シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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幸せになるためのイタリア語講座

2010-04-27 | シネマ さ行

この作品はデンマークの「ドグマ95」という方式で撮られた作品。映画ファンではない方には「ドグマ95」という言葉はまったく聞いたことがないかもしれませんね。デンマーク出身の映画監督ラースフォントリアー(「ダンサーインザダーク」「ドッグヴィル」の監督ね)らが提唱したもので、代表的な条件としては、

セット撮影をしない。
自然光で撮影する。
効果音や音楽をあとから乗せない。
手持ちカメラを用いる。
回想シーンを用いない。

などがあって、全部で10項目でできている。
厳密にその10項目すべてを満たさなくてもいいみたいなんだけど。

こういう撮り方をしたものなので、ちょっととっつきにくい映像にしあがっている作品が多い。ハリウッド映画ばかりを見ている人にはほとんど苦痛かも。特にデンマークってやっぱ暗いイメージだしね。

そんなちょっと暗めのデンマーク人たちが陽気なイタリア語のクラスを取ることで少しずつ幸せを掴んでいく物語。設定を聞いただけだと、ちょっとワクワクするようなハートフルコメディ?って感じがするんだけど、やっぱりかなり地味めです。

女性と長い間関係を持っていなくて悩んでいるホテルマンのヨーゲンピーターガンツェラー
ヨーゲンの友人ハルフィンラースコーンルドはサッカーをやっていた過去の栄光に縛られて雇われているレストランのお客に偉そうにしてばかりにクビ寸前。
そのレストランで働くジュリアサラインドリオイェンセンはイタリア人で実はヨーゲンに恋している。
パン屋で働くオリンピアアネッテストゥーヴェルベックは、いつも失敗ばかりでうちに帰ると父親に暴言を吐かれてばかり。
美容師のカーレンアンエレオノーアヨーゲンセンは、母親が病気で酒浸りで苦労ばかり。
代理牧師としてこの地域にやってきたアンドレアスアンダースW.ベアテルセンは、妻を亡くしたばかり。

この6人+αの人たちが繰り広げるお話なんだけど、よくあるハリウッド的な群像劇っぽい軽妙さはまったくない。なんか全員色んな方向に不器用でね。つまづきながらもなんとか生きてる感じかな。

上の6人がちょうど男女3:3ということで、だいたい予想がつくかと思いますが、それぞれうまいことカップルになってくれちゃったりするわけです。そのカップルも3者3様でなかなか興味深いです。ジュリアみたいないいオンナがヨーゲンみたいなどんくさそうな男に惚れていたのはかなり意外だったけどねー。でも、ヨーゲンは良い人そうだったし、浮気なイタリア男と結婚するよりジュリアはずっと幸せになれるかも。

あとはオリンピアとカーレンの奇妙なつながりが暴露されたりとか。それでひと悶着あるのかと思ったけど、変な揉め事につながらなくてなんだかほっとしたり。恋愛だけじゃない、人間関係も興味深いところでしたね。

こう言うと語弊があるのかもしれないけど、なんかみんないい大人なのに、すごく可愛らしかったな。等身大的な良さがあったからかも。

ドグマの手法はそんなに嫌いじゃないけど、手持ちカメラがあんまり好きじゃないので、人の顔を映してさらにアップにするっていう2段構えのアップの仕方はあんまり好きじゃなかったけど、あとから効果音とか音楽を乗せないっていうのは結構好きです。

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ブロードウェイ♪ブロードウェイ~コーラスラインにかける夢

2010-04-23 | シネマ は行

「コーラスライン」はあまりにも有名なミュージカルで、見たことはなくても知らない人はいないかもしれない。ワタクシはミュージカルのほうは見たことはないけど、マイケルダグラスが出演していた映画版は昔見ました。1985年かぁ。随分前ですね。

このお話は演出家のマイケルベネットが実際にダンサーたちを集めたワークショップでそれぞれのダンサーの話をセリフもそのまま使ったりして、オーディション風景を舞台上で再現するという一風変わったミュージカル。

そのオーディション風景が物語の舞台のキャストのオーディションをドキュメンタリーとして伝えているのがこの作品。ってちょっと頭がこんがらがっちゃいます。

「コーラスライン」に登場するキャストはダンサーとしての苦労や生い立ちなどをセリフとして語るために、実際にこの舞台に出たいというダンサーたちはキャストに自分の姿を重ねている場合が多い。その分思い入れもきっと半端じゃないんだろうな。

