シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ハングオーバー!~消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

2010-09-30 | シネマ は行
アメリカ歴代コメディ映画史上最高の興行収入をたたき出した作品ということで、少し前にミニシアター系で公開されていたときに見に行きたかったんですが、時間が合わず行けなくて悔しく思っていたところ、今回シネコンで再上映となったので見に行って来ました。

見に行って良かった~。めっちゃおもろかったー。

もう、どこがどうおもろかったか忘れるくらい全部おもろかった。ワタクシが見に行った回はたまたまだったのか、周りの観客も遠慮なく笑うタイプの人が多かったので、会場が一体となった感じで大ウケしてました。

よくあるベガスでのバチェラーパーティ。男どもは独身最後を祝ってハメを外します。結婚式をあさってに控えたダグジャスティンバーサ、親友で小学校の教師で妻子持ちのフィルブラッドリークーパー、歯医者で恋人レイチェルハリスの尻に敷かれているステュエドヘルムズ。この3人だけで行っていたら、まぁそこそこハメは外したけど、バチェラーパーティということで許される程度のもので済んでいただろうに、よりにもよってダグの義理の弟になるアランザックガリフィナーキスを連れて行っちゃったもんだから、こんなことになっちゃったんだよねー。

このアランのキャラが超意味不明!!!ダグの婚約者の家族ってマトモそうなのに、アランだけは完全にブラックシープ。なんか小学校には接近禁止令が出てるって言うし(何やったん!?)、変なパンツ履いてるし、とにかくやることなすこと全部変!それでいて、なんか妙に自信満々でちょっとエラそうにしてるところが、なんか調子狂うなぁって感じで、周囲をとにかくへーんな空気にするヤツ。

この4人がベガスのホテルについて、一杯目の乾杯をしたまでは良かったんだけど、翌日目覚めてみると、昨夜の記憶はゼロ、ホテルの部屋はぐちゃぐちゃダグとダグのベッドのマットレスは消えていて、ステュの前歯が一本ないし、フィルは病院に行ったタグが手首についていて、部屋ではニワトリがうろついているし、バスルームにはなんとトラ別の部屋には赤ん坊一体何があったのか、観客には何も分からない、どころかフィル、ステュ、アランの3人も何にも分からない、という状況。ここから、3人の昨夜を辿るハチャメチャな旅が始まる。

もう乗っけからとにかくドタバタで。ステュは見ず知らずの女性ヘザーグラハムと結婚しちゃってるわ、マフィアに襲われるわ、知らんうちにパトカーをパクってるわ。もうハチャメチャとかメチャクチャとかドタバタとか言うしかないっつー感じで、次から次にワケ分からん状態でおもろいことの波状攻撃なのですよ!これ、メチャクチャですけど、プロットを考えたジョンルーカススコットムーアは相当頭良いんでしょうね。そうじゃなきゃこんなメチャクチャなお話操れないもんな。それと、ここでマイクタイソンを出そうっていう発想力ももの凄い。やっぱマイクタイソンってアメリカじゃ、いつまで経ってもスーパースターなんだろうなぁ。

こういうタイプの作品にはありがちなことですが、後半のほうはちょっとダレ気味になりますけど、3人がダグとめでたく再会できてから、最後にかけてまた盛り返してきて、ハッピーエンドで言うことなしでした。

これを見に行きたかったのは、面白そうっていうのもあったけど、最近注目しているミスターセクシー、ブラッドリークーパーが出ているからというのもあったんですが、彼はやっぱりどんなにヨレヨレになっても男前でした。なんだかんだ言いながら妻子を大切にしている雰囲気が最後に出てて良かったです。ステュは、フィルとダグの親友にしてはダサくない?って思ってたんですが、普段真面目に抑制しているからでしょうかねぇ、ドラッグでぶっ飛んだときのはじけっぷりが一番激しくて笑わしてくれました。なんか幸せ掴んだみたいだし、結果オーライ。

まぁ、しかし何と言ってもアランを演じたザックガリフィナーキスでしょうね。(スゴイ名前やな。ギリシャ系?)彼はこの作品の後、全米でも大注目のコメディアンになったみたいですね。彼の笑いってどうなんでしょうねぇ。この映画では良かったですけど、普通にスタンダップコメディとかで見たら、なんかよう分からん笑いなのかもと思ったり。このアランは凄かったけどねー。後半意外な才能も発揮しちゃったりなんかして。

結局アンタらその晩何してハメ外したの?っていうのはエンドロールの写真で一気に分かるんですが、ワタクシはなぜフィルが病院に行くことになったのか、見逃したのかなぁ?分かんなかった。あと、あのニワトリはどっから来た!?それも含めて笑いのポイントもいっぱいあるので、もう一回見たい!いや一回と言わず、何回でも見たくなる作品だったよー。

20世紀少年‐最終章‐ぼくらの旗

2010-09-28 | シネマ な行
3週連続放送やってましたね。それで見終わっていたのに記事にするのを忘れてました。って、忘れる程度かいっ!と言われればそれまでなんですが、これは3部作ですし、記事も全部書いておこうかなと。

ぶっちゃけ原作がね、ともだち歴からはもうダレた感ありましたから、ワタクシはもとから3作目はあんまりかなーと思っていて。でも、原作と違う結末!って言ってたからそれならそれで逆に期待できるかもって思いました。

