シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

生きてこそ

2005-07-27 | シネマ あ行
実話だそうです。雪山に墜落した飛行機。救助を待つ人々。一人、また一人と仲間が死んでいく。遭難生活が長期に渡り、食料も底をつく。そんな時、遭難した仲間の屍骸を食糧にして生き延びる。

「ゲェーーーーッ」って言う人もきっとたくさんいるだろう。でもワタクシはそうは思わない。もちろん、野蛮人だとは思われたくないけど、こんな極限状態に置かれて死を取るかもう一つの選択肢を取るかと問われればワタクシはもう一つの選択肢を選ぶだろうと思うし、それを選んだ人のことをそういう状況になったことのない人が非難する権利はないと思う。それに、彼らは待っているだけではなくて自分たちの力で助けを呼ぼうとも努力していたんだし。

実際の生存者がインタビューに答えていて、印象に残ったことがある。それは墜落した時助かった唯一の女性のことだ。この女性、映画にも登場する。彼女は残念ながら生き延びることはなかったが、生存者は言っていた。男性ばかりの中にこの女性がいたことによってみんなの精神が健全に保たれたと。もし、男性だけだったらその場はもっと殺伐としたもので誰一人耐え抜くことはできなかったろうと。彼女はまさに母であり、太陽であった。やはり女性はそうであってほしい。普段は男性に守られていても(そうでもない???)いざという時には、女性らしい強さと優しさが世の中を救うのだとワタクシは信じていたい。「強い」って相手を押さえつけることではなく包み込むことなんですよね。

と、カニバリズムよりもワタクシの女性観のほうに重点を置いてみました。

最後に好きな台詞をひとつ。雪山を歩き続け救助を求める遭難者たち。くじけそうになる仲間にイーサンホークが言う。「たとえ死ぬとしても歩きながら死のう。僕たちは今生きているんだ」