シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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ゼログラビティ

2013-12-25 | シネマ さ行

これはもう鑑賞というより、体験ですよ、みなさま。ワタクシ初めてIMAXの3Dで映画を見ました。普段は3Dって嫌いなんですけど、この作品ならIMAXで見るのにふさわしいだろうと思って行きました。

物語はいたって単純です。スペースシャトルの船外で作業していた宇宙飛行士マットコワルスキージョージクルーニー、メディカルエンジニアのライアンストーン博士サンドラブロック、シャリフファルダットシャーマのところにロシアの衛星の破片が飛んできてシャトルは大破。他の乗組員はマットとライアン以外はみな死亡し、ライアン博士は宇宙空間へたった一人投げ出されてしまう。

無重力の闇の中、体はくるくる回り続け自分がどこにいるかも分からない。そんな中マットコワルスキーの声だけが唯一の希望だった。助けに来てくれたマット。2人で国際宇宙ステーションを目指して移動する。ライアン博士の酸素残量はギリギリ。2人で国際宇宙ステーションになんとかたどり着くが、そこも破片に破壊されていた。そこでの衝突事故でコワルスキーは宇宙空間に投げ出されライアン博士は助けようとするがコワルスキーはライアン一人を助けるため自らワイヤーを外し宇宙空間へと消えていく。

国際宇宙ステーションにあるソユースに乗り、破壊された国際宇宙ステーションから中国の宇宙ステーション天宮へ向かうライアン博士。そこにある神舟という宇宙船で地球へ帰ることを決意する。

最初の時点で事故に遭い、移動して移動して地球へ帰る。それだけの話。しかしそのそれだけの話がすごい。IMAXで見たからというのはもちろんあると思うのだけど、とにかく映像がすごい。浮いてるサンドラブロックの横からジョージクルーニーがふわ~とやってくる。宇宙ゴミとなった衛星の破片がビュンビュン飛んでくる。宇宙のど真ん中に一人ぽつんと取り残される。地球の美しい景色を見ている余裕なんてない。

この単純なお話の中で素晴らしいのが、コワルスキー飛行士とライアン博士のキャラクター。コワルスキーは百戦錬磨の宇宙飛行士。船外作業中もヒューストンの地上係エドハリスと冗談のやりとりばかりして、しゃべりっぱなしで周囲を辟易とさせている。それでいて、ピンチのときにはいたって冷静にライアン博士を導いてくれる頼もしい男。ライアン博士は幼い娘を亡くし、仕事以外には何も意欲を持てず生きている女性。宇宙に来たのは初めてで研究のために来たのであって、宇宙船の操縦などは門外漢。だから一人でソユーズや神舟を動かすときも訓練でやった以来だからマニュアルを引っ張り出してきて、ええいと勇気を出してボタンを押さないといけない。あれで彼女がスタスタと操縦できちゃったらおかしいけど、ちゃんとマニュアルとか見てるところが良かったな。

そして、娘を亡くして以来この事故までは生きる気力なんて全然なかった博士が最後の最後に"I"m ready."と言えるまでの心の旅の様子がきちんと、それでいてさりげなく描かれているのがとても良いと思いました。

通信が混線し、地球のどこかにいるアニンガオルトイグナチウッセンと通信が繋がる瞬間があるのですが、その時に聞こえたのが男性の声の後ろの赤ちゃんの声と犬の声。言葉の通じないアニンガと犬の遠吠えだけでやりとりするライアン博士がユーモラスでもあるけれど、この時の彼女の置かれた状況を考えると悲哀に満ちているとも思えた。この時の彼女は死を覚悟していたし、生への執着を持てずあきらめようとしていたからだ。

そんな彼女が立ち直るきっかけとなる、いったんは宇宙の彼方に消えて行ったコワルスキーが「予備電源があったんだよー」って陽気に戻ってきたときはめちゃビックリしました。単純なワタクシは普通に信じてしまってほっとしたんですけど、やっぱり違ったんですね。あの出来事でライアン博士は、生きなくちゃ!と思えるようになるんですが。ここでコワルスキーのキャラが非常に生きてきます。

3分の2くらいはサンドラブロックの一人芝居なんですが、彼女の演技が素晴らしかったです。最初はなんだか暗くてうつむきがちだった博士が前向きになっていくとともに表情や体の表現までが違ったように見えました。体の表現と言えば、彼女の自然に鍛えられた肢体がとても美しかったですね。ガリガリでなく、筋肉質過ぎず、しなやかな肢体を披露していました。それが宇宙船の中で浮いている姿が非常に美しかったです。

