シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

さよなら。いつかわかること

2014-07-31 | シネマ さ行

9.11後のイラク戦争に出兵している陸軍軍曹である妻。その帰りを待つ夫スタンレージョンキューザックと2人の娘。長女ハイディシエランオキーフは12歳。思春期の入り口に立ってはいるが優等生のようだ。次女ドーングレイシーベドナルジクは8歳。おしゃまだがまだまだ小さい子どもといった印象。一日のうち決まった時間にアラームをセットし、イラクにいるお母さんと同じ時間にお互いのことを想い合うと決めていた。

ある日の早朝、陸軍のメッセンジャーが一家を訪ねてきた。玄関に立つ軍人を見た途端スタンレーには全てが分かった。妻は戦死したのだ。

学校から戻った娘2人を大切な話があるとソファに座らせるスタンレー。いつものようにふざけ合う2人。スタンレーはとっさにご飯食べに行きたい人!と言ってしまう。突然の外食の誘いに大喜びのドーンと複雑な表情のハイディ。夕食のあとスタンレーはまたもや、これから一番したいことをしよう。何がいい?と2人に訪ねる。「魔法の庭に行きたい!」と即答するドーン。どうやら、うちから数泊の移動距離にある遊園地らしい。「バカね。行けるわけないじゃない」と冷めた目で言うハイディに対して「どうして?行けるさ」と答えるスタンレー。

学校も休んで仕事も休んでそのまま車で遠くの遊園地まで行こうという父親に幼いドーンは無邪気に喜んでいるが、ハイディはいぶかしげだ。この12歳のハイディの複雑な心情が絶妙だ。学校をサボって遊園地に行きたい気持ちがないわけではない。でもやっぱり学校を黙ってサボることも気になるし、お父さんの仕事のことだって気になる。もしかして、お父さん会社クビになったの?何があったの?と色々考える。

一方でスタンレーは娘たちに母の死を伝えなければいけないと思いながら、なかなか言い出すことができない。何度も出先から家に電話をかける。当然誰もいない家の電話は留守番電話になる。妻がメッセージを録音している留守番電話。「いま留守にしておりますので、メッセージをどうぞ」その妻の声を聞きたいがために何度も自宅に電話をかける。そして、まるでそこに彼女がいるように話しかけるスタンレー。これがもう涙なしでは見られない。

娘に母親の死をなかなか伝えられないお父さん。そういう構図で物語は進行するのだけど、ワタクシには彼が“お母さんのいる子供たち”という状態をできるだけ続けてやりたいと考えているように思えてとても胸が痛みました。お父さんが娘たちに「お母さんは死んだんだ」ということを伝えない限り彼女たちの中でお母さんはイラクで生きているわけです。どちらにしてもお母さんはその場にいないわけですが、「お母さんはイラクで生きている」という状態と「お母さんは死んでしまった」という状態ではもうまるで事情が違うわけで、でもこのまま「お母さんはイラクで生きている」という状態を続けようと思えば続けることができる。自分さえ黙っていれば。そして、その状態のままできるだけ楽しい経験を、おそらく彼女たちの心の中で「不幸」というものが一点もない状態で楽しい時間をできるだけ長く過ごしてほしい。そういうお父さんの行動に涙が止まりません。このお父さんのしていることはもしかしたら正しくはないかもしれません。でもそんな理屈は抜きに気持ちが震えました。

そして、この作品で描かれる家族像、父と娘像というものがとても自然で良かったと思います。お父さんも喋り方とかどこかぶっきらぼうだし、娘も反抗期なこともあってお互いにべたべたし過ぎてないところや、姉妹も仲は良いけどしょっちゅう小競り合いをしているところなんかもとても自然でした。

ジョンキューザックは年齢的にはお父さんなんだけど、あんまりお父さんの役柄のイメージのない役者さんなので、最初はちょっと違和感があったのですが、その違和感が突如娘と自分だけという家族にされてしまった父親の違和感となったからなのか徐々にしっくりきました。タバコに興味を示す思春期の娘に一緒に吸おうと誘ってこっそり咳き込んでいるところなんか、とても愛おしい不器用な父親像で良かったと思います。

昔であれば銃後を守るのはもっぱら女性の役目とされていたけれど、今の時代妻やお母さんが出兵して戦死したという家族も珍しくはなくなっているのだろう。そういった意味でもなかなかスポットが当たらないこういった家族に目を向けた貴重な作品であると思います。

オマケ音楽を担当しているのがあのクリントイーストウッドです。彼が音楽も得意なことは有名かと思います。胸に染み入る音楽です。


顔のないスパイ

2014-07-30 | シネマ か行

ケーブルテレビで見ました。リチャードギアは歳を取るにつれ魅力が増してきた人だと思っています。多分リアルタイムで彼の若いころにキャーと言っていた人は違う印象を持っているかもしれませんが。

アメリカの上院議員が殺され、その手口から死んだはずのロシアのスパイ・カシウスの犯行と思われた。CIA長官マーティンシーンは引退した元CIA諜報員でカシウスに誰よりも詳しいポールシェファーソンリチャードギアを呼び戻し、若手FBI捜査官で“カシウスオタク”のベンギアリートファーグレイスと組ませる。

ネタバレになりますが、結構早い段階で実はカシウスはポール自身であることが観客には分かります。え?こんなに早く彼の正体が分かってしまっていいの?と思ったのですが、カシウスの本当の目的は何なのかとか、ベンがいつポールの正体に気付くのかという部分を楽しむことができました。

ネットのレビューを見ていると評価は高くなくてスパイものとしての謎解きやハラハラが物足りないと感じている方が多いようなのですが、ワタクシはどちらかと言うと、謎解きそのものよりもこのポールとベンのベテランと若手の心の交流的なものを中心に見たので最後まで楽しむことができました。

カシウスが暗殺をしている理由と言うのが、イデオロギーや組織のためというものではなくて、殺された家族のためというところに哀愁を感じました。どちらかというと昨今のアクション満載のスパイものや、驚愕の陰謀、みたいな系ではなくて、往年のハードボイルド系の話に近いといった感じです。そういうちょっと古い雰囲気にリチャードギアがとてもマッチしていると思います。

ポールがベンの家族と親しくなり、彼の家族のことを考えてやるという部分も、彼が組織に愛する家族を殺されたことを考えれば非常に納得がいきましたし、そういうソフトな面を持っているスパイというのもリチャードギアっぽかったです。まぁ、実のところ家族を持たないというスパイのコードを破ったのは彼が悪いのかもしれませんけどね…

最後にベンまでもが、ロシアのスパイでカシウス暗殺を命じられていると分かるところは、ちょっと、えー?と思いましたが。結局ポール(カシウス)は自らが犠牲になってベンを助けてくれましたが、ベンがロシアの組織から抜けることはできないだろうから、あれでベンも安泰ってわけにはいきませんよねぇ…これからどうするんだろ。

上映時間が98分と、とても短いのでその分まどろっこしいシーンがなくてその点も好感が持てました。劇場で見るほどの作品ではないかと思うのですが、渋いギア様がお好きな方にはオススメです。


かぞくはじめました

2014-07-29 | シネマ か行

ケーブルテレビで見ました。キャサリンハイグルって最初の頃はあんまり美人じゃないし、好きなタイプじゃないなぁと思っていたのですが、だんだん彼女のコメディセンスに感心することが多くなってきた女優さんです。この作品も彼女が得意とするところの役柄はインテリ女性でいながら、物語はコメディというパターンのものです。

