シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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フィクサー

2008-04-24 | シネマ は行

終わった後の、劇場での観客の雰囲気は「ん~、なんだかイマイチ」「なんかよう分からん」っていう感じでした。ワタクシの前に座っていた若い男性3人は「お前が見ようって言い出したんやったけ?」なんて、変な犯人探しまでする始末。

ですが、ワタクシは好きです。確かに展開は、説明が少なくて、登場人物たちが発するひとつひとつのセリフからこれまでの経緯とそれぞれの立ち位置を推測しなくてはいけないし、前半は特に盛り上がりに欠けるので、その時点で「つまらん」と思った人は、最後まで見るのがちょっと苦痛かもしれない。

ワタクシも初めはちょっと戸惑ったのだけど、なんとか話についていくことができたし、もともとこういうタイプの作品が好きなせいもあって、退屈せずに済んだ。こういう感じの大企業対一人の男とか、裏での取引とか、かけ引きとか、そういうタイプの話が好きなんです。

「フィクサー」っていう邦題がね、ちょっと誤解を与えるなぁと。“ザ・犯罪揉み消し屋”みたいな話で、ジョージクルーニーがカッコよくバッサバッサと色んな闇社会の問題を解決していくっていう印象を与えないかなぁ?原題にもなっているジョージクルーニー演じる“マイケルクレイトン”という男、実は、自身もギャンブル癖から抜けるのに苦労し、いとこの店の投資話に乗って失敗し、裏社会に借金のある男。どうやら、妻には離婚され、一人息子とはたまに会う関係といったいわゆるダメ男。闇の仕事を引き受けている彼には、巨額の財産があってもおかしくはないのに、実際には破産。もう後がないところへ、同僚の弁護士アーサートムウィルキンソンがプッツンして起こした厄介事の後始末を命じられる。

頭は切れるし、同僚を助けようという人情にも溢れているが、もう疲れきったマイケルクレイトンを演じるジョージクルーニーがとても良かった。いい枯れ具合だ。45歳という設定だから、枯れるにはちと早いが、今までの闇の仕事の重圧と、自身のギャンブル癖などからくる人生への疲れをよく表していた。色んな人物が絡んでいる話でありながら、まるで彼の一人芝居のような印象のある本作品を見事に引っ張っていたと思う。アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたのは当然と言えるだろう。ジョージクルーニーが「ER」に出ていたころには、「なんか目元も口元もニタニタした、濃い顔の人やなぁ。アメリカではウケるやろうけど、日本ではどうかなぁ」なぁんて思っていて、まさか彼がこんなに渋い俳優になるとは思ってもなかったし、ましてや、製作の面でもハリウッドで貴重な存在になるなんてまったく思っていなかった。ワタクシはまったく見る目がないな。

男優賞を逃したジョージクルーニーだったが、彼と敵対するティルダスウィントンはこの作品で助演女優賞を受賞した。これには少しオドロキ。助演なのだから、出番はそこまで多くない場合もあるが、彼女の出番は時間にするとかなり少ない。その中でも受賞したのはやはりラストシーンかな。マイケルクレイトンとの直接対決。あの緊張感をクリエイトした彼女への賞賛だったのかなと。あと、彼女のリアルな体型とファッション。これはもちろん役作りだろうけど、あの体型とあのファッションはやたらとリアルだったように思う。

それから、彼のことはそんなに話題にのぼらないと思うのだけど、マイケルクレイトンの勤める弁護士事務所の所長を演じているシドニーポラックが素晴らしい。彼は、もともと俳優としてキャリアをスタートさせ、その後監督としても非常に高い評価を受けている。ケビンコスナーやメルギブソン、クリントイーストウッドのように俳優が監督をするといったような派手な印象はまるでなく、知らない人のほうが多いと思うが、とても才能に溢れた素晴らしい人だ。演技に関しては賞を受けるなどの評価はされていないが、どんな役でもとても自然にこなしてしまう、とても器用な人だと思う。

入り組んだ話は苦手だけど見たいという方は、相関図と簡単なあらすじを見てからのほうが楽しめるかもしれない。

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スパイダーウィックの謎

2008-04-17 | シネマ さ行
これさ、子供向けだよね?こんなの小さい子に見せて大丈夫?怖い夢見ない?

