シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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女神の見えざる手

2017-11-07 | シネマ ま行

とにかくジェシカチャスティンが出ると決めた作品なら良い作品に決まっていると思って、彼女の作品はできるだけ見に行くようにしています。今作も以前からとても楽しみにしていました。

敏腕ロビイストのエリザベススローン(チャスティン)。本来は税関係が専門だが、所属する大手ロビー会社から今回銃規制法に反対する銃擁護派のロビー活動の担当にさせられそうになり、銃規制派であるロドルフォシュミットマークストロングが経営する小さなロビー会社に部下4人を連れて移籍。巨大な権力を相手にロビー活動をすることになる。

冷徹なまでに相手の動きを読み、脅しすかしなだめおだて、時には味方の陣営にウソをついたり作戦を内緒にしたりするやり方で敵をこちらサイドに寝返らせていく。自分のロビー活動を成功させるためなら味方をどんなふうに利用しても気にしない。相手が傷つくことなど平気でやってのける。エリザベススローンはそんな人。

それでも彼女がただのイヤな奴に見えないのは、ワタクシがジェシカチャスティンのファンだからなのか。いやそれだけではない、彼女が少ないプライベートの時間に時折見せる寂しそうなまなざし。誰を傷つけても気にしないという態度でいながら、どこか心の奥底では自分が傷ついていそうな雰囲気がある。決して語られない彼女の過去に何があったのか、そこに思いを馳せずにはいられない。

しかし、物語はワタクシのそんなセンチメントを笑い飛ばすかのようにドロドロの闘いが繰り広げられる。彼女が元いた会社の連中は、彼女のせいで負けそうになると彼女がロビー活動で行った法律に反する行為を暴き、スパーリング上院議員ジョンリスゴーを担ぎ上げ彼女を聴聞会にかけた。

弁護士に黙秘権を貫くよう指示されるスローンだったが、議員の挑発に乗り黙秘権を放棄してしまう。あそこまで頭の良い彼女がこんな挑発に乗るなんておかしくない?と思っていたのだが、彼女の行動は何もかも計算されたものなのだ。彼女の中では最後の最後の最後まで全部計算済みだったのだろう。彼女の中での計算外は彼女が買っていたエスコートサービス・フォードジェイクレイシーが偽証罪も適用される聴聞会で「彼女とお金をもらって関係を結んだことはない」と堂々と偽証してみせたところだけだったか。軽薄そうに見えたフォードだったけど、一度は心が通いかけた彼女の秘密を守ってあげたのか。あれは鉄の女にとって嬉しい誤算だったのかも。

ジェシカチャスティンはどの作品を見ても「いやー、やっぱカッコ良かったなー」と思えて、彼女の一番カッコ良かった作品が常に更新されていくような状況なのだけど、今回のエリザベススローンももうめっちゃくちゃカッコ良かった。ひとつ前に書いたシャーリーズセロンの役のフィジカルなカッコ良さではなくて、頭がめちゃくちゃいい人のカッコ良さ。そして他人を犠牲にすることなんてまったく気にしないっていう顔をして実は自己犠牲の精神がとてもあるというあの最後のシークエンスのぞくぞくするようなカッコ良さ。社会派ドラマが好きな方にはぜひぜひ見ていただきたい作品です。

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ミリオンダラーアーム

2017-08-22 | シネマ ま行

落ち目のスポーツエージェント・JBバーンスタインジョンハムが流行のタレントショーよろしくインドのクリケット選手をメジャーリーガーにスカウトするという企画を思いつき、インドで「ミリオンダラーアーム」という番組を制作し、優勝者をメジャーのテストを受けさせようと奮闘する物語。これが実話だというのだからすごい。

インドに渡ったバーンスタインはアメリカとは事情が違い遅々として進まない仕事に翻弄されながらもなんとか「ミリオンダラーアーム」を成功させようと駆けずり回る。同行したベテランスカウト・レイアランアーキンは寝てばかりだが、選手が投げる球の音だけで球速を言い当てる名人だった。アランアーキンは最近こういういわゆるおいしい役が多いなぁ。

果たしてリンクシンスラージシャルマとディネシュパテルマデュルミッタルが選ばれアメリカへ。インドの貧しい村を離れ言葉も分からずアメリカで大きなカルチャーショックを受ける2人。バーンスタインは野球のことはコーチビルパクストンに任せっきりで、新しい契約に夢中になったりして全然リンクとディネシュの面倒を見ない。生活面でもインドで雇った通訳のアミトピトバッシュに任せきりだ。コーチ役のビルパクストンは地味な役でしたが、ユニークな指導法をする人らしく野球好きのワタクシとしてはちょっと彼にも興味が湧きました。

2人のことを商売道具としてしか見ていないバーンスタインにはっきりと最低だと言い放ったのは、ちょっといい感じになり始めていた間借り人のブレンダレイクベルだけだった。ブレンダはバーンスタインの知らない間にリンクとディネシュと仲良くなっていた。

ブレンダに叱られたことで目を覚ましたバーンスタインはきちんとリンクとディネシュの面倒を見ることを誓う。それからは野球の面でも生活の面でも2人は安定し始め、実際にメジャーのテストを受けるというところまで行きつくことができたのだが、緊張し過ぎで初めてのテストは大失敗に終わるのだった。

バーンスタインがインドに行ったときのカルチャーショックとリンクとディネシュがアメリカに来たときのカルチャーショックがうまく対比されて描かれている。リンクとディネシュは小さな村から来た素朴な青年たちで、とても可愛らしく愛おしい存在だ。あんな右も左も分からない若い子を自分の都合でインドからアメリカに連れてきてほったらかしにするなんてバーンスタインにはとても腹が立ったのだけど、ブレンダがはっきり怒ってくれたのですっきりした。

バーンスタインが心を入れ替えてからは、アメリカ映画お得意の楽しい場面をダイジェストで見せていくシーン。これがねー、あぁパターンだなぁと感じつつも好きなんですよ、ワタクシ。