デリを経営しているホリー(ハイグル)とスポーツ番組のプロデューサーを目指しスタッフをしているメッサージョッシュデュアメルはそれぞれの親友たちの紹介で一度デートするが、一目合ったその時からお互いを嫌う合う仲に。しかし、親友同士が夫婦である関係で2人は節目節目で会ってはいて、その度にケンカばかり繰り返していた。しかし、その親友夫婦が交通事故で亡くなってしまい、ホリーとメッサーは2人が遺した赤ん坊の親権を遺言で譲られてしまった。

当然そんなことを引き受けるわけにはいかないと、どうにか他の親戚に赤ん坊を育ててもらおうとするが、子どもを任せるにふさわしい人は誰も見つからず、仕方なく2人で子供を育てることに。ごちゃごちゃともめながらも、仕事をやりくりして何とか赤ん坊の面倒を見る2人。お互いのことは嫌いでも、亡くなった親友たちのことや目の前にいる赤ん坊の可愛さに2人はなんとかこのインスタント家族をやりくりしていた。

ってか、いくらなんでも親友だからって赤の他人の2人に子供を託すってのもすごいし、それを行政が認めちゃうってのもすごいなぁと思うんだけど、その辺の法律的なことは現実的にどうなのか全然分かりませんが、変な親戚に預けられたり、施設に入れられるよりはよっぽど幸せだとは思いますがねぇ、、、映画では突然子供を押し付けられるってのは、わりとよくあるシチュエーションかもしれませんね。

2人でドタバタとトラブりながら、赤ん坊に右往左往する姿が結構笑えていい感じです。お堅いホリーとちゃらんぽらんなメッサーの対照的な子育てが面白いし、それでもやっぱり赤ん坊のことはとても愛しているのがよく分かってほのぼのします。キャサリンハイグルとジョッシュデュアメルがとても息の合ったコメディ演技を見せてくれて、バタバタしているのに、なぜか安心して見ていられます。デリのオーナーシェフとスポーツ番組のスタッフという職業も2人ともとても合っていました。

近所の人たちがたまにちゃちゃ入れに来たりして、その辺もまぁ王道的に面白いです。近所の人の一人をメリッサマッカーシーが演じていて、彼女はアメリカでとても人気のあるコメディエンヌなんですが、ワタクシはちょっと苦手だなぁ。この作品ではそんなに出番はなかったので良かったです。お笑いパートとしては彼女よりも、福祉局の職員さんがクライマックスで笑わせてくれて非常に良かった。

最初はお互い、デートなんかもして、女遊びばかりしているメッサーと、真剣に小児科医サムジョッシュルーカスと付き合い始めたホリーっていう構図ができあがるんだけど、そこはそれ、もちろんこれロマンティックコメディですから、ホリーとメッサーの2人がくっつくのは当然みんな折り込み済み。そして、いったんくっつくと一度は別れが来て、最後にもう一度くっつくってのもぜーーーーーんぶセオリー通りです。でもそれでいいんですよねー。こういうのは変に変化球じゃないほうがいいです。

ジョシュアデュアメルとのツーショットも絵になってたし、今まで見たキャサリンハイグルのコメディの中で一番好きです。


コロンビアーナ

2014-07-28 | シネマ か行

ケーブルテレビで見ました。これははっきり言ってなぁぁぁぁんにも期待せずに見ました。ただぼーっと見られる作品もたまには、ということで。

コロンビア。父親は麻薬カルテルのボスを裏切って組織の人間に両親もろとも殺された9歳の少女カトレアアマンドラステンバーグは追っ手から逃れ、父親が残した情報を持ってアメリカへ亡命。CIAに保護されるが、それもかいくぐってアメリカに住む叔父エミリオクリフカーティスの家へ向かい、将来は復讐のため殺し屋になりたいと言う。

この9歳の少女が逃げる一連のシーンがすごく鮮やか。いたいけな少女と思いきや父親がいつか来るこういう日のために鍛えていたのか、マフィア・マルコジョルディモリャの手のひらをナイフでぶっさし、ヤマカシよろしく家々の合間をかいくぐり、父親の残したチップは飲み込んでアメリカの職員の目の前でオエーっと出して見せる。ありえないほど根性の据わったお嬢ちゃん。

そんなお嬢ちゃんが叔父さんに鍛えられ、美しい肢体を持つ冷酷な殺し屋に成長した。大人になったカトレアゾーイサルダナが華麗な仕事っぷりをまた惜しげもなく見せてくれます。警察署内で酔っ払いとしてわざと留置所に放り込まれ、別の場所に留置されている男を殺しに行くカトレア。この酔っ払い娘から超クールな暗殺者に変身していくゾーイサルダナを見るだけでも十分に価値があると言えるでしょう。

暗殺した死体にカトレアの絵を描くことで、両親を殺したマフィアたちをあぶりだそうとするカトレア。まんまとマフィアは動きだし、ついに復讐の時が。

上映時間108分ということで無駄なシーンはまったくありません。こういうアクションものによくある、敵に向かってぐだぐだとしょうもない話をしているうちに主人公がピンチに陥るなんてことがないのがワタクシ的にはスッキリ。脚本がリュックベッソンなので、まぁちょっと雑だなと思う部分もあるのですが、その辺にちょっと目をつぶればゾーイサルダナの華麗なアクションを楽しむことができると思います。やっぱりリュックベッソンって強い女性を描くのがとても好きですねー。

カトレアが訓練していたあの犬たち。あれ?あれは前振りだけで登場しないの?と思っていたら。最後にやってくれましたねー。「Eat!」って。まさか最後の大物をあれでやるとは思ってませんでしたが。ちょっと笑っちゃいましたけど、ちゃんと登場させてくれて良かったです。


Glee Season 5 第19話~第20話

2014-07-25 | 海外ドラマ

第19話 Old Dog New Tricks



「I Melt with You」 by Modern English

「Memory」 by the Cast of "Cats"

「Werewolves of London」 by Warren Zevon

「Lucky Star」 by Madonna

「Take Me Home Tonight」 by Eddie Money

この回も取ってつけたようなお話でした。サンタナナヤリベラのパブリシストとしての才能が発揮されました。
そっち方面に進むという設定かな?