まぁ、いまの子供たちはワタクシが小さかったときより刺激に強いのかもしれませんけどねぇ。ワタクシが小さい頃でも「グレムリン」とかあったしなぁ。ワタクシは怖がりな子供だったから、結構ビビってたけど。

この作品に出てくるゴブリンはねー、ワタクシ個人的に大嫌いなカエルに似ていたんで、余計怖かったというか気持ち悪かったっていうのがあったかも。だってさ、カエルって一応こっちが近づいていったら逃げるけど、(あ、ワタクシは絶対に近づいて行かないですけどね)このゴブリンたちってば、めっちゃ俊敏なカエルみたいなんですもん。めちゃめちゃ気持ち悪かったよ。

お話は、まぁ完全に子供向けって感じで単純なもんです。悪い妖精(ゴブリン)人間&良い妖精みたいなね。でもそもそもの発端はアーサーおじさんデヴィットストラザーンが書いた妖精大図鑑なんだよね。そこに書いてある妖精たちの秘密(おそらく殺し方とかも載ってる?)を悪の妖精マルガラスニックノルティに知られては世界を支配されてしまう。ってさー、最初っからそんな本早く始末しちゃえばよ良かったんやんかー。おじさんがこの本は始末したくないよぉなんて言うからこんなことになっちゃったんでしょー?ってまぁ、これはおじさんが最後に懺悔してるから良しとしましょうってことなんでしょうけどね。誰にも間違いはあるし、、、ってその間違いから起こる出来事が大変過ぎるよ。ま、マルガラスの最期はあっけないもんでしたけどね。まさかあれで本当に終わりとは思わなかったよ。それもジャレットフレディハイモアの知恵とホグスクイールの協力のもとということで良しとしよう。しっかし、マルガラスをニックノルティが演じてるなんてビックリしちゃったな。

設定的にはね、シンブルタックマーチンショートは怒るとボガート(悪い妖精)に変身したり、それを鎮めるために大好物のハチミツを食べさせるとか、ゴブリンの皮膚はトマトソースで溶けてしまうとかなかなか面白い。ワタクシは詳しく知らないけど、こういう設定は欧米で昔から伝えられている妖精たちの習性なんかも組み込まれているんだろうな。しかし、ゴブリンをやっつけるためにトマトソースを爆発させたあとの壁にベッタリついたトマトソースが真っ赤な血みたいになっていて、これってPG12とかにならなくて大丈夫か?と思ってしまった。ワタクシはそんなのを子供たちに見せるなんて!とか思わないタチだけど、アメリカって暴力描写にうるさいから、これ大丈夫だったんだーってちょっと意外だった。ひねくれ者のワタクシはもしかして、マークウォーターズ監督にそういう意図があったんじゃないかとさえ思ってしまった。

大人でも結構ドキドキするおっかけっこが展開したりするから、子供たちは大満足ではないでしょうか?大人同士で見に行く作品ではないけど、お子さんと一緒に行っても親御さんも満足する作品ではないでしょうか。

オマケフレディハイモアくんなー、残念ですがもうギリギリちゃうかなぁ?
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NEXT~ネクスト

