シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

南極物語

2011-05-31 | シネマ な行

言わずと知れたタロジロのリメイク。

オリジナルが作られたときは小学生で、道徳の時間か何かに学校で見せられた覚えがある。内容はそんなに覚えていないけど、タロジロが生き残っていて感動したのは覚えている。

ハリウッド版が作られたのが2006年。オリジナルから23年が経っている。なんでいまさら?っていう気もするけど、近年のハリウッドの脚本不足事情があるのだろうか。

ポールウォーカーって結構好きです。今回は南極ガイド・ジェリーシェパードの役です。こういう自然が好きなたくましい男がよく似合いますね。今回はさっぶい場所が舞台だったので自慢のボディはあまり見せられませんでしたけど。

日本版では犬たちは樺太犬でしたが、こちらはもちろんシベリアンハスキーとアラスカンマラミュート。柄もそれぞれ違うものを上手に選んであって、最初に8頭の名前と性格をジェリーが、南極に隕石の捜索にきたマクラーレン博士ブルースグリーンウッドに説明する形で紹介してくれる。犬好きでない人にとって8頭の名前と特徴を覚えるのはちょっと大変かもしれないけど、置き去りにされたあともそれぞれの性格がよく表れているシーンなどがあるので、できるだけ覚えていたほうがより楽しめるだろう。

犬たちの南極でのサバイバルは、「んな、アホな」と思ってしまうシーンもあるにはあるけど、極寒の地に置き去りにされた犬たちを応援したい気持ちが勝って、素直に「がんばれ」って思いました。

オリジナルではみなさんご存知の通り、タロジロの2頭しか生き残らないので、犬たちのサバイバルシーンでどんどん犬が死んでいくのかと思いきや、話が進んでもなかなかどの犬も死なないので、不謹慎ですが「ん?誰も死なへんの?」と思ってみていると、こちらでは8頭中、6頭が生き残ります。いや、なんかこんな書き方をするともっと死んでほしかったみたいになってしまってますが、フィクションながら6頭生き残ってくれて嬉しかったな。特に最後のリーダー格のマヤが生きていたシーンではやはり泣けました。

それにしても犬たちの演技がまたすごいんだー。ハスキーとかマラミュートって犬の中でも、演技とかさせにくいタイプだと思うんですけどねぇ。本当に訓練する人ってすごいです。

ジェリーの周りの人間たちは最初は影が薄かったのですが、物語が進むにつれて存在感が増していきました。ハリウッド映画らしいユーモアもところどころに挟んであり、家族で見てとても楽しいディズニー映画だと思います。

オマケ本物のタロジロたちは置き去りにされたときペンギンなどを狩って生き延びていたという話もありますね。となると、この映画の犬たちのシーンもまんざら「んな、アホな」だけではないようです。

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スターウォーズ エピソード3~シスの復讐

2011-05-27 | シネマ さ行

ワタクシは映画オタクでありながら、「スターウォーズ」はあまり得意とするところではないんですが、せっかく「エピソード3」以外は全部見ているのだから、いつかはちゃんと見たいなぁと常々思っていて、先日TV放映があったのでやっと見ることができました。

「4」「5」「6」に比べて「1」「2」の内容はちょっと落ちるなぁと感じていて、特に「2」ではジョージルーカスってスペクタクルアドベンチャーな世界を描くのは得意だけど、恋愛の機微を描くのは不得意?と思わせるアナキンヘイデンクリステンセンとパドメナタリーポートマンの甘々なセリフの応酬に辟易してしまってストーリーに集中できなかった。しかし、この「3」はついにアナキンがダークサイドに堕ち、例のコスチュームのダースベイダーが誕生するというエピソードだから楽しみにしていた。

のっけから強烈なCGの世界で、オビワンユアンマクレガーとアナキンが敵と戦っている。アナキンはオビワンを尊敬はしているが、口のきき方とか結構生意気。それでも、オビワンはアナキンが可愛くて仕方ない感じがこの最初の戦闘で伝わってきた。その戦闘のあと、アナキンはパドメのもとへ帰り、彼女が妊娠していることを知る。その夜、アナキンはパドメが出産によって亡くなる姿を夢に見てしまう。この夢が、アナキンがダークサイドに堕ちる大きなきっかけとなる。アナキンは愛するパドメを手放したくないあまり、「死」をもコントロールできるというシスのフォースに魅かれてしまうのだ。

元々生意気な性質のあったアナキンがヨーダやメイスウィンドゥサミュエルL.ジャクソンを始めとするジェダイの長老たちに不満を持つ気持ちは普通の若者としては分かるんだけど、ジェダイの騎士としてちょっと精神的な修行が足りないんじゃないのか?と。オビワン、アナキンが可愛すぎて甘やかしちゃったのかなぁって感じです。パドメへの「愛」が彼を「悪」に向かわせたってのもなかなかに皮肉な展開ですなぁ。

それにしても実はシスの親玉ダースシディアスだったパルパティーン議長イアンマクディアミッドってじいさんのくせに強いなぁ。ジェダイよりシスのほうが強いやん!って突っ込んでしまったよ。

このシリーズはずっと映像がやっぱりぶったまげるほどスゴイんだけど、今回ライトセーバーでの戦いが多くて非常に面白いです。メイスウィンドゥとシディアスとか、ヨーダとシディアスとか見どころがたくさんあるし、最後のオビワンとアナキンの戦いなんかすさまじいもんね。そして、アナキンが負う怪我がまたえげつない。ありゃ、アメリカでPG-13受けてもおかしくはないわな。日本ではどうだったかググっても分からないんですが。でも、そのえげつなさが返ってワタクシは面白かったです。ってワタクシ、変態?なんかほら、ジョージルーカスっておとなしげなイメージがあるからこれくらいやってくれちゃったほうが、いまの時代に合っている気がしました。

最後にあのダースベイダーがテーマ曲と共に登場して「うぉぉぉ~、また「4」から見直してぇ~」と思わせる映画のマジックはさすが!