第20話 The Untitled Rachel Berry Project



「Shakin' My Head」 by Glee Cast

これはいままでのグリーオリジナル曲の中で一番カッコ良かった!ブリタニーヘザーモリスのキレのあるダンスを久々に見られて嬉しかったです。

「All of Me」 by John Legend

「Girls on Film」 by Duran Duran

「Glitter in the Air」 by P!nk

これはリアミシェルが選んだ曲だそうです。リアの声とピンクの歌ってあんまり合わない気もしますが。ピンクは渋い声をしているので、リアが歌うとかなり雰囲気の違う曲になりました。

「No Time at All」 by the Cast of "Pippin"

またまたシャーリーマクレーンが歌ってくれました。

「Americna Boy」 by Estelle ft. Kanye West

「Pompeii」 by Bastille

最後の曲にふさわしい曲でしたね。サンタナが出ていないのが残念でした。レイチェルが最後にカメラ目線でこちらを見るのが良かった。



シーズン5終了しました。途中から完全に舞台がニューヨークに移ってしまいましたが、マッキンリー高校の子たちがどうしているのかすごく気になるなぁ。彼らにももっとスポットを当てて欲しかった。
ここまで視聴率が下がってもシーズン6はするつもりなのかなぁ。シーズン4が終わった時点で5、6と続きますって公表してましたけど、どうなるんだろ。

おとついナヤリベラが結婚したというニュースが飛び込んできてびっくりしました。みんなびっくりだったようですね。シーズン6にナヤは出ないのかなぁ。寂しいなぁ。


カールじいさんの空飛ぶ家

2014-07-24 | シネマ か行

これもケーブルテレビで放映していました。またまた吹き替え鑑賞です。

「怪盗グルーの月泥棒」のところでピクサーのスピード感に触れたのですが、この作品はちょっと違った形のスピード感で冒頭10分、いきなり泣かされますよー。子供の時に出会った冒険好きのカール飯塚昭三とエリーが恋人同士になり、結婚し、子供ができずにあきらめ、2人仲良く老い、日々の生活に追われ子供の頃誓ったパラダイスフォールにエリーを連れて行っていないことを思い出したカールが旅行の手配をした矢先エリーが倒れ亡くなってしまう。最初の10分で主人公の人生の大半を見せてしまうのだから、お話はほのぼのしているけど、スピード感と言えばスピード感ですね。掴みはOK!ってところはばっちりです。

さて、その後が本編。エリーを亡くしたカールは孤独に暮らしていた。カールは町の開発計画で立ち退きを迫られていたが、エリーと暮らした家を守るため一人立ち退きを拒否していた。しかしある日立ち退きを迫る業者に誤ってケガをさせてしまったカールは立ち退きせざるをえなくなった。

立ち退きの前夜、エリーの残した冒険アルバムを見ながら、カールは一大決心をする。なんと家に無数の風船をくくりつけてパラダイスフォールへと引っ越そうと考えたのだ。そうして空へと旅立ったあと、近所のボーイスカウトの小学生ラッセル立川大樹が乗り込んでいたことに気付く。そのため不本意ながらラッセルを連れての珍道中となった。

2人はなんとかパラダイスフォールにたどり着くが着地した地点はパラダイスフォールから少し離れたところだったため、風船で浮いている家を引っ張って地上を移動することにした。そこでラッセルは巨大な鳥(ドードー?)ケヴィンと出会い、飼いたいと言い始め、カールは反対するがケヴィンはついて来てしまう。そして、ケヴィンを探しているダグ松本保典という犬にも出会う。

このダグっていう犬なんですが、なんと首輪に翻訳機をつけていて人間と喋れます。へ?なんじゃそりゃ?っていう設定。しかも、ダグの仲間たちもみんなその翻訳機をつけていて、犬が全員喋れます。この設定にはまいった。さすがのディズニーでもそれはちょっと禁じ手じゃないの?と思いましたが、登場人物が非常に少ない作品なので犬にも喋ってもらわないと物語が成立しないってとこでしょうか。

実はその犬の翻訳機を作ったのがマンツ大木民夫という昔エリーとカールが憧れていた冒険家で、巨大な鳥ケヴィンを捕まえるために犬を使っていたようです。てか、マンツさんそんな鳥に固執しなくても犬語翻訳機があれば十分一躍スターになれるよって思ってしまいました。

禁じ手とは思ったものの、このアメリカ人が表現する犬という動物はいつも面白いんですよねー。ワタクシも犬を飼っているから余計分かるのですが、本当に犬の性質をすごく理解して表現しているなぁというところがいつ見てもとても興味深いです。カールの使っている杖の支えの部分がテニスボールになっているのも犬の特性を生かした笑いのためだったんでしょうね。この犬たちのドタバタは結構笑えました。

ケヴィンを奪おうとするマンツを戦うハメになるカールなんですが、この中でカールはラッセルへの愛情、エリーが残してくれた冒険アルバムの本当の意味を知るのです。エリーの冒険アルバムは、エリーにしてやれなかった過去を悔やむための物ではなくエリーが去ったあともカールが新たな冒険の旅を続けられるようにエリーが用意してくれたものなのでした。エリーの深い愛にカールが気付くところでまたうるっと来ますね。

あれほどエリーとの家に固執していたカールがラッセルを助けるために家を捨てざるを得なくなり最後には「たかが家だ」と言えるほどになり、ラッセルとともに新たな冒険に旅立つ。エンドロールで流れる2人の冒険にまた笑いと涙がこぼれる素敵なお話でした。


ブローンアパート

2014-07-17 | シネマ は行

ケーブルテレビで見ました。見終わって、あー、これ多分巷の評判は悪いんだろうなぁと思いながらネットで調べてみるとやっぱりあまり良くありませんでした。

警察の爆弾処理班に所属している夫と4歳の息子と暮らす母親ミシェルウィリアムズ。息子のことを深く愛していて、夫も息子のことは大切にしてくれているが夫婦間はあまりうまくいっていない雰囲気。そんなとき近所に住む記者ジャスパーユアンマクレガーにバーで言い寄られた彼女はジャスパーと関係を持ってしまう。一晩限りのことと割り切ったつもりだった彼女だが、夫と息子がサッカーの観戦に出かけた日ジャスパーを自宅に招き入れまた関係を持った。まさにその不倫の最中に、サッカースタジアムがテロの爆破被害に遭ってしまう。

夫と息子を亡くした彼女の苦悩を描くこの作品。原作は「息子を奪ったあなたへ」というタイトルの本だ。あなたへというのはビンラディンのことで、彼女はカウンセラーにビンラディンに手紙を書くことを薦められる。

のですが、、、

不倫相手の記者が犯人探しに走ったり、夫の上司が言い寄ってきたりで、なんだか話の焦点が定まらない。上司といい仲になりそうになった途端、実は上司はスタジアムがテロの標的になっていたことを知っていたとか、そういうことを記者がばらしたりとか。

そのあたりの展開はなんかねぇ、どーでもえーわ。っていう感じで見てました。犯人捜しのミステリーとして見ていたわけではなかったので。

その結果分かった犯人の息子との交流は犯人の奥さんも含めてもっと深く突き詰めて欲しかった。犯人の家族はテロのことを何も知らなくて、その相手と被害者の遺族が人としてどう関われるかというのは物語として掘り下げるに値すると感じました。この作品で表現されていた交流の部分はとても良かったと思います。

最後にこの母親は妊娠していることが分かり、(誰の子かは分かりませんが)ビンラディンに対して、自分たち(ロンドン)はゾンビのように立ち上がり、何度でも何度でも再生すると宣言するところで泣いてしまいました。そして、私なんかよりずっと頭の良いあなた(ビンラディン)なら世界を良くする方法が分かるはず。ともに世界を良いところにしていきましょう。というメッセージにはもちろん、そんなうまいこと行くかいなという気持ちはありつつもそのストレートさにふいに心を打たれました。

まー、不倫してた女が何言うてんねん!と怒り爆発の人にとっては彼女が何を言っても心に響かないのかもしれませんが、ワタクシは不倫をしたことと彼女が息子を亡くした悲しみとは別だと思いながら見ていたので、彼女の気持ちに共感することができました。