最終的にもう一度テストを受けることができ、(ここでレイがひと肌脱いでくれました。アランアーキンが前半だけで終わるわけないと思っていたらまたまたおいしいところをさらっていきました)2人とも合格してピッツバーグパイレーツに入団したんですね。ディズニーが映画化した話だからロサンゼルスエンジェルズに入団したのかと思っていたのですが違いました。入団後は残念ながらあまり活躍はしていないみたいなんですが、それでもやっぱりインド人初のメジャーリーガーになったというのはすごいことだし、そのきっかけを作ったバーンスタインもただ仕事のためとは言えすごいですよね。

最後に本物の彼らが登場して、ちゃんと本物のブレンダもそこにいたのでびっくりしました。ミリオンダラーアームという企画はインドの青年の人生だけでなくバーンスタインの人生も大きく変えたようですね。

エピソードなどはどれくらいフィクションか分かりませんが、とても楽しめる実話の映画化でした。

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マリーゴールドホテル~幸せへの第二章

2017-07-06 | シネマ ま行

こちらも短い感想で。

正直言って1作目に比べると数段落ちる出来だと思います。

ホテルのオーナーのソニーデヴパテルってこんなにうっとおしい奴だったっけ???いや、前作でも猪突猛進型ではあったけど、まぁ彼も一所懸命なんだろうなぁと思えたけど、今回の彼はひどい。人の話は一切聞かないし、調査会社から来た客(だと彼が思いこんでいる)ガイリチャードギアのことをあからさまに好待遇にするし、すごくムカつく奴になってた。ていうか、調査会社の人だからって他の人を差し置いて、待遇良くしたって点数は上がらないんじゃないの?他の客をないがしろにしてるとこ見られてるんだし。

イヴリンジュディディンチとダグラスビルナイがまだはっきりくっついてなくてビックリしたわ。もう老い先短いんだからうじうじしてるヒマないと思うんだけどなー。でも、それが2人ともの性格だし、そういうところがお互いに気に入ってるところなんだろうね。

ミュリエルマギースミスは今回もひっそりした感じだったけど、前回とは違って愛を持ってみんなを見守っているっていう感じが良かった。

前作よりはかなり落ちると言いながらも、前回から引き続いているキャストたちへの愛があるために楽しんで見ることはできた作品でした。

ボリウッド映画は好きじゃないのですが、披露宴のダンスはやっぱり楽しかったです。

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メッセージ

2017-05-23 | シネマ ま行

まずドゥニヴィルヌーヴが監督するSF映画ってことで一筋縄ではいかんだろうなぁと思いつつ事前情報は何も入れずに見に行きました。

突如地球上に現れた12個のUFO。12の都市の空中に浮かんでいるだけで特に何もしてこない。アメリカ軍のウェバー大佐フォレストウィティカーは言語学者のルイーズバンクスエイミーアダムスと物理学者のイアンドネリージェレミーレナーに助言を求める。

UFOに近づき話しかけるルイーズ。軍の方針と違うやり方に反対を受けるが、彼女は自分のやり方を貫き通す。ともすればすぐに好戦的に陥ってしまう軍チームの中において彼女は平和的に宇宙人(足が7本なので「ヘプタポッド」と呼んだ。外見は巨大なイカ)に接して、彼らの言語を解読しようとしていた。

ルイーズはどうやら一人娘を病気で亡くしたらしく、時折そのフラッシュバックに苦しんでいる(ように観客には始めのほうでは思える)

SF映画って、ドンパチのアクションものか哲学的に走るかどちらかが多いと思うのですが、ドゥニヴィルヌーヴが監督なのだから後者だろうと考えていた。果たしてこの作品も哲学的な結末に向かって、キーワードとなるような言葉や会話がちりばめられている。ワタクシは元々「言語」というものに興味があるからなおさら面白かった。

「言語」という概念と「時間」という概念を交差させることによって起こる新しい概念を地球人に与えるというヘプタポッドはその代わりに3000年後に自分たちを助けてほしいと言う。3000年後???未来が分かるの?と言うルイーズだったが、、、

これねー、退屈な人はめっちゃ退屈かも。なんか意味分からん!みたいなとこあるし。ワタクシはある種の緊張感を持って見ることができて概念的にも面白いなと感じたので楽しめましたが、内容をすべて理解しているかと言われたらちょっと自信はありません。

SFなのでやはりどうしても突っ込みどころはあると思います。ルイーズは言語学の世界では第一人者ということでしたけど、12都市それぞれでも謎を解く人たちはいたわけで、全部の都市で同時期に正解にたどり着いたのかなぁと思うし、時間が一方向に進んでいるのではないというヘプタポッドたちの概念を理解したのは結局ルイーズだけだったのかということとか、疑問点はいくつか残っています。

それでも、哲学的に走っているほうのSF映画の中ではとてもよくできた内容だと思うし、それをつまびらかにしていく過程も適度な緊張感があって良かったと思います。

娘の人生が見えていてもそれでも娘を授かりたいと言うルイーズには単純にじーんと来ました。珍しくあんまり存在感のないジェイミーレナーでしたが、実は非常に重要な役だったということが分かって、どうしてこの役を彼が演じたのかということも分かりました。

すべてのオチが分かった上でもう一度伏線などを見つけながら見たいなと思わせる作品です。

オマケ原題は「Arrival」でそのまんまで良いと思うのですが、どうしてわざわざ「メッセージ」なんて別のカタカナ語にしたのかなぁ。

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ムーンライト

2017-04-20 | シネマ ま行

珍しく説明調の副題がついていません。アカデミー賞作品賞受賞で十分な知名度を得たからでしょうか。作品賞受賞した上にあの騒動があったので、映画に興味ない人まで作品名が行き渡りましたね。