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「Bones」 Season2 Episode9

2011-05-26 | 海外ドラマ

なんで急に「Bones」?しかも中途半端にシーズン2のエピソード9って?って感じだと思うんですが、実はいま平日毎日「Bones」をシーズン1から再放送してまして、昨日がシーズン2エピソード9でした。これが、もう"Best episode ever!!!"というエピでした。

「Ailians in a Spaceship」という題名だったんですが、例によって冒頭に白骨死体が見つかり、それが「墓堀人」という誘拐犯による仕業だということが分かるのですが、その捜査の途中になんとブレナン博士エミリーデシャネルとホッジンスT.J.サインがその犯人に誘拐されてしまい車ごと地中に埋められてしまいます。少なくなっていく酸素の中、犯人に車で轢かれて怪我したホッジンスの脚の手術をブレナンがやったり、車中にあるものを使って犯人に電池を抜かれた携帯電話を一瞬だけつながるようにしてブースデビッドボレアナズにメッセージを送ったり、車中のものを化学反応を起こして酸素を作ったり、二人は科学者の知能を使って懸命に生きようとし、一方残されたブース、アンジェラミカエラコンリン、ザックエリックミレガン、カミールタマラテイラーは最後まであきらめずに二人を助けようとします。

「Bones」の良さは、捜査の面白さもさることながら、、浮世離れしたブレナン、天才であるがゆにヘンテコなホッジンスやザック、それとは対照的に人間味あふれるアンジェラというキャラクターや、ブレナンとブースの信頼関係、ブレナンとアンジェラの友情、ホッジンスのアンジェラに対する恋心、ザックへの全員の保護者的な愛情などといった人間関係の面白さにあると思っています。

今回でブレナンとブースの信頼関係はより一層深まり、アンジェラがホッジンスの愛を受け入れてくれ(ついに!!!ホッジンスとハイタッチしたい気分)、普段から仲が良いメンバーもいつもより更に一丸となって非常に感動的でした。

ブレナンとホッジンスが死ぬわけないと分かっていながらも最後に助かったときには泣いてしまいました。まさに終わった瞬間"Best episode ever!!!"と叫びたくなるエピソードでした。

ちなみに現在はシーズン5まで進んでいるのですが、ワタクシはキャッチアップで見ているのでまだシーズン2です。なので、この先の展開をなるべく情報が入らないようにがんばっています。平日毎日なのでサクサク進むのですが、早く追いつきたい!

オマケエミリーデシャネルってゾーイデシャネルと同じ苗字だなぁ。そういえばよく見ると顔似てるなぁ。もしかしてほんまに姉妹?と思って調べたら本当に姉妹でした。どうしても「Bones」のイメージでエミリーは堅い感じでゾーイはコケティッシュなイメージですが、顔はとても似ています。特に鼻から下が。
この写真だと分かりにくいですね。動くととても似ています。


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理想の恋人.com

2011-05-25 | シネマ ら行

インターネットの出会い系で知り合ったバツイチ同士の恋愛を描くラブコメ。主演はダイアンレインジョンキューザック。どちらも割と好きなんですよねー。

バツイチでしばらく恋愛から遠ざかっているサラ(ダイアンレイン)は姉キャロルエリザベスパーキンスや他の兄弟、父クリストファープラマーなどから色々と男性を紹介されるが本人は乗り気にはなれなかった。そんなある日、姉のキャロルが勝手に登録した出会い系サイトで同じくバツイチのジェイク(ジョンキューザック)と出会う。

サラがバツイチということで、恋愛も一筋縄にはなかなかいかない。サイトでセッティングされた初めてのブラインドデートの相手はなんと父親だった!なんてさ、実際に起こったら気持ち悪くて吐いちゃうよ???サラもこれから一生家族の中でクリスマスディナーのネタにされるって言ってたけどさ。

初めて会ったときからジェイクはサラに夢中になって、ぐいぐい押してくるけど、その姿も変に大人の駆け引きがなくて好感が持てた。ジェイクを演じるのがいかにも良い人そうなジョンキューザックだからイヤな感じが一切しなかった。このジェイクがさりげなくお洒落なセリフを言っちゃたりするんだよねー。

もう一人サラがちょっと気になっているのが、サラの務める幼稚園の園児の父親(こちらもバツイチ)のボブダーモットマローニーだけど、彼も誠実そうな雰囲気だったんだけどね。ジェイクよりもハンサムさんに一瞬よろめいたのはちょっと間違いだったね。

こういう大人のラブコメ的なのって、アメリカやヨーロッパのものだとわりとほのぼので見れてしまうのが不思議です。やっぱり人種が違うのでファンタジーとして見られて生々しさがなくなるからですかねー。まぁ、もちろん中年でも役者さんだからだいたいが美男美女なわけでただの太った欧米人の中年の恋愛ものなんて見たくはないとは思いますが。あとはユーモアのセンスが光ってて良いっていうのもありますね。サラが独り者なのに、お肉屋さんでたくさん薦められて切れるシーンなんかはとても面白いです。あのお肉屋さんには災難だったけど。

原題が「Must Love Dogs」出会い系に書く条件のところで「犬好きな人求む」ということで、ニューファンドランド犬のマザーテレサが可愛かったです。

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glee シーズン2 9~12話

2011-05-24 | 海外ドラマ

第9話 Special Education

いよいよ待ちに待った地区大会。でも、グリーのメンバーはなんかもうぐちゃぐちゃ。エマジェマメイズにマンネリを指摘されたシュー先生マシューモリソンがクインダイアナアグロンとサムコードオーバーストリートにソロを命じたから、レイチェルリアミッチェルとメルセデスアンバーライリーがすねちゃって、おまけにサンタナナヤリベラがフィンコーリーモンテースとヤッちゃったことを暴露したもんだから、レイチェルとフィンも険悪になり、ダンスパートナーとして練習しているブリトニーヘザーモリスとマイクハリーシャムJr.が浮気しているとティナジェナアウシュコウィッツがアーティケヴィンマックヘイルに吹き込んだことで、この4人も険悪。は~、せっかくの地区大会なのになぁ…
一方ウォブラーズに入ったカートクリスコルファーはいまいち馴染めていない様子。そうだよー、カート、絶対ニューディレクションズのほうがいいって!
第2シーズンが始まってからずっとぎくしゃくしている感じのニューディレクションズだけど、今回それが極まった感じですね。その中でも救いだったのが、ブリタニーにとても優しいアーティと、大会でカートに再会したときのレイチェルの優しさ、ウォブラーズのパフォを見ているときにレイチェルがカートに「スマイル!」ってアドヴァイスするところや、ニューディレクションズのみんながウォブラーズにスタンディングオベーションするところは心が温まりました。
しかーし!優勝して帰ってきたらエマが結婚しちゃってたっどうなる?シュー先生。あ~最悪。エマとシュー先生くっついてほしかったのになぁ。エマ早く離婚しないかな。なんて。

