シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

シックスセンス

2005-05-31 | シネマ さ行
今となっては、映画に興味のある人でこの作品のオチを知らない人はほとんどいないだろう。(ネタはバラさないので、知らない方も安心してください)後続の似たようなオチの映画のせいですでにもう使い古された感があるが、当時のワタクシにはかなり衝撃のオチだった。途中で気付いた人は「つまらなかった」と言うだろうけど、ワタクシは全く気付かなかったのでかなり楽しめた。

オチが発表される直前に気付いたんだけど、それに気付いた瞬間映画館でハッと声を出しそうになり手を口に当てたくらいだった。

オチが分かってから振り返ってみてすべてのパズルのピースがパチンパチンと頭の中で1つ1つはまっていった時の快感がたまらなかった。「あー、奥さんはちゃんと彼のこと愛してたんだ」「お母さんの不自然さはここからきてたんだ」っていうふうに。

途中は幽霊話なのでホラーが嫌いなワタクシとしては映像的にちょっと怖かったんですが、死んだ女の子の恨みを晴らしてあげるとこなどは結構面白かったですね。

ブルースウィリスの演技はいつものごとしだったけどあのボソボソ感がこの役には合っていた。ハーレイジョエルオズメント君は子役としては天才だと思うし、あーいう年齢のときに天才と言われる子はたまに出てくるけど子役の大成は難しい。しかも、オズメント君の場合顔がカッコイイわけではないからアメリカ映画界で青年期を乗り越えるのは難しいだろう。この先消えるか、中年期になって脇役で復活するかどちらかだと思う。

ラストでオズメント君がお母さんトニーコレットに死んだおばあちゃんのメッセージを伝えるところには涙が出た「お前のことを誇りに思わない日はなかったよ」って。

このときは天才、現る?!かと思ったMナイトシャラマン(監督)だったが、これ以降、同じような映画ばかりで残念だなー。もうちょっと頑張ってほしい

クルーレス

2005-05-30 | シネマ か行
アメリカのティーン映画です。アイドル絶頂期のアリシアシルバーストーンですね。当時くりっとした瞳とちょっとしゃくれたアゴが結構キュートだった。

この作品、アメリカの超金持ち高校生のお気軽な日常を描いているが実は原作はイギリスの古典ジェーンオースティンの「エマ」である。G.パルトロー主演の古典としての映画化バージョンもある。こちらはもちろん大胆な脚色がされているが人間関係などは基本的に同じだ。

主人公のシェール、始めは本当にお気楽お嬢様だった。「CNN?何それ?」みたいなノリだし、移民問題のディベートでも「パーティでも人がいっぱい来たほうが楽しいじゃん。だから、移民もいっぱい来ればいいのよー」とか平気で言っちゃうのだ。

でも、その子が父の仕事を手伝いに来たまじめな義理の兄と暮らすようになって少しずつ変わっていく…

基本的には頭も悪くないしいい子なのだ。動機は不純であったりはするけど、学校で始めた奉仕活動に一生懸命になったり、今までの自分を反省したりするようになる。とは言え、物語の主体はなんせジェーンオースティンですもの、やっぱり恋愛ごとなわけで、先生同士をくっつけようとしたり、引っ越してきた子と義理の兄をくっつけようとしたり、自分は自分でクラスの男の子に言い寄ってみたりといろいろする中で人間的な成長があるっていう感じかな。

「キューティーブロンド」のエルほどすごくはないけど、それでもキュートな女の子が頑張っちゃう系映画が好きな方必見です。

オマケ
引っ越してくるダサい子を演じるのはブリタニーマーフィです。ほんとにこれが???と思うほどダサい。役作りだったのか、いじる前(!)なのか…???


ライフオブデビッドゲイル

2005-05-27 | シネマ ら行
日本人にはあまりピンとこないかもしれないが、欧米先進国では死刑を廃止する国が近年増えた。この作品はそれがテーマだ。

死刑は是か非か?社会派のアランパーカーだけあってそれが全面に押し出された作品だ。もちろん、製作者側は死刑制度反対を主張するための映画ではないと言っているが、ワタクシはこれを見てそうは思わなかった。別にそれを良い悪い言うつもりはない。

ただ、映画として見た時どうかというと、映画としては非常にうまくできていて面白い。ケートウィンスレット演じる記者がデビッドゲイルケビンスペイシーが仕掛けてくる謎にどこまで迫れるか?そして、デビッドゲイルの真意は何なのか?