海外のこうしたオーディション風景っていうのを見るのがワタクシは結構好きなんです。マドンナのショーのオーディションとか。なぜ海外のが好きかっていうとなんかオーディションでありながら、主催者側もすごく参加者に敬意を払っているのが分かるし、言語やメンタリティの特徴でもあるんだろうけど、お互いが対等な立場で話してたりするところが結構好きですね。日本じゃこういうのはなさそうだなぁと。って日本のオーディション風景を知らないから分からないけど、国民性的にやっぱり参加者のほうがかなりへりくだってそう。

このドキュメンタリーでも、参加者はもちろん緊張しまくりだろうけど、終わってから審査員に手を振って帰っていく子とか、ちょっと失敗しても「もう一回やらせて」とかフランクに頼んでいるし、審査するほうも特にふんぞりかえっている様子はなくて好感が持てました。

オーディションを受けに来るダンサーたちはほとんどがプロだろうし、かなりの訓練を積んできているから、おそらく実力に関しては拮抗しているっていう感じなんだろうけど、やっぱり選ばれる子はどこかなにかが光っている。みんな歌も演技もダンスもうまいけど、やっぱり違うっていう子が何人かはいて。同じ役のオーディションを受けている子を見ても「この子が受かりそう」っていう子がやっぱり受かってる。

特にゲイの子の役を取った子はオーディションでの演技ですでに光りまくってた。彼が自分がゲイでっていうエピソードを語ったときワタクシは泣いてしまったのだけど、審査員もみんな泣いていて、それにものすごくビックリした。だって、そのセリフは「コーラスライン」で何度となく語られているセリフだし、審査員たちはそれこそオーディションも合わせたら何万回とそのセリフを聞いているはずなのに、それでもそんな人たちを泣かせることができるなんて。本当に彼は素晴らしかった。他にも役が付いた子たちはやっぱり最初から光ってた。(その子たちを重点的に追ってる部分を編集したから、なのか?)

それにしてもひとつの舞台のオーディションに8ヶ月もかけるってすごいですねぇ。こういうことはブロードウェイでは普通らしい。一人のダンサーの子が「8ヶ月前にやった演技と同じ演技をやって」と言われて「もう忘れちゃった」という場面があるけど、そりゃそうだよねー。その場その場の感性だけでやってると絶対忘れちゃう。まぁ、それを再現できるのがプロってことなのかもしれない。

再演のオーディションだけじゃなくて、このミュージカルができるまでや初演のときのエピソードなどがたくさん語られて非常に貴重な作品ができあがっていると思う。あー本物の「コーラスライン」が見たくなった!

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寝ずの番

2010-04-22 | シネマ な行
ケーブルテレビでやっていたのを見ました。

中島らもの原作を映画化したものなんですね。ワタクシは内容をまったく知らなかったのですが、見始めてしばらくして「これは笑福亭松鶴の一門の話?」って思って、あとから調べたらやっぱり彼をモデルにした小説ということらしかった。

昔、松鶴の弟子である鶴瓶が上岡龍太郎とやっていた「鶴瓶上岡パペポTV」という番組が大好きでよく見ていたのだけど、ここでよく鶴瓶は師匠の松鶴や、兄弟子たちとのエピソードを語っていて、その中で語られたエピソードと似たような話がこの作品の中にポツポツと出てきたから「あれ?」と思ったのだった。ワタクシは「パペポ」のときから松鶴も大好きで、一門の話もすごく好きだった。

そんなことがあったからか、ワタクシはこの映画もすごく好きだなぁ。なんかもうムチャクチャでね。冒頭の「そそ」のエピソードからもうすでにムチャクチャやし。それをやってみせる木村佳乃が最高で。

彼女の大阪弁はまぁ、及第点ってとこですかね。バリうまではないけど、全然許せる範囲。そして、その夫中井貴一は東京生まれなはずなのに、普通にネイティヴ大阪人のように話す。これはやっぱりお父さんの影響かな?(京都だけど)弟子の一人の木下ほうかは、大阪出身だから言葉は問題ないのは当たり前だけど、それだけじゃなくて全体にかもし出す雰囲気がまさに落語家さんって感じで。役者として彼のことを知らなかったので、本当に落語家さんを使ってるのかと思ったくらい。

あとはほぼ関西出身の人を使って全然問題ないんだけど、最後に尼崎の鉄工所の社長に堺正章を使ったことだけは納得がいかんかったなぁ。あんなふうに春歌を三味線弾きながら歌えて、大阪弁しゃべれる人がいなかったんかなぁ?