地区大会では何を歌うのかなーってめちゃ楽しみにしてました。レイチェルとフィンの曲を聞けなかったのは残念ですが、クインはやっぱ可愛い~。声も可愛いし、この「(I've Had) Time of My Life」にすごく合ってます。しかもこの曲、わが青春のダンス映画「ダーティダンシング」の曲なんですよね~。もう鳥肌もんでした。2曲目はサンタナのソロ。これも第1シーズンではあまりスポットの当たらなかった子たちへのご褒美って感じですね。サンタナも声も素晴らしいし、歌もうまいです。ウォブラーズのほうは1曲カットされているから公平ではないですが、今回のパフォはニューディレクションズが上だったでしょう。
カートのソロオーディションのときの「Don't Cry For Me Argentina」もすごく良かったですね。レイチェルとカートの声が交互になるのがすごく聞きごたえがあります。
最後の「Dog Days Are Over」で「最悪の時は終わった」って歌っていたけど、フィンとレイチェルは別れちゃうし、本当にこの難局を乗り越えられるのかなぁ。

第10話 A Very Glee Christmas

この回はクリスマススペシャルだから、ストーリーは薄めだったかな。復縁を迫るレイチェルはちょっと露骨すぎて怖い気が。製作者はきっとスー先生ジェーンリンチにグリンチをさせたかったんでしょうね。そのための無理やりな演出感がありました。コーチビーストドットジョーンズはすごく優しいですね。それにしてもブリタニーがまだ本気でサンタを信じていたとは…最後のシーンでシュー先生の家に来ているのはテリかと思って恐怖に駆られましたが、ハッピーエンディングで良かったです。

この回の楽曲ですが、クリスマススペシャルなんだからもっとガンガン合唱してほしかったなぁ。あと個人的にはマライアの「All I Want For Christmas Is You」をやってほしかったです。スー先生がグリンチやったときの「You Are a Mean One, Mr. Glinch」をなぜかk.d.Langが歌っています。スー先生じゃダメだったのかな?あるいはコーチビーストに歌わせても面白かったんじゃないかと思います。

第11話 The Sue Sylvester Shuffle

アメリカではスーパーボウルのあとに流されて最高視聴率をたたき出した回だとか。それってスーパーボウルを見たついでに見た人が多かっただけでは???って言っちゃダメ?
カートのことがあってから揉めているカロフスキーマックスアドラーとフィンたちの仲がますます悪くなり、アメフトの決勝戦を迎えるコーチビーストは頭を痛めていた。そこへシュー先生がアメフト部とグリー部のコラボでハーフタイムショーをやろうと考える。
アメフト部の連中はほんとムカつきますね。でもこれでせっかく仲良くなると思ったのになぁ。そう簡単にはいかんのか。
女子がアメフト部を助けようとアメフト部に入っちゃうというトンデモな展開が最高でした。ティナも頑張ったね。
スー先生がなんか完全に壊れちゃいましたね。人間大砲でブリタニーを飛ばそうなんてさぁ。でも「赤ちゃん大砲が…」ってブリタニーを説得するところは笑っちゃいました。ブリタニーの性格を分かってらっしゃる。
今回、アメフト部とグリー部のキャプテンとして奔走したフィンをクインが熱い視線で見ていると思ったら、最後にキスしちゃいましたねー。まさかのやけぼっくい?まさか、でもないか。どうなるんでしょうねー。あんまりビバヒル化するのはやめてほしいのですが。

お待たせしましたのマイケルジャクソンですね。どうしていままでマイケルジャクソンの曲がないのか不思議だったんですよ。ワタクシはマイケルのファンじゃないですけど、あれだけのスーパースターなのにグリーで取り上げられないのはどうして?と思っていて。何か権利とかの関係だったんでしょうか?パフォはすごく良かったですね。フィンなんて原型がないくらいのメイクだったし、アーティも車いすに乗ってなかったら誰か分からんくらい。女子のゾンビもすごく良かったです。ウォブラーズの「Bills, Bills, Bills」で超高音でディキディンディキディンって金属音を出していたごついお兄ちゃんが気になります。

この回から、なぜか曲名のテロップが画面右上に出るようになってしまいました!非常に目障り!なぜこんなつまらないことをするのかーーーー!!!

第12話 Still Love Songs

バレンタインデースペシャル。シーズン2に入ってからのグリーは思い切り行事ごとを取り入れるようになりましたね。アメフト部が優勝したことで自分は超イケてると勘違いしたフィンは、またまたおバカさんなところを披露してくれますねー。そしてパックマークサリングがローレンアシュリーフィンクに夢中!!!えーーーっ!びっくり。でも今回初めてパックが可愛く思えたなぁ。ブレインダレンクリスに好かれていると思っていたカートが切なかったですが、メルセデスとレイチェルと3人でパジャマパーティしているのがキュート。
あとは何と言ってもチア部をやめた3人の私服に注目。クインはシーズン1でも妊婦中は私服でしたが、サンタナとブリタニーはまるっきり初めて。サンタナの私服思った通りカッコ良かった。

今回はバレンタインデーということでラブソング特集です。またもやニューディレクションズの合唱がなくて残念でしたが、パックがローレンに捧げた「Fat Bottomed Girls」良かったですね。あと、レイチェルの「Fireworks」もリア自身はミュージカルとかのほうが好きなんでしょうけど、ワタクシは彼女がミディアムテンポのポップスを歌うときが一番好きだなぁ。ウォブラーズは最初、ニューディレクションズのライバルということで好きになれなかったんですが、やはり彼らの合唱には圧倒されてしまいます。


