シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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シンデレラ

2015-04-28 | シネマ さ行

本編の前にある「アナと雪の女王」の短編に魅かれて見に行こうと思っている方も多いと思います。ワタクシはどちらにも興味があったので行ってきました。

まず「アナ雪」のほうですが、すごく可愛らしかったです。風邪を引いたエルサがくしゃみをするたびに現れるちっちゃい雪だるまが可愛くて、またそれに名前をつけているオラフが最高でした。「BANANA HIPPY HAT!」も笑った。本当の続編のほうは来年か再来年になるのでしょうか?もそれまでこの短編で我慢です。

さてさて、「シンデレラ」本編。物語はもう誰もが知っている王道のまさしく“シンデレラストーリー”というやつなんですが、シェイクスピアを大胆にのびやかに演出するケネスブラナー監督がどう料理しているのか?それが一番の楽しみなところでした。

まずはエラ(のちのシンデレラ)リリージェームズの生い立ちから。両親に愛され幸せいっぱいで動物が大好きな心優しい娘に育っていたエラは母親ヘイリーアトウェルを病気で亡くしてしまいます。お母さんは最期に「いつも勇気と優しさを持って生きるのよ」と言い残します。お母さんのその言葉を守りながら成長していくエラ。お父さんベンチャップリンと2人でも幸せに暮らしていましたが、まだ若いお父さんは再婚することにしました。お父さんの幸せを願うエラは再婚を心から祝福していたのですが、やってきた継母のトレメイン夫人ケイトブランシェットと2人の連れ子ドリゼラトリーマクシェラとアナスタシアホリディグレインジャーにはあまり良い印象は持てませんでした。しかし、お母さんの言いつけを忠実に守るエラはそんな彼女たちにも常に優しく接することを心がけていました。そんな時、お父さんは仕事先の外国で病に倒れそのまま亡くなってしまいます。残されたエラは意地悪な継母と姉妹たちに徐々に召使のようにあしらわれるようになっていきます。

と、ここまでの成り行きを丁寧に説明して、ここからはみんながよく知っているシンデレラのお話に入って行きます。ここからはストーリーの説明は必要ないかと思います。

上映時間113分。正直言って不安だったんです。筋は知っているし、お姫様の童話なわけだし、いまさら113分も眠くならずに見られるのかなー?って。ところが、見ていてまったく退屈しませんでした。その理由はいくつかあると思います。

まずは衣装や小道具が素晴らしいこと。衣装はたくさんの映画の衣装を手がけているサンディパウエル。義理姉妹の常に色違いの衣装や、継母のグリーン(嫉妬のグリーンかな?)を基調とした衣装の細部の凝りようが素晴らしいです。そして、シンデレラの屋敷の水鳥のシャンデリアや舞踏会のシーン。もっとゆっくり細部に渡って見たくなります。

再三登場する「勇気と優しさ」というこの作品のテーマも、いつの時代にも通じる大切な人としての要素だと思います。それをシンデレラが嫌味なく体現しているところが良かった。

王子リチャードマッデンとシンデレラがパッと見の印象や外見、富のあるなしなど関係なくお互いのパーソナリティに魅かれあったというのも、現代的な設定になっていてとても良かったと思います。シンデレラが残したガラスの靴を履くまで舞踏会で会った女性だと分からない王子のことをワタクシはずっとアホだと思っていたのですが、この作品では、靴を合わせる前にシンデレラがきちんと自分が森で恋に落ちた女性だと分かっていたのも好感が持てたところでした。王子のキャラクターも“プリンスチャーミング”という添え物としてだけでなくきちんと描かれていました。

継母の男性に頼るしか生きていく術がなく、そして自分の娘たちにも同じような幸せの形しか願うことのできない愚かな母親という悲哀を表現するのにケイトブランシェットの演技力が必要とされたのだと思います。「だからと言って私への仕打ちは酷すぎるわ」とシンデレラがきちんと面と向かって主張するところも良かったし、それでもあなたを許すというのはさすが良い子ちゃんだなぁと思ったけど、それが「勇気と優しさ」というやつなんでしょう。

唯一の難点としてはフェアリーゴッドマザーがヘレナボナムカーターだったことかなぁ…なんかねー、申し訳ないけど彼女って意地悪なイメージが強い。こればかりはケネスブラナーのブラックジョークか?ディズニーへのささやかな反乱か?と思っちゃいました。他にももっと優しそうな女優さんいるのになぁ。かぼちゃの馬車やシンデレラが可愛がっているネズミたちが馬になるシーンは素敵でした。耳がでかくて丸い変身途中の馬が可愛かった。トカゲ男はちょっと気持ち悪かったけど、そういうのを気持ち悪いと思わないのがシンデレラの良いところなんですよね。お母さんが遺してくれたドレスの面影はどこへやら?とは思いましたが…

ささやかな反乱と言えばグリム版で義理姉妹たちがガラスの靴に足を合わせようとつま先やかかとを切ったりしますが、(先日見た「イントゥザウッズ」には入っていた)ケネスブラナー版でそのシーンが入るのかな?と期待していたんだけど、そこはさすがに入れなかったようですね。