小泉響子木南晴夏の登場シーンが極端に少なかったのが残念だったなぁ。彼女は原作のキャラが一番実写にするときに心配だったキャラなんですが、その不安を見事に裏切って、逆に一番原作のキャラそのままのイメージで登場したから、最終章でももっと彼女の活躍を見たかった。

原作の感想でも書いたんですが、復活してからのケンヂ唐沢寿明をもう少し魅力的な人物として描いてほしかったなぁと思います。待ちに待ったケンヂの登場のはずなのに、なんかがっかり感のほうが大きくて。結局お前何しとってん!?みたいな。

原作のコンチは漫画の顔が好きじゃなくてイマイチだったんですが、山寺宏一が演じたコンチは良かったな。原作に似ているのになぜか良かった。彼をコンチにキャスティングするのって結構意外だと思うんですが、演技がうまいせいか違和感なかったです。

オッチョ豊川悦司がヨシツネ香川照之を疑うというところで「ともだちは実はヨシツネか!?」と観客に思わせるようになってましたね。これは確か原作ではなかったシークエンスだと思います。もし原作を読んでいなかったら「えーっ!ヨシツネー???」ってビックリしていたと思います。でも、ほんとにこれでともだちはヨシツネっていう結論だったとしてもまた面白かったかも。

ともだちは誰か?という疑問に対する答えに関しては、最終形の答えは原作と同じですが、過程がまるっきり違いますね。ワタクシは映画の結末のほうが好きかも。好きというか、映画のほうが納得ができるんです。原作ではフクベエ佐々木蔵之介が死んで、その後カツマタくんが継いだって形になっていたけど、映画ではそもそもフクベエは存在せず、ケンヂたちが勘違いしていただけで、あれはカツマタくんだったっていうことなんだよね。小学校のときにフクベエが死んで、それを忘れてるっていうのもどうよ?っていう気はするけど、それはこの結論に持っていくための苦しい作戦ってことで仕方ないかなと。いや、そこんとこ「仕方ない」って言っちゃいけないんだろうけど、ワタクシは原作のカツマタくんの突然の登場が気に入らなかったので。

エンドロールが終わってからのシーンはケンヂを納得させてやるためには必要だったと思います。あれで、ケンヂもすっきりしたんではないかと。あれは「過去」ではなくて「仮想現実」だから、あれで未来が変わるわけではないんだろうけど、ケンヂの懺悔ということで観客が証人となって受け入れてあげればいいんじゃないかなぁと思いました。

20世紀少年シリーズの記事
「20世紀少年」
「20世紀少年‐第2章‐最後の希望」
「20世紀少年(原作本)」

バイオハザード

2010-09-27 | シネマ は行
「IV」の記事を書いていて気付いたんですが、ワタクシ「I」については記事を書いていなかったようです。2001年の作品ですから、ブログを始める前に見た作品で取り上げていなかったらしいです。こないだTV放映があってまた見直したので、あらためて「I」の記事を書きたいと思います。

いま振り返ってみると、やっぱミラジョヴォヴィッチが若いですねー。当たり前ですが。ミラはいまでも十分キレイけど。あとはやっぱ「I」が一番面白いかなぁ。当然のことながら、観客はこのシリーズのアンデッドを初めて見るわけだし、ケルベロス(アンデッド犬)も衝撃でした。ワタクシは敵の中ではこのケルベロスが一番好きです。

全員が戦闘服の中ミラ一人だけがアンバランスな真っ赤なドレスを着さされていて、その意図は不明なんだけど、それがまたセクシーで良かったです。I~IVまで、すべて作品の背景によって衣装の感じが違うんだけど、どれもすごくカッコいいですよね。ワタクシは特に「III」の衣装が好きです。

シリーズをあらためて見直してみて初めて気づいたんですが、アリスって優しいんですよね。こういう強いヒロインの場合、優しさを見せるところって弱さを見せるような感じで敬遠されがちだし、言葉もキツめのヒロインが多いと思うんですが、アリスは元々の性格の設定がキツイ女性ではないのかな。特殊部隊のレインミシェルロドリゲスが発病しかけているときにかけてあげる言葉や、マットエリックメビウスに見せる顔にアリスの優しさがにじみ出ていて、それはこのシリーズを通してずっと表現されていると思います。「IV」でも「お前は仲間を連れてくると思っていた」って言われてましたよね。アリスって孤高の人であると同時に仲間を大切にするヒロインでもありますね。と、言ってもゲームではアリスという人物そのものが登場しないキャラなんですね。ワタクシは映画のほうしか知らないので何の思い入れもないですが、ゲームから入った人はどういう感想を持ったんでしょうか?このシリーズが成功しているということはおおむね良好な反応なのかな?