2008-04-16 | シネマ な行

2分先?
2分先のことが分かるってか?
使えねぇヤツ…

とまぁ、この「2分先」っていうのがミソでこの使えないヤツ、クリスニコラスケイジをどうFBIがうまく活用して、捜査に役立てるのかと思って期待していると、、、

もっと先のことが分かるんじゃーーーーんっ

なんかね、運命の女性リズジェシカビールのことだと、なぜだか先々のことでも分かっちゃうっていうんだよ。ふーん。左様でございますか。

それできちゃうとさ、映画としては何にもおもしろくないわけよ。実際、ワタクシたちが見せられたのは全部彼が予見してたことでしたーって分かったとき、観客は試写会場であるにも関わらず口々に「えーっ」とか「なんやそれー」とか言ってる人結構いましたよ。会場でしゃべるっていうのはタブーと思っているワタクシも彼らの気持ちは分かるなぁ。

見ている最中はそこまでヒドいとは思わなかったですけどね。クリスが敵が来るのを予見して、捜査官たちに指示を出すところとかはカッコよかったし。でもやっぱりあのオチを見せられるとそれまで楽しんでいた気分も残念ながら吹っ飛んじゃいました。

ワタクシとしてはジュリアンムーアが好きなので、彼女がFBIの捜査官で、現場仕切って、ロングヘアーなびかせて走ってる姿なんかには惚れ惚れしましたけどねー。彼女が出てなかったら、ほんまにアウトでしたな。でもなぁ、最近彼女はあんましいい映画出てない印象が…もうちっと頑張ってほしいっす。

ジェシカビールは「ステルス」のイメージがあったので、もうちっとアクション的に重要な役なのかなぁと思っていたら、すっかり添え物的な役でもったいなかったな。

オマケいくらクリスが2分以内のことしか予見できないからって、彼が部屋を出てから2分以上経ってから、薬をジュースに仕込んでねとか言ったって、絶対その行為の2分前という時間は来るわけだから、クリスが予見するのを避けることはできないんじゃないの?と思って頭がこんがらがってしまったんですが、ここはたんに突っ込んではいけないところなんでしょうか?誰か分かる人説明してくれませんか?

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ドミノ

2008-04-11 | シネマ た行
父親は俳優で、母親はスーパーモデルという裕福な家庭に生まれ、モデルからバウンティハンター(賞金稼ぎ)に転身したドミノハーヴィーキーラナイトレーを描く作品。この彼女が実在したっつーんだから驚きですよね。

まず「賞金稼ぎ」っていうと、西部開拓時代っぽい響きがありませんか?そんな商売がいまでもアメリカでは成り立ってるっていうんだから、これこそがアメリカの歴史をものがたってるっていうか、他の国にもあるのかどうか知らないけど、すごく不思議な感じがします。

そして、その賞金稼ぎに元モデルの若いお嬢さんがなるっていうんだから、また驚き。これが、フィクションならね、“まぁバカバカしいけど、楽しめるんじゃない?”っていう設定だと思うんだけど、これが本当の話だっていうんですからね。このドミノハーヴィーという女性、この映画の完成を待たずして35歳で謎の死を遂げているらしいんですよ。やっぱ、賞金稼ぎという職業がらなのかな…

映画的にはね、監督トニースコットですから、スタイリッシュな映像とカメラ回しに、カット割りも彼の特徴的なものだし、セリフに時々変な字幕が出るっていうのは彼のこの一作前の「マイボディガード」と同じ手法で、このころ彼の中ではやってたのかしら?全体的には彼が監督した「トゥルーロマンス」から脚本のタランティーノを引いた感じかな。

なんせ主役のドミノがモデルもできるような女性ですからね、キーラナイトレーがカッコいいよー。全体的な映像のカッコよさも手伝ってだけど、顔にケガをして血を流して、タバコ吸いながらFBIの捜査官ルーシーリューと話してる姿は最高にカッコよかった。賞金稼ぎの兄貴分で出てるミッキーロークもすっかり汚いおっさんになってしまったけど、めちゃめちゃ渋くてワタクシはいまの彼も結構好きだな。

