シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ファミリーツリー

2012-05-30 | シネマ は行

アカデミー賞脚色賞を始めとして数々の賞に輝いた作品だったので、期待して行きました。

ハワイに住むマットキングジョージクルーニーは妻エリザベスパトリシアヘイスティが突然のボート事故で意識不明に陥り、10歳の次女スコッティアマラミラーを抱えて一人で右往左往していた。同じころ、先祖代々受け継いできたハワイの広大な土地をリゾート開発業者に売るかどうかで親族会議が行われる予定でその件にも頭を悩ませていた。

医者からエリザベスはもう意識が戻ることはなく、本人の事前の希望書によると生命維持装置は外さないといけないと告げられ、マットは離島の私立高に通う長女アレックスシャイリーンウッドリーを連れ戻してくる。

母の死を告げるとアレックスは当然悲しむが、なにか複雑な様子。マットが問い詰めると事故の前にした母娘喧嘩の真相をマットに話してくれる。アレックスは母の不倫現場を目撃し、それを追及したところ喧嘩になったというのだ。

妻が不倫をしていたとは夢にも思わなかったマット。この日から不倫相手を探し当てることに時間を費やすことになる。

アレックスが不倫相手の家を知っているのだから、それを教えてもらうのはいいとしても、一緒に探しに行ったり、一緒に会いに行ったりするのはものすごく不自然に感じた。17歳の娘にそんなことさせるなんてなー。いくらアレックスが申し出たこととは言え、ちょっと考えられない。そういうダメな奴を描くのがアレクサンダーペイン監督は好きなんですかね。それを人間くさいと見ると肯定的に受け入れられるんだと思うんですが。

ちょっとひねりの効いたヒューマンドラマっていうんですかね。この監督の得意とするカテゴリーなのかもしれません。

しかしまぁ、ジョージクルーニーのハワイの似合わないことったらないね。カメハメハ大王の末裔っていう設定だったけど。これはワタクシ個人のイメージの問題なんで仕方がない話なんですけどね。ハワイだって決して楽園なんかじゃないよっていうお話だからハワイっぽくない人でも全然いいんでしょう。

長女アレックスを演じたシャイリーンウッドリーがすごく美人ですらりと脚が長くて(これからまだ伸びるでしょう)演技もうまくて、こんな若手がどこにいたんだー???ってビックリしました。彼女はこの作品で助演女優賞を受賞したり、ノミネートされたりしているようですね。それも納得の魅力的な女優さんです。ぶっちゃけワタクシは彼女がいたからこの作品を楽しめた部分がかなりあったと思うなぁ。この魅力的な長女がいなかったら、それこそ悲劇的なレビューになっていたかも。

アレックスのボーイフレンドのシドニッククラウスの存在がキーとなる場面もあるんだけど、なんとなく生かしきれてないような気も。都合の良いベビーシッター(次女の)としても使われてたな。いまいちシドが好きになれなかったのは、こんな冴えないのがアレックスのボーイフレンドかよ!って思ってしまったせいかもしれません。

妻の不倫についてのゴタゴタはね、まぁ人によって収拾のつけ方は違うだろうし、そもそもこの旦那にも原因となるところはあったみたいだからまぁいいとしても、最後の土地に関する決断はハワイの人全体にしてみたら良かったのかもしれないけど、ぬか喜びさせられた親戚一同はたまったもんじゃないだろうねー。


エスター

2012-05-29 | シネマ あ行

ケーブルテレビで見ました。

3人目の子どもを死産で亡くしたケイトヴェラファーミガとジョンピーターサースガートはその赤ちゃんに与えるはずだった愛情を恵まれない子供にあげたいという思いから養子をとることを決める。見に行った施設で目に留まったのは絵の上手なエスターイザベルファーマンという少女だった。一風変わった服装をしているエスターだったが、夫婦は彼女との絆を感じ養子にすることにする。

エスターは耳の聞こえない下の妹マックスアリアーナエンジニアとすぐに仲良くなり、手話もすぐに上達するが、長男のダニエルジミーベネットはダサい服装のエスターを好きになれずにいた。

このあたりの兄妹&エスターの関係がうまく物語上で利用され展開していくのがうまい。そして、母親のケイトはピアノの先生であるにも関わらず、娘が聾唖者であるということや、(おそらく3人目の子を亡くしたショックからか)ケイトが元アルコール依存者で、アルコールに溺れているときに家の前の凍った池のところでマックスが事故に遭い死にかけたという過去、一見善き夫に思えるジョンが昔浮気したという事実があることなど、エスターの数々の不気味な悪事がこういった背景の中でうまく機能していく。エスターの不気味さを倍増させるような設定がとてもうまいのだ。

エスターは少し変わった服装をしてはいるものの、頭が良く、機転が効いて優しい子という外面で大人(特にジョン)を惹きつけ、多少悪い評判が耳に入ったとしても「あの娘に限ってそんなはずはない」と思わせてしまうところがある。ケイトがアルコール依存症だったこともあり、何かがおかしいと感じたケイトがジョンに何を訴えようとそれはパラノイアということで片付けられてしまう。

聾唖者の妹マックスを巧みに利用して遠くからケイトとジョンの電話での会話をくちびるを読ませて盗み聞きしたり、幼いマックスに犯罪の片棒を担がせて親にチクるのを防いだりとエスターのやり方は陰湿極まりない。いくらサイコパス、ソシオパスといってもまだたった9歳の子どもが?と思うと何か悲しい過去の話でも登場するのではないかと思いながら見ていたのだけど、(あ、これはワタクシが純真な子供というものを信じているからではなく映画的にという意味です)まさかあーいうオチだとは思わなかった。そう考えるとエスターがジョンに色目を使ったことも説明できるというワケか。精神科医を騙すのなんてエスターには日常茶飯事だったのかもね。

結局エスターのせいで夫婦はバラバラになってしまうわけだけれど、奥さんのことをちゃんと信じてあげていれば殺されなくて済んだのにねー。バカだなジョンは。そこにも一見円満そうに見える夫婦や家族の実はもろい絆にうまく付け込んでいくエスターの巧妙さと元の設定が生きている。

それにしても、エスターを演じたイザベルファーマンという女の子の演技が正体がバレる前もバレた後もすごくうまくて、今回は奇妙な役だったけど顔も美人だし、末恐ろしい気がした。

ここからはかなりのネタバレですが、エスターはホルモン異常で本当は33歳なのに9歳くらいにしか見えないという病気だったんですが、そのこととエスターのサイコなところは当然切り離して考えるべきで、彼女がサイコであることの原因などは語られていないので、ともすればこういう病気を持っている人から苦情でも来そうな内容だなと思ったけど、なんでもかんでも苦情を寄せる風潮というのもワタクシは好きではないので、「当然切り離して考えること」という良識を持っていたいものです。