ゲームを知らないとすると、「I」では観客も何が起こっているのか分からない部分が多いのでそのドキドキ感というのもシリーズ一番ではないでしょうか。途中、アリスが黒幕か?と疑うようなシーンも挿入されていて、謎が解ける気持ちよさもありました。

初めて見たときはあのラストが衝撃でした。「うおー、必死で戦って逃げたのに、外の世界もこれかよー」って。あの当時はいまのように続編ができるのが当たり前っていうほどではなかったから、あとはご想像にお任せします的なラストかと思っていたんだけど、「IV」ができるほどのシリーズになるとはあのとき思わなかったなぁ。

バイオハザードシリーズの記事
「バイオハザードII~アポカリプス」
「バイオハザードIII」

「バイオハザードIV~アフターライフ」

バイオハザードIV~アフターライフ

2010-09-24 | シネマ は行

ワタクシは3Dが嫌いなので今回も2Dでやっている館を探して見てまいりました。

このシリーズはミラジョヴォヴィッチが出ているから見ているようなもんなんですが、ストーリーは大したことなくてもやっぱりアリス(ミラ)がカッコ良くて嫌いになれない作品なのであります。今回もやっぱカッコ良かったのですよ!

「III」を見たときに「II」の内容を忘れていてちょっと分からないことがあったのが、残念だったので、今回はTV放映とレンタルでシリーズすべてを見直してから行くことにしました。

「III」のクレアアリラーターが出演しているのも楽しみでしたが、彼女が記憶喪失になっていたのはちょっと残念だったなぁ。アリスとの感動の再会を期待していたから。

今回やっと登場するクリスウェントワースミラーはゲームでは人気キャラということらしいのですが、ワタクシはゲームのほうは全然知らないので、クリスとクレアが兄妹という関係と言うことも映画で初めて知りました。

冒頭、中島美嘉が渋谷のスクランブル交差点で発病するんですが、あれは日本のマスコミで中島美嘉が出てるよって教えてもらってなければ、中島美嘉だと分からなかった。ミラとポールW.S.アンダーソン監督夫妻は揃って日本好きだから、あーゆーシーンになったのかな。

東京のアンブレラ社に侵入したアリスのクローンたちのアクションはカッコ良かったけど、ワタクシはやっぱり生身のアリスのほうがいいな。今回冒頭でアリスはTウィルスの抗体を打たれて普通の人間になっちゃいますけど、これに関しても生身のアリスが戻ってきて嬉しかった。例の変な能力で敵を倒しちゃうのってあんまりおもしろくないし。

サバイバーたちが立て籠もっていた刑務所での人々がもう少し生き残って欲しかったという気がしました。だからルーサーボリスコジョーが生き残ってくれたのは嬉しかった。

「III」ではもう少しクレアの活躍を見たかったなぁと思ったので、今回のシャワー室でのクレア対あのワケ分からんデカイ奴との戦いは超カッコ良かった。アリスと協力しての戦闘でワタクシは大満足でした。しかし、あのデカイ奴は何者?何の説明もなかったけど、ゲームやってる人たちにはお馴染みのキャラかなんかですかね。何の説明もなくゾンビたちも進化してたけど、あれもゲームに登場するの?それにしても西洋人って頭がパカッと開いてそっから口が出るってのが好きよねぇ。あ、でもカプコンは日本の会社やから考えたのは日本人か?

アリスの決め台詞として最初の「それがレディに対する扱い?」ってとこと最後にベネットキムコーツが銃を取ろうとしたときに言う"Don't even think about it."これは日本語では「やめな」とかしか訳しようがないと思うんですが、英語での決め台詞としてよくある表現で、ワタクシがすごく好きな表現です。あとは、アンブレラ社のヘリが爆発するところをクレアとクリスに見せようと走って行って「これを見せたかったのよ」って言うシーンかなぁ。あれは最初のシーンとリンクしてて基地が爆発するから逃げてるのかと思いきや、ヤツが爆発することを見せたかったっていうアリスがクール。

しかし、もはやなんでアリスとアンブレラ社が戦ってるのかもうよう分からん。アンブレラ社もしつこいよねー。なんかドンくさいし。あんなふうにアンデッドから逃げながらアリスを捜索するんやったら、アンデッド全員に抗体を打って治すほうが手っ取り早くないか?とか思ったりなんかして…

ストーリーとしてはしょうもないと言われても仕方ないかな。もうあとはコアなファンが残ればいいよってな感じになってきてますよね。Kマートスペンサーロックも助かってめでたしめでたしーって思ったらさー、またアンブレラ社が来ちゃうし。まだ全然終わらせる気ないよね。それにしてもあのヘリに乗ってたのはジルシエンナギロリーだったんだってねー。全然気づかなかった!見終わってから「あの人がジルとかやったら面白かったのになぁ」とか言ってたんですよー。あとでネットの情報で知りました。あれもゲームにはそういうシナリオであるらしいですね。「II」が終わってから「ジルはどうなったんやろう?なんで誰もジルがどうなったか触れないの?」って思ってたので、これからまたちょっと楽しみになってきました。でももう次くらいでは終わりにしてほしいかも~。

オマケ最初に3Dが嫌いと書きましたが、ワタクシの周辺では3Dは嫌いと言う人のほうが多いです。マスコミなどを見ていると、まるで全世界が諸手を挙げて3Dを歓迎しているかのような言いっぷりですが、なんか情報操作があるような気がしてなりません。ワタクシはこの3D流行りが一過性のものであればいいと思っています。もしくは、いまの2Dと同じ画面で3Dで見たい人だけメガネをかけたらそう見えるよっていう映像になればいいのになぁ。