ただねー、ちょっとお話がまどろっこすぎるのよねー。なんか、誰が誰なのかすごく分かりにくいし。結局あの偽造免許書を作った若造たちは何だったんだ!?とか、クレアモントデルロイリンドの最初の計画はどんなだったんだ!?とかイマイチ分からんことが多い。最初に「実話“みたいなもん”」ってな感じの説明が出てたので、実在した女性賞金稼ぎドミノハーヴィーのことを基にはしてるけど、ここでの事件はフィクションってことなのかな?まぁ、ストーリー的にはギリギリ及第点ってとこですな。ただ、先に書いたようにキーラナイトレーとミッキーロークがカッコいいので、ちょっと取り上げてみました。キーラのラップダンス(LAP DANCE)もちらっとサービスされますヨ。

オマケ1「ビバリーヒルズ青春白書」のアイアンジーリングブラニアンオースティングリーンがセルフパロディのように登場していました。ドミノに殴られたり「生きてたの?」とか言われちゃう本人役ですが、なかなかシャレの分かる二人ということですかね。

オマケ2最後の役者紹介の映像で、みんなファーストネームとその人の映像が出ていて、どうしてファーストネームだけなんだろう?と思っていたら、最後に“DOMINO”っていう文字と本人の映像が出てきて、あ、これの前振りだったんだと納得しました。
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実録連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)

2008-04-10 | シネマ さ行
「総括しろ!」

「自己批判しろ!」

「自らを共産主義化させよ!」

しばらくこういった言葉が頭ん中でぐるぐる渦巻いて、ちょっと頭痛がした。

あさま山荘事件といえば、テレビで「なつかしの昭和史」みたいな番組で必ず登場する大事件。ワタクシたちの世代には多分そういうイメージしかない。連合赤軍が人質を取ってたてこもり、10日間銃撃戦を繰り広げた。っていう感じの捉え方がリアルタイムで知らない世代にとっては一般的ではないだろうか。この作品は彼らがこの事件に至るまでの過程を190分かけてたっぷり見せる。

初めは60年安保から大学闘争を通して、赤軍派と革命左派が統一され、連合赤軍となり、警察の追及を逃れるために山に入り、軍事訓練などを行い、徐々に「総括」と称したリンチ殺人が行われ始めた様子、その後のあさま山荘事件に至るまでを克明に描き出す。

60年代から70年代にかけての安保闘争や大学闘争もテレビでは知っていたが、ここまですべての流れを見たのは今回が初めてだった。このころのことを初めてテレビなどで知ったころは中学生くらいだったと思うが、その当時は学生が権力と戦うとか、デモとかそういう響きに少しあこがれさえ抱いたこともあったように思う。しかし、いま大人になって見てみると想像よりもかなり凄まじいもので、いまさらながらに驚いてしまった。

誤解されると困るけど、彼らの思想的な部分では、ワタクシは共感する部分も多い。不平等をなくし、平和を願う。それ自体が間違っているとは思わない。ただ、やはり手段はマズい。そのためなら暴力もいたしかたない。そうやって、暴力を肯定する団体はその刃を自らに向けてしまう。彼らの山岳ベースでおこったリンチ事件はそもそもの暴力の肯定が発展した狂気の沙汰であったと思う。森地曵豪が「総括を助けるために殴るということをする」と宣言したとき、誰も声を挙げて反対できなかった組織の状態に完全にカルト的なものを感じたし、「銃による殲滅戦」を謳う団体の中で暴力反対とは叫べない事情というものがあったのだろうと思われる。そこには、「革命」を成し遂げるためという大義名分と、それを成し遂げることができるのかという焦燥感が入り混じっていたのだろうか?森自身も、赤軍工員としての早い段階で一度は敵前逃亡をしておきながら、彼が工員らに求めた「総括」とはいったいどこからくるものだったのだろう?彼はあさま山荘事件の前に逮捕され、その1年後に自殺しているから、彼には何も聞くことができない。「総括」を促されて「森さんの立場になりたいと思ったことがある」と自己批判した工員を「組織を自分のものにしようとしている。スターリン主義者だ。死刑だ」と森は死刑を執行したが、森自身が組織を幹部のものにし、自由に操っていたことを考えれば、彼こそが批判されるべきスターリン主義者じゃないのかと思えたのだけど、彼自身は自分こそが純粋な共産主義者であり、だからこそ工員に「総括」を求められる立場にあると考えていたのだろう。
あさま山荘にこもってから、戦闘中につまみ食いをしたかどで、一人が責められたとき、「とりあえず自己批判しとけばいいだろ」みたいに阪口ARATAが言ったのを聞いて、これまで「総括」で殺された人たちは何だったんだと脱力してしまった。結局、彼らのしたことの「総括」があのシーンに凝縮されていたような気がする。