最後に主題歌の「夢はひそかに」と「ビビディバビディブー」をちゃーんと流してくれて、あ~また素晴らしいディズニー映画だったわぁと思わせてくれたケネスブラナーの才能に惚れ直しました。

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パレードへようこそ

2015-04-27 | シネマ は行

このブログでは何度か書いていると思いますが、日本人はよく「紳士淑女の国イギリス」という言い方をしますし、それもまた嘘ではありませんが、映画オタク的に言わせてもらえばイギリスと言えばやはりケンローチ監督を代表とするような左派、庶民たちの映画が一番先に思い浮かびます。この作品はまさにイギリス庶民パワーの映画です。

レズビアン・ゲイの団体で活動をしているマークベンシュネツァーはテレビで炭鉱夫たちがサッチャー政権の政策に反対してストライキをしているのを目にして、自分たちの団体で炭鉱夫たちを支援しようとLGSM(Lesbians and Gays Support the Miners)を立ち上げ募金活動を始める。一定の金額が貯まったところで集まったお金を渡しに行こうと炭鉱夫の労働団体に問い合わせをするが、こちらがレズビアンゲイ団体だと知らせると受け取りを拒否される。何件も断られて腐りかけていたとき、ウェールズのとある炭鉱夫労働団体が支援を受け入れるという返事をくれ、まずは代表者のダイパディコンシダインが会いに来ることになった。

ウェールズの片田舎からやって来たダイは迎え出たマークたちを見て驚く。「ゲイの人たちを見るのは初めてだよ」というダイにマークは「心配しないで。僕達も炭鉱夫を見るのは初めてだ」と言う。実はダイの団体は彼らがゲイだと知っていて支援を受け入れたのではなく、電話を取ったのがおばあさんでLGSMという団体名もよく聞き取れず「L」は「London」の「L」かなんかだと思っていたのだ。

この代表のダイという人がもし偏見に囚われた人だったら。彼らの運命は大きく変わっていただろうし、この作品はできなかったかもしれない。ダイはマークたちの風貌に戸惑いながらも、ゲイでもなんでも支援してくれるなら大助かりという姿勢でマークたちに連れて行かれたゲイバーでもたくさんのゲイたちを前に立派に演説をしてみせた。この時のダイの演説がすでに素晴らしくて泣けるんです。「自分たちより大きな敵と戦っているとき、何よりも力強いのは存在さえ知らなかった友がいると分かることです」とゲイの人たちにお礼を言います。「女性がこっち(ゲイバー)のほうが女性らしいよ」なんてジョークも交えながら。

ウェールズに帰ったダイは、彼らのことを村の人々に話し、委員会は一番の支援者であるLGSMのメンバーを村に招くことにする。もちろん内部でも反対はあった。なんせ時は1984年。場所はウェールズのもっすごい田舎である。ゲイに偏見のない人ばかりなわけがない。しかも相手は炭鉱夫。炭鉱夫と言えばステレオタイプに言わせてもらえば保守的な田舎者の集まりでロンドンのゲイの人たちとは正反対と言っていい人種である。しかし、委員会の中のクリフビルナイ、ヘフィーナイメルダスタウントンなどは支援してくれる彼らを素直に受け入れた。

LGSMのメンバーと仲良くなっていく労働団体のメンバー。偏見に満ちた人との軋轢はありながらも村全体としてはLGSMをとてもありがたい存在として考えるようになっていった。この2つの団体の交流が非常にうまく描かれていて笑いあり涙ありの展開となっていてとても爽やかで心温まる。初めて会うゲイの人たちに恐る恐る質問したりするシーンとか、ダンスなどしない田舎の頭の堅い男たちがゲイの男たちに触発されて女性と踊るようになるなど、実はお互いを隔てる壁など何もなく偏見と言うもののバカらしさを軽やかに見せてくれる。特に普段保守的な村で遠慮がちに生きている女性たちのはしゃぎっぷりがとても可愛らしかったなぁ。ゲイであるがゆえに生まれ故郷であるウェールズに帰ることができなかったゲシンアンドリュースコットのエピソードも泣けた。

LGSMの代表であるマークがゲイの権利だけをやたらに主張するのではなく、炭鉱夫、女性、子供といった社会的弱者のために何かしたいという情熱を持っていたのが素晴らしいと感じました。それぞれが手に手を取って大きな敵と戦う"unite"の大切さをマークとダイが共有していたことが最後の大きなパレードにつながっていくんだなぁ。強大な権力はそれでも庶民たちを蹂躙していきがちだし、方々で妨害はあって思うようにはいかないのだけど、それでも彼らの一歩はいまでもずっと続いているのだと思う。

登場人物が多いので最初少し戸惑うかもしれませんが、それぞれのキャラクターがきちんと描かれていて徐々に分かってくると思うので初めにいっぺんに把握しようと思わないでも大丈夫です。小さな劇場でしか公開されていませんが、ぜひたくさんの方に見てほしい作品です。