十三人の刺客

2010-09-22 | シネマ さ行
試写会に行ってまいりました。同じ日に役所広司が大阪で舞台挨拶をしたようなんですが、ワタクシが入った会場は別のところでした。

ワタクシは時代劇に詳しくないので、これがリメイクだということを知りませんでした。1963年版はどんな感じなのかなぁ。

今回は三池崇史監督ということで、かなり現代風な感じでしたね。「スキヤキウエスタンジャンゴ」の日本時代劇版って感じでしょうか。まぁ、基本的に日本の娯楽時代劇って要するに西部劇と同じ感じだから、そうなるのは当然でしょう。こっちのほうがもっとシリアス感あるけどね。

将軍の弟で、来年から老中になることが決まっている暴君松平斉韶明石藩主稲垣吾郎(暴君というよりアタマオカシイのですよ、この人)を世の中のことを考えて、暗殺しようと江戸幕府の老中土井平幹二郎から密命を受けた島田新左衛門(役所)は11人の仲間を集め、参勤交代で明石藩へ戻る斉韶を狙う。その道中山で拾った木賀伊勢谷友介をくわえ13人で途中の宿場町を買い取り待ち伏せする。そこへやってくる斉韶の一行総勢300名。13vs300でどのような戦いを見せるのか。

13vs300でどのような戦いを見せるのかっていうのはもちろん一番の見どころなんですが、これが島田が予想したよりも相手の数が多かったために、「作戦」で勝つという展開にならなかったのが残念だったなぁ。あれだけ大掛かりにひとつの町を買い取るまでしたのだから、もっと仕掛けの計画を観客にも分かるように見せたほうが面白かったかも。

島田が倉永左平太松方弘樹の協力を得て、仲間を集めるところは最後の戦いのシーンの次に重要な見どころだと思うのだけど、どうしても13人もいると、下っ端の人たちが誰が誰か分からんっていう感じになってしまっていたのが残念だった。その後の道中で、高岡蒼甫とか石垣佑磨がいるのが分かって、浪岡一喜に関しては戦いのシーンで「あれ?この人、味方?」って感じでやっと認識しました。でも、13人の中でも目立つポジションにいた人たちはみんな一様にカッコ良かったな。沢村一樹とか伊原剛志とかね。伊原剛志はあんまり好きじゃないんだけど、役はカッコ良かった。あと意外だったのが古田新太だなぁ。見かけはまったくカッコ良くないんだけど、役の人柄がすごく魅力的だった。

平幹二郎と松方弘樹はさすがの貫録を感じたなぁ。それを追随する若手に山田孝之くんってとこかなぁ。彼は「ちゅらさん」で見たとき、こんなに良い役者さんになっていくとはまったく思わなかったなぁ。あのときは顔はカッコいいけど、線の細い子だなぁっていう印象だったんだけど、いまはあの身長とは思えないほどの存在感がありますね。今回も役所広司演じる島田の甥で最後にはホレイシオ的役割と考えていいのかな(?)重要な役どころでしたね。

会場は笑っていたけど、ワタクシはあの伊勢谷友介の笑いのパートはいらなかったな。あれを抜いて2時間以内に収めてほしかった。2時間20分はちょっと長すぎる。最後の戦闘シーンももうちょっと削ってもらってもいいですな。あれが見せ所っていうのは分かるんですが。テレビ放映サイズに編集されたらもっといい感じになるかも、なんて製作者側が聞いたらむっちゃ腹立つやろうなぁということを思ってしまいました。

戦争と人間

2010-09-17 | シネマ さ行

第一部「運命の序曲」194分 (1970)
第二部「愛と悲しみの山河」179分 (1971)
第三部「完結編」187分 (1973) 計9時間23分の超大作。

1931年の満州事変前夜から1939年のノモンハン事件までを描く。
登場人物は新興財閥伍代家と彼らを取り巻く人たち。

当時の日本映画界が総力を挙げて製作したと思われるメンバーが次々に出るわ出るわ。現代のワタクシたちが見ても「あ、アノ人!アノ人も!わっか~」とか言いながら見れてしまう。「中村勘三郎なんてまだ子供やし!吉永小百合浅岡ルリ子もめっちゃキレイ!三国連太郎、佐藤浩市よりずっとカッコ良かってんなぁ。山本圭はいまと変わらん!」と、ミーハー心に胸ときめかせつつ、内容は重厚で非常によくできた作品だった。

9時間23分は確かに超長いし、ワタクシも何回かに分けて見たんだけど、全然苦痛な時間ではなかったです。それどころか、すごく先が気になる物語でした。ただやっぱり登場人物が多いし、長丁場だしで、最後見終わってから「結局アノ人、最後どうなったんやったけ?」って思った人物が結構いるかも…

これが40年前に撮られたものとは思えないほど、映像はきれいだし戦闘シーンも迫力がある。ベッドシーンも遠慮気味とは言えちゃんとあるし、吉永小百合までベッドシーンしてるしリアルに表現しようという意気込みが感じられました。