少し映画から離れてしまいました。視覚的にもエグいシーンがあるし、ベッドシーンもあるせいで日本ではPG12、アメリカではR(17歳以下は保護者同伴で)というレートがついています。血しぶきが出るのとかが苦手な方は要注意かも。




「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」


幸せへのキセキ

2012-05-28 | シネマ さ行

試写会に行きました。公開したら見に行こうと思っていた作品だったのでラッキーでした。

半年前に妻を亡くしたベンジャミンミーマットデイモンは仕事を辞め、母を失くして荒れている14歳の長男ディランコリンフォードと健気に頑張っている7歳の長女ロージーマギーエリザベスジョーンズを連れて新天地で一からやり直すことにする。ベンジャミンとロージーが気に入った田舎の家にはなんと閉鎖中の動物園がついており、ベンジャミンはそこに残っていたケリースカーレットヨハンソンを始めとするスタッフとともに動物園の再建を目指す。

これが実話というのだから世の中面白いことがあるもんだなぁと思いますよね。映画の中のエピソードはどの辺までが実話なのかは分かりませんが。

まぁぁぁとにかくロージーを演じたマギーエリザベスジョーンズちゃんが可愛いのなんのってねー。予告編で「ここは動物園付きです」と説明されて「イエーイ」と飛び跳ねるシーンの可愛いこと可愛いこと。もちろん、キャストとしてはマットデイモンやスカーレットヨハンソンはとっても魅力的だし、動物園の13歳のスタッフ・リリーとしてエルファニングを配すことで14歳のディランとの淡い恋も描いていたりして映画的にすごく充実している。役所から動物園の検査に来るフェリスを演じているジョンマイケルヒギンズもいい味出してるしね。

マットデイモンはいまではすっかりアクションスターというイメージを持っている人も多いんでしょうけど、ワタクシはやっぱり初めに出てきた「グッドウィルハンティング」のイメージで、この作品のように彼の持っている誠実な人柄が現れるような役がとても似合うと思う。スカーレットは今回はお色気は封印してたけど、やっぱりそこはかとなく漂う色気は消せないね。でも結構ケリーのような骨太タイプの女性も似合っている。

動物園運営に関してはまったくの素人のベンジャミンがスタッフと協力して、動物園の再会に奮闘する姿はとても素晴らしかったし、結末が分かっていても素直に応援してしまうストーリー。その部分には大いに満足です。唯一ワタクシが気に入らなかったのは14歳のディランとの確執の行方だった。ディランは母親が死んだことで荒れて前の学校を退学になり、動物園付きの家に引っ越してくるんだけど、反抗的なディランの態度を見てケリーが言った言葉は「甘すぎるんじゃないの?」だったし、それを受けてベンジャミンも「母親が死んでから甘やかしてしまう」なんて言ってたけど、誰もディランの悲しみには寄り添おうとせず、父親は自分のことで精いっぱいだし、7歳のロージーのほうばかり目が行っている。それは確かに仕方ないことだとは思うけど、もう少しディランの心のケアもしてあげても良かったのでは?と思った。最終的にディランとベンジャミンが分かり合うシーンでも、父親であるベンジャミンからは特にディランを気にかけている発言はなく、とにかくみんな大変なんだからお前は大人になれと言うばかり。翌日にディランが反省して歩み寄ってくるけど、なんか都合が良いなぁって感じ。あんな態度の父親に対してどうしてディランが反省しなくちゃいけないのか?って思ってしまった。

ベンジャミンがディランに良い事を言ってくれたのは、ディランが反省して歩み寄ったあとだったのがちょっと残念だったんだよなー。リリーへの恋心を相談したときに「たった20秒間だけ勇気を振り絞れば素晴らしいことが起きる」と教えてくれる場面。あれは良かったね。しかもその素敵なセリフが実はベンジャミンのすることに反対ばかりしていたベンジャミンのお兄さんトーマスヘイデンチャーチ(ミックジャガーに似た役者さん)が昔ベンジャミンに言ってくれたセリフだったと分かるところがまた感動的だった。

それにしてもなー、この「幸せへのキセキ」っていう邦題はなんとかならんですかね?「幸せ」とか「キセキ」(これは「奇跡」にも「軌跡」にもなるようにカタカナなのか?)とかもうお腹いっぱいって感じです。普通に原題の訳の「僕たちは動物園を買った」じゃダメですか?



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外事警察~その男に騙されるな

2012-05-25 | シネマ か行

日本のCIAと呼ばれる警視庁公安部外事課の活躍を描いたNHKのドラマの映画版。ドラマのほうは未見ですが、ストーリーとしては独立しているようでしたので、試写会に行ってきました。一応、基本的なキャラクター設定や相関図などはサイトでチェックしてから行きました。

東日本大震災に乗じて某大学から原子力関連のデータが盗まれるという事件が起きる。同じころ、ウランが韓国に持ち込まれていた。警視庁公安部外事課の住本渡部篤郎のチームは日本でダミー会社を持ち裏で不正輸出をしているとみられる韓国人の男金正秀イムヒョンジュンの妻・奥田果織真木よう子を協力者として取り込み夫の会社を探らせる。

日本の公安部外事課っていうところが実際にこんなふうに活動しているのかどうかは分からないけど、それは別としてフィクションドラマとしては結構楽しめました。外事課の魔物という異名を持つ住本が奥田果織を意のままに動かさんとするために、彼女の経歴を徹底的に調べつくし、彼女の弱みを巧みに利用して自分たちの協力者に仕立て上げてしまうところは、人間としては最低の行為だと思うけど、物語としてはとても面白い。一見良い人そうな顔をして、丁寧な言葉で相手を追い詰めていく住本というキャラクターに魅力を感じました。渡部篤郎うまいね。

協力者を獲得するために住本班の松澤陽菜尾野真千子が任務にあたるんだけど、あんなに主任である住本に楯突くような子がチームにいて大丈夫なのかなぁ?あんなふうに協力者の前で対立しあうなんてどうもね。あれがわざとでいわゆる“グッドコップ”“バッドコップ”作戦だっていうなら分かるけど。

ドラマのほうではどうだったか分からないけれど、住本班の他の人たちの影が薄すぎてちょっと可哀想だったな。もう少しチームで活躍する筋書にしたほうがリアルだった気がする。あくまでも主役は住本であり、彼の活躍を追うことに重きが置かれているということなのかな。

それから、明らかに北朝鮮のことを話しているのに「あの国」とか「祖国」みたいな言い方しかしないのは、なんだかねーって感じだった。はっきり言えよ!ってなんかムズムズしてしまいましたよ。

住本というキャラクターは外交官・黒田とは違って、単純に実は良い人みたいなんじゃないところがいいよね。本当んとこ、どんな奴なんだかよく分かんないっていうのが。「その男に騙されるな」っていうのがサブタイトルになってるけど、ワタクシはすっかりうっかり騙されてしまいました。疑ってはいたんですけどね、やっぱり冷徹な奴だったって最後に分かるところで映画的なカタルシスを感じました。なんか「実は良い人なんだよ」なんてつまんないから。そういう意味ではちょっとネタバレ的なサブタイトルはいらないと思うんだけどね。日本映画ってなんかサブタイトルが好きだよね。なんでなんだろ?