山岳ベースで生活していた仲間の中に赤ん坊がいたことにはめちゃくちゃ驚いたし、妊婦がいたことにも驚いたが、結局その妊婦も殺されてしまう。妊婦を殺す平和を願う団体っていったいなんなんだろう?こんな質問は幼稚だと思われるかもしれないけど、実はものすごく大切な質問のような気がする。分かってないなぁと言われそうだけど、まぁ実際、森たちの言ってる共産主義化の話はぜんぜん理解できなかったもんな。でも、工員たちもどこまで分かっていたんだろう?

上に書いた森がいったん逃亡し復帰してから、そこにどんな心情の変化があったのか、幹部の永田並木愛枝は同じく幹部の阪口からどういう気持ちで森に乗り換えたのか(表向きは組織のためと言われていたが)、リンチによって殺される遠山美枝子坂井真紀はどのような気持ちで赤軍に参加したのか、「総括しろ!総括しろ!」と言われて「総括ってどうすればいいんですか?」と問うても「そんなことも分からないのか!自らの共産主義化が足りない!」と罵声を浴びせられる組織の中で自らの兄をリンチ死させられ、それを「敗北死」とまで言われた弟2人がどうして、最後まであさま山荘で抵抗し続けたのか、といったようなそれぞれの心情を深く知るといったことがこの作品ではできないのが残念だった。それは、この作品を見て興味を持った人がそれぞれ本などで知るしかないのか。

この事件を起こした赤軍の人たち、特に幹部たちは実際この事件をどう「総括」しているんだろう?彼らはただ純粋に真面目にひたむきに道を誤っていった。それを振り返って「反省」というものがあるのだろうか?せめて、手段は間違っていたというような反省はあるのだろうか?それも他の書物で知るしかないか。。。

映画的な観点で言うと、映像的にはこのリンチのシーンはかなり見るのが辛い。それでも、これは創作なのだから、実際にはもっと壮絶であっただろう。仲間が次々に殺され、明日はわが身と思いながら暮らす若者たちの心情はいかばかりであったか。たとえ、それが自らがすすんで飛び込んだ運命だとしても、その恐怖たるや、すさまじいものだったのではないかと思われる。
それから、森を演じた地曵豪や永田を演じた並木愛枝の演技は素晴らしかったし、坂井真紀も37歳で20代前半を演じて違和感がないのは彼女がもともと幼いせいだけではなかっただろう。女優として名前のある人だけに、リスキーな役どころだったと思う。ただ、普段よくテレビで見る女優さんが出ていてリアリティに欠けるところもあるにはあった。
最後に「自分たちに勇気がなくてリンチを止められなかった」と叫ぶ少年のセリフが若松孝二監督としての「総括」だったのかな?映画的にはそこにもう一歩踏み込みが欲しかったような気はするが、これだけの作品を作り上げたことは素晴らしかったと思う。

オマケ1見る前にオリジナルTシャツを買おうかと思っていたんですが、あの「総括」シーンを見て、買う気がなくなってしまいました。デザイン的には好きだったんだけどね。

オマケ2他の人のブログを見ていると、東京では2000円での上映だったようですね。長い作品で回転しないからなんだろうけど。確か「タイタニック」も昔2000円上映されてたような。でも、大阪では通常料金で見れました。七芸さん、ありがとう。
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真実のマレーネディートリッヒ