シャロンという1人の少年を「少年期」「思春期」「青年期」に分けて見せる作品。麻薬中毒の母親ポーラナオミハリスに育児放棄され、小学校でいじめられているシャロンアレックスヒバートはある日地域で麻薬の売買を取り仕切っているフアンマハーシャラアリにいじめっ子から逃げているところを助けられる。その妻テレサジェネールモネイにもよくしてもらい、心を閉ざしていたシャロンは少しずつこの2人に心を開くようになっていく。

高校生になったシャロンアシュトンサンダースは相変わらずいじめられていた。母親に男が来るからと家を追い出されることがあり、テレサの家に世話になっていた。ここで何の説明もないのだけど、シャロンが高校生になるまでにフアンが死んでいることが分かる。麻薬のディーラーをやっていた人だから何かあって早くに死んでいてもおかしくはない。高校でいじめっ子に報復したシャロンは少年院に送られる。

出所して大人になったシャロントレヴァンテローズはアトランタに引っ越し、自らが麻薬の売人となっていた。タフな男になって外見も見違えるようになっている。母親は心入れ替えてリハビリ施設にいて、今は子供の時のシャロンを虐待していたことを悔いている。そんなシャロンのところに幼馴染のケヴィンアンドレホランドから1本の電話がかかる。

小学校の時シャロンは「faggot」といじめられており、その意味をフアンに聞くシーンがある。(ここでのフアンの説明が素晴らしい。フアンは「ホモのことだよ」とか「オカマのことだよ」なんて言わずに「ゲイの人をイヤな気持ちにさせる呼び方だよ。ゲイでも"faggot"なんて言わせちゃいけない」と言う)母親もシャロンのことをナヨナヨしていると言い、観客はそれでシャロンがゲイなのだなということを知る。高校時代には幼馴染で女遊びばかりしているケヴィンジャハールジェロームと肉体関係になるシーンがあり、ケヴィンも実はシャロンのことが好きだったのだと分かるのだけど、ケヴィンはいじめっ子に加担してシャロンを殴ってしまう。マイアミのスラムのタフな黒人社会を生きていくにはゲイであることは絶対に隠さなくてはいけなかっただろうし、高校生のケヴィンがいじめっ子の命令を逃れることはできなかっただろう。シャロンもそれを理解していたから、自分を殴ったケヴィンを責めることはなかった。

同性愛者の黒人青年の話と言えばそうなのだけど、この物語はそれを全面に押し出してはいない。どのアングルから彼の人生を切り取るのかによって物語の印象はかなり変わってくると思うのだけど、、この作品はどのアングルも押し出している感はない。ただそこにいるシャロンという少年の人生があり、それがたまたまスラムの麻薬中毒の母親に虐待された同性愛者の黒人の男の子だったという印象だ。それはなんとなくいわゆるアメリカ映画的ではなく、どこかフランス映画のような雰囲気を湛えていると思う。物語というより詩集を読むような感覚かもしれない。

こういう作品はえてして悲劇的なエンディングを迎えがちだけど、この作品はそうではなかった。シャロンを照らした月明かりは一見冷たそうで実は温かだった。

オマケぱっと見、全然分からなかったのですが、小学生、高校生、青年のシャロンの顔が合わさったポスターがとても美しいです。

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モアナと伝説の海

2017-04-11 | シネマ ま行

字幕版がなかなか時間が合わずに諦めかけていたのですが、ちょうど先週合う時間にやっていたので見に行きました。

ちょっと最近のディズニーの中ではいまいちだったかなぁ。

海に選ばれたモアナアウリイクラヴァーリョが半神マウイドウェインジョンソンと共に、命をつかさどる女神テ・フィティに昔マウイが盗んだ「心」を返しに行くというお話。

モアナのおばあちゃんタラレイチェルハウスが半神マウイのお話を聞かせてくれるのだけど、ここんとこからどうもすんなり入ってこなかった。どうしてテ・フィティの「心」をみんなが狙っていたのかもよく分からんし、マウイがそれを盗ったのは、人間が喜んでくれると思ったからと言っていたんだけど、それもなんでそう思ったのかよく分からんかった。これはワタクシの理解力がないだけで作品の中では説明はされていたと思うんですが、なんだかよく分からないままでした。

モアナは海に選ばれたらしいんだけど、この「海」の扱いがちょっとやっかいで。なんだか都合良くモアナを助けてくれたり、あっさり無視したり。「それが海ってやつさ」なんてマウイに言わせてるけど、そこんとこもワタクシは納得できなかったかな。

ココナッツの海賊カカモラは、ユーモラスで良かった。「なんか可愛いんだけど…?」ってモアナに言われて怖い顔を描くところが面白かったですね。

ヘイヘイは意思疎通が出来なさ過ぎて物足りなかった。やっぱりベタでもいいから可愛いブタのプアと一緒に旅に出て欲しかったなー。

お父さんが娘心配のあまり過保護で~ってのもなんかよくあるパターンですね。

モアナのキャラは冒険心があって好きでした。彼女の仕草や喋り方はいかにもアメリカのティーンって感じがして、モアナの育った南の島の人とはちょっと違う気はするけど、それはアメリカのアニメだから仕方ないか。モアナは可愛いですけどね。

「アナと雪の女王」「ズートピア」と来てちょっと期待し過ぎたかもという気持ちがあるのですが、周囲の評判を聞いていると高い評価を受けているようなので、ワタクシがおかしいだけかもしれません。

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マリアンヌ

2017-02-23 | シネマ ま行

公開前からブラッドピットの離婚騒ぎで有名になってしまった作品でした。見に行こうか迷ったのですが、ネットでのレビューが良かったので行って来ました。

ワタクシ的には、んーーーいま一歩。という感想です。

お話は超超超オーソドックス。戦時下で出会ったスパイ同士が恋に落ち、結婚し子供ももうけたが妻マリオンコティアールに二重スパイ容疑がかかり、暗殺命令が出て夫が苦悩する。もうこんな脚本何回映画になってきた?っていう印象。