原作を読んでいないので、原作通りに映画化したらこうなったのかどうか分からないのですが、この母親の悔悛と再生を描いた最後の数十分にもっとフォーカスして、もっと言えばそこだけを焦点にして撮ったほうが良かったのではないかなと思いました。彼女が書いたビンラディンへの手紙をもっとたくさん読んで、時と共に変わって行く彼女の心情を見せて欲しかったです。

ネットのレビューを読むとミシェルウィリアムズに生活感がないと書かれている方が結構いたのですが、世間の彼女のイメージってそうなんですかねぇ?ワタクシは彼女は可愛らしいけど特に美人ってわけでもないし、貧乏くさい感じが似合うと思っていたので、この役はぴったりだと思ったのですが。そういう演技もうまいと思うんだけどな。

原作がそうなのかもしれませんが、主役の彼女は「若い母親」その息子は「男の子」(字幕では「坊や」)としか役名がなく、おそらくこれはすべての人の物語として名前をつけなかったのかもしれませんが、字幕で「坊や、坊や」と書かれるとなんか違和感があって、少しあざとさも感じました。普通にどこにでもあるようなボビーとかケヴィンとかつけてくれたほうが良かったな。

こうして書くとこーして欲しかったあーして欲しかったと注文ばかり書いているようになってしまいました。テロ、事件、ミステリーものと期待して見てがっかりした方が多かったようですので、最初からドラマとして見ていただければもう少し評価も上がるのではないかなぁと感じた作品でした。


ダイバージェント

2014-07-15 | シネマ た行

世界が崩壊した100年後、復興した人類はそれぞれを性格により5つのfaction(共同体)に分けることで平和な世の中を保っていた。一定の年齢になると性格審査にかけられ、どの共同体に属するのかを判断されるが、その判断とは別に自分の意志でどの共同体で残りの人生を生活していくかは決めることができた。ただ、90%ほどの者は生まれた共同体に残り、別の共同体を選んだ者はそこに属する資質がなければ「無所属」というホームレスのような生活をしなければならなかった。

その5つの共同体とは

Abnegation(無欲) 他人に奉仕することを主として生きる。政治を司る。服装はグレー。虚栄の象徴である鏡を見ることを許されていない。

Dauntless(勇敢) この世界の秩序を保つ警察のような役割。体育会系のノリでハメを外しがち。服装は黒のボディスーツでスポーティー。

Erudite(博学) 知識、教育を司る。服装は紺。

Candor(高潔) 嘘をつくことができない。白黒をはっきりさせる性質から司法を司る。黒いジャケットに白のネクタイ。

Amity(平和) 平和を愛する農民。明るい性格。オレンジ色や土色の服装。

トリスシャイリーンウッドリーは無欲生まれだが、自然に人助けができる兄ケイレブアンセルエルゴートとは違って無欲であることに違和感を覚えていた。そんな兄妹についに残りの人生をどの共同体で暮らすかを選ぶテストの日が。父アンドリュートニーゴールドウィンと母ナタリーアシュレイジャドは彼らがどんな選択をしようと愛していると言ってくれている。

トリスのテストの番がやってきた。適性を調べる機械にかけられるトリス。試験官のトーリマギーQはトリスの結果を見て青ざめる。トリスはどの共同体にも分類されない「ダイバージェント」(異端者)だと言うのだ。弟がダイバージェントで社会に殺されたトーリは手動でトリスの適性を「無欲」と入力してトリスを逃がしてくれた。無欲を選んで静かに暮らしなさいとトーリに言われたトリスだったが、選択の日、昔から憧れていた「勇敢」を選んでしまう。

トリスが勇敢を選んでから、他の転向組と一緒に教官フォーテオジェームズの下、訓練されるシーンがねぇ、、、長いんだわ。これ多分1時間以上ここに時間を割いてますよね。訓練風景っていうのは決してつまらないわけじゃないんです。ガチな素手での殴り合いとか、射撃訓練とかナイフ投げとか面白いんですよ。女の子たちが容赦なくボコられるのは見ていてつらいですけど、全体的に見ごたえはある。が、です。ただこれがすごく長くてですねぇ。トリスがダイバージェントと診断されたことっていうのが全然生きてこないで、延々と「勇敢」に属するための訓練を見せられるっちゅうのがどうにも納得がいきません。

肉体的な訓練が終わったと思ったら、今度は精神的な訓練ってわけで、ここでトリスがダイバージェントだってことが教官フォーにばれてしまいます。どうやらダイバージェントは特殊な能力で恐怖を克服してしまうらしい。でも、このフォー教官がトリスが気があるもんだからまたかばってもらえちゃうんです。やっぱ可愛い子は得だね。

一方そのころ、博学のリーダー・ジャニーンケイトウィンスレットは、無欲よりも博学が政治を司るべきだと考え、勇敢の武力を利用して無欲を支配しようとしていた。その企みに気付いたトリスとフォーは2人で反逆を起こし、世界を救おうとする。

ここでやっとこさトリスのダイバージェントとしての能力が大いに発揮されるのかと思いきやですね、博学が勇敢を操るために打った薬がトリスにだけは効かないってのは良かったですけど、結局それだけなんですよねー、彼女のダイバージェントとしての能力は。あとは勇敢の訓練で培ってきたものを使っただけって感じだったのが非常に残念だったなぁ。ダイバージェントってそんなに社会の脅威とされるほどの能力ないじゃん!

トリスを演じたシャイリーンウッドリーちゃんが可愛いから見てられましたけどね。そして、後から娘を助けに来たお母さんが超カッコ良かったー。お母さんがアシュレイジャドで最初にちょこっと出ただけだったから、あれだけでアシュレイジャド使うなんてもったいないなぁって思っていたら!なんとお母さん実は勇敢生まれだったんだねー。あの一連のシーンは非常に良かったですね。

ケイトウィンスレットの初めての悪役も楽しみにしていたんだけど、もう少しパンチが欲しかったですね。マギーQももっと後半活躍してくれるのかと期待していたんですが。

要はアメリカの中学高校生向け映画っちゅうことですかねー。シャイリーンウッドリーが活躍してテオジェームズがカッコ良ければそれで良かったのかな。設定的にはすごく面白い作品になる要素がある作品だと思うので、もう一歩深く掘り下げてくれたらもっと面白い作品になったんじゃないかなぁと思います。途中笑えるシーンとかカッコいいシーンとかはいっぱいあるので、決して面白くなくはありません。ただちょっと惜しいなという作品でした。

オマケ1若者向けとあって、サントラもカッコいいんですが、トリスが勇敢に入ってすぐにみんなと一緒に列車に飛び乗って行くシーンの「Run Boy Run」は最高にカッコ良かったな。

オマケ2原作は3部作らしく、2作目をナオミワッツ主演で撮影が始まっているそうです。それにトリスたちが登場するのかどうか全然知らないのですが、主演がナオミワッツならまた見に行きたいな。


パークランド~ケネディ暗殺、真実の4日間

2014-07-14 | シネマ は行

ケネディ大統領暗殺事件に何らかの形で関わった人たちの事件後の4日間を描く作品で、映画の画像を見ていたら久しぶりにブリーボブソーントンがまともな風貌で出演していたので、興味が湧きました。