途中、話がややこしくなって「ついて行かれへーーーん」と思っちゃうかもしれないけど、謎解きはちゃんとされるようになっています。そして、これが解けなければならない、このタイミングで解けるべく意図された謎であったということも、デビッドゲイルの真意が明かされるところで分かるようになっています。「何もそこまでして…っつーか息子もいるのにそこまでするかなぁぁぁ」というのが正直な感想ではありましたが…

そして、なんせケートウィンスレットとケビンスペイシーだ。好き嫌いはあるにしても、役者同士としてゾクゾクするような顔合わせではないか!ストーリーのテンションと緊張感溢れる演技合戦に見ているこちらも気が抜けない。最近の「エターナルサンシャイン」もそうだったが、少し英語の分かる方はケートのアメリカンイングリシュにも耳を傾けてみて欲しい。 

ランローララン

2005-05-26 | シネマ ら行
恋人にお金を渡すためにローラ(フランカポテンテ)は走る。制限時間20分でお金を用意して彼の元に行かないと彼は殺されるかも…

ローラは映画のほとんどの間ただひたすら走っている。そして、結末が3つ。1つの話が終わるとまた同じ始まり方で、ローラが走り出す。また違う結末に向かって。

途中でローラが通り過ぎる路上ですれ違う人や車とのタイミングが少しずつ違う。そして、途中でお金を工面してもらいに行く父親との関係も少しずつ違う。面白い作品だ。手法も新しいけど、単にそれだけでなくストーリーも面白い。ただひたすら走るローラを見ているだけなのに、少しずつ違うディティールや結末にドキドキする。

この映画の元は1日5分のTVの番組と番組の間にやる「世界の車窓から」のような短い番組だったらしい。そういう手法でやっていたものだと想像するとまた別の面白味があっただろうと思う。

このころ、少しドイツ映画が元気だった。なんか人の良さそうな展開の映画が多い。田舎臭くもないけど、といって洗練されてもいない。ハッピーエンドが好きな国民なのかなと思う作品が多かった。

友だちのうちはどこ?

2005-05-25 | シネマ た行
イランのアッバスキアロスタミ監督の「ジグザグ道三部作」の第一作目だ。

主役の子供の表情やしゃべり方がものすごくかわいい。(アラビア語なのでニュアンス的なものさえさっぱり分からないけど)

物語はとっても単純だ。学校で隣の席の子のノートを間違えて持って帰ってきてしまい、そのお友だちが宿題ができないからノートを返しに行こうとするんだけど、その子の家が分かんなくって…というお話。

今、大人になって考えればそんなこと大したことじゃないのに、小学生にとってはそれはそれは大変なこと。うん、振り返ってみれば自分もきっとそうだったんだろうなー。

それが、日本ならクラスの名簿かなんか見て電話しておうちを聞けばいいのだけど、国の事情が違うイランのこと、名簿がないか電話がないかなんだろう。だから、主人公はどうするか?近所の人に聞きながらお友達のうちを探すのです。まさに、「友だちのうちはどこ?」です。詳しい地理のことはよく分からないけど、日本なら小学校の校区が同じならそう大して遠くはないはずだけど、これもお国柄、きっと、すごく遠くから学校に通っている子もいるのだろう。しかも、小学校低学年の感覚ならなおのこと。

一生懸命探すうちに周りは真っ暗になってしまう。この男の子どうするんだろ…?

うー、けなげだ。

残念ながら、この作品以降似たような作品ばかりでイラン映画にはワタクシは少し飽きてしまったけど。イラン映画を見たことがない人は是非どうぞ。

ミリオンダラーベイビー

2005-05-24 | シネマ ま行
号泣だ。「アビエイター」仕方ないな。この作品と同じ年にぶつかったことを不運と思うしかないよ。

娘に連絡を絶たれたしわがれたボクシングトレーナー、フランキー(クリントイーストウッド)、彼と旧知の仲の元ボクサー、スクラップ(モーガンフリーマン)、チャンプを目指すには年を取りすぎた素人女性ボクサー、マギー(ヒラリースワンク)。この3人の関係がそれぞれに丁寧に描かれる。