ロバートゼメキス監督は往年の1940年代のモノクロ作品のようなロマンスを撮りたかったのかな。ハンフリボガードやグレゴリーペック、キャサリンヘップバーンやイングリッドバーグマンが登場するような。そんなスターの再来としてブラッドピットとマリオンコティヤールを選んだのは正解だと思います。往年の銀幕のスターの風格を現代でも持っている2人と言っていいでしょう。

冒頭、砂漠にパラシュートで1人降り立つブラピ。ハンドラーの車に乗り込み用意されたカバンを開ける。この時のブラピの前髪が風にゆらゆら揺れるのですが、それすらもうカッコいいです。役柄が実年齢より若いのでしわ取りメイクをほどこされているようで本当に少し前の若い時のブラピのよう。なんですが、このブラピ演じるマックスという男、随分寡黙な役のよう。ブラピの演じてきた役はこれまでほとんど見てきていますが、ここまでつまらなそうな顔した彼を初めて見ました。なんだろうなぁ。単純に寡黙だから、が原因じゃないような…それが何かは分からないのですが。

映画の筋は悪くないんですけどねぇ。妻に二重スパイ疑惑がかかってからの展開がいまいちスリリングさに欠けたような気がします。もう少しブラピの疑心暗鬼状態と妻の行動をうまく見せてほしかったような。

それとこれは二重スパイ疑惑とは関係ないのですが、マックスが軍の仕事にいつも急にかり出されていくことに、あからさまに不満を表していたマリアンヌがなんだか不自然な気がしました。フランスのレジスタンスで活躍してきた女性が、ナチスと戦っている夫に「家にいない、休暇がない」ってぶーぶー文句言うかなぁ?自分も参加したいくらいの気持ちでいるんじゃないの?と思いました。結果彼女はレジスタンスではなかったわけですが。

ちょっと悪いことばかり書き過ぎましたね。マリオンコティアールって決して美人だとは思わないけど、やはり魅力的な役者さんだと思います。ブラピと彼女のツーショットはやはり美しかった。良いこと書いていないですが、見ている最中飽きることはありません。作戦のシーンも彼らのロマンティックなシーンも良かったと思います。どちらかのファンなら見て損はないと思います。

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未来を花束にして

2017-01-31 | シネマ ま行

1912年のロンドン。女性参政権を求めて闘った女性たちを描く。

洗濯工場で働くモードワッツキャリーマリガンは、同じ工場に勤めるヴァイオレットミラーアンヌ=マリーダフに影響を受け、女性参政権運動に興味を持つ。公聴会でヴァイオレットが証言をするはずだったのだができず、(夫にその件で殴られたのが理由?)代わりに証言することになる。そこで彼女は改めて自分の人生を振り返る。母親も同じ洗濯工場で働き、自分もそこで生まれ子供のころから働きづめ、夫ベンウィショーもそこで働いているが男性は配達中心で外に出られるのに対し、女性は危険な薬品と蒸気とアイロンに囲まれた場所で一日中働いて、男性より就労時間が長いのに賃金は男性より安い。母親も若くしてヤケドを負って死に、薬品で肺もやられるので彼女もそう長生きはできないだろう。おまけに(これは映画の途中で分かることだけど)工場長には(幼い頃?)性的虐待を受けていた(っぽい描写がある)。

こんな人生を当たり前とされ、女性に男性ほどの理論的な思考はできないから政治参加させる必要などないと決めつけられている現状に目を覚ましたモードは次第に女性参政権運動にのめり込んでいく。

女性参政権運動は長らく平和的な運動に終始していたが、ここに来て彼女たちの不満は爆発し、もう平和的な運動では何も変わらないという極限まで来ていた。人を傷つけないという条件下で店の窓ガラスを割ったり、郵便ポストに爆弾を仕掛けたり、運動は暴力的な面を帯びていき、モードもその急進派となり、投獄も経験し、夫には家を追い出され挙句の果てには息子を養子にまで出されてしまう。(一人で息子の面倒も見られない夫に当時の法律は味方して親権は夫のものである)「お母さんの名前はモードワッツ。大きくなったら必ず探して」というモードに泣けた。

息子と離ればなれになってまでモードがこの運動を続けるのは、もちろん自分のためでもあるけど、やはり未来の子どもたちのためであった。「もし、自分たちに娘がいたらどんな人生を歩んでいたと思う?」と夫に聞いた時、「お前と同じ人生だろ」と言われ、モードの決心はますます固くなったんじゃないかと思う。未来の娘たちにもうこんな思いはさせたくない。自分と同じ人生を歩む女性が後から後から出てくるだけだなんてもううんざりだった。だからこそ、昔の自分と同じように工場長から性的虐待を受けているヴァイオレットの長女を工場から救ってやって、運動を支持している議員の妻のアリスホートンロモーラガライのところの女中として雇ってもらえるように計らったのだろう。

運動家たちを追い詰めるアーサースティード警部ブレンダングリーソンは、男尊女卑の冷血漢なのかと思いきや、現在の法律を守るために彼女たちを取り締まっているだけという感じだった。最初は彼も多分けしからん女たちだくらいに思っていたのだと思うのですが、モードたちを尋問したりする中で彼の中の何かが変わっていっていたような気がします。彼が自分の信念を変えて彼女たちを応援するようになったとかそういうのではなかったですが、どこか彼の中で彼女たちを尊敬するような部分が芽生えていたように思います。

モードたちを引っ張る女医のイーディスエリンをヘレナボナムカーターが演じていて、彼女の押さえた、それでいて確固たる意志を持った女性の演技はとても素晴らしかったと思います。彼女たちの運動を率いていたパンクハースト夫人はこの作品には数分しか登場しないのだけど、この運動をする女性たちにとって心の支えとなる指導者としてメリルストリープという存在感のある役者が演じたことにはとても意味があったと思います。メリルくらい存在感のある人が演じたからこそ、たった一度「闘い続けるのよ」と言われただけのモードの心の支えとなったことに説得力があったと思います。本物のパンクハースト夫人もおそらくそれくらいカリスマ的な方だったのでしょう。