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キサラギ

2011-05-23 | シネマ か行

これ完全に密室劇なので舞台が先かと思っていたら映画が先でその後の舞台化だったんですね。

売れないグラビアアイドル如月ミキ酒井香奈子が自殺して1周忌に集まったファンサイトの5人。彼らの中の一人が如月ミキは自殺じゃなくて殺されたのだと言い始めたところから騒動が始まる。

5人はそれぞれネットで知り合っているのでハンドルネームで呼び合っています。
家元:小栗旬
オダ・ユージ:ユースケサンタマリア
スネーク:小出恵介
安男:塚地武雅
いちご娘:香川照之
という具合。

このオダ・ユージがミキは殺されたのだと言い出すわけだけど、最初はいちご娘を疑っていて、そこから意外な全員の素性がバレていく過程が非常に面白い。強いて言えば、スネークがちゃちゃ入れ過ぎてちょっとうっとおしいけど。

こういう類の密室劇は、演技がまずしっかりしていて、セリフのテンポが良くて、筋書が面白くてグイグイ引っ張られる感じで見ているこっちもつい前のめりになるようなものじゃないと面白くないのだけど、その点この作品はそれをすべてクリアしていると言えるだろう。最初は少しテンポが悪いようにも思えるけど、尻上がりに良くなっていく。

全員の素性が分かって、実はただのいちファンに過ぎなかったのはキミちゃんのことなら自分の右に出るものはいないという理由から「家元」と名乗っていた主催者だったというのが分かるシーンでは、あまりにも家元が憐れで心が痛んだのだけど、この事件の真相が明らかになっていくにつれて、実は彼こそがもっともミキちゃんの心の支えとなっていたのだとなるくだりはなかなかうまくできているなぁと感心してしまった。

ただエンドロールでミキちゃんの歌に合わせてオタクたちが踊るシーンは良かったけど、“如月ミキ”という存在はみんなの回想の中のぼやけた存在であったほうが良かったように思う。あそこでミキちゃんの歌う姿は逆にないほうが良かったんじゃないかなぁと。あと、次の年にまたみんなが集まって新たに問題提起をする人物宍戸錠が現れるシーンも、物語の中で十分二転三転しているだけに、「もうええわ」という気分になってしまった。

というわけで、エンドロール以降はちょっとイマイチだったけど、それまでは十分に面白い作品でした。


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28日後...

2011-05-20 | シネマ な行

怒りを発するウィルスに感染したチンパンジーを動物愛護団体が解放してしまったために、そのウィルスが蔓延する。その28日後の世界を描く。

それより前に事故に遭い病院の集中治療室にいたジムキリアンマーフィが目覚めたときロンドンの町はみな避難して誰もいなかった。そこに取り残されたセリーナナオミハリスとマークノアハントリーに出会ったジムは彼らと行動を共にする。

いわば、イギリス版「バイオハザード」って感じです。取り残された彼らがウィルス感染者と戦い、マークは感染してしまったのでやむなく殺し、その後フランクブレンダングリーソンとハンナミーガンバーンズの父娘に出会う。4人はラジオの放送で呼びかける軍隊の元に向かう。

という前半戦は、本当にイギリス版「バイオハザード」で特に特筆すべきことはないんだけど、この軍隊に出会ってからの後半戦が結構すさまじい。

軍隊に合流してほっとしたのもつかの間、この軍隊の奴らが狂っていた!まー、軍隊の血気盛んな連中がジムと一緒に来たセリーナやハンナという若い女性に浮足立つのは多少仕方ないにしても、この軍隊の指揮官ヘンリー少佐クリストファーエクルストンが実は狂っていて、「俺の軍隊に女を与えてやる」とか言い放っちゃったからさぁ大変だよーーー。ジム一人で女性二人を守れるか?

ウィルスに感染した人間たちとの戦いかと思いきや、武装した狂った軍隊との戦いになっちまったよ。彼らは全員ウィルスに感染していないというのに、殺し合うというなんとも皮肉な展開。

ジムは軍隊の奴らにボコられて、ボロボロになっちゃったけど、なんとか知恵を絞って抵抗する。しかし、ジムがボコられてるもんだからもう血まみれで。日本ではPG-12ですが、アメリカではR指定くらってます。主人公が血まみれだしね。軍隊が女性2人(内一人はまだ少女)をレイプしようかっていう内容だしな。

ジムは感染者の恐怖とも戦いながら、最後は少佐と対決するわけですが、このときジムが指で少佐の目を突くのがまたエグかったー。武器を持たない場合こういうふうにして戦うしかないよね、というお手本のような戦いでしたな。ジムは前半はセリーナに引っ張れてるばかりのひ弱な男性のイメージだったのですが、後半戦になって突如として強くなります。これがおかしいという意見もあるようですが、セリーナとハンナを守るために火事場の馬鹿力的に強くなったと考えると納得がいくと思います。

エンディングはハッピーエンディングとアンハッピーバージョンがあって、どうしてダニーボイル監督はどちらかに絞らなかったのか疑問があります。映画監督には自分の選択に自信を持ってほしいものですが…ワタクシとしてはどちらでも面白いとは思いますが、ハッピーエンディングを信じたい気持ちがありました。

ダニーボイル監督の意図かどうかは分かりませんが、冒頭の動物愛護団体の無知によってウィルスがばら撒かれるというシチュエーションには、日本に理不尽な要求をしてくるグリーンピースやシーシェパードの姿が重なりました。


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プリンセストヨトミ

2011-05-19 | シネマ は行

試写会に行ってきました。この作品は原作を先に読んだ人とそうでない人でかなり感想が変わるようです。原作の人物の性別が映画とは逆だったり、後半の展開が大きく違っていることで原作ファンの期待を裏切る作品になってしまっているのかもしれません。ワタクシは原作を読まずに行ったのでそこそこ楽しめたと思います。