映画の中でも言われていましたが、一般国民を騙したり利用して守りたい「国益」っていったいなんなんでしょうね?こんなこと言うと右側の人には「そんなことも分からないのか!?」って怒られそうですけど、国益を守るためなら国民の一人や二人犠牲にしても良いというのはそれ自体に大いなる矛盾をはらんでいますよね。



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オレンジと太陽

2012-05-24 | シネマ あ行

映画館で予告を見てからずっと気になっていた作品です。

1986年イギリスのノッティンガムでソーシャルワーカーとして働いていたマーガレットハンフリーズエミリーワトソンは、オーストラリアから来た女性から4歳のとき、孤児だった彼女はノッティンガムから船でオーストラリアに連れて行かれたという話を聞く。他にもたくさんの子どもたちが一緒に連れて行かれてそれぞれに保護者となる大人は一人もいなかったと聞き、にわかには信じられなかったマーガレットだが、ソーシャルワーカーの仕事で他の養子になった女性の弟も幼い時に船でオーストラリアに連れて行かれたという同じ話を聞いて、調査を始めることに。

調査を進めていくと実は19世紀後半から1970年までに莫大な数の子どもたちが英豪両政府の指揮のもと強制的にイギリスからオーストラリアへ労働力として送られていたことが明らかになっていく。

この強制児童移民という話は、ワタクシはこの映画で初めて知りました。なんと全部で13万人もの子供たちが強制的にオーストラリア(他カナダ、ニュージーランド、ジンバブエなどイギリスのコモンウェルス各国)へ移民させられたというのですからなんとも驚く話である。

この作品は強制児童移民を遂行した政府や慈善団体を告発するというよりも、実際に強制的に連れて行かれた子供たちの母親や家族を探すというマーガレットの調査を中心に描いている。

姉はイギリスに残り弟は移民させられたジャックヒューゴウィービングは母親を知らないことで、心に大きな空洞を感じ大人になり結婚し子供を持った今でも自殺願望に苦しんでいた。

会社を起こしお金持ちになったレンデヴィットウェンナムは、始めはマーガレットに何ができるんだと猜疑心を持っていたが、彼女の献身的な態度に信頼を寄せ協力してくれるようになる。

他にも何人もの人がマーガレットに母親を探してもらい、彼女が設立した児童移民トラストや当時の実態調査に協力した。

人間がアイデンティティを失うということがいかに苦しいことであるかということを淡々と表現していく演出が素晴らしく、物語のかなり前半から涙が止まらなかった。

彼らの中には母親がすでに死亡してしまっている人もいたが、母親との再会を果たした人も多かったようだ。孤児と聞くと両親が亡くなったか、捨てられた場合が多かったのかと思ったけど、そうとも言い切れず、未婚の母ゆえ家族に無理やり子供を取り上げられ孤児院に探しに行ったときにはすでに海外へ送られていたとか、貧困ゆえに仕事を見つけたら迎えに行くと言って預けたのにその間に送られたというケースも少なくはなかったようだ。そして、親たちには海外に送られたという事実は当然告げられず、良い家族のもとに養子に出したと説明されていたらしい。

身よりのない子供たちだけで強制移民させてしまうというだけでもヒドイ話なのだが、マーガレットの調査で明らかになったのは、彼らがいかに移民先でヒドイ目に遭ってきたかということだった。服と靴は1組ずつしか支給されず、学校には通わせてもらえず始終強制労働させられ、暴力を振るわれ、最悪の場合はレイプされたりもしていた。そして、ある程度の年齢になるとそれまでの衣類代や食事代を借金として返済しろと要求された。マーガレットは彼らのヒドイ体験に同化して、PTSDまで患い、しかも慈善団体(教会)の支持者たちに脅されたりしながらもこの事業を続けている。

マーガレットを演じたエミリーワトソンの抑えた演技がとても素晴らしい。自分の夫や子供たちをないがしろにして他人の母親探しか、などと中傷され傷ついてもやはりこの調査を続ける信念を持ったマーガレットを非常にうまく演じている。PTSDになったりと決して人並み外れて強い人ではないマーガレットなだけに、ものすごくリアルに迫ってくるものがある。「この家族をないがしろにして」というセリフにマーガレットは大いに傷つくわけですが、夫は同じソーシャルワーカーで協力してくれていたし、子供たちは確かに頻繁に長期間オーストラリアに滞在しなければならない母親の不在に傷ついていたけれど、それはハンフリーズ一家が自分たちで受け止め解決するべき問題であって、政府や慈善団体が自分たちが不利だからと言ってそれを脅し文句のように使うのは卑怯極まりないと感じた。

普段はアクションもので見ることが多いヒューゴウィービングとデヴィットウェンナムのドラマでの演技を見ることができたのも貴重だった。二人とも素晴らしかったが特にヒューゴウィービングの演技が素晴らしい。自分の子供の頃の話を朴訥に語る役者たち全員が素晴らしい演技をしていたと思う。

この作品の監督はジムローチ。これが長編初監督なのだが、ローチと聞けば映画ファンならピンと来ると思うがイギリス映画界きっての左派で、労働者階級の素晴らしい映画をたくさん撮っているケンローチ監督の息子さんだ。父親譲りの鋭い視点で、陽に当たることのない人々の姿をこれからも映し出してくれることだろう。

強制児童移民を英豪政府が正式に謝罪をしたのは2009年になってからのことらしい。彼らの児童移民トラストの活動は現在も続けられている。




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ダークシャドウ

2012-05-23 | シネマ た行

珍しくジョニーデップの作品を見に行きました。巷で超人気のジョニーデップ&ティムバートンですが、ワタクシはあんまり好みではありません。ただ、今回はなんせミシェルファイファー出てるし、エヴァグリーン出てるし、クロエグレースモレッツ出てるし、ついでにジョニーリーミラーも出てるし、なんか設定も面白そうだなぁと思って見に行くことにしました。