スクラップ渋い。渋すぎる。彼の俳優としての“売り”はこの渋さにあるのは分かっているのだけど、。渋い。それしか言うことがない。。。

彼がいなければ、トレーナーのフランキーがマギーを受け入れることもなかった。だからこそ、彼女が窮地に立ったときフランキーは「全部お前のせいだ」と言ってしまったりすることになるわけですが。もちろんそんなことを彼が本気で言ったんじゃないことをよーく分かっている彼。wise man(賢者)という表現がぴったりな人だ。そんな彼がジムでいざこざを起こした若者をぶちのめして、110試合目を達成するところがオチャメだ。

そして、その彼とフランキーのやりとりが絶妙だ。過去の試合のことで責任を感じているフランキーに臆すことなくズバズバと意見を言うスクラップ。頑固なフランキーもスクラップには勝てない。でも、フランキーが落ち込んでいるとそっとその場に適したアドバイスをしたりするのだ。

マギー彼女はいわゆる“ホワイトトラッシュ”と呼ばれる人種だ。あまり知らない人もいるかもしれないがアメリカには非常に貧しい生活をしている白人がたくさんいる。映画ではトレーラーに住んで仕事もあったりなかったりっていう姿でよく現れる。彼女はその一人。だからこそ、ボクシングのハングリー精神がよく似合う。そして、この彼女の家族。最低最悪の人間たちと思う人が多いだろう。そう思って当然だしワタクシももちろんそう思う。ただ、その背景には貧しいアメリカがある。日本もそんな道を辿っているような気がしてならない。

「キャスティングの妙」という言葉があるが、この作品の彼女がまさにそれだ。一時のデミームーアのようなタフ過ぎるイメージの女優だと単なるスポ根になってしまうし、綺麗過ぎる女優が体当たりでやったとしたら、(ヒラリースワンクには失礼だけど)実際殴られて血だらけのシーンなんて本当に正視できないだろう。そのどちらの意味でもスワンクはドンピシャだ。この役をやれるのは彼女しかいなかったろう。イーストウッドの作戦勝ちだ。

フランキー毎日教会に通いながらも、牧師にケンカを売るような質問ばかりで熱心なんだかよく分からんのだけど、盲目的な信者ではないだけで彼なりに熱心、と言うか、彼のような質問をする人のほうが本当は熱心なんやろうに、牧師には疎ましがられている。そして、自身のアイルランドの血を守るためゲール語の勉強をしている。頑固じじいだ。娘と疎遠なのも理由は詳しく語られないがなんとなく想像がつくような気がする。すごく義理堅いいい人なんだけどな、頑固で愛情表現が下手くそなんだろう。若い頃なら荒々しさもあってなおさらだったんだろう、と。

本当にしわがれたイーストウッドがとてもとてもカッコよかった。あの切ない演技には主演男優賞をあげてもいいくらいだ。体全体からこの役の内面があふれ出していたような気がする。うまく言えないけど。
ワタクシも彼のアドバイスを忘れないでいよう"Protect yourself at all times."

ストーリーがどうなるかは書けないので困るんですが、とにかくハンカチ、涙もろい人はタオルを用意して見て下さい。後半のフランキーとマギーの絆に涙が止まりません。こんなんで泣かすのは反則や!お涙頂戴や!とか思う前にもう涙でボロボロになってました。(そう思う人はいるでしょう、確かに)

非常に長くなってしまいました見た直後なので。まだ、興奮冷めやらずなんだな。

もしアイルランド文化をあまり知らない人は、少し基礎知識を入れていったほうがいいかも。グリーン、ハープ、カトリック、ゲール語、キーワードはそのあたりですかね。

そして一番のキーワードの意味は映画館で確かめて下さい。"モ・クシュラ"

フレンチキス

2005-05-20 | シネマ は行
これぞ、メグライアンという映画ですね。「恋人たちの予感」に出てからロマッティクコメディの女王と言われ続け、本人はあんまりいい気がしてないみたいですけど、それでもやっぱりこういう作品が一番似合うよと改めて感じた作品でした。

だいたい、ロマンティックコメディのヒロインのパターンとして、今付き合ってる彼がいて、ソイツが頼んないとか浮気者とかで、ヒロインは新しく出会った素敵な人と恋に落ちるってやつですよね?それってさぁー、その元の彼を選んだのはヒロインなんだから、その女性に責任があるんじゃないの?アンタに見る目がないのが良くないんじゃん。そんな貴方が選ぶ新しい彼もどうなの?と思っちゃうんですよね。ま、だからこそ、今度こそはうまくいってねっていう気持ちになるわけですかね。