歴史認識については40年前だから、現代とはちょっと異なる部分もあるとは思うけど、それも1970年代の日本の認識を知るにはとても参考になると思う。

そして、この作品が素晴らしいのは、ただ日本の近代史を語るだけではなく、そこに登場する人々の内面まで掘り下げられているということだ。彼らは富豪も貧乏人も時代に翻弄されつつ、自分たちの思うところに従って行動し、まさに“生きて”いる。そんなそれぞれのキャラクターが魅力的であるからこそ、9時間23分もの長丁場を見ていられたのだと思う。

地井武男井川比佐志が朝鮮人、山本学栗原小巻が中国人を演じていたりと、ちょっと不自然な部分もあるが、それは目をつぶって見るほうがいいかな。

第三部で日本が太平洋戦争に突っ込んで行く手前で完結となっているが、実は予算が続かず、第四部は製作できなかったということらしい。そのことは非常に惜しいと思う。彼らの行く末を第四部まで全部見たかった。

あー、それにしても北大路欣也が一番めちゃくちゃカッコ良かったなぁ。高橋英樹も端正な顔立ちだけど、やっぱり北大路欣也が一番カッコ良かった。いまではすっかりお父さん犬なのに…あ、でも彼はいまでも十分にカッコ良いですもんね。超渋くて好きな役者さんです。

それから女優さんで一番気になったのは北大路欣也演じる伍代俊介に恋する苫を演じていた夏純子さんという女優さんです。現在では結婚されて芸能界から遠ざかってらっしゃるようなんですが、ちょっとググってみるとかなりヒットするんですよね。昔の作品を知ったいまの人たちが色々と載せていて。やっぱり魅力のある人は時代を越えてって感じでしょうか。

多分、よっぽどの映画好きしか見ない作品だと思いますが、ワタクシは見て損はないと思います。


フェアウェル さらば、哀しみのスパイ

2010-09-16 | シネマ は行
ソ連を崩壊に追い込んだと言われるスパイ事件“フェアウェル事件”を基に作られた作品。

1980年代始め、KGBの幹部グリゴリエフ大佐エミールクストリッツァはフランスの国家保安局を通じて接触したモスクワ在住の家電メーカー技師ピエールギョームカネにKGBの重大な情報を流していた。

グリゴリエフ大佐はその地位を利用して西側と接触し、家族と共に亡命することができたのに、それを潔しとせず、危険を冒してスパイ活動をし続けた。スパイ活動と言えば、祖国を裏切ることに他ならないのだが、大佐は祖国を愛し、息子の未来を案じたからこそ、腐りかけた祖国を救うために西側に情報を流し続けたのだった。

ピエールはいち技師としてモスクワに在住していたが、上司が国家保安局とつながっていることからスパイ活動の手助けをするようになる。彼の妻アレクサンドラマリアララはそんな彼の行動に不安を感じ、反対していたが、ピエールは妻に隠れてスパイ活動を続けた。モスクワに住む西側諸国の人間ということで、ソ連の監視国家的なところをイヤと言うほど見てきているピエールは、スパイ活動に恐怖を感じ、妻に後ろめたさを感じながらもグリゴリエフ大佐の手助けは辞めなかった。

二人が接触を繰り返す中で、ピエールはグリゴリエフ大佐の祖国への思いを感じ、妻の反対を押し切ってでも協力し、グリゴリエフ大佐を助けたいと感じていったのだろう。

あと、数年の時間が経っていたら、グリゴリエフ大佐も哀しい運命をたどらずに済んだのだが…大佐も「ゴルバチョフなら理解してくれる」と言っていたのが余計哀しかった。

結局のところ、スパイを利用するだけ利用して自分たちに都合の良いようにしか扱わないアメリカCIAがグリゴリエフ大佐を殺したようなもんだよなぁ。当然彼はそれくらい覚悟の上だったと思うけど。

このグリゴリエフ大佐の話としては非常に興味深いのだけど、実際のところ映画としてはちょっと退屈だったかな。話のスピードがとても遅いし、ソ連の腐りっぷりっていうのがイマイチ分からない状態なので、(歴史的事実としては知っていても、映画の中では表現されていない)最初ちょっと入り込みにくい部分がありました。
ピエールも家電技師というけれど、全然仕事してる姿がなくって、家電技師と偽った本物のスパイ?と思っちゃいましたが、そうじゃなくて本当に素人だったんですよね?そういうとこちょっと分かりにくかったな。上映時間113分なのに、ちょっと長く感じた。

映画ファンとしてはフィニーCIA長官にウィレムデフォー、レーガン大統領に(つけっ鼻で!)フレッドウォード、そして潜入スパイ役として本当にチョイ役でダイアンクルーガーが出演していたのが嬉しい驚きだった。

サマーウォーズ

2010-09-14 | シネマ さ行

昨年公開時に結構おもしろそうだなぁと思っていたので、今回テレビ放映を見てみました。

数学オリンピックにあと一歩で日本代表に選ばれるほど数学に強い小磯健二神木隆之介は憧れの夏希先輩桜庭みなみに頼まれて一緒に先輩の田舎へ帰る。そこで待っていた大勢の親戚の前で婚約者のふりをするよう頼まれる。