話としては特にストーリーってわけじゃないんだけど、一門の主要人物が3名も立て続けに亡くなって、その通夜で繰り広げられるお話。死んだ師匠と弟子で落語の「らくだ」に登場する「かんかんのう」を踊るという、これまたムチャクチャなエピソードから、一番弟子笹野高史が死ぬ前の日の情事の話、極めつけは師匠の妻“あ~ちゃん”富司純子が死んだときの通夜での春歌合戦。

まぁとにかく下ネタのオンパレードで、もうダメな人は全然ダメな感じかなぁ。ワタクシは鶴瓶が昔してくれた松鶴一門の話(もちろん、全部が全部本当にあったことではないだろうけど)を懐かしむような気持ちで、とっても愉快な気分で見させてもらいました。

はっきり、「なに」と定義して言えないんだけど、東京の落語の「粋(いき)」の世界とは違う上方落語の「粋(すい)」というものを感じることができるのがこの作品なのかもしれない。下品な下ネタと見るか「粋」と見るかはまさに紙一重なんだろうけど、「粋」がもともと遊郭などの遊興精神から来ていることを思えばそれは当然のことなのだろう。ワタクシもこれが自分の周りであったことならちょっと引くかもしれないけど、落語家さんたちの世界ってことで楽しく見させていただきました。

オマケこの話とは全然関係ないんですが、東京のタレントやアナウンサーが大物の芸人のことを「○○師匠」って呼んでるのってなんか違和感があるんですよねー。「鶴瓶師匠」とか「三枝師匠」とかって。芸人同士なら一門が違っても「師匠」って呼ぶのは変じゃないけど、芸人でもないのに「師匠」ってねぇ。敬ってるのとはなんか違うような。お前の師匠ちゃうやろって思ってしまうんです。
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ランボー~最後の戦場

2010-04-20 | シネマ ら行

ワタクシの映画好きの原点はシルベスタースタローンの「ロッキー」なので、やっぱり彼がどんなに落ちぶれても嫌いになることはできない。「ランボー」シリーズのほうは特に好きなわけじゃないけど、20年も経ってわざわざよく作ったなぁと感心するばかり。映画そのものが特に面白いってわけでもないんだけど、なんかやっぱりスタローンの映画ということで取り上げてみたくなった。

舞台はミャンマーって、結構勇気あるよね、スタローン。ちょっとは社会的に訴えたいとか思ったのかな。

内容はまぁ、こういう暴力が横行するところには「目には目を」でいいんじゃないの?と思える人には溜飲が下がる内容じゃないかな。ワタクシはなんか倫理観とか全部とっぱらってスッキリしちゃいました。(ただ、それ以外には何もないっす)ランボーもすっかり老いぼれちゃたけど、敵の後ろに音もなくすっと現れる姿にはやっぱりしびれたぜい。


悪い奴らはみんなぶち殺してやればいいんだー。

神様なんて助けてくれやしねーぜ。武器を持って立ち上がれ!マシンガンを撃ちまくれー!!!

アジア人の女はすぐに犯されるけど、白人の女性は10日間も拘留されててもなかなか犯されないぜー。犯されそうになっても寸前で助けられるぜー。

みたいな話です。

って、どんな話やねん!なんですが。
よう、あれで国際問題に発展しないもんだわ。

これで、ランボーはなんか知らんが納得して故郷に帰るんですよね。あの女性ジュリーベンツが「故郷が恋しくないの?」って聞いたから?彼女のこと好きだったのか、ランボー?まぁ、とにもかくにもウェルカムホーム、ランボー。もうアメリカから出ないでね。

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ソウ5

2010-04-16 | シネマ さ行
このブログでは劇場公開中の作品は別として、過去の作品についてはワタクシが面白かったと思うもの、評価はそこまで高くなくても良い演技、セリフ、といったように何がしか心に残る作品を取り上げるようにしているのですが、こういうシリーズものに関しては「祭り」と称して、多少気に入らない場合でも取り上げることがあります。と、いうわけで今回は「ソウ祭り」の最終回「ソウ5」です。(実際には「6」まで公開されていますが、未見です)