ですから、そういう系統のロマンティックコメディでは「今度こそうまくいくといいね」と観客に思わせるほど、ヒロインが魅力的じゃないといけないわけです。

この作品のメグはワタクシにそう思わせてくれました。彼女を嫌いな人はダメと思いますが

そして、相手役のケビンクライン「海辺の家」でも書きましたが素敵な役者さんです。今回はうす汚くて怪しげなフランス人役。フランス語なまりの英語が結構笑えます。

脇役のおいしい役は日本人が大好きなジャンレノ。人情派の刑事という典型的な役柄です。

初めは反発しあうヒロインと相手の男性といい人情派の刑事といい、ロマンティックコメディの王道を行くお話ですが、舞台がフランスということもあり、景色がきれいだったり、文化の違いだったりオマケ的に楽しい要素があります。

文化の違いでは特に、ケビン演じるフランス人がメグ演じるアメリカ人の女性に男性の落とし方を指南するところが面白いですね。アメリカ人は「NoはNo,YesはYes、でも、フランス人女性がNoと言ったらYes,Yesと言ったらNo」なんだそうな。この女心分かりますか?

マルホランドドライブ

2005-05-19 | シネマ ま行
デビットリンチワールドだ…久々だった。

ワタクシはかつて(ポタリアンになる前は)「ツインピーカー」と呼ばれた人々の一人だった。あの伝説的なテレビシリーズ「ツインピークス」当時妙にハマッていた。オープニングに使われたワシントン州の滝を見に行ったりもした。今思うとそれにはまっていることがカッコよく思えたからなだけやったんかなーとも思うけど、けど全体的に流れるあの異様な空気にはやはりゾクゾクするものがある。

そして、そのツインピークスワールドの空気感をそのまま受け継いだようなこの作品。そう、リンチワールドで大切なのはその空気感だ。ぐーーーーっと人を惹きつけておいて、迷路で迷わせてそのままほっておくやり口はまさにデビットリンチだ。例によって、物語に関係あるんやらないんやらよう分からん人や場面が出てくるし、セリフまわしが意味なく奇妙やし。

一種なぞ解きのようなところがあるのでストーリーにはあまり触れないでおくけど、なぞの答えが出るということにはあまり期待しないでいただきたい。その迷路に迷うことを快感だと思わない人には絶対にオススメしない。時間のムダだったとさえ思うだろう。ワタクシは心地よく迷わせてもらったが…


オマケ
ワタクシにとってこの作品の収穫はナオミワッツだった。ただの金髪美人のお嬢様女優に見える前半から様々な顔を覗かせる後半まで、「実力のある女優さんだなぁ、美人だし。これからは要チェック」と思ったあの時から注目している。

フランスの女

2005-05-18 | シネマ は行
みだらだ…エマニュエルベアール。この主人公、彼女が演じると妙に説得力がある。夫と子供がいてもそれだけでは満足できない女性。いつまでも“女”であり続ける人。

このタイトル、フランスの女性はみんなこんなか!と思ってしまいかねませんが、不定冠詞なるものが存在する言語だからおそらく「あるフランスの女」なのだろう。まぁ、フランスの女性がみんなこんななんて短絡的すぎるというものだ、もちろん。

夫とうまくいきかけたに見えたのもつかの間「もう耐えられないのよ」って服を乱して言うシーンの彼女はすごかった。なんとも言えない妖艶な迫力があって。

でも、このジャンヌという女性、決してただの尻軽女ってわけじゃないんですよ。夫が長い間戦争から帰って来ず、夫を恋焦がれるがあまり独りではいられない。そういうタイプなんです。そして、結局は夫とも何度も復縁はしたものの夫とは別の一人の男を愛するという。

しかし、小さい子供が隣の部屋でママーって言ってるのに、情事にふけってるのはどうなんだ?フランス映画だから美しく見えてダマされそうになるけど、こりゃさすがにアカンわな…

夫役のダニエルオートゥイユとは、当時実際に夫婦でワタクシは二人とも好きなので別れてしまって残念です。

自分の女房ならイヤだけど、他人の女房の情事はSEXYと思えるということかな。

タイタニック

2005-05-17 | シネマ た行

非難を恐れずに言おう。ワタクシはこの映画が好きだ。「何回見ても涙が出ちゃうぅ」とかいうように情熱的に好きなわけではないけれど。

作品の規模が馬鹿デカく、主人公がレオナルドディカプリオということでチャラチャラしたミーハー映画だと批判する声もあるだろうし、少し大人な人たちの中ではこの映画を好きと言うのが恥ずかしいという向きもあるだろう。