女性参政権に限らず、先人たちが闘って(死者を出してでも)得た権利をワタクシたちはまっとうに行使しなければいけません。

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メイジーの瞳

2017-01-13 | シネマ ま行

お母さんスザンナジュリアンムーアとお父さんビールスティーヴクーガンは離婚することになって6歳の娘メイジーオナタアプリールの親権を争う。お母さんはロックスターだからなのか?裁判所はお父さんに親権を与えるのだけど、結婚していたときからメイジーのベビーシッターをしていたマーゴジョアンナヴァンダーハムに実質的には面倒を見させていた。どうやらお父さんはベビーシッターのマーゴとできていたらしい。ジョアンナヴァンダーハムという役者さんは初めて見ました。とても可愛らしくて他にも見たいと思ったのですが、あまり映画の出演作がありません。イギリスのドラマに出演しているようなのであまり見られる機会がなくて残念。

そんなお父さんへの腹いせかお母さんも歳の若いリンカーンアレキサンダースカルスガルドと結婚した。こっちでもお母さんがツアーに出ている間メイジーの面倒を見ているのはリンカーンだ。アレキサンダースカルスゲルドって顔はお父さん(ステラン)に似ていて男前ってわけじゃないけど、佇まいがとても素敵な役者さんですね。

メイジーはお父さんとお母さんに翻弄されて、2人の間を行ったり来たりさせられる。ただでさえ、ベビーシッターと旦那がデキてしまってイラついているお母さんなのに、メイジーが優しいリンカーンと仲良くなったことで、お母さんは2人の関係にも嫉妬し始めてしまう。メイジーは両親のケンカもお母さんとリンカーンの言い合いも全部見ている。たった6歳だから、すべてを理解していたわけではないんだろうけど、でも全部見ていた。

お母さんもお父さんもねー、悪い人ではない。無責任には違いないけどね。メイジーのことはとても愛している。でも、決定的に子育てに向かない人たちだったのかも。お母さんは口は悪いし、お父さんは仕事優先だし。でも、メイジーにはマーゴとリンカーンがいた。とても優しい2人。メイジーとは血のつながりはないけれど、精神的には実の両親よりずっと深くつながっていくのかもしれない。

メイジーの面倒を見ながら、マーゴとリンカーンが惹かれていくのは当然の成り行きに思えました。いやもう、さっさとくっついちゃいなよ、って思いました。見た目にも美しい2人で、キスシーンも自然で良かったな。まさにメイジーがつないだ縁でした。

マーゴとリンカーンに育ててもらえればメイジーにとっては幸せなんじゃないの?と思ってしまうのですが、そう簡単にいかないのが人間の心理と言いますか。実の両親に愛されてはいるけど、育ててはもらえないって、やっぱり単純に辛いことだろうと思うから。いくら両親ほどの愛を注いでくれるカップルがいたとしてもそれで万事OKという話ではないよね。それでも、やっぱりメイジーにはマーゴとリンカーンがいて良かった。最後のシーンでお母さんがマーゴとリンカーンの2人と一緒にいたがっているメイジーにキレるのかと思ってドキドキしていたら、ちゃんとメイジーの気持ちを尊重して一歩引いたのにはほっとした。まぁ、お母さんもメイジーの面倒を見てくれる人がいて、渡りに船だったのかもしれないけど、面倒を見られないのに愛情という名の鎖で縛ってくるほどひどい親でもなかったので最低限ほっとした。

メイジーを演じるオナタアプリールちゃんがめちゃくちゃ可愛いです。

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マダムフローレンス!~夢見るふたり

2016-12-21 | シネマ ま行

音痴なのにカーネギーホールでコンサートをしたフローレンスフォスタージェンキンスメリルストリープのお話。お話自体も面白そうだったのですが、ワタクシの目当てはメリルでもフローレンスの夫シンクレアを演じたヒューグラントでもなく、ピアノ伴走者コズメマクムーンを演じたサイモンヘルバーグでした。あまり日本では知られていないと思うのですが、「ビッグバンセオリー」というドラマで活躍を見せている役者さんです。「ビッグバンセオリー」では頭は良いんだけど、マザコンでオタクのちょっと気持ち悪いエンジニアを演じている彼ですが、今回は小さい時から習っていたピアノの腕前を見せてくれるとのことで楽しみにしていました。サイモンヘルバーグは脇役としてすごく光っていて主役の2人の次に重要な物語の要ともなる役で、ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされたことが先日発表されましたね。

そして、もちろん、いつものごとくメリルストリープは素晴らしかった。これまで映画の中で歌うメリルを見たことがある方ならお分かりかと思いますが、彼女は歌が上手です。そんな彼女が音痴の役を演じるのは逆に難しかったんじゃないかなと思いますが、彼女のことですから、その辺りはもう何の問題もないのでしょう。そして、歌うシーン以外でもマダムフローレンスのキャラクターを存分にワタクシたち観客によおく分かるように演じてくれる。

そのマダムフローレンスを支える夫にヒューグラント。え?ちょっと若過ぎない?と思ったんですが、実際フローレンスより7歳年下の旦那さんだったそうです。メリルとヒューは11歳差なので、ちょっと若過ぎない?という感覚はおかしくはなかったんでしょうけど、老けメイクで見ている分には特に違和感はありませんでした。ヒューのキャラクター的にこのシンクレアという男性にとてもよく合っていたと思います。

このマダムフローレンスという人は父親からの財産を引き継いでニューヨークの社交界で有名だった人のようで、そのおかげで批評を書くライターを夫が買収したりとか、小さいリサイタルの時はフローレンスをヨイショするような(彼女の歌を聞いても笑わない)客ばかりを集めたりとかできたんですよね。結局はカーネギーホールのコンサートだってお金持ちだからできたわけで…その辺りがちょっとなんだかなと思わずにはいられなかったけど、マダムフローレンスの人柄を考えるとそんなに彼女のことを悪く言う人もいなかったっぽいですけどね。(それすらもお金持ちだったからか?と勘ぐることもできるんですが)