「4」で、アマンダショウニースミス以外のジグソウトビンベルの後継者ホフマン刑事コスタスマンディロアが発表され、FBIのストラム捜査官スコットパターソンがそのホフマン刑事を追う。というお話ですが、いつものパターンでサイドストーリーとして別の殺人ゲームも繰り広げられていきます。

そちらは5人の男女がひとつの部屋に監禁されています。ひとつの部屋の課題をクリアすると次の部屋の課題へ。その課題の度に一人ずつ犠牲者が出るわけですが、本当はみんなで協力すれば良かったのだと最後の2人になってから気付きます。ってか、これさ、最初っから全員で協力しなあかんって気付くやろ?最初のゲームは仕方ないにしてもさ、2つ目以降は協力し合えばなんとかなったんじゃないの?それに気付かない愚かな人間どもよーーーっていうジグソウの叫びか?いやージグソウ、つくづく何様?しかし、最後の部屋のゲームはエグい。

ストラム捜査官が殺されかけたときに自分で気道を確保したのはすごかったなぁ。あれこそ、究極の選択。いや、あれは普通無理やろー。理論的には分かったとしてもさぁ。そんなこと言い出したらこのシリーズ全部だけどね。あのシーンは映画が始まってすぐだったけど、「5」の中ではベストシーンかも。

ストラム捜査官とホフマン刑事の最後の対決もすごかったね。「俺を信じることを学んだか?」ってお前なんか信じるかよー!!!でやっぱりヤラれちゃったわけか。あの箱にさえ入っておけば、って入るわけないやろー。あんな監禁状態でみんなゲームに参加させられてるわけやからさ。

なんかねー、捜査関係者を次々に殺すっていうのはちょっと低次元やなぁ。担当者が殺されてしまうとジグソウとの知恵比べ的な面白さがないもの。ストラム捜査官は殺さないでほしかったなぁ。なんかストラム捜査官が死んだ時点で、「上映時間も93分しかないし、もうこんなんやったらテレビシリーズでやれば?」って思ってしまった。なんか重みが全然ないんですよね。ただ続けるためだけに続けてるって感じで。それでも「6」で納得させてくれるならいいかなぁ。と言いつつ「7」もできるっていうから参る。

それにしてもジルベッツィラッセルがジグソウから受け取った箱には何が入ってんのーーー???あの大きさからしてブタのお面?って違うかー。

んー、だんだんつまらなくなってはいるんだけど、やっぱり続きが気になるところです。
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ソウ4

2010-04-15 | シネマ さ行

さて、「ソウ」シリーズ続いて「4」です。

ちょっとワケが分からんかったー。このシリーズは最後にすべてが明かされるんだけど、そのタネ明かしのところでワケが分からんくなってしまって。この物語は実は「3」と同時進行してて、「4」の冒頭のシーンが実は時系列で言うと一番最後だったわけですね。そこんとこが分からなくなってしまって、見終わってからもう一回ざーーーっと早送りで全部見ました。それで、やっと納得した。

この「4」では、生き残ったリッグ刑事リリクベントがゲームに強制参加させられることになって、マシューズ刑事ドニーウォールバーグとホフマン刑事コスタスマンディロアを助けなくちゃいけないんだけど、やっと捜査にFBIが乗り出してくるんだよねー。これだけ残忍で異常な犯行だったらとっくにFBIが乗り出してきていると思うんだけど、いままで何やっとってん?このFBIのストラム捜査官スコットパターソンとホフマン刑事がなんか似てて混乱するわぁ。しっかし、「3」で応援していたジェフアンガスマクファーデンがあんなに簡単にストラム捜査官にバンバンって撃たれてショックやった。

ストラム捜査官ね、捜査に熱心なのはいいけど、ジグソウトビンベルの元奥さんジルベッツィラッセルにあんなに辛く当たっていいの?確かにジグソウは残忍な殺人者だけどさ、元奥さんってだけであんな取調べはダメでしょうよ。