イギリスからアメリカに移民してきた大富豪コリンズ家の息子バーナバス(デップ)は使用人のアンジェリーク(グリーン)を弄び恨みを買う。このアンジェリークは実は魔女でバーナバスの恋人ジョゼットベラヒースコートを殺し、バーナバスをバンパイアに代えて棺の中に閉じ込めてしまう。

約200年後の1972年、工事のために掘り返された棺から蘇ったバーナバスが見た物は、長きに渡り町を支配するアンジェリークと落ちぶれたコリンズ家の末裔たちだった。バーナバスは大切な家族のためにアンジェリークと戦うべく立ち上がる。蘇ったのが現代ではなくて1972年という設定なので、登場人物の服装や音楽がレトロな感じでちょっとイイ。

テレビのCMでやっているように200年経って蘇ったバーナバスが浦島太郎状態で、時代錯誤な発言をするのが面白い。もっとそういう面白さが色々出てくるのかなぁと思っていると、アンジェリークとの対決になってそこからはシリアスな感じになる。

アンジェリークとの最終対決は映像的に面白かった。家がコリンズ家を攻撃したり、クロエグレースモレッツが狼人間に変身したり、魔女アンジェリークの体が陶器のようにひび割れて行ったりするのは結構良かったな。

あんまり事前情報を入れずにただいつものコンビのバンパイアのお話と思って見に行っていたから、登場人物全員がバンパイアなのかと思っていたら、バンパイアなのはバーナバスだけだったんですね。ミシェルファイファーのバンパイア姿を見られると期待していたのに残念でした。クロエグレースモレッツは最後にかろうじて短時間だけ活躍しますが、ミシェルファイファーの使い方があまりにももったいない。ジョニーリーミラーも途中であっさり出ていってしまったし。使用人役でジャッキーアールヘイリーも出ていたけど、これまたもったいない使い方。いつもながら気持ち悪さは全開でしたが。コリンズ家で一番小さいデヴィッドガリーマクグラスが最後に超活躍するのかと思いきや全然しなかった…最後にアンジェリークをやっつけるのがデヴィッドだったほうが面白かったと思うんだけどなぁ。

バーナバスの恋人の生まれ変わり(?)のヴィクトリアの存在もなんか中途半端でした。最後はなぜかジョゼットに戻っていたけど。

ファンの方には申し訳ないですが、ティムバートンだからこんなもんかなーと言う気もします。ストーリーラインはいつもちょっと唐突なところがありますものね。それよりも他のところで評価されている監督だと思います。

ミシェルファイファーの活躍が少なくて残念だったんですが、清楚なイメージだったエヴァグリーンが素敵な邪悪な魔女を演じていて、この人こういう演技もできるんだなぁと感心しました。それは嬉しい発見です。アンジェリークがただのストーカーとかだったら、バーナバスにも同情できるけど、実際に弄んじゃったわけだし、ワタクシとしてはバーナバスよりアンジェリークを応援してしまいました。

あんまり良い事は書いていないような気がしますが、見ている最中はそれなりに楽しめた作品でした。


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ライアーゲーム~ザ・ファイナルステージ

2012-05-16 | シネマ ら行

ケーブルテレビでテレビシリーズの一挙放送があったので全部見てから映画を見ました。

これはテレビシリーズの最終回が映画になったというもので、映画という媒体として独立して成り立っているものではないので、普通の映画の感想とはちょっと毛色の違うものになると思います。映画だけ見ても面白いのかもしれないですが、やっぱりドラマからずっと見ていないと意味がないかと思います。最近なんかそういうパターンの多いね。

馬鹿正直な神崎直戸田恵梨香という女の子が巻き込まれたライアーゲームというわけの分からないゲーム。参加者は勝てば賞金1億円以上もらえるが負けると自動的に借金1億円を背負わされる。参加者同士が騙し合うこのゲームで馬鹿正直な直を天才的詐欺師秋山深一松田翔太が助けてくれる。

このゲームは参加者がお互いウソをつきあって騙し合うものだが、実は参加者たちがお互いを完全に信じ合うことができれば、全員が勝ち抜くことができるもので直は常に他の参加者を説得しようとするが、やはり多くの人が自分だけが得をしようと抜け駆けしようとする。それを秋山が天才的な頭脳でさらに他の人を出し抜いて直の希望をかなえてやる。というのがこのゲームのパターン。この映画の「エデンの園ゲーム」(ライアーゲーム決勝戦)でもそのパターンが繰り広げられる。

だいたい、ライアーゲームを決勝戦まで勝ち抜いてきた強者ばかりなのだから、もうちょっと秋山に匹敵するような参加者がいてもいいと思うのだが、ここで彼に匹敵すると言えるのは武田ユキナ関めぐみと仙道アラタ田辺誠一くらい。あとはよくもまぁこのゲームを勝ち抜いてきたねぇと言うような雑魚ばかりだ。ま、ま、ま、でもね、ドラマをここまでずっと見てきた人にとってはやっぱり秋山の活躍を見たいし、直がどんなふうに参加者の気持ちを変えていくのかが見たい。あ、あときのこ(福永ユウジ)鈴木浩介がまたどんなウソをついてくるのかっていうのとね。

このお話は原作が漫画ということなんだけど、ひとつひとつのゲームがとてもよくできていて感心する。頭の良い人には簡単にからくりが分かるのかもしれないけど、ワタクシなんかは話の中で展開される説明を見て「はー、ほー、なるほどー、そうなんかー」と口をポカーンと開けて感心するばかり。というか、説明を聞いても分からんゲームもあったくらい…このお話のいいところはきちんとひとつひとつのゲームが成り立っていて、それに必勝法があって、またそれを覆す攻略法があって、、、というのをちゃんと観客に自然な形で説明してくれるというところだ。決勝戦の「エデンの園ゲーム」も、たったひとつのゲームで2時間引っ張れるだけの面白さがあった。残念ながらきのこは前半しか活躍しないけど。

シリーズを通して直と秋山の関係にもすこしずつ変化があって、それもきちんと映画で表現されていたので満足でした。直の言っていることを支持するのはナイーヴ過ぎるのかもしれませんが、やっぱり彼女の言う事は心に響く。きれいごとでもいいから信じてみたい気になってしまう。だからこそ、ヨコヤノリヒコ鈴木一真も最後に直たちに賞金を託してくれたのだろう。