オマケ1見終わったあと、「Solidality Forever」という有名なUnion anthemとともにステフフェイマーセイたちが歌うその替え歌の「Every woman is a lesbian at heart」というのが頭をぐるぐる回っています。"including Reggie's mum♪"ってのが笑えた。(見た方は分かりますね)

オマケ2マーク役のベンシュネツァーのプロフィールを見てアメリカ人だったので驚きました。しかもワタクシが見ていたアメリカドラマに出ていたのに全然気付かなかった。イギリス人としてなんの違和感もありませんでした。

オマケ3もちろんたくさんの映画に出演しているんだけど、最近ではどうにも「ハリーポッター」シリーズの意地悪なドローレスアンブリッジ先生のイメージが抜けなかったイメルダスタウントンが可愛いおばちゃんで登場してくれて良かった。

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015-04-23 | シネマ は行

まぁた日本の宣伝会社が変な副題つけたもんだなー。と思ったら、なんとなんと原題についてた。なんじゃこりゃ?変わってんなぁと思いつつ。アレハンドロゴンザレスイニャリトゥ監督(最近長すぎると思ったのか“ゴンザレス”の部分をただの"G"に変えはったみたい)の過去の作品は好きだし、アカデミー賞作品賞も取ったしで、見に行くことには決めていたんですが、どうやら前評判を聞いているとあんまり一般ウケしなさそうな作品という雰囲気だったので期待せずに行きました。

かつてハリウッドのブロックバスター映画「バードマン」で一世を風靡したリーガントムソンマイケルキートンはいまでは落ちぶれて起死回生の一発を放とうとブロードウェイで自身の脚色、演出、主演の舞台を成功させようともがいていた。降板した役者の代わりに共演者の一人レズリーナオミワッツの恋人で才能のある舞台役者のマイクシャイナーエドワードノートンがやってきてリーガンの演出を引っ掻き回し始め、同じく共演者でリーガンの恋人のローラアンドレアライズブローには妊娠していると告白され、付き人にしているドラック中毒から回復中の娘サムエマストーンとはなかなかうまくコミュニケーションが取れず、その上、リーガンはバードマンの幻聴に悩まされている。

公開前から言われていたワンカット(風)の演出というのは、見ている間忘れてしまっていて、なんかやたらと役者の背中追っかけるなぁとぼけーっと思っていたらこれがシームレスな演出ってぇやつだったのね。ワタクシそういうことには疎いのであんまり気にせずに見てしまいました。イニャリトゥ、ごめん。

ハリウッドの元大物がブロードウェイに行って馬鹿にされる様をブラックに笑い飛ばせれば良かったと思うんだけど、ワタクシいまいち乗れませんでした。マイクシャイナーがさ、すごく才能のある舞台役者でそれを目の前にしてリーガンが打ちのめされるのかと思いきや、舞台で酒を飲むシーンで本物のお酒を飲んで酔っ払ってるし、ベッドシーンで本当に勃起しちゃうとか、そんなの全然才能のある役者じゃないじゃん。芝居できてないじゃん。しかも、この役のために日焼けしないとなんて言って予算を無理させて日焼けマシーンを楽屋に入れさせるとかさ、それってまさに彼が馬鹿にしてるハリウッドの有名人のエゴっぽい。このシャイナーの設定に納得がいかなかったので、彼の言うハリウッドとブロードウェイの違いとかそういうのがウソっぽく聞こえてしまった。しかし、このシャイナーって奴、気持ち悪かったな。エドワードノートンが演じる役で気持ち悪いと思ったのは初めてだった。

ニューヨークの文化人層がハリウッドの軽薄さを小馬鹿にしているというのはよく映画の内幕ものでは登場しますね。批評家のタビサリンゼイダンカンが「あなたは役者なんかじゃない。ただの有名人よ」と言うシーンがあって、それはとってもよく分かる。役者でも歌手でもないただの有名人っていうのが日本でも多い。ただ最近のハリウッドだと演技派と呼ばれるロバートダウニーJr.やリーアムニースンなどもアクションものに出演するようになってきて、ただちやほやされたいだけの有名人がブロックバスターものに出るというのとはちょっと様変わりしてきたのかなという気もする。エドワードノートンだって「インクレディブルハルク」に出たけど、彼も演技派だしね。舞台や映画、テレビというものの垣根が少しずつ低くなっていて、それは悪いほうにではなく、実力のある人が特定の分野にこだわらずあらゆる方面で活躍を見られるようになっている気もする。

話が作品からそれてしまいました。見ていた間退屈したということはありませんでしたが、結局のところ面白かったか?と聞かれればワタクシはあんまりでした。ハリウッドvsブロードウェイ的な視点も特に目新しいものはなかったしな。リーガンが批評家のタビサに対してキレるシーンは面白かったけど。リーガンの舞台を見もしないうちから、「私が一日で打ち切りにしてやるわ」なんて言って決めつけてくるタビサにワタクシもムカついたし、リーガンがはっきり言い返したのはすっきりした。「批評は残らないが作品は残る」って言ったのってチャップリンでしたかね?なんかその言葉を思い出しました。