リッグス刑事のゲームに関しては相変わらず残酷ですなぁ。でもなんか段々究極の選択のゲームというより処刑色が強くなってきたような気がするなぁ。あの頭皮がズル剥けになる女の人のが一番エグかった。エグさで言うとジグソウの解剖シーンもエグいね。カセットテープなんか飲み込んじゃって、まったく転んでもタダでは起きない奴だ。マシューズ刑事はあんなに頑張ってたのにここで死んじゃうとはねぇ。やっぱりジグソウのゲームを生き残るなんて無理なのかな。

後継者については、もうこれ以上は無理じゃない?アマンダショウニースミスだけでもう限界だったような…まぁでもいままで発表されてなかっただけで“彼”はずっと前からジグソウの後継者だったわけか。なんかこの人もこの人も協力してましたよ、なんて今さら言われてもなぁって気がしちゃう。ジグソウも味方がいっぱいいて心強いねぇ。

「3」に続いてまだあのアマンダの開けた手紙の内容は謎のままだけど、この先ちゃんとタネ明かししてくれるのかなぁ?

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シャッターアイランド

2010-04-14 | シネマ さ行
「結末は決して話さないでください」ってな宣伝になっていますが…
確かにこの結末を最初に話してはいけないのかもしれないけど、そんなどんでん返しでもないよね?多少映画を見てる人なら察しがつくものだよね。そういう言葉で煽らいないとなかなか映画って見てもらえないから宣伝さんも苦労するのかな。

当然こういう展開の映画ですから、結末はそれなりに楽しみなんだけど、マーチンスコセッシ監督とレオナルドディカプリオの組み合わせで結末だけを楽しみに見るなんてもったいな過ぎるでしょ。スコセッシがミステリーを撮るってめずらしいからどんなもんになるかと思ってたけど、やっぱり演出は超一流だし、それに応えるレオの演技もやっぱり素晴らしい。ハッキリ言ってしまえば、この程度のミステリーなんてどこにでもあると思うけど、この2人の手にかかれば、見ごたえ十分な映画にできあがる。

レオは、ほぼ一人でこの物語を引っ張ってるわけだけど、彼の演技がもしチープなものだったら、ここまでこの作品に引き込まれることはないと思う。思わせぶりな演出とレオの完璧な演技が相まって生まれるテンションに観客はオチが分かっていながらも最後まで楽しんで見ることができる。
ベンキングスレーはいつも怪しげな雰囲気を漂わせているからなぁ。今回も味方なんだか敵なんだか、こちらを混乱させてくれますね。この人は普通に良い人の役をやっていてもなんか裏がありそうなんですよねー。
今回、おっ、結構いけるやん、と思った俳優さんは、レオの相棒役のマークラファロですね。相棒のときと先生のときをちゃんと演じ分けていてうまかったです。

観客が騙されるも何も、みんな揃って騙しているわけですから、彼らの意図としてはこちらは騙されていていいわけです。でも、パトリシアクラークソンが登場したときには一瞬マジで騙されそうになりましたよ。だって、彼女って唯一マトモそうだったもん。

結局、大事なのはオチそのものよりも最後の最後のテディ(レオ)と先生(ラファロ)のやり取りなんでしょうけど、それを指して宣伝部が「人に言わないで」と言っているならこの宣伝は正しいのかもしれませんね。
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第9地区

2010-04-13 | シネマ た行
なんじゃあ、この映画ぁ?

いや、これね、ピータージャクソンが製作の無名監督(ニールブロンカンプ)の作品で「なんじゃあ、この映画ぁ」な映画だってことだけを知ってたんで、作品の内容はまったく見ないようにして行ったんですよ。絶対そのほうが面白いだろうと思って。

ドキュメンタリー、ニュース映像風(モキュメンタリー)の冒頭から怒涛のように、本編になだれ込んでいきます。ここで、一気に乗り切れなかった人はもうずっと乗り切れないかもよ~。

この作品をモキュメンタリーにしたことが、ヒットの原因と言えるでしょうね。普通に町にUFOが来て、エイリアンを難民として助けてってのをストーリーとして描いちゃうと一歩引いて見てしまって、くだらないB級ムービーになり下がってしまうところ。

エイリアン難民を助けて収容地区(第9地区)を作ったはいいものの、地元住民との衝突などの問題が起き、さらに山奥に作った新たな収容所にエイリアンたちを移送することに。超国家機関のMNUの職員でこの移送計画を指揮することになったヴィカスシャールトコプリーがエイリアンの作った謎の液体を顔に浴びたことで、腕の先がエイリアンになり、そこからエイリアンに変身していく。