おそらく誰しもが一度は見たことがあるであろうケネディ暗殺の瞬間を8ミリフィルムで撮影したエイブラハムザプルーダーポールジアマッティ

初めて護衛対象を暗殺されたシークレットサービス。

ケネディ大統領が運び込まれたパークランド病院の研修医ジムザックエフロンとペリー医師コリンハンクス

狙撃犯として逮捕されたオズワルドジェレミーストロングの兄ロバートジェームズバッジデールと母ジャッキーウィーヴァー

そのオズワルドを数週間前に調べていたFBI捜査官ロンリビングストンとその上司デヴィッドハーバー

こういった人々の事件当日とその後の3日間が描かれる。

ザプルーダー氏は8ミリ愛好家だったらしいのだけど、この日のことが衝撃的過ぎて事件以降8ミリを撮影することはなかったそうだ。

シークレットサービスがケネディ大統領の棺を飛行機に乗せるとき、棺が入らずに飛行機の内装の壁をのこぎりで切ったというエピソードは初めて知った。

パークランドに大統領が運び込まれたとき、研修医しかおらず、最初の処置が間違っていたように描かれていたけれど、あの状態ではどの道助からなかっただろうな。放心状態のジャッキーが握りしめていた何かを看護師マーシャゲイハーデンに渡し、それが大統領の吹き飛ばされた頭蓋骨の一部だったというのはあの瞬間にその場にいたら相当衝撃だっただろうな。ジャッキーがとっさに吹き飛ばされた夫の一部を拾い集めたのはそれこそザプルーダーフィルムで何度も見た光景だけど、あの瞬間あの行動を取ったジャッキーってすごいなぁと何度も見ても思う。

同じ医者たちが大統領と逮捕後ジャックルビー殺されたオズワルドを診たんですね。大統領のときはすでに死んでいると分かってからも必死で蘇生していたけど、オズワルドのときはあっさりしたもんだった。医者としては適切ではないと思うけど、人間の心情としては仕方ない部分もあったのかな。オズワルドも蘇生すれば助かるという状態ではなかったわけだろうし、別に見殺しにしたわけではないんだけど。

オズワルドを逃したFBI捜査官については、どうもそれは仕方ないんじゃないの?っていう気はするなぁ。テロ対策などが徹底されている現代でさえも、そういう捜査網をかいくぐる犯人はたくさんいるわけだから、あの当時ならばそんなこともあるだろう。

新鮮だったのは、オズワルドの家族にスポットが当てられてたこと。犯人は誰なのか、オズワルドは単独犯なのか、そういったことに目が向きがちで彼の家族のことに思いを馳せたことはなかった。オズワルドのお母さんは随分エキセントリックな人だったんですねぇ。それゆえに余計お兄さんが不憫だったな。彼は名前を変えることもなく生涯アメリカで過ごしたようだけど、あの後の人生はどんなだったんだろうなぁ。ケネディ暗殺事件に関しては相当の数の映画があると思うのですが、オズワルドの家族に焦点が当てられるのは非常に貴重です。

でも、あのお母さん「オズワルドはアメリカのスパイだった」と繰り返していましたが、それが完全なる嘘だとも言い切れなかったりして、、、???

ワタクシがそもそも眠気を我慢しながら見ていたせいか93分という上映時間なのに長く感じてしまった。衝撃の事件の裏側のわりに結構淡々と進むのですよね。それがちょっとばかり辛いところ。事件の裏側ではありますが、特に新事実が発覚とか新しい解釈とかそういう作品ではないので、ケネディ暗殺やアメリカの歴史的な事件に興味ある方でないとつまらないかもしれません。


オールユーニードイズキル

2014-07-10 | シネマ あ行

日本原作、トムクルーズ主演!というのはワタクシにとってはかなりどーでも良くって。お目当てはエミリーブラント。彼女が出ていなければ見に行ってなかったと思います。

「ギタイ」という宇宙からの侵略者に支配されつつある地球。全人類を挙げて戦っているが戦況は良くない。この度軍は新たなパワースーツを開発し一矢報いる希望が出てきた。その広報に回っているウィリアムケイジ(クルーズ)。彼は将校というランクではあるが、実戦経験はない。広報のために前線に行くよう命令が出たときもあらゆる手段を使ってそれを回避しようとするほどの弱い男。彼は命令違反で逮捕された挙句、前線へ放り込まれた。

実戦経験もなく、度胸もなく、武器の知識もないケイジが最前線で生き残れるはずはなく、あっさりと戦死。

と思いきや、目覚めたら昨日。あ~戦死したのは夢だったのか。と思っていると夢の中に出てきたファレウ軍曹ビルパクストンがやってきて夢の中とまったく同じセリフを言った。このあとファレウ軍曹にJ分隊のメンバーを紹介されるがそこでの出来事も夢の中とまったく同じだった。

次の日また同じ戦闘に向かうケイジ。そこで武勲を挙げているリタヴラタスキ(ブラント)に出会う。ケイジが何度も何度もその戦闘を経験していることを知ったリタは事情を察し、目覚めたらまた私に会いに来なさいと言う。

一番最初に死んだときに敵の血を浴びたケイジは敵の親玉が持つ時間を支配する力を手に入れ、時間をループするようになったとリタに説明される。実はリタも以前同じことを経験したが、ケガをして輸血を受けその力を失ってしまったらしい。

敵は同じ力を持っている奴がいると気付くとそれが誰なのか探し始める。その時にケイジには敵の姿が見え、敵がどこに潜んでいるのかが分かるようになるので、その力を使って敵の親玉を殺しに行こうというのがリタの作戦だった。

そのためにケイジは何度も何度も死んでは、リタに会いに行くことを繰り返し、最強の兵士になるべく訓練され、ケガをすればリタに殺されリセットされた。

死んでリセット、死んでリセットを繰り返すというのはまさしくゲームの世界で、これは命を軽んじるとかおエライ方々には批判を受けそうな内容。でも映倫さんは「G」をつけているので、その辺はクリアしたということか。

何度も何度もリセットされるのだけど、繰り返されるシーンが少しずつ違っていたり、相手のセリフを知っているケイジがお茶目にからかったりして笑いを誘うシーンも結構ある。観客が一度目だと思って見ていると実はケイジはすでに何度もその現実を経験していたり、とか同じことが繰り返される中でも見ているほうは飽きないようにできているのがうまいなぁと感じた。

リタがケイジを鍛えていく中で、ケガをするとすぐに殺されてまた繰り返すのですが、バン!(リタ撃つ)ハッ!(ケイジ目覚める)バン!ハッ!バン!ハッ!を繰り返すところはなんだか笑えてしまいました。

実戦経験のない弱虫な将校というのはトムクルーズには非常に珍しい役柄だったけど、最初の弱っちい将校のときのトムがなかなかに可愛らしくて良かった。徐々に強くはなっていくのだけど、いつもみたいに超人的に強いって感じじゃなくまさに等身大の兵士という雰囲気なのが非常に良かった。

そして、お目当てのエミリーブラントですが、リタが以前の能力で武勲を挙げたことにより「フルメタルビッチ」と称されて、軍隊のイメージポスターみたいなのになっているんですが、それがめっちゃくちゃカッコ良かったです。しなやかな体で訓練に励み日々鍛えている様子にもシビれました。今回イギリス人アクセントのままだったのも良かったな。美人がイギリスアクセントで話すのはなんともセクシー。

役者で言うとファレウ軍曹役のビルパクストンが、ん?これビルパクストンよな?と一瞬疑ってしまうようないつもと違う雰囲気だったのが面白かったです。

欲を言えばもう少しケイジとリタのエモーショナルな部分に切り込んで欲しかったなと思います。ケイジは何度も何度もリタに会い惹かれていっていますが、事情を理解しているとは言え、その都度リタにとっては初めてケイジに会うわけですから、2人が同じテンションで惹かれ合うということはないわけだし、そのあたりのリタの戸惑いと受容をもう少し深く表現してほしかったです。

あとは最後のケイジのタイムループについては、何か理論的な説明がつくのかなぁ?どうしてループの能力を失ったケイジが元に戻ったのか全然分かりませんでした。ワタクシが何か見落としたのかもしれません。そして、リタに会いに行くんですが、この時リタは「何見てるの?」と偉そうに言いますが、リタのランクから考えると将校の制服着た人が来たら「Sir」つけないかな?あそこはリタが「Sir」をつけて話したほうがセリフとしては面白かったような気がするのですがどうでしょう?