「ハングオーバー!」シリーズでキレキレだったザックガリフィナーキスがふっつーのまともな役だったことに何よりも度胆を抜かれました。

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セッション

2015-04-22 | シネマ さ行

アカデミー賞絡みの作品。こちらも予告編を見て面白そうだったので行きました。アカデミー賞絡みというよりもサンダンス映画祭でグランプリを獲ったっていうほうに期待して見に行きました。

プロのドラマーを目指しニューヨークの名門音楽院に入学したアンドリューニーマンマイルズテラー。鬼教師として有名なフレッチャーJ.K.シモンズの目に留まり彼のバンド練習に参加することになる。初めての練習に緊張しているアンドリューの前で音がずれている先輩がクビにされた。「出ていけ!」フレッチャーの大きな声が練習室に響き渡る。みな自分に火の粉がかからないようにうつむいている。そんなピリピリムードの中、次はアンドリューはお前の番だと言われて休憩に入る。

ほんの少しの休憩時間。練習室の前でフレッチャーに声をかけられるアンドリュー。「ご両親は音楽家かね?」「誰に憧れているんだい?」「音楽が好きなんだろ?」「固くならないでいい。リラックスして楽しめ」あれ、さっきの鬼っぷりはどこへ?なぁんだ、案外良い人じゃん。

などと思ったのもつかの間。アンドリューの演奏に「いや、ちょっと遅いな。今度はちょっと速い」と最初は優しかったフレッチャーだが、「テンポが大事なんだよ!!!!」とドラムを叩いているアンドリューの頬を平手打ち。その後もバンバン何回も頬を叩いてくるフレッチャー。「俺の手は遅いか?速いか?お前のテンポはどっちだ?遅いか?速いか?」こえぇ。19、20歳以上の男たちが泣いちゃうんだからね。"F-cking, tempo!!!!"と叫ぶフレッチャーの声と表情がいつまでも頭に残ります。

しかしアンドリューはへこたれなかった。手のひらの豆がつぶれてスティックもドラムセットも血だらけになるほど自主練を続けた。出会ったばかりで良い雰囲気だったニコルメリッサブノワにもドラムに集中したいからと別れを告げ、とにかく練習練習に明け暮れる日々を送った。フレッチャーのスパルタ練習に応えようとアンドリューも徐々に狂気じみていく。

フレッチャーはライアンオースティンストウェルという別のドラマーを連れてきてアンドリューを刺激した。競争してドラムパートを勝ち取れというわけだ。もともとのドラムパート・カールネイトラングと3人のうち誰がフレッチャーの満足する演奏をすることができるか徹夜で叩かされたりもした。大会の日、会場に向けて乗っていたバスがパンク。レンタカーを借りて会場に向かう途中、衝突事故に遭ってしまうアンドリューだったが、彼の頭の中には大会のことしかない。全身血だらけで会場に向かい、ライアンをドラムにというフレッチャーに反抗して無理やりドラムセットに座ったが、意識は朦朧、手は思うように動かない。スティックさえもまともに持てずアンドリューはその場に倒れてしまう。

こりゃ完全にうつ状態だわな。と思っているとやはり数日後学校を退学になったアンドリューに弁護士が訪ねてくる。フレッチャーの元教え子が最近自殺した件で、遺族はフレッチャーを訴えない代わりにもう二度と同じようなことが起こらないようにしてほしいと願っている、と。つまり、アンドリューにフレッチャーを告発させようというのだ。

学校をやめてバイト生活をしていたアンドリューはふと町でジャズバーの前にスペシャルゲスト・フレッチャーと書いてあるのを見つけ思わず入っていく。彼の演奏を見て帰ろうとしたアンドリューだったが、フレッチャーに見つけられてしまう。「アンドリューだろ。どうしてた?」とまたあの優しい顔で近づいてくるフレッチャー。「俺も学校を辞めたんだよ。昔の学生がどうやら密告したらしくてね。俺の指導に行き過ぎがあったってことらしいよ」なんて近況を話すフレッチャー。彼のスパルタ指導についての持論を初めて聞かされたアンドリューだったが、「それで潰す才能もあるかも。やっぱり越えてはいけない一線はあるのでは?」と反論するがフレッチャーには納得してもらえなかった。

「いまはプロのバンドを率いてるんだ。ドラムが気に入らなくてね。俺のバンドに来ないか?」アンドリューをあんなに酷い目に遭わせたフレッチャーでもやはり音楽の才能は認めてくれているんだ。そう思い嬉しくて参加することにするアンドリューだったが、これは実は甘いワナだった!!!