というここの展開から、モキュメンタリーからSFアクションものへとスムーズに移行するんです。

ヴィカスはエイリアンを馬鹿にしていたし、エイリアンの卵を破壊して大喜びしていたような人間だったのに、自分がエイリアンになりかけるというハメになって、人間には実験台にされるし、エイリアンに助けを求めるしかないという状態に陥ってしまう。ここで、思いもかけないエイリアンとの友情物語にまで発展してしまうというまさにハチャメチャな展開。あー、これ全然ダメな人は全然ダメな作品なのかも…

あとで振り返ってみると、まさになんやこれーな作品なんやけど、見ている最中はもう食い入るように見てしまいましたよ。ヴィカス役のシャールトコプリーも最初はなんか気持ち悪いタイプの男に思えたのに、途中からよく見ると実は顔もハンサムやんって思えてきて。最初と最後で、(人間→エイリアンというのは別にして)完全に別人です。最後なんかマジでほろっと来ちゃったし。あのエビ型エイリアンに哀愁まで感じるようになっちゃうんだから不思議です。

舞台が南アフリカなこともあって、この「人間VSエイリアン」が「白人VS黒人」という構図を風刺してるっていうのが評価につながってるっていうのがあるんだろうけど、ワタクシは逆にそっちはどーでもいいかなーって感じ。そんな社会的にどーとかこーとかじゃなくって単にエイリアン映画として面白い。宣伝のうまさとかもあったんでしょうねぇ。そういうのもひっくるめてみんなやられちゃったって感じ?

画面が埃っぽくって、汚くってねぇ。血とかカメラに飛んでくるし。こういうのがダメな人もダメかも。全体的に好き嫌いが激しく別れる作品なのかもしれませんね。ワタクシは好きなほうで、すべてはストーリーどうのこうのより、設定と作り方の勝利だと思いました。
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ソウ3

2010-04-07 | シネマ さ行
続けて見ました「ソウ3」
結論から言うと「2」より面白かったです。今回も「2」と同じように、途中ずっと繰り広げられるゲームとは別にジグソウトビンベル独自の視点で組み込まれた別のゲームが存在するわけですが、途中に繰り広げられる(一見メインと思われる)ゲームが「2」のときのようにチープではなく、こちらも十分に見ごたえのあるものとして描かれており、それがもう一つのゲームと巧妙につながっているというところが素晴らしい。

全体的なエグさは「2」よりも増しています。爆弾で飛び散った死体(当然その死体が爆弾で吹っ飛ばされるまでの行程)、「1」からずっとジグソウを追ってきた刑事ケリーディナメイヤーの死に方。これはいままでのジグソウよりも“派手な”エグさを持っています。しかし、このエスカレートしたエグさというものが、単に映画としてシリーズが増えていくにつれ、描写がエスカレートしていったというものではなく、きちんとストーリー上で意味をなすエグさだというところがこの脚本の優秀なところ。

最愛の息子を酔っ払いにひき逃げされたジェフアンガスマクファーデンはジグソウのゲームに強制参加させられる。彼の前には息子の事故を目撃したのに証言してくれなかったダニカデブラリンマッケイブ、犯人に軽い刑を下したハルディン判事バリーフラットマン、そして犯人トロイJ.ラローズがそれぞれ拷問にかけられている。彼らを赦し助けるか、見殺しにするかはジェフの手にゆだねられている。

一方、瀕死のジグソウはアマンダショウニースミスにリンデンロン医師バハースーメクを拉致させ、脳の圧迫を抑える手術をさせようとしている。ジグソウに必要とされているリンデンロン医師にアマンダは嫉妬にも似た憎しみを抱くようになっていく。

このシリーズでは最後の15分くらいできちんと全部タネ明かしをやってくれるんですよね。今回もこの手法です。謎解きが苦手というか、そういうことをあまりしないでストーリーを見てしまうクセのあるワタクシにとっては、このシリーズのやり方がとってもフィットしています。「おおおー、そうやったんやー」と見事に騙されるとすごくカタルシスを感じるんですよねー。この「3」はその要素が今までの中で一番強かったような気がする。これを見るとまた「1」を見たくなるようにできているところもすごい。