最後に彼女が乗った神舟が水に不時着し、それも岸近くであったところは非常に都合が良いなという感じはしますが、あれだけの体験をしたんだから、それくらい都合良くてももうええやろと思えました。あれで紛争地帯のど真ん中とかチョモランマの頂上とかに着陸しちゃったら、もうそれまでの感動を返せって感じですからね。ま、シャトルから国際宇宙ステーションまでってあんなに近くないとか、そういう面もリアルではないらしいですけど、もうね、ワタクシはそんなこと、どーでもいいです(笑)

映画はエンターテイメント、とは言いますが、これぞまさにエンターテイメント、いやもうアトラクションと言ってもいいくらいだと思います。みなさまもぜひ体感してきてください。

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グリーンランタン

2013-12-20 | シネマ か行

これもケーブルテレビで見ました。ネットのレビューは点数が低いですね。ワタクシは結構楽しんだのですが。

ちゃらんぽらんなだけど操縦の技術は確かなパイロット・ハルライアンレイノルズはある日突然グリーンのリングのパワーで瀕死の宇宙人(アビン・サー)の前に引き寄せられる。死にゆくアビン・サーの代わりに宇宙の平和を守るグリーンランタンの新しいメンバーとして選ばれたのだった。戸惑うハルだが、宇宙人に渡されたグリーンランタンとリングが反応して、自分も知らない近いの言葉がひとりでに口をついて出てきた。

かつてアビン・サーが無人の星に閉じ込めた危険な敵パララックスが復讐を開始したため、グリーンランタンのメンバーはその敵と闘わねばならない。未熟な種族とされている地球人からグリーンランタンのメンバーに選ばれたのはハルが初めて。ハルは先輩たちにグリーンランタンの技を習う。

アメコミものは基本期待しないで見ることにしているので、結構面白かったのですが、そのひとつの要因は、相手役キャロルがブレイクライブリーだったからかも。彼女はたいていはすっぱは女の子とか生意気とかちょっとアブナイ系の役が多いと思うのですが、今回は自らもパイロットとして活動的な面も見せつつ、父親の会社の役員として知的なところもある典型的なアメコミのヒロインということで、とても美しく魅力的でした。アメコミが原作の映画のヒロインっていまいちワタクシ好みの人がキャストされることが少なかったんですよねー。そんな中ブレイクライブリーはピカイチでした。というわけで、ワタクシのこの作品の評価が高いのはただのひいき目かもしれません。

例によって、好意を寄せる女の子が正体を知らずにヒーローのほうを好きになっちゃうとか、またそういうのー?って思ったら、キャロルに速攻バレて「ハル!幼馴染なのよ。そんなマスクしてたってすぐに分かるわよ!」って言ったのにはウケました。

なんか、それにしてもグリーンランタンって面白い設定ですね。あのランタンってのもちょっとよく分からないし、あのコスチュームがまたねぇ。あれ、コスチュームじゃなくて肌なんですよね。肌って・・・股間のところはどうなってんだ???パンツだけは履いてるんだっけ?

彼らが自分の想像力で武器とかを作り出すっていう設定はユニークでいいなぁと思いました。そのあたりのCGも楽しかったです。

こういうタイプの映画って結構豪華なキャストが揃いますよね。今回もそこまで大物とは言わないまでもマークストロングとかピーターサースガードがすごい特殊メイクで頑張ってるし。マークストロングなんてあまり原形留めてませんもんね。ティムロビンスがピーターサースガードのお父さんって、もうそんな歳なんだっけ?アンジェラバセットは随分久しぶりに見たような・・・

最後に地球に敵がやってきてハルが頑張って倒すんだけどさ、グリーンランタンって3600人もいるんだよね?だったら、もっと早く何人か助けに来てくれてもいいんじゃない?お互いの管轄には不可侵っていうシステム?その辺よう分からんなぁ。

これまたこういう映画にはありがちなラストで新しい敵がちらっと姿を見せるっていうパターンでしたが、これ興行的に成功しなかったらしいから続編は作られないかもしれませんねー。