2008-04-08 | シネマ さ行
“マレーネディートリッヒ”という名前はおそらく日本のさまざまな世代の人が知っているだろう。ワタクシももちろん名前は知っている。ただ、彼女の映画は見たことがないのです。彼女のイメージというと、やはりマニッシュでありながら妖艶なセックスシンボルといった感じでしょうか。マタハリを思わせるイメージがワタクシの中にはあるし、マドンナを初めさまざまなのちのアーティストが彼女をモチーフにモデリングしているところを見るとやはり大きい存在のアイコンといったイメージがあります。

実の娘が語るそんな彼女の素顔はどんなだったか。これはワタクシが知らなかっただけなのかどうか知らないけど、ワタクシにとってはかなり意外でした。彼女に対してただハリウッドのセレブリティとしてのイメージしか持っていない人にとってはビックリする内容ではないでしょうか。

確かに彼女には恋愛などに関して奔放なところがあり、そのあたりはイメージどおりと言えばそうかもしれません。驚いたのは、彼女が政治的にかなりはっきりした意志を持って行動する人だったということです。

ご存知の方も多いと思いますが、彼女はドイツ出身で、時代はもちろんナチス全盛。その当時、ドイツのセレブリティたちはみなナチスの宣伝に利用されていました。アメリカで活躍していた彼女にもナチスは、ドイツに戻ってナチスの宣伝映画に出演するよう言いますが、彼女は完全にそれを拒否。第二次世界大戦中は、前線の慰問に頻繁に出かけ、彼女は生涯当時の兵士たちを“My Boys”と呼び、兵士たちに慕われたという。

当時の女優たちが、前線の慰問に出かけていたことは有名ですが、ディートリッヒはかなり積極的におこなっていたようです。ドイツ人の女優がナチス時代に、敵国の兵士を前線慰問するなんて、ものすごい勇気のいることだったと思います。彼女が確固たる信念を持っていたということでしょう。

グレタガルボが若くして引退し、歳老いていく姿を公には一切見せなかったのとは対照的にディートリッヒは年老いてもなおテレビなどに出演し、歌い続けていました。ガルボを悪く言うつもりはないけれど、ディートリッヒの年老いても凛として気高く美しい姿はワタクシの目に焼きついて離れません。若いときももちろん美しかったけれど、ワタクシは年老いた彼女のほうが美しく思えました。

105分のドキュメンタリー映画。まったく飽きることなく、崇高に生きた女性の生き様を見ることができます。
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隣のリッチマン

2008-04-07 | シネマ た行
ジャックブラックベンスティーラーのコメディ。面白くないわけがないと思いません?

ニック(ブラック)とティム(スティーラー)はお隣同士に住んで、同じ会社に勤める親友同士。ティムはニックの上司で落ち着いた真面目な感じの人。ニックはいつも注意力散漫で落ち着きがない。そのニックがお得意の落ち着きのない思考で「犬のウンチが瞬時に消える」という商品を発明しようとする。その商品の開発に共同出資しないかと誘われたティムは、妻レイチェルワイズは賛成だったにも関わらず、「そんなの成功するわけない」と出資しなかった。かくして、商品はできあがり、空前の大ヒット。自分の親友であり部下であったお隣さんの家は大豪邸に建て代わり、馬を飼い、庭には遊園地やら野球練習場やら贅沢三昧。出資を押していた妻はティムに冷たくなっていき、すべてにイライラしたティムはついに会社で怒りが爆発し、上司にキレてクビ。さて、このティムはどうなるのか?