そんな時健二が(結局健二が原因じゃないとあとで分かるんだけど)ネット上の仮想都市OZの暗号を解いてしまったがために起きる大混乱とこの大家族プラス健二で戦うことになるのだけど、夏希先輩の大家族の紹介が一瞬過ぎて全然誰が誰か分からない。でもまぁ、これは健二が主役で健二目線で考えれば当然と言えば当然かなと。ワタクシのところもわりと大家族なので分かるのですが、全員の関係性なんていっぺんに覚えようったってどだい無理な話です。新しく来たお嫁さんとかお婿さんとかはいつも苦労してますもん。親戚の間でも、遠い人までいつも宴会に参加していたりして、毎回関係性を聞いても忘れちゃったりするくらいですから。

ちょっと話がズレちゃいました。仮想都市OZのところの映像は非常に美しかったですね~。ちょっとびっくりしちゃいました。あれを大きなスクリーンで見ていたらもっと綺麗だっただろうな。

アニメの声のキャストを有名人がやるのはワタクシはそんなに嫌いではありません。その人がうまければ声優でも俳優でも芸人でも誰でもいいです。今回は佳主馬(かずま)役の谷村美月がすごくうまかったと思います。キャストのスーパーが出たときに彼女が出演しているのは知っていたのですが、どの役をやったのかを知らなかったので佳主馬だと知ったときはビックリしました。全然気づかんかった。やっぱ彼女ってうまいですよね。

ネット上の仮想都市と田舎の大家族との戦いということで、「ザ・21世紀ザ・昭和」ってとこですかね。それでもアナログ側に相当デジタルの知識や技がないと勝てない感じでしたけど。ただ、結局最後は大切なのはコミュニケーションだよねってとこですかね。やっぱり最後にドイツの彼がアカウントを差し出してくれたときは感動したもんな。

現代はコミュニケーションが希薄とか言われてますが、それをひっくり返してくれたところが良かったと思います。この“コミュニケーションが希薄”に関してもワタクシは「そうか?」と思う面はいっぱいありますがね。いまの若者ってなんでもメールで済ませちゃうとか言うけど、ワタクシたちが学生だったとき、単にそんなツールがなかっただけで、もしあればバンバン使ってたでしょ。ワタクシたちだって、放課後だべって、家帰ってまた友達に電話してってしてたしなぁ。ただ便利なもんができただけでそんなに変わらん気がする。むしろメールのやり取りってワタクシたちが電話してたころより濃厚じゃないの?とさえ思えるときがあるんですけどねー。どーなんでしょ。

また話がズレましたな。最初佳主馬が女の子かと思って、ネットゲームに強いのが女の子っていう設定だったほうが面白かったなぁと思ったのですが、この女系家族に押され気味の男どもががんばったっちゅう話だったので、佳主馬が男の子じゃないと意味がなかったですね。

いっぱい「んな、アホな」と思うシーンとか「くさっ」と思うシーンはあるんですが、仮想都市の中の戦いが面白かったので許す。ワタクシは花札を知らないので、そこんとこはちょっと残念だったなぁ。「こいこい」の意味が分からなかったから。それにしても侘助(わびすけ)斎藤歩にはただただムカついた。


悪人

2010-09-08 | シネマ あ行
まずは、ふかっちゃん、モントリオール映画祭最優秀女優賞おめでとう

試写会に行ってまいりました。

出会い系で知り合った女性、石橋佳乃満島ひかりを殺してしまった男清水祐一妻夫木聡が新たに出会い系で知り合った馬込光代深津絵里と恋におち逃避行をする。

祐一はどうして佳乃を殺してしまったのか?彼は「悪人」なのか?

佳乃をドライブ途中に山中で車から蹴り落とした大学生増尾圭吾岡田将生
出会い系で売春まがいのことをしていた佳乃。
佳乃を殺した祐一。
祐一に恋し、出頭ではなく逃げることを薦めた光代。
祐一を捨てた母親依子余貴美子
殺された佳乃は何も悪くないと信じる父親柄本明
祐一は優しい子と信じるばあちゃん樹木希林
ばあちゃんを騙す詐欺師松尾スズキ
ばあちゃんを執拗に追いかけるマスコミ。

この中で誰が一番悪人って、松尾スズキ。人相が一番悪いのは刑事役の塩見三省。という冗談はさておき。

素行のよろしくない女性が殺害されたニュースを見るたびに、「いやー、この子も悪いやろ…」と正直なとこ思ってしまう。「いやいや、だからって殺されて良いとは言わんが」ってすぐにもちろん思い直すのだけど。この話に登場する佳乃って、すごくイヤな女ですよね。出会い系で会った男とセックスして金を取ったり、友達に対してもなんか小馬鹿にしたような態度だし、自立とか言ってるわりに都合良いとこだけ父親に頼るくせに邪険にしたりとか、山中で佳乃を蹴りだした増尾はもちろん最低な男だけど、あんなにぎゃーぎゃー助手席で言われたらうっとおしいと思う気持ちも分からんでもない。その上、助けようとしてくれた祐一に対して「あんたに拉致されてレイプされたって警察に言ってやる。どうせあんたの言うことなんか誰も信じんよ」と言って脅す。はぁ、、、いや、だからって殺されて良いとは言いませんがね…