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ミッドナイトインパリ

2013-12-17 | シネマ ま行

公開時に見そびれてから気になっていた作品です。ケーブルテレビで放映があったので見ました。

ギルオーウェンウィルソンは婚約者のイネズレイチェルマクアダムズと彼女の両親と一緒にパリを訪れる。ギルはハリウッドの売れっ子脚本家だが、小説を書きたいという夢を捨てきれずいた。ギルは1920年代のパリに憧れを抱くようなロマンチストだが、婚約者のイネズはギルには小説など諦めて脚本家一本で生活してもらいたがっている現実派だ。

パリで偶然会ったイネズの友人夫婦と一緒に観光をして回るのだが、その夫ポールマイケルシーンがインテリで博識ぶってギルは面白くない。イネズが彼らとダンスに行くと言うのでギルは一人でぶらぶらしてホテルに帰ろうとしていた。

深夜12時の鐘が打たれた瞬間、道に迷って途方に暮れていたギルの前にクラッシックカーが止まり、「乗れよ」と気軽に声を掛けられる。最初は断るギルだが、しつこく誘われたので乗っていくと車は不思議なカフェバーにたどり着いた。

ゼルダアリソンピルと名乗った女性に紹介された夫の名はスコットトムヒドルストン。スコットフィッツジェラルド。スコットフィッツジェラルドとゼルダだって???と思っていると次に紹介された男性はヘミングウェイコリーストールだと言う。自分が憧れる作家たちに次々に会うことができて有頂天になるギル。その上ヘミングウェイが友人のガートルードスタインキャシーベイツに頼んでギルの小説を読んでもらうことになる。

という夢のようなタイムスリップのお話。ウディアレンは現実を舞台にしながら夢のようなお話という展開が多いけど、ここまで荒唐無稽なのは珍しいですね。これがSF的なお話だと知らないで見た方はびっくりされたでしょう。

さて、そんな夢の体験をしたギルと現実派のイネズの2人はどんどんすれ違っていきます。そもそもこんなに違う2人がどうして付き合って結婚までしようと思ったわけ?っていうカップルは映画にはよく登場しますが、今回もそのパターン。ま、ギルが俗物的なハリウッドの売れっ子脚本家であるうちはイネズとうまくいっていたんでしょう。

ギルの興奮はイネズには伝わらず、イネズは友人夫婦とばかりつるみ、ギルは毎夜パリの街から1920年黄金期のパリへ。ガートルードスタインの部屋でピカソに会い、ピカソの愛人アドリアナマリオンコティアールに恋してしまう。

ウディアレンの語り口というのは、面白い作品でもそうでない作品でも非常にスムーズ。この作品もその得意のスムーズな語り口の上に、あ、フィッツジェラルド、あ、ピカソ、ダリ!ブニュエル!T.S.エリオット!その他多数!!!という面白味も手伝って非常に小気味良い展開。

実際に会ってみれば、1920年代の芸術家、文化人たちがあんなに良い人ばかりなわけはないけど、半分ギルの夢の世界だからこれでいいのだ!ってすんなり思わせてくれるところもウディアレンらしい。

彼らとの対照としてイネズや彼女の両親、そしてインテリぶっているポールたちが品のないタイプの人間として描かれています。レイチェルマクアダムズはいつも可愛らしい役が多いのに、イネズのような役はめずらしいですね。最初登場した瞬間は彼女だとは分かりませんでした。

オーウェンウィルソンは声がこもっていてモゴモゴ喋る様子があんまり好きじゃなくて、これまでの役的にも今回のギルとはイメージが違うなぁと思っていたんですが、見ているうちにどんどん違和感がなくなっていきました。

こんな夢物語にどうやってオチをつけるのだろうと思ったけど、ちゃんとギルもノスタルジーは隣の芝生は青いっていうのと同じということに気付いてちゃんと自分の道を進むことにします。雨のパリを趣味の合うガブリエルレアセドゥと消えていくギル。やはりパリはいつの時代も絵になりますね。