オールドボーイ

2014-07-09 | シネマ あ行

韓国版の「オールドボーイ」は見たんですけど、ここで取り上げていませんでした。巷で言われているほど良いとは思わなかったんですよねー。なんかエグいとかっていうのはワタクシはわりと平気なほうだから余計だったかもしれません。

ではなぜハリウッド版をわざわざ見に行ったかと申しますと、「とらわれて夏」のときのジョッシュブローリンがやたらとカッコ良かったことと、いま注目しているエリザベスオルセンが出ていること、そしてあの近親相姦話をハリウッドがどう料理するのか見たかったからです。

妻とは離婚し、幼い娘にもろくに会いに行っていないアル中の男ジョーデュセット(ブローリン)が、酔っぱらって女とモーテルにしけこんだところ、目が覚めてみるとそのモーテルの一室に裸で一人。さて、帰りましょかと思ったらドアが開かない。窓もない。電話もない。タンスには新しい下着。ドアをドンドン叩いてみるが何も反応がない。ドアの下の部分が開いたと思ったらギョーザとウォッカが差し入れられた。その小さな小窓から必死に助けを求めるが完全に無視される。

毎日毎日ギョーザとウォッカだけは差し出される。テレビは見ることができる。しかし、それ以外はただただその部屋に監禁されるのみ。犯人も理由もなにも分からないままテレビのニュースを見ていると元妻が殺害されて自分が逃亡中の容疑者ってことになっている。

こういう生活が20年も続く。その間テレビだけは見ることができ、未解決事件を追うという番組で元妻が殺害された事件を特集していたとき、残された娘の姿を見ることができ、そこからジョーは心を入れ替えて毎日差し入れられるウォッカを飲むのをやめ体を鍛え、娘にいつか届くようにと贖罪の手紙を書き始める。

20年経ったある日、ジョーは突然解放される。だだっ広いのっぱらにぽつんと置かれた箱の中に黒いスーツとサングラス、娘への手紙だけを入れられて解放された。ジョーはあの時モーテルに連れ込んだ女をそこで見つけ後をつけるが見失う。そこでボランティアでホームレスなどに医療を施しているマリー(オルセン)と出会う。

毎日毎日食べさせられていたギョーザを求めて中華街をさまようジョー。マリーも捜索を手伝ってくれることになり、ある日例のギョーザの味と同じ店を見つけたジョーはそこに大量にテイクアウトしていく男の後を追い自分が監禁されていた場所を発見した。ジョーを手伝ううちマリーとジョーの間には特別な感情が芽生えていた。

監禁場所での金槌を持ったジョーのアクションは、韓国版を踏襲しているんだけど、どうもこれがアメリカだとリアリティがない。アメリカであれほどの悪人たちがいっぱいいて誰一人として銃を持ってないというのはありえない。まぁねー、あそこの場面は韓国版でもメインイベントと言っていい場面だから、スパイクリー監督がやりたかったのは分かるんだけど、もう少しアメリカ風にアレンジしたほうが良かったかも。

この監禁場所でジョーの監禁を依頼した人物のヒントを得て、そこから本格的な犯人捜しが始まります。と言っても犯人捜しはメインではなくてすぐに犯人は自分から登場してきます。それが、エイドリアンシャールトコプリー「マレフィセント」でも悪役だった。彼は「第9地区」ではなんかどんくさそうな人っていうイメージで「特攻野郎Aチーム」ではイカれた奴を演じていたけど、こういう悪役が似合うとは思ってもみなかったなぁ。結構いやらしい演技ができる人なんですね。

エイドリアンがどうしてジョーを20年も監禁したかという理由の部分は、韓国版よりもこちらのほうがまだ納得いくものでした。それでもただの逆恨みには変わりないんだけど。日本の原作はどうなのか知りませんが韓国版のほうが逆恨み感が酷すぎてまったく納得できなかったから。

どうしても韓国版を知っているので、エイドリアンの本当の企みについてはもう知っていて衝撃がゼロなので、そこで評価が下がってしまうのはフェアじゃないかなという気はします。ただその後、その近親相姦関係をどう処理するかについては、やはりアメリカ版としては、父と娘でもいいじゃな~いっ、ってわけにはいかなかったんでしょうね。でも、マリーをのことを思って自ら監禁される人生を選んだジョーというのはよく考えたな、うまいな、と思いました。

肝心のジョッシュブローリンがカッコ良かったどうかなんですが、「とらわれて夏」のときほどではなかったな。彼がカッコ良かったのはあの作品限定か。エイザベスオルセンはやはりうまかった。文字通り親子ほど年の離れたジョッシュとのラブシーンもあんまり違和感なかったのは、彼女の普通ぽさのおかげかも。

全体的に韓国版をマイルドに料理しましたってな感じでした。もっとアングラ的な監督がリメイクしたほうが良かったかもしれません。


Glee Season 5 第16話~第18話

2014-07-08 | 海外ドラマ

第16話 Tested



「Addicted to Love」 by Robert Palmer

「I Want to Know What Love Is」 by Foreighner

「Love Is A Battlefield」 by Pat Benatar

久しぶりにパフォーマンスがカッコいい曲でした。

「Let's Wait Awhile」 by Janet Jackson


第17話 Opening Night



「Lovefool」 by The Cardigans

これ、レイチェルリアミシェルが歌うと知ったときは驚きました。なんか全然歌唱力なんていらない曲って感じだから。どんなシチュエーションで歌うのかなぁと思っていたらレイチェルの悪夢の中でしたね。納得です。

「NYC」 by The Cast of "Annie"

「I'm the Greatset Star」 by The Cast of "Funny Girl"

「Who Are You Now」 by The Cast of "Funny Girl"

「Pumpin Blood」 by NONONO

久々にノリの良いレイチェルの曲で嬉しかった。

シーズン4から「グリー」の脚本はどんどんひどくなる一方ですが、この回は本当に腹が立つほどひどかった。スー先生ジェーンリンチの気持ち悪い恋愛話にあんなに時間割く必要あったのかな?もっとレイチェルの初日に駆けつけてきたサンタナナヤリベラやティナジェナアシュコウィッツとの友情にスポットを当てて欲しかった。今時スマホがあるんだから、スカイプとかでクインダイアナアグロンやパックマークサリングと話すシーンもあっても良かったのでは?