大坂夏の陣で敗れた豊臣家は徳川家に根絶やしにされたと言われているが実は豊臣の血を引く者が生き延びていて、その血筋を400年間大阪の人たちは守り続け、実は実は日本の国も「大阪国」というものを秘密裡に認め続けていたという。

この奇想天外、荒唐無稽なお話を受け入れられるかどうか、ということだけど、これは大阪人(または大阪に文化的な背景を持つ地域の人)とそうでない人でかなり分かれてくるんじゃないかなと感じた。

やはり大阪人としては、そんなに歴史に詳しくないワタクシのような者でも「徳川家」よりも「豊臣家」に愛着を感じるし、あのとき徳川にやられていなければ、、、という気持ちもまったくなくはない。んー、まぁそれはどの地域の人にもある郷愁というものかもしれないけど、今回もろに「大阪国」と言われちゃってるのでね…

大阪人としては、本当に人っ子一人いない梅田の交差点や、新世界の商店街、大阪駅のホームを見るのは非常に面白いところではあった。綾瀬はるか岡田将生が心斎橋筋商店街や、大阪城を歩いているのを見るだけでなんだか楽しい気分になってしまうものでもある。

「大阪国」というものが暴露されるまでの前半の展開はかなり引き込まれるし、面白い。ただ、それが暴露されてからクライマックスまでの展開がちょっともたつく感があるし、「大阪国」の存在を否定していた東京の会計検査院の松平堤真一が、その存在を認めるに至る理由が「大阪国」総理大臣真田中井貴一が語る父と息子の物語だけというのもちょっとパンチが弱く説得力に欠ける感があった。(おそらく原作ではもう少し掘り下げられているのでは?と感じられる部分だった)

王女が会計検査院によって拉致されたと誤解した真田が、大阪の男たちに蜂起を呼びかけるところでは、「どんだけ血の気多いねん!」と思ってしまいました。だって、それってただの誤解だったわけだし、事実確認もせずに戦争おっぱじめようなんてアカンやろ、と。あ、それってどっかの国みたいですが…それは置いといてと。しかもこのシーンで大阪の男がみな大阪府庁に集結するということで上に書いた大阪中人っ子一人いなくなるっていうことなんですが、女子供はいったいどこへ行ったんでしょうか?みんな家の中で息をひそめているの?それにしてもあまりにも人の気配がなかったけど。

原作では綾瀬はるかと岡田将生の演じた役は性別が逆だそうで、その変更も原作ファンが納得するものかどうか分からない。あと、キャスティングについて言わせてもらうと、兵庫県西宮市出身で普段からバリッバリの関西弁で話している堤真一が、大阪出身ではあるけど東京で育ち東京弁を話す役で、中井貴一が大阪弁を話す役というのにも終始違和感を感じた。中井貴一はネイティブ並にうまい大阪弁を話すひとだけど、なぜあえて、この松平という役に堤真一をキャスティングしたのか。彼が「大阪国」総理大臣を演じたほうが良かったと思うんだけどなぁ。

最後に堤真一と綾瀬はるかと岡田将生が東京に帰ろうと3人並んで歩いているシーンでは、なんだか「会計検査院シリーズ」になりそうな作品だなぁと思いました。全国各地でこんなヘンテコな事件がいっぱいあったら困るんですけどね。

オマケ1この作品を見るとお好み焼きとソフトクリームが食べたくなるでしょう。

オマケ2「プリンセス…」まで聞くとどうしても「プリンセスモノノ~ケ」が浮かんでしまうワタクシです。

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そして私たちは愛に帰る

2011-05-18 | シネマ さ行

ドイツとトルコを舞台に3組の親子がすれ違い、交差する物語。非常に巧妙な脚本が練られていて、カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞を受賞した作品。

ドイツに住むトルコ移民のアリトゥンジェルクルティズは同じくトルコ移民の娼婦イェテルヌルセルキョセと暮らし始めるが、ひょんなことから口論となりイェテルを突き飛ばして殺害してしまう。
父親のアリが服役している間に、アリの息子で大学教授のネジャットバーキダヴラクは、トルコにいるというイェテルの娘アイテンヌルギュルイェシルチャイを探し出すためにトルコへと向かう。
しかし、アイテンはイェテルが亡くなる前に、トルコでの政治活動で警察に捕まりそうになり、ドイツへと逃亡してきていた。その先で出会ったのがロッテパトリシアジオクロースカ。二人は女性同士ながら恋に落ちたが、アイテンの不法滞在が分かりトルコへと強制送還されトルコで収監されてしまう。
そんなアイテンを追ってロッテはトルコへ。そこでトルコに住むことにしたネジャットと出会う。彼らは同じ人物を探していることに気付かないままロッテがアイテンの関わる事件に巻き込まれて死んでしまう。
亡くなったロッテを引き取りにロッテの母親スザンヌハンナシグラもトルコへ。ネジャットと出会いロッテのトルコでの様子を聞く。出所したアイテンはスザンヌに許しを請い、その姿にネジャットも父親のアリを許す決心をする。

こうして文章にするとなんだかややこしい。物語は多少の時間軸の変更とドイツとトルコという空間の移動があり、ぼけっと見ていると何が何か分からなくなる可能性はあるが、この設定のわりには整理整頓されて描かれていると思う。

トルコから逃げてきたアイテンがネジャットが教える大学に入り込み、彼の授業中に居眠りをしていたり、その大学でロッテと知り合ったり、トルコでネジャットが貼った母親イェテルのポスターをはがした直後に娘アイテンが訪ねてきたりとはがゆいすれ違いがあって、非常に優れた脚本になっている。映像的にも埃っぽいトルコの雰囲気を十分に表し、2国間を行き来する2つの棺の映像が印象的に語られる。

トルコの政治的背景とドイツでのトルコ移民の置かれた状況を背景に描かれたこの作品はドイツでトルコ移民として生まれたファティアキン監督の文化的背景を基にしているのだろう。