この話、どうオチをつけるつもりなんだろう?スパルタ教師だったけど、やっぱりいい人だったみたいなありきたりの話でまとめるのかなぁ?と考えつつ見ていたワタクシはまさかまさかあれがフレッチャーのワナだなんてみじんも考えなかった。映画のCMで「ラスト9分19秒、歴史が塗りかえらる」となっていたのでラストに何か起こるんだろうとは思ってはいたけど…

演奏前バンドのメンバーを集めて話すフレッチャー。音楽院にいたときよりずっと穏やかな表情だ。「君たちにとってチャンスの演奏会だ。スカウトがたくさん来ている。スカウトは一度見た人を忘れない。一度失敗してしまえばキャリアは終わってしまう」

このセリフがどんな伏線になっているかも知らず漫然と聞いていたワタクシ。まさかここからすでにフレッチャーの復讐の幕が上がっていたとは。

「密告したの、お前だろ」くぅーーーーーーー、この時のフレッチャーの顔。ぞっくぞくしたねー。J.K.シモンズ、すげぇわ。ラスト9分19秒。何が起こったのか。フレッチャーの復讐劇とアンドリューがそれにどう応えたのか。それは劇場でチェックしてみてください。

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グッドライ~いちばんやさしい嘘

2015-04-20 | シネマ か行

予告編を見て面白そうだと思ったので見に行きました。

1980年代にアフリカのスーダンで内戦があり、南スーダンの村を北スーダンの兵士に焼き払われ親たちを亡くした子供たちはエチオピアにある難民キャンプを目指して歩き始める。しかし、途中でエチオピアも危険で引き返してくる一行とともにケニアへと向かう。一行の向かう先に兵士たちがいると分かった子どもたちは兄のテオをチーフとし、妹アビタル、弟マメール、途中で出会った同じ年頃で信心深いジェレマイアと少しやんちゃなポールの5人で団体とははぐれて別の道を行く。みなで休憩していたとき、ひょっこり背の高い草から頭を出してしまったマメールは北の兵士に見られてしまう。慌てて頭を引っ込めたが兵士は「出てこい」と脅してきた。怖くて頭を出せずに隠れていたマメールの代わりに兄のテオが立った。「仲間とはぐれたんだ」とあくまでも自分一人しかいないと兵士に信じさせたテオは兵士に連れ去られてしまう。テオのいなくなったグループはマメールをチーフとしケニアを目指して歩いた。合計で実に1200キロ以上もの距離を子どもたちだけで歩いたのち、やっとケニアにたどり着く。

ケニアの難民キャンプ。13年後。なんと13年もの間彼らは難民キャンプの中だけで生活をしていた。大きくなったマメールアーノルドオーチェン、アビタルクオスウィエル、ジェレマイアゲールドゥエイニー、ポールエマニュエルジャルはアメリカの支援団体がいつか自分たちをアメリカへ亡命させてくれるものと信じ仲良く暮らしていた。そして、ついに彼らにそのチャンスが巡ってくる。彼らの行先はカンザスシティー。飛行機に乗せられた彼らの胸は希望でいっぱいだった。

しかし、その希望はアメリカ・ニューヨークの空港で打ち砕かれた。支援団体のポリシーで女性は一般家庭にホームステイし、男性はユースホステルのようなところで共同で暮らすという規則になっており、アビタルだけがカンザスシティーではなくボストンに行くことになっていると聞かされる。この時の全員の悲痛な涙。正直、最初のほうの彼らがサバンナをずーーーっと歩いているシークエンスはちょっと長すぎるなぁ、ここはもうちょっとはしょっても良かったんじゃないの?と思いながら見ていたのですが、この空港の場面で気持ちが変わりました。あんな辛い内戦を経験し、キャンプにたどり着いてからも13年間片時も離れることなく一緒にいた彼らが団体の規則で簡単に引き離されてしまった。彼らの悲しみと不安、そして、絶対に何とかしてまたアビタルと一緒に暮らせるようにするんだという決意が、あの最初のシークエンスがきちんと描かれていることですごくよく伝わってきました。

カンザスシティーに着いたマメール、ジェレマイア、ポールを迎えに生きたのは職業紹介所のキャリーリースウィザースプーン。彼らに職業を紹介して終わり、となるはずだったキャリーと彼らの関係が徐々に深まっていく様子が描かれていく。

アメリカに着いてからしばらくは、かなり笑えるシーンが続きます。まずは機内食で出てきたパンに塗るマーガリンをどうしていいか分からずべろっと全部食べてしまったり、携帯電話で話すキャリーのことを独り言を言う人だと思ったり、マクドナルドのジュースのストローをどうするのか分からなかったり、キャリーが年頃をとうに過ぎた女性なのに結婚していないことを不思議がったり、キャリーが何度も電話しているのに電話など見たこともない彼らは何かの警報が鳴っていると思って放置しキャリーを心配させたり、キャリーの上司ジャックコリーストールの持つ牧場で「危険な動物はいますか?ライオンとか?」と言って冗談だと思われたり、まぁとにかくカルチャーギャップが笑えます。スーダンでは普通なんだろうけど、大の男3人で手をつないで歩くマメールたちが可愛いんだー。ジャックはギョっとしていたけどね。