ワタクシはジャックブラックもベンスティーラーも好きなんですが、ジャックブラックのほうが好きなので、彼があんまり活躍しなかったのは少し残念でした。彼が演じるニックはすごくいい人で、彼の人柄には合っていたと思いますが、もう少し目だってほしかったな。あれなら、ジャックブラックを使ったのがもったいない気がする。

ベンスティーラーは本人がちょっと変な人っていうタイプのコメディもありますが、そうではなくてこの作品のように本人はいたって真面目にやっているのに、歯車が狂ってしまってドツボにはまるっていうタイプの役も多いですね。

この二人が揃って面白くないわけないと思いませんか?と書きましたけど、実際にはまぁ普通くらいの面白さって感じでした。こんな面子が揃ったらもっと面白いものができたろうになぁという感じです。途中、クリストファーウォーケンが絡んでくるところがちょっとうっとおしい展開になってるし。でも、ジャックブラックが出ているというので取り上げました。完全にひいき目ですね~。ワタクシの大好きなレイチェルワイズがこういうタイプのコメディに出ているのは意外だったなぁ。「ハムナプトラ」シリーズで、コメディセンスは少し見せていたけど、この作品では結構ドタバタなところを見せたりしてます。メンバー的にはいい感じなので、もう1本完成度の高いものを同じ3人で作って欲しい気も。
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メイドインマンハッタン

2008-04-01 | シネマ ま行
国会議員のレーフファインズがNYのホテルのメイドのジェニファーロペスと恋に落ちるってーーー???えーーーーっ、カンベンしてよー。レーフがそんな映画に出るの???って思ってました。すみません。

ワタクシ、レーフファインズはすごく好きな俳優さんなんです。イギリス生まれで、王立演劇学校を卒業してて、ロイヤルシェイクスピアカンパニー出身って。演劇界のプリンスって感じですよねー。そんな彼が選ぶ映画はだいたい大河系とか、社会派とか切ないロマンスって感じのものが多くて、コメディは「アベンジャーズ」くらい?あれはあんまり映画として成功とは言えなかった。他にちょこちょこ声優はやってるみたいですが。そんな彼がジェイローと、しかもアメリカ人役でってなー。まぁ、国会議員やからその辺のアメリカンガイって感じではないんやろうけどと思いつつ見ていると…

これがなんだかイイ感じ。レーフはいつもとちょっと違って軽いタッチではあるけど、二世議員だけあっていいとこのお坊ちゃん風なところが彼っぽい。

それにそれに、ジェイローがいいやーーーん。彼女はあんな派手な格好してセレブ気取ってるより、この映画みたいに地味にNYの下町っ子やってるほうがずっといい。今回の役は「ジャック」のときの先生役を彷彿とさせましたね。あの頃のジェイローはすごく良かった。

二人のロマンスはほんの出来心のウソから始まるという、いままで何万回もあった設定ではあるんだけど、ジェイローの一所懸命さや彼女の周りにいる人たちの友情がかわいらしくてイイ。彼女の周りはいい人ばっかりなんだよねー。まぁ、それも彼女の人柄のおかげと思えば納得もいくというもの。

そして、この映画の実は主役と言ってもいいジェイローの息子のタイタイラーガルシアポジーくんが最高。学校の宿題で調べてからすっかり70年代にハマって、ウォークマンでずっとサイモン&ガーファンクルを聴いているようなちょっと変わった小学生。この彼が大人になかなかするどい質問をしたかと思えば、子供らしい表情でこちらをホッとさせてくれる。彼がいなければ、主役の二人もハッピーエンドになれなかったよね。

一般的な評価はそんなによくはないのかもなー。絵に書いたようなロマンスのお話がダメな人は見てはいけません。こういうラブコメが好きな人にはかなりオススメです。

オマケ1レーフ演じる国会議員が飼っている犬のルーファスはうちで飼っているのと同じワイマラナーです。あんまり映画で扱われることがないので、すごくうれしかったなぁ。

オマケ2ジェイローはNYの下町っ子演じてるほうがずっといいと書きましたが、やっぱりドルチェ&ガッバーナの白いコートはめちゃくちゃ似合ってますね。
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