でも、世界中の人が始めから沈むと分かっている船の話で3時間ひっぱって見せるのは容易なことではないと思うし、莫大なお金をかけてディティールにこだわったセットもすごい。

主人公の二人の恋物語はたいして珍しい設定ではないし、舳先でのあの超有名なシーンなんかは確かにちょっとププッと笑っちゃうかもしれない。でも、ジャックがローズ(ケイトウィンスレット)に下町の世界を体験させるシーンは躍動感があって初めて見る世界にときめくローズの新鮮な驚きと喜びがよく伝わってくるし、キャシーベイツ演じる気のいいお金持ちのおばさんや設計士や(ビクターガーバー)船長(バーナードヒル)がいい味を出していたし、最後まで演奏を続けた音楽隊、死を覚悟して抱き合う老夫婦、子供たちを怖がらせまいとお話を聞かせて寝かしつける母親には自然と涙が出た。

船が沈んでからは、ローズが海ん中と板の上をたまにジャックと交代してたら二人とも助かったんちゃうん?とか思ってしまったけど、二人とも生き残ったらお話にならないんだものな…映画としてはこれで良かったんだろう。


ロミオとジュリエット

2005-05-16 | シネマ ら行
言わずと知れたロミオとジュリエット。ほとんどの人が物語の大筋は知っているお話ですよね。この作品も脚本にはほぼ忠実に進んでいきます。だから、何も目新しいことはないんだけど。

でもこれ、時代は現代なんですよね。なのに台詞はシェイクスピアが書いた通りに喋ってるんです。いくら英語が分からない人でも彼らの台詞まわしがなんだか変ってことくらいは分かるのでは?

現代な上に舞台がイタリアではなく南米。それゆえか色彩が非常に豊か。仮装パーティがあったりなんかもしてかなり目に楽しい作品です。このときのクレアデインズの天使のコスチュームが非常にかわいい。クレアってそんなに美人じゃないけど、この時はかわいく見えましたね。

お話はほぼ原作に忠実と書きましたが、決定的に違うところがひとつ。ロミオ(レオナルドディカプリオ)が死ぬとき、仮死状態のジュリエット(クレア)が目覚めロミオはジュリエットが死んでいないことが分かっちゃうんです!これぞ悲劇
シェイクスピアよりもさらに悲劇を監督のバズラーマンは作っちゃいました。

今更、「ロミオとジュリエット」のストーリーなんか見てもなーという人も衣装や景色やカメラワークなんかを楽しめると思いますし、オリジナルのストーリーを知らなくて今更人に聞けないという人にはまさにピタッリかもしれません。

イグジステンズ

2005-05-15 | シネマ あ行
ワタクシこんなに映画を見ているわりに結構簡単に騙されます。

この映画にも見事に騙されちゃいました。4月25日の「スパイダー」デビットクローネンバーグの作品なんですが、彼にしてはちょっと普通っぽい感じの映画なんかなぁって思ってんけど、現実世界とゲームの世界を行ったり来たりで、もうだんだん行ったり来たりしてんのんかどうかさえ分からんようになってきて。。。もうついていくのに必死って感じで見てました。そしたら、最後にドーン!ワタクシは予想も出来なかった結末へ…

く、くやしい。そんなこと思いつきもせんかった…ピンときてた人はきてたんでしょうけど、ワタクシはすっかりキレイに思うツボ~

まね、こんなんやからいろいろ見て楽しめるんよーと自分を慰めつつ。。。

なーんか奇妙な世界のお話ですが、これはクローネンバーグにしては一番とっつきやすいんではないでしょうか。ジュードロウ(今よりちょい若め)が主演だし、それだけで2時間もつっていう女性の方も多いかと。

ケミカル51

2005-05-14 | シネマ か行
アメリカ人のドラッグの調合師(サミュエルLジャクソン)が自作の最高のドラッグをイギリスで売りさばこうとするお話です。

アメリカ人とイギリス人の文化的な違いを背景にいがみ合ってる図、というのは映画ではよく見る風景ですね。この作品でもサミュエルLジャクソンを出迎えるイギリスのチンピラロバートカーライルがアメリカ人が大嫌いという設定です。彼のアメリカ人への悪口が結構笑えますが最高なのは「アメリカに行ったとき、ヤンキー野郎が俺に“英語上手だね。どこで習ったの?”って言いやがった」というもの。アメリカ人にはイギリス英語が外国人の話す英語に聞こえるんですね。イギリスが本家なんですけどね。笑えます。