多少そういったバックグラウンドを知っている必要もあるが、それを抜きにしても親子の愛、生と死、許しなどのテーマを丁寧に描いた作品として見ることができるだろう。

それぞれの役者も素晴らしい演技をし、一切の無駄な演出をそぎ落とした簡潔なスタイルでありながら、見る者の心にズシンと重いものを残す作品となっている。


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キッズオールライト

2011-05-17 | シネマ か行

ゴールデンウィーク中に見に行った作品なので、ちょっと前のことになるのですが。

以前から賞レースで話題になっていた作品だし、アネットベニングがゴールデングローブ賞を受賞したりしていたので興味があり見に行きました。

ニック(アネットベニング)とジュールスジュリアンムーアがレズビアンカップルで、精子バンクから精子を提供してもらってそれぞれが一人ずつ子供を設けている。ニックの子が長女のジョニミアワシコウスカでジュールスの子が長男のレイザージョッシュハッチャーソン。4人は“普通”ではない家族の形ではあったが、幸せに暮らしていた。そんなある日、レイザーは好奇心から自分たちの生物学上の父親を知りたいとジョニに相談する。

18歳になったジョニは希望すれば精子提供者を知る権利がある。レイザーの代わりに電話をかけたジョニは精子提供者のポールマークラファロを突き止める。ポールも子供たちに会うことを承諾し、二人は両親に内緒でポールに会いに行く。

レイザーは両親にそのことをバラしてしまい、今度は家族全員でポールに会うことにするのだが、ニックはポールに対して敵意をむき出しにしており、一方ガーデニングを仕事にしているジュールスはポールの家の庭を作ることになる。

最初父親に会いたがっていたレイザーはあまりポールに良い感情は持っていないようだった。そして、レイザーに頼まれて仕方なく会ったジョニのほうが教育熱心でしつけに厳しいニックへの反発もあり、ポールに魅かれていた。

庭を作るために毎日会うようになったポールとジュールスはいつしか男と女の関係になってしまう…

完璧なハーモニーを保っていた家族の中に侵入者が現れてその調和が壊れるというのは、珍しい設定ではないし、それがレズビアンカップルという世間では一般的でない設定であるというだけで、妻(便宜上役割的にニックが“夫”でジュールスが“妻”と思われるので)がその侵入者と浮気して、子供たちにも夫にもバレちゃってさてどうする?みたいなのって、それこそ珍しくもなんともない。ポールとジュールスを不倫関係にした時点でちょっとなんか物語の本質が違う方向へ行っちゃったなぁという感じがして残念でした。ただ二人とも女性というだけで、要は倦怠期の夫婦に訪れた危機みたいなことになっちゃってましたね。まぁ、それはそれで語るに足ることだとは思うけど、ちょっとこの物語の焦点にしてはいけないような気もした。結局ポールは悪者みたいになっちゃったしね。もう少しジョニたちが大人になればまた会えるときが来るかもしれないけど、わだかまりは消えなくなっちゃったもんな。

ニックは家族の中でやはり“父親”であり、“夫”的な役割だろうから、ポールが現れたときの反応は子供たちやジュールスのようにはいかないだろうし、ニックがポールに冷たかったのはそれで良かったと思うけど、お酒を飲み過ぎるところやジュールスに対して冷たい態度だったりしたところが、なんかちょっと情緒不安定な人みたいになっていたのもちょっと意図がぼやけてしまった気がする。純粋にポールへの拒絶だけを描いたほうが良かったような。

ニックがポールに言う「あなたは侵入者でしかない」「自分の家族が欲しければ自分で築きなさい」というのはまさにごもっともな意見なんだけど、ポールは自分からこの家族に侵入してきたわけではなくて、子供たちが望んだ結果だったわけだから、ちょっとポールも災難だったよね。確かにジュールスを奪って子供たちと暮らそうなんて虫が良すぎたわけだけれども。

ニックの子供が優秀なジョニだったり、ジュールスの子がイージーゴーイングなレイザーだったり、本筋ではないディティールがわりと細かく描かれていたり、レイザーがポールに父性を求めるという単純なものではなかったことにも好感が持てるのに本筋が一番もったいない感じのする作品でした。中心的に登場する5人の演技は全員すごく良かったと思います。まぁ定評のある人たちばかりですもんね。レイザーを演じたジョッシュくんが可愛くて良かったなぁ。

結局子供たちが本当に良い子たちで良かったね、みたいな話です。ま、それは二人の子育ての賜物ということなんでしょうけれども。


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ジュリエットからの手紙

2011-05-16 | シネマ さ行

本当は見に行くつもりはなかったんですが、にゃおが見たいと言うので行くことにしました。

見に行って正解でしたー。

ニューヨークからイタリア・ヴェローナに新婚旅行代わりの婚前旅行に出かけた記者志望のソフィアマンダセイフライドとヴィクターガエルガルシアベルナルだったが、ヴィクターはもうすぐオープンする自分のレストランの仕入先を回るのに大忙しでソフィのことはほったらかし。ソフィは一人でヴェローナの街を観光していた。そのときヴェローナで有名なジュリエットの家を訪ねるとたくさんの女性がその家の壁に手紙を残し、それに返事を書いている“ジュリエットの秘書たち”に出会う。記者として取材させてもらうことになったソフィは、壁の間に挟まった50年前のイギリス人女性からの手紙を見つけ、その手紙に返事をしたところ、なんとその女性クレアヴァネッサレッドグレーヴが、孫のチャーリークリストファーイーガンとともに15歳のときイタリアで出会ったが、自分に勇気がなかったために別れてしまったロレンツォを探しに来た。

10歳のとき両親を亡くし自分を育ててくれた年老いた祖母が傷つくのを恐れ、「何、いらん手紙出してくれとんねん!」とソフィを責めるチャーリーだったが、クレアはソフィを気に入り、一緒にロレンツォを探す旅に出ることになる。3人はロレンツォがいると思われるトスカーナ地方のシエナへと向かう。またこれがトスカーナ地方ってのがミソよね~。