なんかねー、こういうの、日本人だったら事前に詳しく講習会とか開いているような気がするんだけど、そんなことよりとにかく助けましょうって感じで飛び込ませてしまうところがアメリカ人っぽいなぁと思いました。良い意味で。

徐々にアメリカの生活に慣れようと頑張る彼らだったが、次第に現状への不満から不協和音が聞こえ始める。学校も行き始め仕事も順調なマメールと違い、ポールは職場でいい加減な仲間と付き合うようになり、問題行動を起こし警察に捕まってしまう。迎えに行ったキャリーたちの前でポールはマメールがアビタルを行かせたこと、サバンナでテオを死なせてしまったことをなじりケンカになる。アビタルが一緒にいられないことが彼らにとって非常に大きな問題であるということを改めて認識したキャリーはアビタルのホストファミリーになることを決意する。

アビタルがカンザスシティーにやってきてポールたち3人は大喜び。これで何もかもまたうまくいきそうになった。そんな時アビタルがキャンプから手紙が来たことをマメールに知らせる。それはある男がキャンプに来てアビタルとマメールのことを探していた、と知らせる手紙だった。2人を訪ねてきたある男。家族の誰かとしか考えられない。兵士に連れ去られたテオは生きていたのでは?

マメールは妹と弟がこちらにいるのだから、兄のテオもアメリカに呼んでほしいとキャリーたちと一緒に移民局に訴えるが、時はニューヨーク同時多発テロの後の世界。マメールがアメリカに来たころとはすっかり事情が変わってしまっていた。テロ支援国に指定されているスーダンの難民をもうアメリカは受け入れてはいないと言うのだ。

それでも現地に行ってテオ本人を探し、なんとかビザを発行してくれる大使館を探そうとマメールは独りケニアの難民キャンプに戻っていく。ついに再会することができたテオとマメール。テオはリウマチを患っていた。そんなテオをアメリカに連れ帰ろうと必死で大使館めぐりをするマメール。ある日、ついにビザが取れたよとテオと一緒に空港に向かった。出国手続きの列に並びながらマメールはテオに「これからはいつ誰に聞かれても名前はマメールと言うんだよ」と言う。実はテオのビザは降りておらずマメールになりきって出国させるつもりだったのだ。驚くテオだったが、マメールの決断を受け入れる。病気のテオをアメリカに行かせて自分は難民キャンプに戻り医師の手伝いをすると言うマメール。これは「良い嘘(グッドライ)」なんだとテオに言い聞かせて。

もう後半はずっと泣き通しでした。悲しい涙もあれば温かい涙も。後半というかワタクシ、JFK空港でアビタルだけ引き離されるところですでに泣いていたんですけどね。。。キャリーが「彼らにさよならって言うと死ぬほど寂しい顔をするのよ」と彼らのことを言っていた時も泣けたな。それだけで彼らの受けた悲しみを想像してあげられたキャリーの優しさに胸を打たれました。彼らがキャリーに「偉大な白い牛」というあだ名をつけたのも納得です。

マメール以下スーダン難民の役は実際に難民だった人たちが演じています。ジェレマイアとポール役の人は少年兵にされていた経験もあるのだとか。なぜかまったく宣伝されていない作品ですが、非常に良い作品なのでぜひたくさんの方に見ていただきたいです。

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ソウルサーファー

2015-04-14 | シネマ さ行

ケーブルテレビで見ました。

舞台はハワイ。子どものころから父デニスクエイド、母ヘレンハントのと2人の兄の影響でサーフィンが日常にあったベサニーアナソフィアロブは当然のようにプロのサーファーを目指していた。ある日、幼馴染でサーフィン仲間のアラナロレインニコルソンと彼女の父と兄と一緒にサーフィンの練習に出かけたベサニーはサメに襲われ左腕を付け根から噛みちぎられてしまう。

奇跡的に命は助かったベサニーだったが、片腕での慣れない生活が始まり戸惑いを覚える。サメに襲われたが生き残った少女ということでマスコミにも注目され、苛立ちは日に日に募って行った。ハワイの海でサメに襲われるってそんなに珍しいことじゃないのかなぁと思っていたんだけど、あんなにマスコミが押し寄せてくるっていうことは数としては少ないものなのかな。

しかしベサニーはサーフィンで大会に復帰することを目標にし練習を始める。片腕を失ってもベサニーにはサーフィンをやめるという選択肢はまったくない様子だったのも、片腕を失ってから初めての練習ですでにボードに立つことができたっていうのもすごいなぁと思いました。元々地区大会に出ることができるほどの実力者でスポンサーもつくほどだったわけだけど、それでもあんなふうにすぐできるようになるなんて思わなかった。