佳乃のお父さんが、佳乃を山中に置き去りにし、それを友人たちに面白おかしく話している増尾に怒りを爆発させるシーンで、「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎる。自分は失うものがないと思い込んで、それで強くなった気になっとる。だからやろ、自分が余裕のある人間て思いくさって、失ったり、欲しがったりする人間を、馬鹿にした目で眺めとう」と言うシーンがあって、これって結構ジーンとくるシーンなんやろうけど、ワタクシは「いやいや、お父さん、それあんたの娘のことですから!」と突っ込みを入れたくなった。自分の娘はイノセントだと信じたい気持ちも分かるけど、あなたの娘こそ、そんな態度で人生歩いてたんですがね、と。

増尾が異常にイキガっていたのは奴なりの怖さの裏返しだったのかなぁと思いますが、あの最低野郎にたった一人正しい道を示してくれそうな友人の気持ちはいつか届くだろうか。

祐一と光代の逃避行に関しては、まぁ孤独な人間同士が惹かれ合った結果のものとして、映画という分野では珍しくはないシークエンスでしたね。もう少し二人がお互いをさらけ出してぶつかり合って惹かれ合うという部分をえぐってくれたほうが良かったかなぁと思います。祐一にも同情はするけど、やっぱ殺しちゃダメでしょっていうのが最後までつきまといつつ、最後に光代に見せた命がけの優しさにはやはり心動かされるものがありました。

演技はふかっちゃん以外も全員が素晴らしくレベルの高いものだったと思います。九州弁に関してはブッキーが福岡でふかっちゃんが大分なので、ネイティブの人も違和感ないんじゃないでしょうか。

ふかっちゃんの演技賞については、もうキレイさで取っちゃった?って感じ。演技のうまさは当然のことながら、彼女が持つ独特の透明感をカナダの人は初めて見たわけで、それを全部ひっくるめて演技力という評価を受けたのかなぁと思っちゃいました。ふかっちゃんってやっぱ演技うまいんですよね。とても自然で。この賞を決めた人に踊るのすみれさんのときのふかっちゃんも見てほしいなぁって思いました。やっぱこの人に決めて良かったって感じられるってだけなんですけどね。

2時間20分ほどある作品なんですが、もうちょっとコンパクトにまとめてくれたほうが良かったなぁと思います。

YES MAN (原作本)

2010-09-07 | 
映画「イエスマン“YES”は人生のパスワード」を見たのが、2009年3月で、原作本を買ったのはそれからほどなくしてからだと思うのですが、いろいろと読みたい本があって、読む速度も遅いほうなので、やっとこさこないだ読み終わりました。

著者ダニエルウォレス自身が経験したことをまとめた本ですが、映画とはまったく違うものでした。映画と原作の共通点というのは「何事にもイエスと言う」というスピリットのみと言ってもいいかも。

ダニエルがバスの中で出会った男に「Say yes more.」と言われたことから始まります。何事にも後ろ向きだったダニエルはこの日を境に年末までの7か月間、何事にもイエスと言おうと誓う。

映画の中の主人公と同じように、素敵なこともたくさんある中、当然詐欺の被害に遭いそうにもなる。そういうときに元恋人や、親友が助けてくれたりもします。

もちろん、「すべてにイエスと言う」という決意の中で生きていても様々な葛藤があり、「もうやーめた」となるところもあるのですが、催眠術師に相談したり、新しい恋人に出会ったり、スペインに住む同じようなモットーで生きている人に会ったりして、この態度で生きることを肯定的に受け止めようとします。

なんかねー、「すべてにイエスと言う」というのは、ポジティブに生きるという意味では良いと思うのですが、それってともすれば不誠実になってしまうこともあるなぁと思います。自分では行きたくないのに、誘いに「イエス」と言うこととか、無条件に「イエス」と言うことって、ワタクシなら「なんか別に相手が私じゃなくてもいいんだなぁ」と思っちゃう。気乗りしないパーティでも行ってみたら良いことがあるよっていうのも分かるんですけどね。ワタクシなら来たくないなら来てほしくない。

この本を読んで感じたのは「すべてにイエスと言う」ということよりも「自分自身にイエスと言う」っていうことが大切かなぁと。何をやっても自分自身を否定して生きていたら楽しくないし、たとえ、誰かに対するネガティブな感情も「そんなふうに思うことだってあるよ」とネガティブな感情を持ってしまう自分を肯定してやることって落ち込んでるときには必要かなと。「人に対してこんな感情を持つ自分ってサイテー」とか思ってると余計落ち込むと思うんですよね。

ちょっと本の内容からはズレました。文章としては同じ表現が何回も出てきて、ちょっとクドいかなぁと感じました。それを排除すればもう少しシンプルな本になったかも。あと、最後にダニエルが恋人を追ってオーストラリアに行くことに「No」と言ってしまったとき、親友が「イエスの誓いを破った罰として、俺の言うことに何でもイエスと言うこと」と言って「オーストラリアに行け」という封筒をくれるところは、一番感動するシーンだったと思うんだけど、なんかさらっと描かれていて、もうちょっと彼に感謝してもいいんじゃないの?と思った。あくまでも「自分の経験の物語」なので、焦点は自分にだけ当たっていたような感じでした。

最後に映画化にあたってのエピソードが書かれていて、それは結構楽しかったです。

ヤギと男と男と壁と

2010-09-03 | シネマ や行
好きな役者が揃って出演していることと、アメリカの実在した超能力部隊の話っていうんで見に行ってきました。

妻が不倫相手の元へ去ってしまい、傷心の新聞記者ボブウィルトンユアンマクレガーはやけくそでイラク戦争の取材へと向かう。現地で出会ったのはアメリカの超能力部隊に所属していたというリンキャシディージョージクルーニー。彼はベトナム戦争で啓示を受けた小隊長ビルジャンゴジェフブリッジスのもと、“特殊な”訓練を受けていたと言う。

やっぱり、アメリカで平和主義者というとイコールヒッピーになっちゃうのかなぁ。ラヴ&ピース?&ドラッグ?アメリカにマトモな平和主義者はおらんのか?