マダムフローレンスが自分が音痴だと気付かないようにシンクレアが一所懸命にあらゆるところに手を回すのだけど、それって本当に彼女にとって幸せなこと?真実を知ったほうが良いのでは?と思ったりもしたんだけど、マダムフローレンスにとってはどうだったのかなぁ。実際彼女が実は気付いているのかどうかってところがよく分からなかった。シンクレアにしても最初の結婚で夫に初夜に梅毒うつされていつ死んでもおかしくない状態のマダムフローレンスに夢を見させてあげたいという気持ちがあったから、あそこまでのことをしてあげたのかもしれません。

マダムフローレンスが梅毒で夫婦関係を持てないことからシンクレアには公認の愛人・キャサリンレベッカファーガソンがいたことに関してはそれぞれ賛否あると思うのだけど、マダムフローレンスもこればっかりは仕方ないと思って諦めていたのでしょうね。2人が住むマンションのお金もマダムフローレンスが支払っていたようだし、、、要するにシンクレアはヒモ的な人だったのだろうけど、それでもやっぱりマダムフローレンスにはかけがえのない人だったのでしょうね。

愛人キャサリンを演じたレベッカファーガソンてキレイな人だなぁと思ったら、こないだ「ガールオンザトレイン」で見たばかりだった。あの時は金髪だったので気付きませんでした。

なんだか色々ともやっとする部分のある作品ではあったのですが、メリルとヒューの絶妙な演技を見られたことはとても良かったと思います。

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ミケランジェロプロジェクト

2016-05-27 | シネマ ま行

公開が延期されたりしてゴタゴタしていたイメージの作品でした。やっと公開されたときには見逃してしまい、やっとレンタルで見ることができました。

ジョージクルーニーが製作、脚本、監督、主演した作品で、彼のお友達役者たちが集合しています。

ナチスがヨーロッパ中の美術品を略奪していた第二次世界大戦時、ハーバード大学付属美術館の館長フランクストークス(クルーニー)は美術品や歴史的建造物を守るための部隊モニュメンツメンを集めて戦地へ赴く。美術修復の専門家、建築家、鑑定士など戦争とはほど遠いメンバーが集結しアートを救いにヨーロッパに旅立つ。

ジョージクルーニーはレトロな時代感覚を持った人で、第二次大戦という時代というよりも、大戦が映画化されていた時代っぽい雰囲気と言ったら分かってもらえるでしょうか。昨今のシリアスでリアルな戦争映画ではなくて、1950年代ごろに作られたような少しコミカルに大戦を描いている時期の戦争映画、ベトナム戦争以前のアメリカが作っていた映画っぽい雰囲気の作品です。

コミカルとは言ってもやはりそこは戦争映画。仲間のうちドナルドジェフリーズヒューボネヴィルとジャンクロードクレモンジャンデュジャルダンが戦死してしまうシーンは辛いものがありました。

人が殺し合っているときに美術品や建造物を守るとは何事か!と将校に憤慨されるシーンがあり、その主張はごもっともだとは思うのですが、フランクトークスが主張するように人類が築いてきた芸術を破壊する行為というのはやはり人間を人間たらしめている部分(英語ではよくhumanityと表現されると思います)そのものを殺す行為だと思います。美術品を守ることなんて大切だとは思わないという方はこの作品には反感を覚えるかも。

ヒトラーは自身が画家志望だったこともあり、美術品への執着があってヒトラー美術館を作ろうとしていたみたいだけど、形勢が悪くなると結局自分が死んだら全部全部燃やしてしまえなんていう命令を出したりして、結局彼にとって美術品なんて真に大切なわけではなく自身の支配欲を満たす道具でしかなかったんでしょうね。(このネロ指令は美術品だけを破壊しろいう命令ではなくドイツの産業、インフラなどすべてを破壊しろという命令でした)

いまでもナチスが奪った美術品が裏取引されていた、なんていうニュースを聞くことがありますね。最近「黄金のアデーレ」という映画もありましたが、美術品って、つまるところ誰のもの?っていう疑問が湧きます。

映画から話がそれてしまいました。ジョージクルーニーは美術館館長の姿よりどうしても軍服が似合ってしまって、まるで百戦錬磨の将校に見えてしまうのが、この作品にはそぐわなかったです。ジョングッドマンビルマーレイボブバラバンというベテラン役者たちがとっても良い味を出していました。とぼけた雰囲気を出しつつ一転シリアスにもなれるのがさすがでした。マットデイモンケイトブランシェットも勝手知ったるクルーニー監督の下で気楽に参加できたんじゃないでしょうか。

最初に書いたように、ジョージクルーニーらしいレトロでコミカルな作品ですので、彼の作風がお好きな方にはオススメです。

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めぐり逢わせのお弁当

2016-03-29 | シネマ ま行

インドにはダッバーワーラーという弁当配達人がいて、ランチタイムになると家族が作ったお弁当や食堂に頼んでいる人のお弁当を配るシステムがあるらしい。日本みたいに朝持ってけばええやんとか食堂に食べに行けばええやんとか思うのだけど、どうやらそういうシステムではないらしく、午前中に弁当配達人が自宅の家族からお弁当を受け取って一人一人に届けてくれる。そして、またその勤め人が空の弁当箱を持って帰るのではなくて弁当配達人が勤め人より先に空の弁当箱を自宅に届けるという。なんだか摩訶不思議なシステムなのだけど、劇中でも言っていたようにハーバード大学の研究によると絶妙な誤配は600万分の1ということらしいのだが、この作品ではその誤配が2人の男女の運命を左右することになる。