イギリス人のほうはサッカー命の絵に書いたようなイギリス人。でもこのアメリカ人のほうはというと、スコットランドの民族衣装を着ている変な奴。
ま、もちろんこういう二人が仲良くなっていいコンビになるワケです。

何ヶ所かおえーーーーっっていうシーンがあります。薬の調合師が主役ですからね、なんか変てこな薬を飲まされてキッツイ目に合う人たちがいるんです。そのキッツイ目っていうのがおゲレツで…ご飯食べながら見るのはちょっとやめたほうがいいかもです。 

そんなにスンバラスィーー作品でもありませんが、なんか変テコリンなギャグのセンスにクスクスって感じですね。

パニッシャー

2005-05-13 | シネマ は行
アメコミの映画化って日本人にはピンと来ない場合が多いですよね。これもまさにその典型で、「パニッシャー」って何よ?っていう人がほとんどだと思います。ワタクシもその一人。

というわけで、試写会当たったから見に行っただけという映画です。

内容は、家族を皆殺しにされた男が復讐の鬼「パニッシャー」となるというお話です。

もともとのアメコミファンはどう思ったか分かりませんが、ワタクシは面白かったです。アメコミが元というだけあって、主人公は超人的に強い。(一応、設定は人間ヒーローってことになってるが…激しく怪我したりするところが人間っぽいかな)ここまでいくと逆に許せるという系ですね。それと、体力勝負だけでなくマフィアのボス(ジョントラボルタ)を陥れる作戦はなかなかの頭脳プレー。

主人公はあんまり有名じゃないトーマスジェーン。これでハマリ役&シリーズ化をきっと狙ってるんだろうな。

基本的にアメコミの映画化は面白くないと思っているワタクシは意外に良かったなーという感想を持ちました。主人公の近所に住んでるGeekな奴らも良かったし。ワタクシの好きなジョントラちゃんは悪役をやるとき随分楽しそうに見えるなー。今回もそんな感じだったし、フェロモン全開の奥さん(ローラエレナハリング)もマフィアの奥さんぽくて良かったし。

シリーズ化の話はあるのかな?ハリウッド最新情報ご存知の方教えてくださいな


ムーランルージュ

2005-05-12 | シネマ ま行
2001年の作品ですね。
監督のバズラーマンはこれの前にディカプリオの「ロミオとジュリエット」を撮った人でなかなか型破りなことをやっちゃう人なので、ユアンマクレガーニコールキッドマンを使ったミュージカルと聞いて見る前から楽しみにしていた作品でした。(でも、少しミュージカルってコケたら最悪よなっていう気持ちもありーのでしたが)

今更言うまでもないだろうと思われるかもしれませんが、やっぱりなんと言っても音楽が最高でしたね。80年代から90年代にかけての洋楽ポップスが好きな人にはもうたまりません。普通、自分の好きな歌を編曲とかされると結構イヤなもんなんですが、この映画の楽曲に限ってはどれもスゴイと唸ってしまいそうな出来栄えです。アカデミー賞は取らなかったけど、ゴールデングローブ賞は取っていますね。

"Lady Marmalade"は言うまでもなくクリスティーナアギレラ、ピンク、リルキム、マヤが決まってますよね。この曲にオリジナルがあると知ったときはちょっとびっくりしました。

"Sparkling Diamonds"のN.キッドマンは最高に綺麗で高級コールガールの感じがよく出てます。マドンナのマテリアルガールを思わせる内容の曲でワタクシはこういう女性の観点がすごく好きです。

"Elephant Love Medley"はもうまさにこれを編曲した人は天才っ!っていう曲ですね。80年代洋楽ファンからすれば宝物のような曲ですね。

"The Pitch(Spectacular Spectacular)"主要キャストがそろって伯爵の前で披露する曲ですが、みんなが非常に楽しそうに歌って踊っていてこちらまで楽しくなってしまいます。ニコールにこんなコミカルな演技ができたのかと驚いてしまいました。

"Like a Virgin"これをジムブロードベンドというオジサンが歌うのだからすごい。ワタクシのお気に入りです。

お話自体は悲劇なのですが、楽しいシーンもたくさんあってミュージカルと言えど、楽曲が新しいものなのでミュージカルは苦手という人でも大丈夫な作品ではないでしょうか?

最後にジョンレグイザモという俳優が実在の画家ロートレクを演じているので、注目してみてください。