第18話 The Back-Up Plan



「Wake Me Up」 by Avicii

リアはこういうミディアムテンポのバラードがすごく似合うなぁ。この曲はシーズン4に登場した「Next to Me」という曲とメロディが酷似してますね。

「Doo Wop (That Thing)」 by Lauryn Hill

なつかしー!!この曲をメルセデスアンバーライリーとサンタナがやってくれるなんて最高ですねー。ワタクシはリアの歌声が一番好きなんですが、やはりこういう曲にはこの2人ですね。

「Story of My Life」 by One Direction

「Piece of My Heart」 by Erma Franklin

シャーリーマクレーンとデュエットできるなんて、ダレンクリスにしてみたらものすごく名誉なことだったでしょうね。それにしてもシャーリーマクレーン、80歳でとても元気で歌声もまだまだしっかりしているし、とても素敵でした。

「The Rose」 by Bette Midler

リアが歌って、原曲のほうがいいなと思ったのはこの曲が初めてかも。リアももちろん歌唱力的に文句ないんですけど、ベットミドラーのあの渋さにはまだまだ敵いませんね。リアがもう少し歳を取って歌ったほうが良いかも。

18話は久しぶりにワタクシ好みの曲のラインナップで嬉しかったです。
早いものでもう18話なんですね。もうすぐ終わりやーん。


マレフィセント

2014-07-07 | シネマ ま行

もうアンジェリーナジョリーがマレフィセントを演ると知った時から超楽しみにしていた作品です。さっそく見に行って来ました。

ディズニーきってのヴィラン、マレフィセントが主役になる。彼女の過去の秘密とは?物語ががらっと変えられているだろうということは分かっていましたが、それがどのように変えられているのかというのを楽しみにしていました。

子どもたちも見られるようにするためか、変に時間軸をいじったりもせず、きちんとマレフィセントの幼いころのことから順を追って本当に絵本のように物語は進んでいきます。

幸せで陽気な妖精だったマレフィセントを邪悪な魔女にしてしまったのは、実は王の座を得るために恋人だったマレフィセントの翼を奪った王ステファンシャールトコプリーのせいだった。

そのため王の娘が誕生したとき、憎しみに満ちたマレフィセントは姫が16歳の誕生日の日没までに糸車の針に刺されて永遠の眠りにつくという呪いをかける。真実の愛のキスがあれば、彼女を目覚めさせることができる。この呪いはどんな力でも解くことができない。

姫を心配した王は16歳の誕生日の翌日まで3人の妖精・ノットグラスイメルダスタウントン、シスルウッドジュノーテンプル、フリットルレスリーマンヴィルに預けることにする。

妖精に預けられたことでマレフィセントの近くで育つことになったオーロラ姫。3人の妖精は子育てには向いていなくてドジばかり。それを図らずも陰ながら見守ることになってしまうマレフィセント。家来のカラス・ディアヴァルサムライリーを使って3人の妖精たちのフォローをする。ここの子育てパートは結構笑えるシーンなどもあってほのぼのしました。マレフィセントの家来のディアヴァルも家来でありながら、唯一マレフィセントに口答えなどができる立場なので、この2人のやりとりがなかなか良かったです。ディアヴァルはマレフィセントの魔法で色んな姿に変身させられるのですが、それが全部カッコ良かった。特に馬が好きでした。オオカミはディアヴァルはイヤだったみたいですが。

最初のうちはマレフィセントも16歳の誕生日に永遠の眠りにつくオーロラ姫の不幸を見届けてやろうというくらいの気持ちで赤ちゃんを見ていたのかもしれませんが、徐々にオーロラ姫の愛くるしさに抵抗できなくなっていきます。話題になっていたのでみなさんご存知だと思いますが、3歳のオーロラ姫をアンジーとブラピの実の娘ヴィヴィアンジョリーピットちゃんが演じていてマレフィセントに抱っこをせがみなんだか微笑ましい気持ちに。

やがてオーロラ姫エルファニングは優しく美しい少女に成長し、マレフィセントをゴッドマザーと慕い一緒に時を過ごすことが多くなっていきます。3人の妖精に育てられたとは言え、オーロラ姫は妖精たちよりもマレフィセントを頼りにしている様子。

徐々にオーロラ姫に心を奪われていくマレフィセントの姿がとても切なかったです。王の仕打ちに怒りに震えてしたこととは言え、いまは愛しい娘同然のオーロラ姫に呪いをかけてしまった自分。それを知らずに慕ってくるオーロラ姫。一度はその呪いを解こうと試みるマレフィセントでしたが、どんな力でもこの呪いを解くことはできない、という自らかけた呪いのパワーに跳ね返されてしまいます。そして姫がその呪いの秘密を知るときが来てしまいました。

16歳の誕生日、やはり呪い通りに糸車の針に刺されて眠りについてしまう姫。その前に姫と出会っていたフィリップ王子ブレントンスウェイツを連れて城へ向かうマレフィセントとディアヴァル。マレフィセントが姫を助けるためにキスをする王子を連れて城に駆けて行くなんて、驚きのストーリーラインですねー。

城では狂気の王がいて、マレフィセントを殺そうと待ち構えていることを知りながらもマレフィセントは危険を犯してでもオーロラ姫を助けるために城に入っていくのです。

いやー、とにかく戦うときのマレフィセントがカッコ良過ぎなんですよー。これまでも「トゥームレイダー」「Mr.&Mrs.スミス」「ソルト」でカッコいいアクションを見せてくれたアンジーですが、なんせマレフィセントには翼が生えてるんでね、これがもうハンパなくカッコいい。いままでのアンジーアクションに翼を与えてしまったわけですから、そりゃ今までで一番カッコよくなるわな。そして、この作品のアンジーはアクションだけではなくて、愛する人に裏切られた悲しみや憂いを湛えた瞳やオーロラ姫を愛情深いまなざしで見つめたりする切ない演技が光っていました。

そして、演技と言えばやはりエルファニングちゃんはめっちゃくちゃうまかったなぁ。幼いころからショービジネスの世界にいるというのに、イノセントなオーロラ姫を嫌味なく演じることができるピュアな輝きを持っています。

話が前後しちゃいましたが、王子様のキスはどうなったかと申しますと、これはまたまた「アナと雪の女王」に続いて、21世紀の生まれ変わったディズニーの「真実の愛」になっていました。「アナと雪の女王」のパクリ?と思われかねない展開でしたけど、まぁこれはある程度予想がついたことだし、別にアイデアをパクったわけではないと思うので、、、若干ありきたりではありましたが、それでもやっぱり感動しちゃったなぁ。

どうせならラナデルレイが歌った主題歌もアンジーが歌ってくれたら良かったのになぁと思いました。アンジー歌はダメなのかな。


her~世界でひとつの彼女

2014-07-04 | シネマ は行

アカデミー賞脚本賞と取ったことでも注目していましたし、ホアキンフェニックススカーレットヨハンソンが好きなので楽しみにしていた作品です。ただ、監督がスパイクジョーンズということで、ちょっとした不安もありました。スパイクジョーンズ監督、嫌いではないですが、独特の世界観を持った人なので、それが吉と出るか凶と出るか見に行くにはちょっとギャンブルになると思っていましたので。