まぁ、ジグソウがなんでこの人たちを犠牲者に選ぶのかとか、そもそもジグソウの卑劣なやり方が許せないとかって強く思う人はこの作品の何が面白いのかは全然分からないかもしれませんね。それこそ、"See what I see."でジグソウの自分勝手なロジックだけが成り立っているわけです。そういうところはソフィスティケイティット度は落ちるもののハンニバルレクター博士と共通している部分かもしれません。あと、あのエグさがダメな人は。いや、もちろん誤解されると困りますけど、ワタクシもジグソウには1ミリたりとも共感してませんよ!でも、やっぱり“映画”としてみると脚本がとってもよくできていて楽しめる作品なんですよねー。あー今回もまたジグソウにやられたなと。

オマケ今回アマンダがあのジャンキーメイクをやめて、ナチュラルメイクになっていたので、登場したときキャストが変わったのかと思ってしまいました。
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ソウ2

2010-04-06 | シネマ さ行

前作の「ソウ」を見てからもう5年が経とうとしています。もうシリーズは「6」まで進んでいて、次回作は3Dになるとかいう恐ろしい話もありますね。いまさらですが、ケーブルテレビでシリーズの一挙放送があったのでやっと見ました。

正直、「2」以降っていうのは期待してなかったです。最近では“続編は面白くない”というハリウッドの常識は完全に破られてすごく面白い続編が撮られるようになってきていると思うのですが、さすがに「ソウ」のようないままでの映画の常識を覆したような怖さを持った作品の続編っていうのはやっぱり落ちるだろうなと思っていたので。

実際にはハイ、そうですね、やっぱり最初の作品よりは落ちます。犯人はもう分かっているし、ジグソウトビンベルのやり方も動機もこちらはもう知っているわけですから。

エリックマシューズ刑事ドニーウォールバーグの情報屋マイケルがジグソウの手口によって殺害される。現場に残されたヒントからジグソウのアジトへ踏み込むSWAT。ジグソウのアジトにはTVモニターがセットされており、そこにはジグソウのゲームに強制参加させられている男女8人の姿。そのうちの一人はマシューズ刑事の息子ダニエルエリックナドセンがいた。息子を救おうとジグソウに詰め寄るマシューズ刑事。ジグソウの狙いは何なのか?

TVモニターの中では、密室に閉じ込められた8人の男女が映っている。彼らは部屋に流れてくる毒ガスで2時間以内に死んでしまう。解毒剤は金庫の中。金庫の番号は“それぞれの頭脳の後ろ”順番は「虹の彼方に」というジグソウのヒント。男女8人はパニック状態で自分だけが助かろうと必死であがく。でもさ、ちょっと待ってよ。金庫の番号は“それぞれの頭脳の後ろ”とか“順番は「虹の彼方に」”とかいうヒントが出てるんだから、もっと全員で協力し合わないかな?パニック状態っていうのは分かるけどさ、絶対全員で協力し合ったほうがいいと思うって強く主張する人が誰もいないのが不思議。

この密室に閉じ込められた8人が次々にジグソウの手口で殺されていくわけだけど、その内容は結構チープ。もちろん、エグいんだけど、前作のような恐怖感はほとんどない。ちょっと安っぽいホラーを見せられている気がして、途中までは「あ~やっぱり続編はアカンなぁ」って思ってたんですよ。そう、途中まではね。

途中って言ってもかなり後半になってからなんですが、ジグソウの本当の目的が明らかになり始めるところから結構ゾクゾクするような展開に変わっていきます。ジグソウがそこここにちりばめたヒントの数々がきちんと明らかになっていく。ちゃんと伏線があってそれが生かされていくんです。そこがすごい。ダニエルが登場するシーンでは思わず「おーーう」と言っちゃいました。

監督はダーレンリンバウズマンに交代していますが、ちゃんと前作の監督ジェームズワンと脚本のリーワネルが製作総指揮に残っているだけのことはあるなぁと思います。脚本もバウズマンとワネルが手がけていますしね。

しかし、この作品の脚本はどの時点で出来ていたのかなぁ。前作はそれだけで終わらせようと思えばそれで済んだわけだけど、そこから新たに矛盾なくシリーズを続けるっていうのはやっぱりすごい才能だなぁと思います。それには何と言ってもアマンダショウニースミスの存在が重要になってくるんだけど、彼女の使い方がまたうまいですね。