こういう非現実的な作品では、多少オーバーな演技も要求されると思うので、その加減が難しいところかなと思うのだけど、みんないい感じで演じていると思う。秋山の「残念だったな~」とか「お前の負けだー」とか言うセリフ回しがやたらと頭に残って口調をマネするのがうちで流行っていたりする。(公開時から考えると随分時間差だけど…)

シリーズを通して音楽を担当しているのが中田ヤスタカなんですよね。Perfumeファンとしてはちょっと嬉しかったです。

原作の漫画ってまだ続いているんですね。終わっていたら読みたいと思ったんですが。ちゃんと完結したら読もうかなぁ。

オマケドラマを見ているときにセリフのてにおはがおかしかったり、文章の主語と述語のねじれが気になりました。脚本を書く人はちょっと気をつけてほしいです。



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幸せの教室

2012-05-15 | シネマ さ行

この映画の紹介をテレビでやっていて、司会者が「トムハンクスとジュリアロバーツの共演となると絶対見たくなりますよね」と言っていたのを聞いて「そうか?既視感ありまくりでもういいやんって感じやけど?」と思ったのですが、内容は面白そうだったので見に行くことにしました。「既視感」っていうほど何度も共演しているわけではないですが、ハリウッドのベテラン二人って感じでなんとなく新鮮味がない気がしたんです。でも最近単純なハートウォーミングものって見てなかったしちょうどいいかなと思って。

ラリークラウントムハンクスはスーパーの優秀な店員だったが、大学を出ていないという理由からリストラされる。そこで一念発起してコミュニティカレッジに通うことに。ここで取る「スピーチ217」のテイノー先生がジュリアロバーツ

リストラに遭ってお金がないラリーが車を売ってスクーターに乗っていたことからスクーター乗りの連中と仲良くなり、タリアググバサローという女の子がなにかとラリーの世話を焼いてくる。「スピーチ217」のクラスと「経済1」のクラスに励みつつ、昔の海軍の仲間に紹介してもらったレストランでの仕事をこなすラリー。

見ている最中は結構面白いし、いわゆるハートウォーミング系なんだけど、ラリーが「人生を変えた」とまで言う「スピーチ217」のクラスの内容が全然伝わってこない。夫ブライアンクランストンとの関係もうまくいかず、教師としての情熱も失くしてしまっているテイノー先生の指導がものすごく良くて、みんなのスピーチ力がどんどん上がっていき、ラリーの人生も変わっていくという描写が一切ない。毎回、テイノー先生が与えるテーマに沿って生徒がスピーチする様子を見せる。「勇気あるもの」のように偉大な教師が生徒に影響を与えていくっていうシーンをもっと丁寧に描いたほうが良かったと思う。

「スピーチ217」のクラスメートもそれなりに個性的なのにあまり深くは触れられない。せめて、ラリーが仲良くなるタリアがこのクラスにいて他の生徒とも仲良くなる設定だったら良かったのに、タリアは「経済1」のほうのクラスにいて、「スピーチ217」のクラスメートたちはお飾り的にそこにいるだけだ。このクラスの生徒たちに触発されたテイノー先生が冴えない人生を変えようとしたという関連性もなく、それぞれのエピソードがあまりにも孤立してしまっている。

後半でタリアが大学を辞めて古本屋を始めると決めたときにも、ラリーが自分の経験を生かしてタリアに大学を卒業だけはしておくように諭すシーンも特になく、何のためにこの年下の女の子と友達になったのか物語としての必然性がまったくない。

ラリーとテイノー先生がくっつくのは別にいいけど、それもちょっとありきたり過ぎたかなと。

先にも書いたように見ている最中は退屈しないんですがねぇ。題材としては良かっただけにちょっともったいない作品だと思いました。

オマケ1英語でもぺちゃパイのことを「洗濯板」って言うんですね。字幕の意訳ではなく「washboard」って言ってましたね。

オマケ2「スピーチ217」のクラスメートでメリルストリープの娘グレースガマーが出演していました。メリルに顔がそっくりでジュリアもトムも演技中メリルに見られているような気がして笑ってしまいそうにならなかったかな?と思いました。



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孤島の王

2012-05-11 | シネマ か行

ノルウェーに存在する監獄島、バストイ島で20世紀初頭に起きた暴動を映画化した作品。現在は成人の刑務所になっているらしいが、当時は非行少年たちを収容する施設だった。

殺人の罪を犯した船乗りのエーリングベンヤミンヘールスターはもう一人の少年イーヴァルとともにバストイの施設に送られてくる。彼らはここではC19、C5と記号で呼ばれた。院長ステランスカルスガルドは彼らがここで更生することを願っていると言い、寮長のブローデンクリストッフェルヨーネルともうすぐ退院するオーラブ(C1)トロンニルセンの言うことによく従うように言う。

非行少年たちが集まるこの施設では規律は厳しいものだったが、それでもやはりいじめやケンカなどが起こる。そのたびに少年たちはブローデン寮長たちから厳しく処罰され、食事を半分に減らされた。

エーリングはここでの生活に耐えられず、脱走を試み一度は成功したかのように見えたが、やはり本土から連れ帰られてしまう。このとき、イーヴァルはエーリングに一緒に連れて行ってくれと懇願するが、足手まといになるからとエーリングは断った。イーヴァルがここから出たい理由は実はブローデン寮長に性的虐待を受けているからだった。

そのことを知ったオーラブは院長に直に訴え出た。しかし、院長はオーラブには「つまらんことを言うな」と言うが、ブローデン寮長には直接注意をし解雇しようとした。しかし、ブローデン寮長は院長がここの予算を私的に流用していることを知っていると院長を脅した。

院長はイーヴァルを遠くの作業へと移し、ブローデン寮長から遠ざけようとするが、イーヴァルは自分の運命に絶望して海に入って自殺してしまう。院長はこれを脱走の末の死亡と片づけてしまい、少年たちの不満は募るが、その後寮長が島を出ていくのを目撃し初めて自分たちが勝ったのだと歓喜する。

信頼していた院長の隠ぺいに不満を覚えながらも退院の日を迎えるオーラブ。エーリングは、そんな不満は封印してとにかく退院してしまうように言うが、出ていく道のりで出て行ったはずのブローデン寮長が帰ってくるのをオーラブは目にしてしまう。「院長の使いで本土に行っていただけだ」という言葉を聞いてオーラブの中で何かがキレてしまう。ブローデン寮長に殴りかかるオーラブ。そんな彼に他の少年たちも続き、暴動が島全体に広がってしまう。

