ケビンのお母さんにシャロンストーン。気丈にケビンを見守り好きなことをさせてやりながらももちろん誰よりも心を痛め心配しているシングルマザーを演じていて違和感がない。シャロンストーンだから色気はもちろんあるのだが、それが嫌味にならず、姉御肌っぽい理解ある素敵なママになっている。
母親を亡くし、父親ジェームズガンドルフィーニが刑務所にいるマックスを預かって育てているおじいちゃん、おばあちゃんにハリディーンスタントンとジーナローランズが登場してびっくりする。2人は冴えないじいちゃんばあちゃんを演じているんだけど、2人とも枯れ具合がカッコよすぎるのよ。特にジーナローランズがおばあちゃんだったら絶対にいざって時に理解してくれて助けてくれそうだもの。
ケビンとマックスの保護者たちは最強メンバーが揃ってるんだけど、物語はあくまでもこの2人を中心に進み、彼らはこの最強ガーディアンたちの助けを受けることなく2人だけで成長していく姿が語られる。マックスはケビンに勇気と教養を教えてもらい、ケビンはマックスに自分の弱い体の代わりになってもらえるのです。そして、何よりも重要だったのは2人にとってお互いが初めての友達だったこと。何よりも大切なかけがえのない友情を得るのです。
2人の友情が熟したころ物語は思わぬ展開を見せます。刑務所にいたマックスの父親が出所しマックスをさらってしまいます。彼はマックスのトラウマの原因。母親を殺したろくでもない父親なのです。それを知ったケビンが助けに向かう!
後半の展開は意外だったけど、とってつけたような感じはなく、ただの友情物語にいいスパイスになっていると思う。ケビンがマックスに教える「アーサー王と円卓の騎士たちの伝説」が全編を通して語られているのだけど、それともうまくリンクしていて演出のうまさを感じた。円卓の騎士に憧れて冒険をしていく2人の姿はほほえましくもあり、爽快感を味わわせてくれるシーンもある。父親のところで味方になってくれるジリアンアンダーソンも最後までいい味を見せてくれて嬉しいオマケのようだったしね。
ケビンは病気が悪化するところは涙なしでは見られないが、あとに残った2人の友情の物語に心があったかくなって見終わることができる作品です。