夫との関係がうまくいっていないイラニムラトカウルは一所懸命美味しいお弁当を作り、夫の気を引こうとしている。ある日同じアパートの上に住むおばのレシピで美味しいお弁当を届けてもらったところ、夫は帰ってきて「ブロッコリーが美味しかった」と言った。ブロッコリーなどいれていない。お弁当は違う人の元へ届いているらしい。

一方早期退職を控えたサージャンイルファンカーンは妻を亡くし独身のため食堂にお弁当の配達を頼んでいた。ある日とても美味しいお弁当だったので食堂のコックに「今日のお弁当はとても美味しかったよ」と伝えたが、それは実はイラが作ったお弁当だった。

お弁当が別の人に届いていると考えたイラは翌日お弁当に手紙を入れてみた。そこからイラとサージャンの文通が始まる。

2人の文通は徐々にプライベートは話に及び、イラは夫とうまくいっていないこと、父親の病気のこと、上に住む叔母が寝たきりの叔父の面倒を見ていることなどを書き始める。それについてサージャンは年上の男性らしくちょっとしたアドバイスをしていたりしたが、サージャンも少しずつ亡くなった奥さんのことや独りの生活の話をし始める。

そのやりとりが単調なようでいて、退屈には感じない。サージャンは「現代人は忙しくなりすぎて心の余裕がなくなっている」とか言っていてどこも経済的に成長をする国では同じようなことが言われているのだなぁと感じた。夫に相手にされないイラと妻を亡くして寂しい生活を送っているサージャンが手紙を通してセラピーのようにお互いを癒していく。

一方手紙のやりとりの話だけでなく、イラと叔母さんのやりとりやサージャンとなんだか頓珍漢な会社の新人シャイクナワーズッディーンシッディーキーのやりとりは少しユーモラスに語られる。手紙でのセラピー的なものを通して現実世界での2人にもなんとなく変化が表れていく姿がうまく表現されている。

何度も手紙をやりとりし、ついにイラはサージャンに一度会いましょうと誘う。待ち合わせのカフェにまでは行ったものの若くて美しいイラを見て、こんな老いぼれが会いに行くべきでないと考え消えるサージャン。

その後病気の父親が亡くなり、何かが吹っ切れたのかサージャンの仕事場まで会いに行くイラだったが、サージャンはすでに退職したあとだった。イラはブータンに旅立つ決心をしており、サージャンはそのころ間違えてお弁当を運んでいた配達人にイラの住所を聞きやはりイラに会いに行こうとしていた。というところでエンドロール。ワタクシはイラは1人でブータンに旅立ったものと考えていたのだけど、サージャンと一緒に行ったとか、イラはブータンではなく自殺しようとしていた、とか、それをサージャンが止めたとか解釈は色々とあるようです。みなまで語らない終わり方だったので、解釈は人それぞれで良いのだと思います。

映画的に残念なのはイラの絶品という料理がまったく映らないこと。徹底して映らないのでリテーシュバトラ監督の意図があってのことだと思うのですが、インド料理のスパイスが香って来そうな映像があればもう少し明るい雰囲気の作品になったかなぁと。そうなるのがイヤだったのかな。

ダッバーワーラーを始めとして、通勤電車の様子やサージャンの仕事場の様子、電車の中で野菜を切る新人君などインド文化に触れられる作品でもありました。

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マネーショート~華麗なる大逆転

2016-03-08 | シネマ ま行

はい。すみません。正直に言います。何がどうなってるのかさっぱり分かりませんでした。

キャストに魅かれて見に行きました。クリスチャンベールライアンゴスリングブラッドピットってめっちゃ見たいやん。

内容はリーマンショックだ、証券だ、債券だってワタクシの一番苦手な経済の話、、、ということは知っていたんですが、「ウォール街」も「ウルフオブウォールストリート」も「キャピタリズム~マネーは踊る」も分からんなりになんとかついていけたし、大丈夫だろうとタカをくくって行きました。

そうしたら。もう。ごめん。全然分からーーーん。でした。

もうしょうがないので好きなキャストの演技を楽しもうと思いながら見ていました。それプラス登場人物たちがいきなりカメラ目線になって本音を語るところや、筋とは関係のない有名人を突然登場させて金融業界のからくりを説明させたり(有名人と言ってもワタクシはセリーナゴメスしか知りませんでしたが)というような演出の楽しさはありました。

予告でちらっと映っていた「アメリカンホラーストーリー」のフィンウィットロックが思っていたより出番が多く嬉しかったです。プラピは顔のシワが気になってボトックスとかしてるって言われているからこの作品のようにずっとヒゲ面でいたらいいんじゃないかなぁ。ライアンゴスリングは男前が台無しの変な髪型でちょいと残念。クリチャンベール、ブラピ、ゴスリングは実質絡まないのでそれも残念でしたね。

すみません。見ている最中理解できてなかったので、これくらいしか書くことがない。。。

映画を見終わってから、このお話のからくりを必死でググりました。それでなんとかやっと理解。ふぅ。経済に強くない方はぜひ下調べしてから見に行かれることをオススメします。ワタクシがちゃんと理解できなかっただけで映画自体は決してつまらないということはありません。いやむしろとても面白いと思いますって全然分からんかったワタクシが言っても映画に登場するスタンダードアンドプアーズの格付けくらい信ぴょう性ないかもしれませんが。。。

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マダムインニューヨーク

2016-01-28 | シネマ ま行

インドのお金持ちの家っぽい家庭の主婦シャシシュリデヴィは英語が話せないことで思春期の娘にはいつも馬鹿にされ、夫サティシュアディルフセインはシャシはお菓子焼いて料理するために生まれてきたんだと言われ落ち込んでいた。そんな彼女がニューヨークに住む姪が結婚することになり、姉一家の結婚式の準備を手伝うために単身ニューヨークに行くことになる。

シャシはニューヨークのカフェで不親切な店員にバカにされ、「4週間で英語が話せる」というバスの広告を見て、こっそり英会話学校に通うことにする。このカフェの店員がすんげームカつくんだけど、ニューヨークってあんな感じかも。いや、もちろん親切な人もいるだろうけど、みんな結構時間に追われてるから自分たちのペースを乱す人には厳しいかもしれない。