実際、非行少年たちはここに来るだけの罪を犯してここにいるわけだから、彼らは別に擁護すべき人間ではないのかもしれないけれど、こういう物語を見ているとどうしても肩入れしてしまう。もちろん、罪を償うためにここに来ているわけで勝手な行動は許されないけど、だからと言って大人たちの横暴も許せない。院長は一見少年たちの味方に見えて、実は裏で自分も予算を流用していたから、そのせいでブローデン寮長をクビにすることができなかった。表では「健全なキリスト教徒を育てる」とか言っといて偽善もいいとこだ。

最初は対立していたエーリングとオーラブが少しずつ心を開いていく描写がいい。読み書きのできないエーリングの代わりにオーラブが手紙を読んでやったり、エーリングが語る物語をオーラブが書き留めてやることで二人は友情を育んでいった。そして、エーリングの語る銛を3本打っても死なない鯨の物語が彼ら自身に重なって閉塞的な孤島での映像ばかりになってしまうのを避けられる効果を生み出している。

最後の彼らの暴動はもちろん褒められたものではないが、最初に書いたようにどうしても少年たちに肩入れしてしまった。制圧しにやって来た軍隊にことごとく捕らえられた彼ら全員のその後の運命が気になった。

劣悪な状況下での囚人の脱走や反乱をテーマにした映画は多い。こういう環境を世に知らしめて改善しなければいけないというメッセージとともに、映画的な題材として魅力がある。この作品も純粋に映画として楽しめるものだった。

オマケ1暴動を軍隊が制圧しにきたとき、エーリングとオーラブは凍った海を渡って本土側へ逃げていく。そのとき溶けかけた海にエーリングは落ちてしまう。オーラブの懸命の救助もむなしく冷たい海に沈んでいくエーリング。。。あー、どうしても「タイタニック」でディカプリオが沈んでいくシーンが頭に浮かんでしまうよー。これ作った人たちは全然気づかなかったのかなぁ。絶対に笑えるシーンじゃないのに、「パロディか?」と思ってちょっと微笑んでしまった。ごめん。

オマケ2「ステランスカルスゲルドが母国語で演技してるのを久しぶりに見たなぁ」なんてぼーっと思っていたら、「ん?この人ノルウェー人じゃないくてスウェーデン人じゃなかったか?」と映画の最中に気になってしまった。あとで調べたらやっぱりスウェーデン人なんだけど、言語が似ているからネイティヴが聞いても違和感はないのかなぁ?



「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」


glee シーズン3 第14話 On My Way

2012-05-10 | 海外ドラマ

いよいよ、リージョナルですよ!また全然練習してないけどっ!

セバスチャングラントガスティンがレイチェルリアミッシェルに大会に出場したらフィンコーリーモンテースの裸の合成写真をネット上にバラまくぞと言って脅してきます。もう、マジ、セバスチャンムカつく。前のブレインダレンクリスの目の事件と言い、退学もんでしょうよ?こういう事件を隠ぺいするなんてダルトン校って紳士の学校だと思っていたら実は陰険な体質の学校だったのね。それでも将来のキャリアのために大会に出場するというレイチェルにフィンは失望してしまいますが、最近この二人は喧嘩してもすぐに仲直りしますね。

スー先生ジェーンリンチがクインダイアナアグロンを呼び出して、超爆弾発言!なんとスー先生妊娠したと言うではないか!ほんまかいな~。クインに妊婦の先輩としてつわりに関するアドバイスを求めるスー先生。そんなスー先生にチア部に再入部させてくれと頼むクイン。でもずっとがんばってきた他のメンバーに示しがつかないと断られる。スー先生の言っていることにも一理ありますね。クインがチアに復帰したら、またチアのユニフォームしか着なくなるかと思うとイヤだなぁ。

カロフスキーマックスアドラーは、先日学校の子にゲイだとバレてロッカールームに「ホモ野郎」と落書きされ、フェイスブックには彼への罵詈雑言が次々と投稿される。それに絶望したカロフスキーは自殺を図ってしまう。最近アメリカではいじめを苦に自殺するティーンのことが話題になっているから、これもテーマに入れたかったのかな。「Glee」にしてはかなり重いテーマだけど、きちんと語っておきたかったのかもしれません。

カロフスキーの自殺未遂を受けてセバスチャンがこれまでの態度を反省し、フィンの写真もすべて捨てたことをサンタナナヤリベラブリタニーヘザーモリスに告げる。セバスチャンがこれで簡単に更生したなんて信じられなかったけど、実際に心を入れ替えたらしい。

カロフスキーの自殺は未遂に終わったが、マッキンリー校の生徒に与えたインパクトも大きかった。シュー先生マシューモリソンはグリー部のメンバーを集めて「どんなことがあっても将来の楽しいことを考えて自殺なんてしないでほしい」と訴える。ここでのそれぞれの将来の楽しみなことを語るシーンが良かった。「レイチェルの子どもが見たい」と言ったメルセデスアンバーライリーはちょっと意外だったな。それって友達として楽しみなのか、あのレイチェルの子どもがどんな子になるかが楽しみなのかどっちかな?「子供が歩くのを見たい」と言ったアーティケビンマクヘイルにも泣けたな。レイチェルがまた自分のキャリアについて語るかと思いきや「ここにいるみんなとずっと友達でいたい」って言ったのが意外で感動しました。こういうシーンで一番ボケたことを言うのがブリタニーの役割だったのに最近ではシュガーヴァネッサレンジーズが横からしゃしゃり出てくるのがイヤだな~。彼女を最近やたらと押してるのはシーズン4への布石?

スー先生は大会でのみんなの様子に感動して、クインがもう一度チア部に戻ることを許してくれます。

この大会が終わったら結婚式を挙げると決めたレイチェルとフィン。二人の両親は最後までどうやってこの結婚を止めるか画策していますが、どうなることやら。みんなはクインが家にブライドメイドのドレスを取りに行くのを待っている。式の時間が近づく中、レイチェルはクインの到着を待つようにみんなに頼みます。結婚式へと急ぐクイン。レイチェルから「いまどこ?」というメールが来たので「いま向かってる(原題のOn my way)」と運転しながら返信するクインはよそ見をしてしまって交通事故に!!!えーーーっ!クイン、どうなるの?これがラストシーンなんて!このまま何週かお休みなんだよねー。もう勘弁してよ。アメリカでもこのエピソードのあと、7週も休んだんだよねー。そんなに休んだらそりゃ視聴率も落ちるわな。