オマケ美術館のガイドとしてサルコジ元仏大統領の奥さんカーラブルーニが出ていたのですね。知らなかったので驚きました。

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グリフィン家のウェディングノート

2013-12-13 | シネマ か行

豪華キャストに魅かれて見に行った作品です。とかく豪華キャストの作品というのは批判されやすいもの。この作品はどうだったでしょうか。

父:ドンロバートデニーロ。女にだらしなく下ネタ全開。どうしようもない男だが家族のことは愛してはいる。

母:エリーダイアンキートン。ドンとは別れて10年以上。養子アレハンドロベンバーンズの結婚式のために帰ってくる。

アレハンドロの実の母は敬虔なカトリック。養父と養母が離婚していると分かったら大変といまも結婚していることにする。

ビービースーザンサランドン:父のいまの恋人。母の親友でもあった人。ドンと一緒に暮らし、子供たちも半分はビービーが育てたようなもの。

長女:ライラキャサリンハイグル。不妊に悩み夫とうまくいっていない。

長男:ジャレッドトファーグレイス。29歳の現在までなお童貞。医者だしモテるはずだが、信条のためでもなんでもなくただ機会を逃してきただけのよう。

養子:アレハンドロ(バーンズ)。メリッサアマンダサイフリッドと結婚する。

というのがグリフィン家。

なぜか結婚式を挙げる牧師がロビンウィリアムズというここでもまた豪華なキャスト。

ワタクシはこういうの好きです。なんか下ネタもすごいしドタバタしてるけど、これだけのスターが揃うとやっぱり見ているだけでも華やかで面白い。もちろん、これだけのキャスト揃えたのに脚本がもったいないなぁって部分もありますけどね。父と母の偽装の結婚関係とかなんか中途半端だったし、ロビンウィリアムズなんて本当にもったいない限りでしたけど。

まぁベテラン勢は余裕でバケーションくらいのつもりで撮影してたんじゃないかと思うほどです。デニーロとキートン、サランドン、ウィリアムズの4人が撮影の合間に話してるところをのぞいてみたいです。そっちのほうが本編より面白かったりして?

アマンダファンとしては彼女の出番がほとんどなかったのはつまらなかったです。はっきり言ってあのポジションはもっと駆け出しの誰も知らないような女優さんでも良かったような…アマンダちゃん、どうしてこの仕事受けたの?って終始思いながら見ていました。やっぱりデニーロ、キートン、サランドンと仕事ができるっていうのが理由だったのかなぁ。とは言え、ワタクシ、アマンダが出ていなかったらこの作品を見に行くまではしてないと思うので、観客動員には一役も二役も買っていると思いますが。

キャサリンハイグルって顔がちょっと苦手なタイプなんですけど、彼女のコメディセンスはやっぱり若い女優さんの中では抜群じゃないかなぁと思います。シリアスもちゃんとできるし、コメディに必要な独特の間が絶妙ですね。今回はメリッサのお母さんの物真似した時が最高でした。

エドワードバーンズは「どっかで見たことあるけど、誰やっけ~?」と思いながら見ていたら突然思い出して「カスピアン王子やんっ!」って映画館で叫びそうになりました。髪の毛が短くなっていたので分かりませんでした。短髪のほうがよく似合いますね。

90分ほどのコメディですし、軽いタッチのごった煮感を楽しむつもりでご覧になると良いかと思います。

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ウォールフラワー

2013-12-11 | シネマ あ行

完全にエマワトソン目当てで見に行った作品です。「ハリーポッター」以外で彼女を見たのは「マリリン~7日間の恋」だけだったし、小さな役だったので、この作品はずっとずっと前から楽しみにしていました。もちろん、ハーマイオニーのイメージが極端に崩れたり、エマの演技が超下手だったらどうしようとかそういう不安もありました。結果、その不安は一切不要なものでした。ハーマイオニーのイメージっていうのはこれからどんどん崩れていってくれていいんですけどね。いきなり汚れ役とかだったらやっぱりキツイし…って思っていたのだけど、このサムっていう女の子はとても良い子で安心しました。

物語は、高校入学を迎えたチャーリーローガンラーマンを中心にスタートする。彼は心の病でしばらく入院していて、学校でもいわゆる「壁の花」一人も友達がいない彼にとっては高校入学は憂鬱以外の何物でもなかった。最上級生にお姉ちゃんはいるが当然彼氏や同級生と仲良くして自分の相手はしてくれない。そんな時、学校のフットボールの試合で上級生のパトリックエズラミラーと彼の義理の妹でパトリックと同級生のサム(エマ)の2人と知り合いになる。

パトリックとエマの義理の兄妹は、学校では「はみだし者」の部類だったが、似たもの同士が集まってパーティやら課外活動を楽しんでいた。そんな2人と友達になってからのチャーリーの生活は一変する。仲間を見つけたチャーリーは楽しい高校生活を送ることができるようになるが、そんな中でもみなそれぞれに悩みを抱えていた。

