れ、以前から不倫関係にあったサリーのところへ転がり込む。たくさんの社員をリストラしながらも自社ビルを建てたり、巨額の報酬を得ているCEOに直接意見するが、取り合ってもらえない。

いつまでもうじうじうじうじ現実を受け入れず、生活レベルを落とす気もないボビーにイライラしっぱなしです。会社をクビになっても愚痴ひとつこぼさず支えてくれる妻がいるというのに、自分はいつまでも大物気取りでプライドだけが無駄に高い。ま、最終的に息子がXBOXを売ってまで家計を助けようとしたことを知ってやっと思い知るのですが。

妻の兄のケヴィンコスナーがいいね。口数は少ないけど背中で見せるタイプ。レバレッジだー、ヘッジファンドだーで儲ける多国籍企業とは対極にいるような職人さん気質のお兄さん。ボビーには嫌味ばかり言っていたからただただ良い人ってわけではないけど、骨太な男でカッコいい。ケヴィンコスナーの大工っぷりがいいんですよねー。ケヴィンコスナーってオールドファッションな男だから本当にそういうこと好きそうだし。

他がクリスクーパーとトミーリージョーンズだから、めちゃくちゃ渋いですねー。クリスクーパーって重役向きの雰囲気じゃないなぁと思っていたらやっぱり作業員上がりっていう設定だった。それならピッタリだね。

内容はまぁ、ありふれた雰囲気の作品ですが、役者がいいのでそれだけでも最後まで飽きずに見ることができました。

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