シャシの通う英会話学校には魅力的なフランス男ローランメーディネブーの他に中南米、アジア、アフリカと色んな国から生徒が集まっていた。みんな英語のレベルはシャシと似たり寄ったりで、そんな中でも一所懸命にコミュニケーションを取ろうとする姿や、ついつい自国の言語を話してしまうところなど、昔カナダに語学留学していたワタクシはとても懐かしい気持ちで見ていた。シャシたちの先生がゲイでちょっとクネクネした感じですごく可愛らしかった。それだけじゃなくて、彼は英語の教師として優秀だったからシャシたちも楽しく学びながら上達していく。

だいたい英語のネイティヴじゃない人たちが登場する作品って、いやいやいやそんな短期間でそこまで喋れるようにはならんやろうと突っ込みたくなるほど、すぐにベラベラになっちゃったりするもんですが、この作品ではシャシやクラスメイトたちが不自然に急成長するわけじゃないところがリアルで好感が持てました。

物語の本質としては、シャシの英語力がどうのこうのということではなく、自尊心を失っていたインドの主婦がそれを取り戻していくということ。英語を話せるようになったことで娘を見返してやるということもあったけど、同じインド人でもニューヨークで生まれ育った姪っ子ラーダプリヤアーナンドのアメリカナイズされた自由な思想がシャシにも影響していった。

フランス男ローランに告白されちゃったりなんかもしてねぇ。もうそっち行っちゃえ!とか思ったけど、もちろんそんなことはなく…

でも夫サティシュに不満をぶちまけるとかそういうことではなく、一緒に出席した姪の結婚式でのスピーチで「夫婦とは対等に尊重し合える仲であること」と言ってさりげなくサティシュに気付かせるというのが、欧米のストレートなやり方とは違ってまた良かったですね。

ワタクシはインド映画の歌って踊ってというのが苦手で普段はインド映画は見ないのですが、これは全然毛色の違う作品でした。また主役のシュリデヴィがめちゃくちゃキレイなんですよー。彼女が着るサリーもとっても美しいし。ハートウォーミングでチャーミングなお話でした。

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マイインターン

2015-11-12 | シネマ ま行

ジュールスアンハサウェイはファッションサイトを運営するCEO。この度会社で社会貢献のためシニアインターンを雇うことになる。そこへ応募してきたのはベンロバートデニーロ。定年し、妻に先立たれ、毎日習い事などで暇をつぶしていたところにシニアインターンの募集を見つけ面接に来て採用される。

ジュールスは右腕の社員からシニアインターンのうち一人をCEO付の助手にするよう進言され、ベンを助手にする。最初はベンの存在を疎ましく感じていたジュールスだったが、徐々にベンの人柄に打ち解けていく。

このベンというおじいちゃんがもうなんて言うか完璧過ぎ。誠実で優しくて優秀でそれでいて冗談も分かる。いくら歳を重ねてるからってこんな良い人滅多にいないよ。若い人とのギャップも素直に受け入れて勉強しようとするし、アドバイスはくれるけど押しつけがましい説教はしたりしない。いつも温かい笑顔でこんな人がいたら絶対にお友達になりたい。それをあのロバートデニーロが演じるんだからね~。マフィアのボスやサイコ殺人鬼、凄腕の刑事を演じてきたデニーロ。もちろん普通のお父さんの役やコメディにも出てるから怖い役ばっかりじゃないけど、このベンはデニーロ史上最高に良い人の役じゃないかな。

古いタイプの紳士ベンのキャラクターがとても素敵で、若い男性社員に「常にハンカチは持ち歩け。泣いている女性に貸すために」なぁんて何時代?みたいなことを言っちゃうんだけど、それが現代女性には新鮮で逆にキュンと来るのかもしれませんね。

一方のアンハサウェイは絵に描いたような優等生ちゃん。大きな瞳が可愛らしくて笑顔が素敵で味方してあげたくなるんだけどねーーーー。これが、ハサヘイターと一時期アメリカで流行した“アンハサウェイを嫌う人たち”を生んだ一因なのかなーと思ったりもしました。ハサヘイターの人たちはとにかく彼女はわざとらしいとかジョークが寒いとかそういうことで彼女を嫌っていたみたいなんだけど、要するに優等生過ぎるのかなーと。

この作品の彼女もハサヘイターの人たちにはもう我慢ならない役どころかも。だってジュールスはできたCEOで、旦那さんは彼女の仕事のために専業主夫になってくれて可愛い娘がいて、落ち込んだときはベンが慰めてくれて、旦那が浮気してざまぁみろと思ったらすぐに心から反省して戻って来てくれるんだから。ま、彼女のことが嫌いなら見るべきではないですね。

とにかく何もかもうまく行き過ぎじゃないの?と思えるところはあるものの、デニーロもアンも魅力的で楽しかった。

ジュールスが母親の悪口メールを間違って母親に送ってしまったときに、ベンと他若い3人の社員で母親の家まで行ってPCからメールを削除するシーンはさすがにちょっとやり過ぎだと思ったけど、ベンと若い社員たちの交流などで笑える会話がたくさんあって楽しいし、ジュールスが抱える働く母親としてのフラストレーションや夫婦の危機にはちょっとほろっときたりもしました。

ベンのアドバイスのおかげで自分の行くべき道を見出すことができたジュールスが、「私のインターンで親友よ」と言うシーンがとても良かったのに、「変な関係になることはないわ」と言わせたのは非常に余計なひとことだと思いました。ベンにはちゃんと恋人レネルッソがいたし、そうでなくとも一度もジュールスのことを変な目で見たり変な態度をしたことなどなかったのに、その彼にそんなことを言うなんて失礼じゃないの?と感じて嫌な気持ちになった。最後の最後にあのセリフさえなかったら満点作品だったのだけどな。

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