パトリックはエキセントリックで誰に何と言われようと気にしないというタイプの子だけど、実はフットボール部の花形の男子生徒ブラッドジョニーシモンズと付き合っていて、付き合いをオープンにしようとしない相手に傷ついていた。サムはろくでもない実の父親の友人にいたずらされた過去があり、男性と健全な関係を築けずにいた。そして、チャーリーもまた以前の病気が復活したらどうしようという不安を抱えていた。

高校生たちが悩みを抱え、傷つきながらもお互いを支え合い友情を育み成長していくという、ザ・青春映画。そう聞けばワタクシから上の世代の人たちは「セントエルモスファイアー」「ブレックファストクラブ」などブラッドパック全盛期の作品を思い出すんではないでしょうか。実はこの作品はその年代のほんの少しあとの1991年が舞台なので、大人になったワタクシたちでも共感できるところがたくさんあります。

音楽も当然それ以前の曲ばかり使われているので、懐かしい気持ちに浸れる人も多いと思うし、チャーリーたちが交換し合うのも自分で編集したカセットテープ。懐かしい~!テープの残量と曲の時間を計算してA面B面に入れるんだよねー。インデックスも自分で書いて失恋した友達とかにあげるんだよー。いやー、青春だねー。ラジオで流れる素敵な古い曲も今みたいに簡単には調べられなくて、友達のために調べてあげたりとかもいいよね。そこで流れるのがデヴィッドボウイの「Heroes」で。これがまたカッコいいんだわ。

本当に何気ない日々が描かれるんだけど、主演の3人が素晴らしいんです。彼らの瑞々しい演技がこの作品に説得力を与えていると思います。この3人を揃えることができたというのがこの作品の成功の大きなキーとなったと言えますね。あとは原作を書いたスティーブンチョヴォスキー本人が脚本も監督もしているということで、かなり納得のいく作品作りができたんだろうと思います。彼の人物の描き方ってとても素敵だと思いました。人物だけではなく、トンネルのシーンやホームカミングでのダンスシーンとかワクワクするようなシーンもいっぱいあって、青春の切なさと相まって、ベタですが本当に胸キュンものです。

最後にチャーリーが抱える心の傷について語られるんですが、それがほのめかしてある程度なので何のことか分からなかったとネットのレビューに書いている方もちらほらとおられます。分からなかった方はもやもやしているかなーと思うのですが、あの描き方だったということは分からなければそれでも良しということでしょうか。

最近、こういうタイプのストレートにキラキラした青春映画を見ることがなかったので、久しぶりになんだかドキドキして自分も若返ったような気になりました。自分たちの世代が見る映画じゃないからと敬遠せずに大人の方もぜひ見ていただきたいなぁと思える作品です。

オマケ1鳴る曲、鳴る曲、ついついオリジナル歌手の名前が浮かぶ前に「あ、グリー!」と思ってしまうグリークなワタクシです。

オマケ2劇中劇でエマワトソン、エズラミラー、ローガンラーマンの「ロッキーホラーピクチャーショー」が見られるっていうのはめちゃくちゃ貴重ですね。特にエズラミラーのフルター博士は必見!

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フィルス

2013-12-09 | シネマ は行

ジャケ買いしてしまった作品です。正確にはポスターの印象だけで見に行くことを決めました。なので内容は何も知らず。ジェームズマカヴォイが追い詰められた表情で「ワーッ」と叫んでいるようなポスターで「Filth」という題名だったので何かしらインパクトの強い作品なんだろうなぁと漠然と感じただけで見に行きました。ジェームズマカヴォイが好きなんですが、彼の作品は今年「ビトレイヤー」「トランス」共に見逃してしまったので、これは絶対見に行こうと思いました。

まぁいつものことなんですが、原作が「トレインスポッティング」のアービンシェルシュだとはつゆ知らず。R18だったから覚悟はしていたんですけどねー。

スコットランド警察の刑事ブルースロバートソン(マカヴォイ)は同僚たちを蹴落として昇進することばかり考えていた。そんな時日本人留学生の殺人事件が起こり、昇進の良い機会と張り切ってはみたものの、実は彼はアルコール、ドラッグに溺れ、売春、不倫となんでもござれの生活をしていた。

主人公がドラッグに溺れてそのせいか周りの人間が動物に見えたり、おかしな言動を取るのは「トレスポ」を彷彿とさせた。見終わったあと「トレスポ」みたいだったなぁと思っていたら原作者が同じだった。