大会でウォブラーズが歌ったのは「Stand」「Glad You Came」やっぱりウォブラーズはブレインがボーカルのときが良かったな。
ニューディレクションズは3曲「Fly/I Believe I Can Fly」のマッシュアップ。ここでラップが入るとは意外。このときのフィンの衣装が似合わなさすぎて笑っちゃった。
「What Doesn't Kill You (Stronger)」1曲目が終わって、今度は女子だけか~と思ってぼーっと見ていたら、あれ?なんか知らん女子も入ってるぞ?あーーーーっ!!!トラブルトーンズやん!!!大会で絶対ソロを歌わせるって言ってたけど、サンタナやメルセデスにソロを与えるっていうだけじゃなくてちゃんとトラブルトーンズとして登場してくるとは思わんかった。もーさー、トラブルトーンズって超超カッコいい。もうカッコ良過ぎ。選曲もいつもピッタリだしね。ニューディレクションズってちょっと可愛い感じで、レイチェルのボーカルはピカイチとしてもなんかどっか危なっかしいというか、大丈夫かな?ちゃんと歌えるかな?踊り失敗しないかな?って親心的に見てしまうんですが、トラブルトーンズはすごく堂々としてて安心して見られる。いまではそんな彼女たちもニューディレクションズなんですけどね。
「Here's To Us」これはレイチェルのほぼソロ。どうしてもトラブルトーンズに肩入れしてしまうワタクシですが、やっぱレイチェルのボーカルは間違いないね。レイチェルが歌っている間パパたちジェフゴルドブラムブライアンストークスミッチェルが嬉しそうに見ていたのが良かったですね。


glee シーズン3 第13話 Heart

2012-05-09 | 海外ドラマ

この日はバレンタインエピソード。アメリカでは本当にバレンタインデーに放映されたようですね。

シュガーバネッサレンジースがバレンタインにブレッドスティックを借り切ってパーティをするらしく、そのパートナーとしてアーティケヴィンマクヘイルとローリーダミアンマクギンティーがシュガーを獲得しようと頑張ります。なんか最近シュガーが目立っててイヤだなぁ。別にそこにいるのはいいけど、彼女にスポットがやたらと当たるのはイヤだな。

今回のお楽しみはレイチェルリアミッシェルのパパたち(ヒラムジェフゴールドブラムとリロイブライアンストークスミッチェル)の登場です。二人で学校にやってきてフィンコーリーモンテース家族を夕食に招待します。ネットなどで彼らがレイチェルのパパたちに決定したというニュースは見ていたので、いつかいつかと思って楽しみにしてました。ちょこっとだけだけど、歌ってくれるおまけもあって嬉しかったです。

メルセデスアンバーライリーが開催している「ゴッドスクアッド」にジョーハートサミュエルラーセンが新加入しました。「グリープロジェクト」からサミュエルの登場を楽しみに待っていた人も多いでしょうね。

カートクリスコルファーは入院しているブレインダレンクリスからカードやプレゼントが届くのをみんなに自慢していますが、サインは「secret admirer(陰ながらあなたを慕う者)」となっていて、本当にブレインから???このsecret admirerってセバスチャングラントガスティンのいたずらだと思ったんですが。

サンタナナヤリベラとブリトニーヘザーモリスはフィギンズ校長イクバルセバに呼び出されて廊下でキスをするなと言われてしまいます。「レイチェルやフィン、他の男女のカップルは良くてどうして私たちはダメなの?」というサンタナの主張はごもっともですよね。校長は自分は別にいいけど、宗教的な争いを避けたいんだと説明していました。この説明でサンタナの気持ちに火が付き、「ゴッドスクアッド」に“恋人”ブリタニーへの歌のプレゼントを依頼します。ジョーは初めてゲイの人に会ったことで自分の信仰との折り合いをつける必要が出てきます。

レイチェルとフィンはみんなに婚約したことを伝えますが、カートとクインダイアナアグロンは反対の様子。この二人は現実的ということなんでしょうね。

サムコードオーバーストリートはメルセデスにバレンタインのプレゼントを渡しますが、サムにもシェーンラマーカスティンカーにも不実なことはできない、と結局二人ともと別れることにしたメルセデス。サムが振られたのは悲しかったけど、少なくともメルセデスがシェーンを選んだのではなくて良かった。この時点で二人ともと別れるというのは賢明な選択かもしれませんね。シーズン3ではあんまりカップルで波風が立たないのが好きなところなんですが、このカップルはまぁ仕方ないのかも。

レイチェルの家での顔合わせのあと、パパたちはなぜかフィンに泊まって行けと勧めます。高校生同士にそんなこと勧めて大丈夫!?と思っていると、これは実は親たちの作戦で、反対すれば余計に反発するだろうから、賛成するふりをして二人が仲たがいをするのを待とうということでした。案の定フィンとレイチェルは喧嘩を始めますが、短時間で収まって結婚をやめるどころかお互いをもっと知るために早く結婚しようとまで言いだしてしまったから親たちは大慌てです。

ブレッドスティックでのパーティ。カートのsecret admirerがついに現れます。実はカロフスキーマックスアドラーだったのでびっくり。カートのこと好きって言ってたの、忘れてた。カートと一緒にいるところをいまの学校の子に見られてゲイということがバレたカロフスキー。どうなるんでしょうか?

ジョーは「ゲイについて考えてみたけど愛は愛だ」と言ってサンタナがブリタニーに捧げた歌を歌ってくれます。ライアンマーフィーはキリスト教とゲイの問題を取り上げずにはいられなかったのかな。実際には「愛は愛だ」なんて簡単に解決する問題ではないけど、「Glee」ではそれでいいんじゃないかと思います。

今回はバレンタインエピソードなので、またお祭り企画的な感じかなぁと思ったら、結構内容的には濃密なエピソードでした。

マイクハリーシャムジュニアとティナジェナアシュコウィッツ「L-O-V-E」可愛かったなぁ。この二人はカップルでありながらデュエットは少ないから、貴重な1曲ですね。
ゴッドスクアッドがフィンからレイチェルへの贈り物として歌った「Stereo Hearts」これはもうサミュエルの歌唱力に尽きますね。ワタクシあんまりサミュエルは好きじゃないんですけど、やっぱ歌うまいわ。
奇しくもホイットニーの死と前後した「I Will Always Love You」メルセデスの心情をよく表した1曲でした。改めて聞くとやはり良い曲ですね。日本人の中にはこれを恋人同士のラブソングと勘違いして結婚式で歌っちゃう人がいるそうですが、要注意です。
ゴッドスクアッドがサンタナからブリタニーの贈り物として歌ったマッシュアップ「Cherish/Cherish」もー、これさー!!!せっかくクインが歌ってるのに、シュガーとローリーのセリフをかぶせてきててめっちゃ腹立った!シュガーとローリーなんかどーでもいいしっ!って怒ってしまいました。
入院していたブレインが登場した「Love Shack」最高でした。メルセデスの後ろでレイチェルとブリタニーがコーラスするなんて珍しい取り合わせ。ブレインが登場したときにはおぉぉぉって鳥肌立ったな。ブレインが登場した時のカートのリアクションがすごく可愛かった。ブレインに一緒に歌おうと言われたカートが遠慮してるふりしてちゃんとマイマイク持ってたのが笑えたなー。色々あったエピソードでしたが、最後の曲ではみんな可愛くてすべて丸く収まった感じが良かったなぁ。