ロレンツォバルトリーニと同姓同名の人を訪ねていく3人だったが、次々と空振りが続く。この空振りっぷりが相手がイタリア男だけに非常に面白い空振りっぷりになっている。ほとんどのロレンツォバルトリーニがクレアに対して、「僕だったら良かったのに」とか「僕なら君を離さないよ」とか「本物のロレンツォが見つからなかったら僕のところへ戻っておいで」とか言っちゃうのだ。さすがイタリア男、本気かどうかは別としてレディの扱いはお手の物。このおかげで空振りを見続けるのも楽しいシーンの連続となっている。

クレアがロレンツォを見つけることができるのかというのと同時に進むのが、ソフィとヴィクター、ソフィとチャーリーの関係。まぁ、始めからソフィとチャーリーがくっつくんだろってことは劇場中の全員が分かっていることだとは思うのだけど、ヴィクターも決して悪い奴ではないわけで、忙しいニューヨーカーの主人公がこういうタイプの男性と付き合っていたとしても不思議はないし、そんな彼女がイタリアでヴィクターに物足りなさを感じ始めてもおかしくはない。ニューヨーカーのソフィにしては、ロンドン子でエリートのチャーリーはちょっと堅物過ぎる感はあったけど、心根は優しい子みたいだったし、クレアみたいな素敵なおばあちゃんに育てられたのだから、きっと良い人に違いないなとは思う。

そんな簡単にチャーリーに傾いちゃうなんて、と思う人もいるかもしれないけど、テーマが「ロミオとジュリエット」だけに、「運命の恋人」ということで許してあげてほしい。なんせ、一目惚れで恋に落ちたロミオとジュリエットが心中してしまうまでたった5日間というお話だから、ソフィとチャーリーがロレンツォ探しの間に恋に落ちてもちっともおかしくはないというわけ。

クレアを演じたヴァネッサレッドグレーヴは年をとっても本当に素敵な女優さんで上品で情熱的なクレアにピッタリでした。本物のロレンツォを演じたフランコネロとは実生活でもパートナーなんですねー。しかし、ばあちゃん、ソフィとチャーリーのキスを盗み見ていて、二人をたきつけるなんてまだまだ若いですな。

アマンダセイフライドは「マンマミーア」のときはほんのちょっぴりも可愛いと思わなかったのに、この作品ではビックリするくらいに魅力的でした。特に髪をおろしているときが素敵ですね。あの金髪は本物かなぁ?これから「クロエ」「赤ずきん」と立て続けに公開されるので注目していきたいと思います。

ガエルガルシアベルナルが主人公に振られる婚約者なんてつまらない役でどうしてわざわざ出演したのかちょっと疑問でした。英語とイタリア語話せる役者がいなかった?

クレアとロレンツォの50年という長い時間を経て実った恋にも涙が出たんだけど、ソフィとチャーリーのバルコニーのシーンにもなぜか涙が出ました。やっぱり「運命の恋」が実るところを見るのは良いものですね。

オマケ1この「ジュリエットの秘書たち」は実在するらしく、とても興味深いお話ですので、公式サイトをチェックしてみてください。「ジュリエットからの手紙」公式サイト

オマケ2この作品を見るとおいしいパスタとワインが欲しくなって、帰りにイタリア料理を食べて帰りましたとさ。


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ブラックスワン

2011-05-13 | シネマ は行

もうやたらめったら映画館で予告をやってたので、こんなに見せちゃって大丈夫?と思っていたんです。予告編でいいところを見せすぎると、“予告編で見た良いシーンをたいしたことないシーンでつないだ”みたいな本編を見せられるハメになることがあるので、それがイヤだったんです。それですごく見たい映画のときはわざと予告編を見ないように目をつぶったりすることもあるんですけど、この作品に関してはあまりにもたくさん流されていて、最近テレビでもやりはじめたので、もう結構見ちゃってました。

が、しかし、それでも、十分に面白い作品でしたー。

新しく「白鳥の湖」のプリマに指名されたニナセイヤーズナタリーポートマンがそのプレッシャーの中で物語の中の白鳥と黒鳥のような純真無垢な自分と邪悪な自分に真っ二つに引き裂かれていく様をじっくりと見せつける作品であり、その他にサブストーリー的なものは一切ない。

もともと繊細でもろいところがあるニナが母親バーバラハーシーやバレエ団のディレクター・トマルロイヴァンサンカッセル、新しく入ってきた自由奔放なダンサー・リリーミラクニスの中で翻弄され、年老いてバレエ団を去った元プリマのベスウィノナライダーの影に自分の将来を投影し、怯えながらこの舞台を成功させようと身を粉にして踊り続ける。そして壊れていく。

この作品、R15指定です。確かに、トマが純真すぎるニナを立派な黒鳥に仕上げようと挑発するシーン、女の悦びを知らしめるために自慰行為を薦めそれをニナが実行するシーン、ドラッグに溺れリリーとのセックスを妄想するシーンと、かなりセクシュアルなシーンが多い。「抱きたいカンケイ」の記事ではまるでセックスアピールがないと書いたナタリーポートマンだが、この作品では周囲に翻弄され、自分の中にある「悪」的な意味での性を解放していくニナにはとても合っていた。純粋なニナが邪悪な黒鳥を演じるために一途に自分自身を追い込んでいく中にあるセックスシーンということで物語上も必要以上に性描写があるとは感じない。

性描写とともに多いのが、痛いシーン。ニナの妄想なのか現実なのか観客もよく分からない中で、ニナは体を掻きむしらないように爪を深爪にし、指のささくれをきれいにしようと深くまでめくったり、背中の傷から黒鳥の羽根が出てきたり、とにかく目をそむけたくなるような痛いシーンが結構あるので、こういうのが苦手な人は非常に辛い作品です。

精神のもろさゆえに壊れていくニナを演じるナタリーポートマンが数々の賞を総ナメにした。それにはもちろん、バレエダンサーという難しい役どころを体つきも変えて演じたナタリーのすごさというものがあるのだろうけど、それだけでこの賞を取ったとはまったく思わない演技のうまさだった。彼女はダンサーを演じ、自分でもダンスをしたから賞を取ったのではない。この作品を見るまで、彼女は演技が非常にうまい女優さんだということをしばらく忘れていたような気がする。それは彼女が演技がうまくてそれがもう当たり前として見ていたからだ。それぞれの役のちょっとした違いをきちんと演じ分けてきた彼女が、まさにニナセイヤーズになってスクリーンの中にいた。繊細な役は彼女の十八番と言ってもいいだろうけど、ニナはそれゆえにボロボロになり、それゆえに「邪悪な黒鳥」にもなれてしまう。まさに白鳥が黒鳥に堕ちていくさまを演じたナタリーポートマンが素晴らしかった。