主人公がそんなだから、品性もくそもない内容なんだけど、ところどころは笑えたりするシーンもある。笑えるというかなんか悲哀って感じもしたけど。拡大コピーのシーンとか、面白いと言えば面白いけどなぁ。ほんとラリってないとキツイなって感じです。他のシーンもまぁ全部が下衆いね。面白くなくはないけど、好きかと言われればそうでもないかなぁ。

子どものとき弟を目の前で死なせてしまったり、最近奥さんに逃げられたりしたブルースには同情もしたけど、なんか自業自得な部分もかなりある気がしたし・・・

もしかしたらこれからいい関係になれたかもしれない女性が訪ねてきた影が見えたところで、ブルースが自殺するイスを蹴ってしまう。というラストは秀逸だと思ったけどね。彼のあの状態ならもう自殺したほうが身のためだったのかもしれないな。あらゆる中毒から立ち直る気なんてなかっただろうし。例の女性と一緒になって明るい未来が待っていたかどうかは未知数だけど、堕ちるとこまで堕ちたって感じだったもんね。バックで流れる「Creep」がたまらん。

ストーリー的にはワタクシはそんなに素晴らしい作品だとは思わないけど、ジェームズマカヴォイの演技は凄かったなー。スコットランド訛り丸出しで汚い言葉吐きまくってほとんど一人で画面を引っ張って、ヒゲ面の女装まで見せちゃう。彼には優等生的なイメージがあったんだけど、それを見事に打ち破ってくれて全然違和感がなかった。これからがますます楽しみな役者さんだ。

オマケジェームズマカヴォイが全裸で歩き回るシーンがあるんだけど、脚が短くてビックリしたなぁ。あれ、本人だよねぇ?

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ハンナアーレント

2013-12-06 | シネマ は行

1960年、イスラエルの諜報部モサドがアルゼンチンでナチス親衛隊だったアドルフアイヒマンを逮捕する。エルサレムで行われる裁判を傍聴しようと、ニューヨーク在住の哲学者ハンナアーレントバルバラスコヴァはザ・ニューヨーカー誌に記事を書くことを申し出る。

ハンナアーレントはユダヤ人で戦時中フランスで収容所から脱出しアメリカに亡命した哲学者だった。ナチスの被害者であった彼女が強制収容所移送の責任者だったアイヒマンの裁判をどのように見つめるのか世間は注目した。

彼女はまずイスラエルがアイヒマンを裁くこと、モサドがアルゼンチンでナチスを逮捕する権利があるのかなど、根本的な問題を指摘したが、ナチス親衛隊憎しの世間ではその指摘さえもおかしいとされた。

裁判を傍聴した彼女はアイヒマンを冷酷なモンスターではなく、ごく普通の小役人で上官の命令に従っただけに過ぎないと発表する。そして、それだけではなく、ユダヤ人大量虐殺の裏側にはユダヤ人指導者たちのナチスへの協力もあったということを指摘して世間から相当の批判を浴びる。

「アイヒマン実験」と言われるイェール大学のミルグラム実験やそれと同種のスタンフォード大学の監獄実験などが有名であるが、彼女が「悪の凡庸さ」と表現したこの一般の市民がある一定の条件下においては残虐行為を行うという概念はいまでこそある一定の理解を持って受け入れられているが、彼女がこれを発表したときの世間の驚きと言ったら現在では想像もつかないものだっただろう。

ユダヤ人社会にとってナチスは極悪非道のモンスターでなければならなかったし、ユダヤ人はイノセントな被害者でなければならなかったのだ。それを彼女はひっくり返した。彼女は当然ナチスの所業を憎んでいるし、アイヒマンを擁護するつもりは毛頭なかった。彼女は哲学者としての思想をストレートに世間に発表したに過ぎない。でも彼女はユダヤ人でありながら、ナチスの擁護者でユダヤ人を憎んでいると評されてしまい、世間一般からだけではなく、ユダヤ人の親友たちからもそっぽを向かれ大学も追われることになってしまう。