「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」


ブライズメイズ~史上最悪のウェディングプラン

2012-05-08 | シネマ は行

どうしても「ハングオーバー!」の女性版というイメージがあって、バチェラーパーティならぬバチェラレットパーティのお話だと思っていたら、ちょっと違ってた。いや、ま、それはワタクシが勝手に想像していただけなので、違ってたから悪いっていうことではないんですが。

アニークリステンウィグの親友リリアンマーヤルドルフが結婚することになり、アニーはブライズメイズの中の代表メイドオブオナーを頼まれる。メイドオブオナーとして結婚式のプランニングを手伝うことになるアニーだが、他のブライズメイズたちの中の一人ヘレンローズバーンがリリアンと出会って数か月のくせにすっかり親友気取りで、しかも美人でお金持ちで、お金の力と人脈を利用してアニーのお株をすっかり奪ってしまい、アニーは親友への嫉妬でもうわけの分からないことをしてしまうというお話。

アニーは経営していたケーキ屋さんがつぶれてしまい、気のある男性ジョンハムにはセックスフレンド扱いされ、何もかもうまく行かない中でさらに親友の結婚プラス、他の女友達にも親友を取られるという最悪の状況に陥っており、彼女のキレっぷりには同情する部分もありつつ、バチェラレットパーティに向かう飛行機の中での無茶ぶりや、婚前パーティでの無茶ぶりなどはちょっとこれでは親友との仲は本当にダメになってしまうんじゃないの?っていうくらいヒドイものだった。顔合わせパーティのときのスピーチの取り合いや、テニスで必死になるところとかまでは普通に笑えたんだけど、その後の暴走ぶりはちょっとどうかな~と。なんか張り合ってばかりでちょっと疲れてしまった。最後にみんなが本当に仲良くなるエピソードがひとつ加えられていたら良かったのになと思います。

ひとつひとつのシーンには笑える部分も結構あるんだけど、それが物語としてうまく収束を迎えられるのかっていうことを考えるとかなり無理があるなという展開だった。そういう部分は男性と女性の違いもあって、ちょっと女性には不利かもしれません。だからこそ、この作品が評価を受けているのかもしれませんね。やっぱり下ネタを言ったりするにも女性には普段抑圧されている部分があって、それがこの作品を見て解放されるからこそアメリカでは共感を得ているのかなと思いました。

結婚式がネタになる映画って多いですね。日本式の堅苦しい結婚式に比べるとアメリカの結婚式は楽しそう、なんて思いますが、ブライズメイド同士の顔合わせやらバチェラー/バチェラレットパーティの準備やら、リハーサルパーティやら向こうは向こうでめんどくさいことがいっぱいありそうですね。

主演のクリステンウィグは、コメディエンヌでこの作品の脚本も手掛けています。そういえば「宇宙人ポール」でも下ネタ連発してたなぁ。この作品では髪型のせいもあってか、ちょっとメグライアンのぱちもんみたいな感じもしました。こういうコメディ演技ってきっとすごく難しいと思うんですが、クリステンウィグはすごくうまい。日本でもこれからいっぱい見られるようにテレビだけじゃなくて映画にもたくさん出てほしいな。

花婿の妹というポジションでメリッサマッカーシーが出ていて、ちょっとアブない系のキャラとして、「ハングオーバー!」のアランと同じ役割と演じていますが、こちらの方がずっと出番が少ないし、パンチ力も弱い感じかな。これもアカデミー賞助演女優賞ノミネートという期待値が高すぎたせいかもしれません。

これをキャメロンディアスあたりが演じていたら、キュートで楽しい笑いになっていたんだろうなぁと思いつつ、それでもやはり脚本も担当しているクリステンウィグには敬意を表したいと思います。

もちろん、決して面白くないわけではなくかなり笑ったシーンもたくさんありました。ちょっとおゲレツなコメディが好きな方にはオススメです。


裏切りのサーカス

2012-05-07 | シネマ あ行

GWの初日に見に行きました。

アカデミー賞主演男優賞にゲーリーオールドマンがノミネートされたこともあったし、コリンファースも好きだし、以前から楽しみにしていた作品でした。
そんな作品なのに、大阪でも上映がたった1館だけというのと、映画館のポスターで「2度目に真実が分かる」と書いてあったのを見て、ちょっと大丈夫かな?という気になっていたのですが、見始めてみると静かな進行ながら、ハードボイルドな感じですごく渋いなぁといった感じでした。

すごく静かに進む作品なので、どうしても実働部隊のピーターギラムベネディクトカンバーバッチとリッキータートムハーディの二人に目が行ってしまいました。でも、この若い二人がすごくカッコ良かったけど、他のおじさん部隊もみんな渋かった。

しかし、しかし、、、

実はワタクシ、途中うっかりうとうとしてしまいまして…途中で寝てしまった映画のレビューを書くのも問題があるかと思いつつ…

実際ちょっとちょっと寝てしまったので、物語の内容が分からなかったというのも当たり前なんですが、一緒に見に行ったにゃおはずっと起きて見ていたけど、分からんかったーと言っていました。

キャスティングもすごくいいし、それぞれの演技もすごくいいし、全体的な雰囲気もすごく良かったし、映像的にも、年代的なこともあって衣装とかもすごくいいし、これだけ良い良い言っといて寝たんかよーーーーっ!って言われると思うんですが、寝ちゃいました。すみません。こういうドンパチのないスパイものって好きなんですけどねぇ。ポップコーンいっぱい買って入れば良かったな。

あとで、話をしてみるとだいたいの部分は分かってるんですがねー。色んなことがこそこそと起きてとっても頭脳戦な感じでほんとちゃんと起きてても分からなそう。ひとつひとつのシーンに深い意味があるんでしょうけど、それをくみ取れなくて見ているのが辛かったなぁ。面白いのに辛いというちょっと不思議な現象が起きてしまいました。

これ、原作読んで、んでレンタルが出たらもう一回見てちゃんと感想書こうと思います。いや、どうだろ?もう一回これを見る気力がワタクシにあるかしら~(笑)しかも原作読んだからって分かるってもんでもないというウワサだし…

いまから行かれる方はある程度解説を読んでから行かれることをオススメします。