そんなニナとは正反対のイメージのダンサーを演じたのがミラクニス。天性のセクシーさと自由奔放さでニナにはないダンスを披露し、ニナを追い詰めるリリー。リリー自身は明るくフレンドリーな性格なんだけど、ダンサー全員がライバルという中で彼女の存在はどうしてもニナにプレッシャーを与える。受け止め方によって良い子にも悪い子にも見えるというある意味でとても難しい役をまだ新人に近いミラクニスが堂々と演じていて、彼女がいたからこそのナタリーの演技とも思える部分がある。この先大大注目の女優さん。

もう一人忘れてならないのが、第一線を退かなければならない元プリマのベスを演じたウィノナライダー。まるで地を行くようなこの役をよく引き受けたなぁと感心します。彼女の存在によってニナの恐怖が増す部分もあるので、出番は少ないけれどとても重要な役どころでした。

ほんであとは、母親役のバーバラハーシーも怖くてピッタリでしたなぁ。この人なんか普通のたたずまいが怖いし。なんか急に一人で泣きながら絵を描いていたりとか謎な行動のあるお母さんでしたが、彼女がニナのもろさの土台となっていたことは間違いありませんね。

すごくエロくてグロいお話なのに、「白鳥の湖」という美しいバレエの楽曲とダンスに全編が包まれていて、その美しさがまた狂気を増しているような気がします。水の中で必死にもがき、水の上では非常に美しく見える水鳥。それが、ニナの葛藤のシーンとダンスのシーンに表されていました。

非常に怖くてエロくて痛いので、見ている最中体がこわばって見終わってからめちゃくちゃ疲れること請け合いです。

オマケ1ワタクシとしては純真な白鳥より邪悪な黒鳥に魅かれるんですが、みなさんはどうですか?

オマケ2ナタリーポートマンばかりが賞賛されていることに腹を立てたのか、彼女のボディダブルを演じたダンサーが「映画の中で踊っているのは8割は私よ」なんて暴露してましたけど、映画を見てみたら踊っているシーンのほとんどは腰から上しか映っていませんでしたがな。そんなつまらんこと暴露して映画のファンタジーを壊そうとしても、ナタリーが素晴らしかったことには何の変わりもありまへんで。


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抱きたいカンケイ

2011-05-12 | シネマ た行

ナタリーポートマンの主演作が次々と公開されるので、色んな彼女を見ておきたいと思いこの作品も見に行くことにしました。アシュトンカッチャーも好きなので。

ナタリーポートマンって彼女のキャリアを振り返るとすでに娼婦の役とかにも挑戦しているし、丸坊主になってみたりとか、意外に実は結構大胆なことをやっているのですが、どうもワタクシの中ではお堅い才女のイメージがつきまとってしまって、彼女がアシュトンカッチャーとセックスフレンドっていうのがいまいちピンと来ないまま映画を見始めたのですが、やっぱり残念ながらピンとは来なかったかな。なんかナタリーって美人だけど、セックスアピールってやつがなくて。

でも、彼女が演じたエマは医者で恋愛をする時間も惜しいタイプという設定だったので、そのあたりは彼女のイメージに合っていたかも。彼女自身、女優の道に進むか医者になるかなんて言っていた時期もあったくらいだし。エマは実際に恋愛するヒマもないんだけど、それよりもどうやら恋愛に対してものすごく臆病な女性ということらしい。実は“のめりこみ型”のエマは恋愛しちゃったらしちゃったで、相手のことしか考えられなくなるタチだから、そうなるのが怖くて避けているという感じかな。

一方アシュトンカッチャーの演じるアダムのほうは、最初からエマのことが好きでセックスフレンドしていても、彼の場合は身も心もエマに夢中って感じでした。これが男女逆だったら男のほうはすごくヒドイ奴ってことになっちゃうのにねー。

本気で面倒なことを避けたいなら、一人の人とセックスフレンドするんじゃなくて不特定多数としたほうが楽だと思うんだけど、それだとただの"slut"の話になっちゃって全然ラブコメにならないものね…

監督がアイヴァンライトマンということでアダムの父親役にケヴィンクラインが出てくれたのかな。なんか超久しぶりに見た気が。この父親がもう最高に最低な奴で笑っちゃうんですよね。息子の元カノ取っちゃったあげくに真剣に結婚しようとするんだからなー。それも堂々の子づくり宣言まで…あれでよくアダムがマトモに育ったもんだ。反面教師ってやつか。

女の子からセックスオンリーで、嫉妬もなし、束縛もなしなんてオファーをされて、男としては最高じゃないか!って盛り上がってる友達のほうが、実は意中の女の子を真面目にデートに誘って紳士的にエスコートしてディナーに招待して、ちゃっかりゲットしちゃってるというさりげないサブストーリーにアイヴァンライトマンのベテランらしさを感じたりしました。

アシュトンとナタリーの身長差が30cmくらいあるので、ちょっと並んだ時にどうよ?と思っていたら、ちゃんとセリフの中で「彼と並ぶと私が誘拐されているみたい」とネタにしてくれておりました。

まぁ軽いラブコメなので、「二人がくっつくまで」を楽しんで見られればいいんではないでしょうか。

オマケ「今度の金曜日デートしよう」というアダムにエマが「今度の金曜日はヴァレンタインデーだからダメ」というシーンで、「えー今度の金曜日、ヴァレンタインデー???あなた、いまノースリ着てるよ」と変なところに突っ込んでしまいました。いくらLAでもなぁ。周りの人はジャケット着てるよ?と思ったけどなんか西洋の人ってやたらと薄着ですよね。体感温度が日本人とは違うようです。


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