練習を積み復帰戦に臨んだベサニーだったが、大会では波に飲まれて浮上することができず、レスキューに助けられてしまう。やはり片腕で大会に出るなんて無茶だったのか…

落ち込むベサニーにはっぱをかけようとする父といまはそっとしておこうという母の意見が分かれる。父はベサニーに困難から逃げて欲しくないと思っていたし、母は彼女の人生にはサーフィン以外にも大切なことはたくさんあり、サーフィンだけの人生を送らせるのはイヤだと考えていた。両親どちらとも娘のことを考えてのことだったし、どちらの意見が正しいというわけではなく、どちらも親として愛があるからこその考えだと思いました。

ベサニーは少しの間サーフィンから離れて津波の被害に遭ったタイのプーケット島へとボランティアへ向かう。そこで家族も希望も失い笑顔を失くした子どもたちにサーフィンを教えることによって、自分が忘れていたサーフィンへの気持ち、助かった命に感謝すること、そして、障害を負った自分が人々に与えることができる希望を見出すベサニー。ここはかなりベタな展開だけど、それでもやはり感動してしまいました。

帰国したベサニーはもう一度再起をかけてサーフィンの練習に励み始める。そこで父がこっそり作っていた片手でもうまくコントロールできる取っ手付きのサーフボードを出してきます。え?ルール的に大丈夫?と思ったんですが、ちゃんと映画の中でも「ボードに乗ってからの採点だから関係ないよ」とお父さんが言っています。そうなんだね。

大会では最高のサーフィンを見せたものの時間切れで惜しくも優勝を逃したベサニー。それでも、いまのベサニーは最高の波に乗れたという喜びに溢れていた。

アナソフィアロブは雑誌などで見ていたときはそんなに可愛い子じゃないなーと思っていたのだけど、映画で動いている彼女はとても可愛らしかった。そして何よりも片腕のCGがすごくて、最初はついそこばかり見てしまってしばらく物語に集中できなかったな。

ベサニーを襲ったサメを誰か(漁師さん?)が捕らえてきてお父さんがサーフボードの歯型と合わせて個体を確認するシーンがあるんだけど、人間ってやっぱりそこまでしないと気が済まないものなのかなぁと疑問に思いました。海はサメの住処で、そこにお邪魔してるのは人間のほうなのにね。

こういうベタな話は嫌いという方もいらっしゃるかと思いますが、なんせ本当の話ですのでね、やっぱりすごいなぁと思います。いま現在ベサニーはプロのサーファーとして活躍しているそうです。そしてベサニーがサーフィンだけではなくいまでもずっとボランティア活動などをしているというのも素晴らしいと思いました。最後に映る本物のベサニーと家族たちの映像がとてもキュートでした。

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海外ドラマ忘備録15

2015-04-07 | 海外ドラマ

小出しに書きますとか言っといて去年の9月以降書いていませんでした。
その間に終了になったもの、新しく見始めたものと多過ぎるのでリストだけアップしておこうと思います。

終了したもの

「ママと恋に落ちるまで」シーズン9
「マインドゲーム」シーズン1
「クリミナルマインド~特命捜査班レッドセル」シーズン1

「ママと恋に落ちるまで」の最終回はかなりずっこけました。アメリカでもブーイングした人多かったっぽい。

「マインドゲーム」は面白かったけど残念ながら本国ではいまいちで打ち切りだったようです。

「クリミナルマインド~特命捜査班レッドセル」は名前の通り「クリミナルマインド」のスピンオフですが、これは本家のほうがずっと面白いです。

シーズンの合間の休止中

「ロイヤルペンズ」シーズン3
「モダンファミリー」シーズン5
「NYボンビーガール」シーズン2
「NCIS:LA」シーズン5
「キャッスル」シーズン5
「ビッグバンセオリー」シーズン6
「リゾーリ&アイルズ」シーズン2
「クロッシングライン~ヨーロッパ特別捜査チーム」シーズン1
「MAJOR CRIMES~重大犯罪課」シーズン2
「HOMELAND」シーズン4
「ザ・フォローイング」シーズン1
「アメリカンホラーストーリー」シーズン3

「ザ・フォロイング」はFBIがとろ臭すぎてもう見るのやめようと思っていたのですが、最終回が気になり過ぎる終わり方をしたのでシーズン2の最初だけはちょっと見ようという気になりました。
他のは新シーズンが始まるのを楽しみにしています。

「アメリカンホラーストーリー」はシーズン3が一番面白かった。

「HOMELAND」は世界情勢がかなり厳しい状態なのでどこまで突っ込んだ内容にできるのかと心配です。

現在進行中

「ブラックリスト」シーズン2
「NCIS」シーズン12
「ウォーキングデッド」シーズン5
「24」シーズン6
「ブレイキングバッド」シーズン4
「クリミナルマインド」シーズン6
「TAXIブルックリン」シーズン1
「ハンニバル」シーズン1
「Empire~成功の代償」シーズン1

「ブラックリスト」はやっぱり面白い。

「クリミナルマインド」はJJA.J.クックとプレンティスパジェットブリュースターが降板したのが残念過ぎます。JJを見るために見ていたようなものなのに。もちろんストーリーはまだまだ面白いし、見続けるつもりです。新メンバーのアシュレイシーバーレイチェルニコルズが美人さんなので、許す。