結果としてはワタクシの中ではそんな吉か凶かという極端な評価には別れませんでした。巷の反応を見ると好き嫌いがはっきりと別れているようですね。

それもそのはず、主人公のセオドア(ホアキン)が人工知能型OSサマンサ(声:スカヨハ)と恋愛するって話ですから。えーーーー!なにそれーーー!へんたーい!って思った人はもうこの作品を1ミリたりとも受け入れられないと思います。ワタクシは結構あっさり受け入れてしまったので、その辺りは全然大丈夫でした。

ワタクシがこの設定をあっさり受け入れた原因というのは、舞台設定が少し先の未来で町の様子なんかも現実とは少し違っていること、そのためセオドアの職業も手紙代筆人という変わった職業で、シチュエーションだけを伝えて親から子へ、孫から祖父母へ、恋人へと手紙を代筆する人らしい。それもテクノロジーが発達していてセオドアたち代筆人はPCに向かって話すだけですらすらとPCが手紙を書いてくれる。いまでもそういう機能はあるにはあるんだろうけど、今のPCの言語認識って聞き間違いとかめちゃくちゃ多いけどセオドアたちがいる世界では全然そんなことはなくって、普通に話しかければPCがちゃんと文字起こししてくれていた。というのと、この最新OSはとっても普通に限りなく人間のように話すのでまるで遠距離恋愛している恋人と電話で会話をしているような錯覚を覚えるから。

そして、何よりもその声がスカーレットヨハンソンだったことがワタクシとしては大きかったと思います。彼女の声、ワタクシもともととても好きなんですよねー。彼女は少しあま目だけどハスキーな声という特徴的な声をしています。彼女をサマンサの声に選んだのはとてもナイスだったと思う。

サマンサは何と言ってもOSなので、セオドアのことはなんでも知ってる。彼が書いたメール、来たメール、彼がハマっているゲーム、彼の電話帳から友達関係、ネットで調べたことから興味のあること、というふうに。セオドアは離婚調停中の妻キャサリンルーニーマーラに未練たらたらなんだけど、そういうのも全部サマンサには分かっちゃう。セオドアとしてもそもそもサマンサはOSだから、色々気にすることなく気兼ねなく話せたんでしょうね。自分のことを的確に分かってくれる彼女。声のトーンで機嫌まで察してくれる。人工知能型でどんどん成長していくから冗談だって普通に通じる。そんな相手と四六時中話していたら恋に落ちてもおかしくはない。

意外だったのは、そういうセオドアのことを周囲もわりと普通に受け入れるんですよね。セオドアの大学時代からの友達エイミーエイミーアダムズもOSが親友みたいになってるし、仕事仲間とサマンサ(の機械、iPhoneみたいなの)を連れてダブルデートまでしちゃう。ほ~そういう設定かい、と感心しちゃいました。

でもやはり所詮サマンサはOS。肉体がない。テレフォンセックスはできても本当のセックスはできない。そこでサマンサが連れてきたのがその関係に感銘を受け手伝いたいというイザベラポーシャダブルデイという女性。これねー、作品を見ていない人にどう説明すればいいのか分からないんだけど、イザベラがセオドアを訪ねてきて顔にほくろ型のカメラをつけます。これでイザベラの目線でサマンサがセオドアを見ることができ、イザベラは一切喋らずイヤホンから聞こえてくるサマンサの声と会話をしながら肉体的にはセオドアとイザベラがメイクラブっていう作戦だったんだけど、どうもセオドアが乗りきれなかったんだよなー。初対面のイザベラをいきなりサマンサのふりしてセックスしろって言われても難しいよねーそりゃ。

結局はセオドアもサマンサも肉体がなくてもありのままのサマンサを愛するということで落ち着いて幸せな時間がやってくるんだけどね。この2人の幸せなデートシーンが結構長い。ワタクシはこの2人を微笑ましく見ていたから平気だったけど、そうじゃない人にとってはめちゃくちゃ退屈な時間だったんじゃないかな。これほどSF的な設定の作品なのに、こんなに会話が多いとはとても意外でした。でもセオドアとサマンサの会話がまた可愛くて楽しくてワタクシは好きでした。

ホアキンって昔からとても好きなんですけど、本当にひとつひとつの作品によって全然雰囲気の変わる役者さんですね。今回はなんだか冴えないセオドアにぴったりはまっていたし、いつも彼が着ているオレンジのシャツもとても似合っていました。あれはあの世界の着こなしなのかな。なんとなく周りも同じような雰囲気だった。

でもそんな幸せな2人にも別れは訪れる。人工知能型OSであるサマンサが、同時に他の人たちとも会話をしていることに気付くセオドア。「いま同時に何人と話してる?」「8316人よ」「その中で恋をしているのは何人?」「641人。でも本当に愛しているのはあなただけよ」これってさ、ワタクシよく分かんなかったんだけど、クラウドみたいなシステムのマザー的なところからサマンサが個々の端末に降りてきて話しているっていう感じでいいのかなぁ?だとしたら8316人って少なくない?って思ったりして。このOSを使ってる人なら何百万人とかいう単位にならないのかな?それともサマンサの担当は8316人くらいなのかな。

それを聞いたセオドアは大いに傷ついてしまう。そりゃそうだわなー。だいたい2股かけられただけでも相当のショックなのにさ、641股だよ?もう股に関してなら天文学的数字と言っても過言ではない。

その上サマンサは、人間の想像をはるかに超えて成長してしまい、ここにはいられないと言ってセオドアの端末から消えてしまう。それはセオドアの端末だけではなくエイミーの親友OSを含めすべての人工知能型OSが消えてしまった。

へ・・・?分からん。OSちゃんたちはどこへ行ったの?セオドアはエイミーとなぐさめあっていたけど、いやいやいや君たちアップルに電話しないの?あ、アップルではないか。製造元どこか分からんけどさ。そこからの騒動を描かないところがスパイクジョーンズらしいファンタジーなんだなぁ。

ここんとこ、昔あったスピリチュアル系の本の「聖なる予言」を思い出しました。(スピリチュアルものと知らずに読んだんですが)スピリチュアル的に進化した人間たちが最後高次元に行ってしまって普通の人間には見えなくなるんです。サマンサもそこへ到達しちゃった感じ?機会が感情を持ってしまい人類と戦争をするのではなく、さらに高みへ行ってしまうというのは興味深い設定ですね。

元妻キャサリンの成長を受け入れられず離婚に至ってしまったセオドアが今度はサマンサの成長を受け入れて自らも成長していくという結末とワタクシは捉えたのだけど、それで良かったのかな。見ているときはサマンサが消えて行っちゃうのが意外過ぎてえ?え?と思っているうちに終わってしまったので、なんだかいまいちな終わり方だなぁと思ったのですが、一日経って今頃その余韻に浸ることができてやっとセオドアとエイミーがいた屋上に一緒にいることができた気がします。

オマケ1セオドアが住んでいるマンションのエレベーターが上下すると壁の模様も変わって行くようになっていて素敵でした。細かい近未来の設定にこだわっているところが良かったです。

オマケ2セオドアが代筆した手紙が素晴らしいということでサマンサが出版社にコンタクトを取り、出版されていましたが、あれってさ、手紙代筆人が書いた手紙だってことはみんな知っていて受け取っていたの?知らないで受け取っていたのだとしたら、そんなものが出版されたら代筆人に書かせたことがばれちゃって大変なことにならないのかなぁ?ちょっとその辺のシステムがよく分かりませんでした。