このビルジャンゴ隊長は、ラヴ&ピースの精神で相手との戦いを避け、平和的に戦争を解決するという手段を模索し、それに本当に軍隊が予算を出して一個部隊まで作ったっていうんだからスゴイ。その部隊が養成するのが平和の戦士ジェダイだっつーんだよ。

ってか、この話、“ほとんど”実話っていうふれ込みなんだけど、マジでどこまで?

キラキラした瞳で相手の目を見て武器を放棄するように説得する「キラキラ眼力作戦」とかさー、それでユアンを見つめるジョージの瞳、全然キラキラしてないし。壁を通り抜けるとか、ヤギを見つめるだけで殺すとか、いろいろとやってくれていますが、うさん臭すぎるぞ。

ラヴ&ピースに基づいていたはずなんだけど、ヤギを殺しちゃうハメになって、すっかりダークサイドに堕ちちゃったんだな。って、「ジェダイジェダイ」ってさー、ユアンあんたがジェダイマスターじゃんかよ!ってこれはもう突っ込まなかった人はいない、というかあまりにもあからさますぎて突っ込むのもアホらしいと思った人のほうが多かっただろうけど、それでもユアンがあまりにも何回も「ジェダイジェダイ」って言うもんだから、根負けして笑ってしまった。

なんか、途中くすくす笑かしてはくれるんですけどねー。なんか全体的にユルイ。んー、ユルイんだか皮肉なんだかユーモアなんだかもう分かんないっていうのが正直なところかなー。どんなスタンスで見ていいやら途中からかなり混乱しました。

それでも最後にユアンが「こんな時代こそ、ジェダイの戦士が必要だ」って言って壁を通り抜けるシーンを見ると、もしかして、この作品って真面目に平和への賛歌だったのかも!って思っちゃいました。そんなことないですか?

特攻野郎Aチーム THE MOVIE

2010-09-02 | シネマ た行
これ、始めは見に行くつもりじゃなかったんですが、テレビでCMを見ているとやたらと面白そうなので、見に行くことにしました。

始まって15分くらいかなぁ?マードックシャールトコプリーが登場したところから、メキシコ上空を逃げ切るまでもうノンストップで笑いっぱなしよ。もうここ、映画館やのにヤバい~ってくらい笑えた。何、アイツ?「第九地区」のヤツやしー、って思ったらまた余計おもろくって。もう完全イカレまくり。面白すぎ。

と、思ったら、あれは何年も前のことでいわゆるAチームができあがるなれそめ的な部分だったんすね。それからときは現代イラク戦争まっただ中にも奴らはいた、と。

こういう荒くれ男系の映画で、しかもリーダー的存在にリーアムニースンってどうなん?って思ってたんですよね。彼って最近、年取った感あるし、落ち着いたインテリ風っていうイメージが強くなってきたと思ってたから。ところがどっこい、さすが演技派だけあって、こういう役だってバッチリこなしちゃうんだなぁ。チームをまとめる頼れる兄貴、というかオヤジ?って感じで、本当に彼なら信頼してついて行くって気持ちになるのも分かる。

見に行ったもうひとつの理由にに最近注目のブラッドリークーパーが出演しているっていうのがあったんです。なんですか、あの甘すぎるマスクは今回もピッタリすぎるほどの色男な役でしたねぇ。そんな彼の(元?)恋人役を演じるのがジェシカビールなんですが、彼女も好きな女優さんのひとりなので嬉しいキャスティングでした。彼女はもうちょっと太ったほうがいいなぁと思うのですが。(「バレンタインデー」のときも書いた?)元恋人でありながら、敵になったり、協力者になったりと自分以外のキャストは全員男性という中の紅一点という役柄に彼女もピッタリはまってますね。この役を演じる女性がヤワ過ぎても、ごっつ過ぎてもダメってところに彼女はタフでセクシーという両方兼ね備えてるからイイんですよね。

まぁ、とにかくこいつらメチャクチャやりよんねん。細かいことは言いっこナシで。アクションシーンはカッコいいし、マードックの一挙手一投足にはいちいち笑わされること間違いナシ。

元々のドラマに関しては、おぼろげな記憶があるようなないようなって感じなんですが、それを知っているかどうかなんて、この作品を楽しめるかどうかにまったく関係ないので気にする必要なしです。

映画館で見る映像の迫力も良いし、うちで仲間とワーワー言いながら見るのにも適した作品ですね。ポップコーンとコーラがピッタリな娯楽作品です。