「ハンニバル」「Empire」はまだ数回見ただけですが、面白そうなので期待しています。
 

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ウォルトディズニーの約束

2015-04-02 | シネマ あ行

劇場で公開したときに見に行こうと思ったのですが、見逃していた作品です。レンタルで見ました。

ウォルトディズニートムハンクスの長年の夢だった「メアリーポピンズ」を映画化することについての話をするために原作者のパメラL.トラバースエマトンプソンがイギリスからロサンゼルスのディズニースタジオへやってきます。

このトラバース夫人という人はとても偏屈で移動の飛行機の中で赤ちゃんを抱いた女性に「長いフライトの間泣かせないでよね」とかはっきり面と向かって言ったり、迎えに来たドライバー・ラルフポールジアマッティが一所懸命会話をしようとしていても愛想のひとつも言おうともしません。

とにかくトラバース夫人はディズニー版の「メアリーポピンズ」のストーリ変更もミュージカル仕立ても何もかも気に入っていません。新作を書いていない彼女はエージェントにもうお金がないと言われ仕方なく交渉にやってきたのでした。

頑固で偏屈で人の気持ちを考えないトラバース夫人。でもそんな偏屈おばさんの過去が同時進行で紐解かれていき、彼女がどうしてこんな態度を取るのか、どうして「メアリーポピンズ」のストーリーを守ることに必死なのかというのが少しずつ分かっていく構成が良いです。

ワタクシ、実は映画「メアリーポピンズ」を見た記憶というのはないのですが、ストーリーや劇中に流れる曲は知っています。もし、まーーーったく「メアリーポピンズ」を知らない人がこの作品を見たら何のことか分からない部分もあると思います。

シリアスなお話の中でも結構笑えるシーンもたくさんありました。手始めにオープニングの1曲を聞かされて歌詞にある造語に「そんな言葉は存在しないわ」とトラバース夫人にピシャリと言われてしまった音楽担当のリチャードシャーマンジェイソンシュワルツマンとドンダグラディブラッドリーウィットフォードが「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」の楽譜をそっと隠すシーンなんかはとても笑えましたが、「メアリーポピンズ」を知らないと何のことか分からないと思います。

始めは頑なにダメ出しばかりしていたトラバース夫人が、自分の要求を受け入れながら作業を進めてくれるウォルト以下スタッフに対して、少しずつ心を開き始め「Let's Go Fly a Kite」を一緒に歌いだしたときには涙があふれてきました。それまでに彼女の過去を垣間見て、どうして彼女がそこまで頑なに物語に登場するミスターバンクスを酷い父親として描きたくなかったのかということが分かって来ていましたから、凧を直す優しいお父さんという設定になったミスターバンクスと一緒に「Let's Go Fly a Kite」を歌って踊る彼女にじーんときました。

始めは心を閉ざしていたドライバーのラルフに対しても、ラルフがとても娘思いのお父さんということが分かってからは「私が唯一好きなアメリカ人」と言っていました。ラルフの娘さんが障害を持っていることを知り、「アインシュタイン、ゴッホ、フリーダカーロ」という障害を持っていたけれど立派なことを成し遂げた有名人というリストを渡してあげるシーンも泣けたな。そこにウォルトディズニーも加えていたのはちょっと笑えてけど、それについては最後までウォルトには内緒だったのかな。

最初からアニメは絶対に使わせないと言っていたトラバース夫人でしたが、ウォルトがアニメと人間の合成でペンギンを登場させようとしていることを知り、怒ってイギリスに帰ってしまいました。この時、ウォルト自身がイギリスまで出向いて行ったっていうのは本当の話なのかな。ウォルトは「子供のころ毎日毎日新聞配達をさせられて時間内にできなければベルトで殴られていた。それを思い出さない日はない。でももうそんな自分を許してあげよう」とアルコール中毒の父コリンファレルとの辛い思い出を持つトラバース夫人に自分の経験を重ねて語りかけるシーンもとても感動しました。

ロサンゼルスでの完成披露会にウォルトがトラバース夫人を招待しなかったのは、マスコミの前で原作者に映画を酷評されることを恐れたためかな。「私は映画を守る」と言っていたしね。それがたとえ原作者からだったとしてもウォルトは映画を守る気だったんだろうね。それでもトラバース夫人は勝手に来ちゃったけど(笑)

映画を見て号泣するトラバース夫人に声をかけたウォルトに「酷いアニメーションに耐えられないだけよ」と意地を張るトラバース夫人が可愛らしかったですね。

「メアリーポピンズ」の製作秘話であり、原作者トラバース夫人の半生の秘話であり、ウォルトとの友情を描いた笑いながら泣ける感動のストーリーでした。上に書いたシーン以外にも結構泣けるシーンがあって実は後半泣き通しでした。原題は「Saving Mr. Banks」邦題は的外れな気がします。作品を見ればどうしてこんな原題なのかということがよく分かると思います。

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