ハンナ自身、ナチスのユダヤ人迫害の被害者なのだ。そういう人がこういう発表をするというのは、非常に勇気がいることだろう。アイヒマンがモンスターではなくただの一般市民だという主張よりも、ユダヤ人指導者たちがホロコーストの一端を担ったという主張のほうが強烈にユダヤ人社会から非難を受けたようだ。しかし、彼女は自分の信念に従って誰も言わなかった本当のことを書いた。さきほど非常に勇気がいったことと書いたが、彼女はそこには勇気など必要なくただただ真実と自分が思考した結果を書き記したまでだとこともなげに言ってみせるだろう。それほどまでの信念の人という感じが画面からとても伝わってきた。バルバラスコヴァの演技はそれを伝えるに十分な骨太なもので素晴らしかった。

ハンナアーレントという哲学者はおそらく非常に有名な方なんだろうけど、ワタクシはこの作品を知るまで恥ずかしながら彼女のことを知らなかったので、この作品の中で語られる彼女の周囲の人間関係についてはちょっと分かりずらいところがあった。彼女の過去が時折挿入され、彼女の師匠である哲学者マルティンハイデッカーとの関係が語られ、その師弟関係と恋愛関係がおそらく後々の彼女に多大な影響を与えたのだろうなぁということくらいは分かったけれど、ハイデッカーについても名前を聞いたことがある程度なので本質的なところは分からなかった。

その点少し事前に調べておく必要があるかもしれない。他にもアイヒマンのことやモサドのナチハンターのことなど何も知らない人は少し調べてから見たほうが分かりやすいかもしれないですね。

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47 RONIN

2013-12-05 | シネマ は行

試写会に当たったので行ってきました。3D吹替え版でした。

吹き替えは日本人キャストは本人がやっているので違和感はなかったし、キアヌリーブスもあの顔なので日本語を当てられても全然違和感はありませんでした。3Dの迫力はそんなに大したことなかったんですが、それは劇場とかスクリーンの設備のせいもあるかもしれません。

忠臣蔵をベースにしたアクションファンタジーということで、日本の!あの!「忠臣蔵」っちゅうことは早々に忘れておいたほうがいいでしょう。もちろん物語は吉良浅野忠信への復讐を果たす赤穂四十七士なんですが、色々と細かいところにこだわると全然楽しめなくなってしまいます。

吉良は浅野内匠頭田中泯の領土を狙い、妖女ミズキ菊地凜子に命じ、妖術を使って浅野の乱心を誘う。吉良への切りつけの沙汰として切腹を命じられた浅野の領土は吉良に渡り、主君を亡くし浪人となった大石内蔵助真田広之たちは復讐を誓い集結する。大石は妖術使いのミズキを相手にしたこの仇討には浅野家が育ててきた天狗との混血児と言われるカイ(キアヌ)が必要とカイに一緒に立ち上がるように頼む。

カイは浅野の一人娘ミカ柴咲コウと秘かに恋仲であり、そのミカは領土と一緒に吉良に獲られているため、カイはミカのために立ち上がる。

いったん浅野の家臣たちは解散となり、ほうぼうに散ってしまうのだけど、カイは流れ流れて出島で体を張って闘士となって生き延びていた。そこへ大石が迎えに行くんだけど、すごいことになっているよ!DE・JI・MA!!!ここ以外のトンデモニッポンもびっくりだけど、このDEJIMAを見ちゃったらもうあとは何でも来いだね。

全体的にヴィジュアルがゲームの世界みたいでした。あまりゲームをしないので詳しくないのですがイメージ的に。浅野が赤、吉良が青、将軍家が金になっていて、これは海外の人が見ても関係性が分かりやすくなっていると思います。衣装や建物はまったく日本ではなかったですね。あーゆーのはもう真田さんも目をつぶっちゃってるんだろうなぁ。カールリンシュ監督がそこまでこだわってないなら日本人キャストとしては割り切らないとできないと思う。

シーンとしてはDEJIMAと天狗のシーンが面白かったですね。鼻は高くなくて鳥のイメージの天狗でした。瞬きが怖かった。

キャストが本人で吹き替えているので違和感なかったんですけど、菊地凜子はあまり上手じゃなかった気がしたな。妖女という役柄だけに仕方ない部分もあるのかと思うけど、セリフ回しが白々しかったような。大石の息子・主税を赤西仁が演じていて、彼の演技を見るのは初めてだったのですが、意外になかなかうまかったと思います。ワタクシは謙さんより真田派なので、真田広之がこうしてハリウッド映画で活躍するのを見るのは嬉しいな。今回はキアヌよりも真田広之のほうが出番が多かったように思うし。

ぜひ劇場で見て!と薦めるほどの作品ではないですが、こういう系の作品がお好きな方は楽しめると思います。

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