さすがに前作ほどの恐怖感はないものの、十分楽しめて、しかも次へとつながっていくという作品ができあがっています。この先どうなっていくのか楽しみだー。

オマケ1見ている最中に「このマシューズ刑事ってマークウォールバーグに似てるなぁ」なんて思っていたんですが、本当のお兄さんなんですねー。ニューキッズオンザブロックの人やったんやぁ。全然知らんかったそんなグループにいたとは思えないくらいのおじさんぶりがいい感じです。

オマケ2写真はワタクシが一番エグく感じた注射器のシーン。しかもそれを全部分かっててやってるアマンダがすごい。

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トワイライト~初恋

2010-04-01 | シネマ た行

この原作本はアメリカで女子中高生を中心に爆発的にヒットしたらしいのですが、日本でもそれなりにヒットはしたのかな?うちではにゃおが読んでいて、寝る前に逐一ストーリーを説明してくれてその後に必ず「cokyも読む?」って聞かれたんやけど、「いや、もういまストーリー教えてくれたからいいわ…」って。というわけでワタクシもなんか知らんけど、読んだ気になっている物語であります。

冴えない女の子ベラクリスティンスチュワートとバンパイアのエドワードロバートパティンソンの禁断のラブストーリーってやつですね。原作ではベラは不細工な女の子という設定らしいけど、映画ではもちろんそういうワケにはいきませんよね。

クリスティンスチュワートって最初に「パニックルーム」でジョディフォスターの娘として登場したときにはもっとボーイッシュな印象だったんだけど、最近「イントゥザワイルド」で見たときにはすっかりキレイな娘さんになっていてちょっとビックリした。ちょっと受け口なのと姿勢が悪いのが気になるんだけどね。ベラは暗い雰囲気だから彼女に合ってるかも。

ロバートパティンソンは「ハリーポッターと炎のゴブレット」でそこそこ大きな役でしたが、若手スターナンバーワンにまで急にのし上がった感じですね。

バンパイアの動きを表現するシーンでエドワードがベラをおぶって、木と木の間をめまぐるしく駆け巡るシーンがあるんだけど、そこがなんかサルみたいでちょっとカッコ悪かったなぁ。あと、バンパイア一族の顔の青白さはちょっと酷すぎるよな~。あれじゃ、ほんとに「バンパイア」ってあだ名つけられそう。しかし、エドワードはもう何年も生きてるのにわざわざ高校に通う必要があるのかな?地域の人に疑われないためか。それなら、しばらくしたらまた引っ越さないと歳取らないことがバレちゃうね。歳取らないと言えば、エドワードの家に、いっぱい卒業のときにかぶる角帽が飾ってあって、ファミリージョーク的になっていたのが面白かったな。

あと、吸血一族がロザリーニッキーリード以外、親切にベラを受け入れるのが意外だった。あんなに簡単に人間を受け入れて大丈夫なんだろうか?おかげでジェームズキャムギガンデットたちともモメちゃうし。まぁ、相手が悪いんだけどさ。

ジェイコブテイラーロートナーたちのキラユーテ族は狼の血族なんだよね。吸血鬼と狼男たちが関わりあうのって最近の傾向?「怪物くん」では仲良くしてたけどね

全編、女子中高生が好きそうな少女マンガ的臭さがプンプン。エドワードもベラもくっさいセリフをばんばん言ってくれちゃって、もうそれにドキドキするような年頃でもないワタクシはドキドキよりもなんかぞわぞわ。その辺はちょっと笑っちゃうんだけど、お話自体はつまらなくはなかったです。これは全部で何本になるのかな?3本?それにしても、こういう形式で映画を公開するのが普通になったのはやっぱ「ロードオブザリング」の功績が大きいね。こういう形式は好きじゃないなぁなんて言ってたけど、段々普通になりつつあるもんね。

「マイレージ、マイライフ」を見た直後にケーブルテレビで見たので、アナケンドリックが登場して驚きました。どっかで見たことあるなぁと思ったけど、分からなかった。ベラの人間のお友達役だから、今後のシリーズに出るとしても大きな役ではなさそうですね。

このあとのシリーズは1本目よりも盛り上がってくるでしょうね。楽しみです。

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