シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

セブンティーンアゲイン

2012-03-28 | シネマ さ行

ケーブルテレビで見ました。

高校バスケットボールの花形選手で、奨学金での大学進学を目の前に恋人の妊娠が発覚し、すべてを捨てて結婚生活を取ったマイクオドネルザックエフロンだったが、約17年後の現在マシューペリー、妻スカーレットレスリーマンは事あるごとに「あの時結婚せずに大学に行っていれば」と言うマイクに愛想を尽かし離婚を望んでおり、ティーンエイジャーの娘マギーミシェルトラクテンバーグと息子アレックススターリングナイトには疎ましがられているし、会社での昇進も新人に奪われてしまった。

どん底の気持ちであの時奨学金を得て大学に行っていれば別の人生があったかもしれないと考えるマイクの前に不思議なおじいさんが現れ、川の渦に飲み込まれたマイクは17歳のときの自分に姿に突然戻る。

高校時代からの親友のネッドトーマスレノンに父親役をしてもらい、母校に戻るマイク。さっそく自分の子どもたちと仲良くなろうとするが、娘は学校一のいじめっ子と交際しているし、息子のほうはバスケ部でうまくやっていると思っていたのに実はいじめられっ子だった。まったく知らなかった子供たちの実態を知ったマイクは、自分が17歳から人生をやり直すためではなく、子供たちの力になるために若い姿に戻ったのだということに気付く。

見た目は17歳だけど、中身は30代の“おっさん”ザックエフロンがイイです。結構ちゃらんぽらんそうなマイクでもやっぱり17歳からしたらしっかりした奴になるんですよね。特にヒエラルキーが激しいアメリカの高校で、スター選手でいじめっ子相手に堂々と言い負かすことができるなんてやっぱり大人です。ってか、高校のときのそういうのってやっぱ大人になってみるとかなりガキくさいことだなぁって感じますよね。自分は高校のときに恋人を妊娠させたくせに、やっぱり娘のこととなるとセックスは結婚してから!なんて言っちゃうのは笑えましたけど、そういうこと言うのもやっぱ“大人”なんですよね。そういうところを最初は変な奴って感じで見ていた周りの子たちもだんだん彼に魅かれて行っちゃったりして、でも娘が彼に魅かれてしまうのはやっぱマズいなー(笑)

その一方でマイクは、息子アレックスの友達として“妻”に会う。妻スカーレットは離婚しようとしている夫の高校時代の姿にそっくりな子がやって来たのですっかり動揺してしまいます。そりゃそうだわな。自分の初恋の人がそのころの姿のまま目の前に現れちゃったんだから。それでもきちんと息子の友達として接しているんですが、だんだんおかしな感じになってきて…マイクはスカーレットを取り戻すことができるのか?ってまぁ、こういう話なんだから最後にはできるに決まってるんですが、マイクがこれまでの自分の人生を振り返って反省し、スカーレットを自由にしてあげようと考えたところに好感が持てました。自分の欲望ではなくきちんとスカーレットの望みを叶えてあげようとしたところが良かった。いや、まぁもちろん最後にはくっつくんですけどね。

サブストーリーとして展開するマイクの父親役をした親友ネッドとこの高校の校長先生メロラハーディンとの恋愛模様がまた最高に面白いです。生徒の親とはデートしないと決めている校長先生でしたが、ネッドの根気に負け一度だけ食事をしてくれることになるんですが、ここで二人とも「ロードオブザリング」オタクということが分かり、二人でエルフ語で会話を始めちゃうんです。もうこれ、ロードオブザリング好きのワタクシとしてはたまらない面白さでした。

主演がザックエフロンなので、単なるアイドルムービーと思われる方もいるかもしれませんが、中身はちゃんとしたコメディになっていて結構オススメですよ。アイドル・ザックエフロンが何回もビンタされるシーンも見ものです。


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glee シーズン3 第8話 Hold on to Sixteen

2012-03-26 | 海外ドラマ

今回がセクショナルって知らなかったのでちょっとビックリしました。そうですね。もう8話目ですからね。

クインダイアナアグロンがシェルビーイディナメンゼルとパックマークサリングの仲をばらそうとしていますが、レイチェルリアミッシェルが必死で止めています。そんなことをしても後味が悪いだけだし、ベスのためにならないと。セクショナルの大会直前にそれをバラしてトラブルトーンズを出場停止にしてしまおうとするクインに「友達の努力を無駄にしたくない」と言うレイチェルが素敵でした。なんだかんだ言ってレイチェルは努力するパフォーマーには敬意を示す子ですからね。

マイクハリーシャムジュニアの進学話が「Asian F」から止まってましたけど、マイクは父親にキョンシムに見放されるのがイヤでダンサーの道をあきらめようとしていたんですね。それを必死で止めるティナジェナアシュコウィッツが健気でした。ティナのおかげでお父さんが理解してくれて良かったね、マイク。

またセバスチャングラントガスティンが出てきたましたねー。うっとーしー!!!もうカートクリスコルファーとブレインダレンクリスの仲を裂こうとするのはやめてくれー。

今回のメインは何と言ってもサムコードオーバーストリートの再登場ですね。もう待ってましたよー。サムがいなくなってめちゃ寂しかったもんねー。それにしても男性ストリップクラブなんてサムにピッタリ過ぎやし(笑)メルセデスアンバーライリーはもう恋人がいるんだけど、どうなるんかなぁ?サムとはクインが一番お似合いではあったけど、メルセデスの付き合ってる子って誰?って感じやし、サムのほうがいいなぁ。

いくらサムが帰ってきたと言ってもレイチェルが停学中でおらんし、ニューディレクションズどうなるの?と心配しながら見ていましたが…まぁそりゃあね、セクショナルなんかで負けるはずはなく…ちゃんと勝ってくれました。サンタナナヤリベラ、ブリトニーヘザーモリス、メルセデスの3人と一緒にちゃっかりシュガーヴァネッサレンジーズも帰って来てましたね。トラブルトーンズのみんなも戻ってきたことやし、ニューディレクションズ一丸となってリージョナル、ナショナルと行ってもらいましょー。

最後にクインがトラブルトーンズに戻ってくるように説得するところはちょっと泣いちゃいました。シーズン3に入ってからクインは変なことばっかりしていたけど、この回ですっかり汚名返上ですね。

今回の楽曲はセクショナルがメインですが、それ以外も良かったです。
サムが復活で歌った「Red Solo Cup」なんでここでカントリーのチョイスだったのかはよく分からんかった。カートがイヤそうにしていたのは保守的なカントリーミュージックだったから?それもよく分からんかった。
トラブルトーンズがセクショナルで歌った「Survivor/I will Survive」もーーーー、トラブルトーンズカッコ良過ぎるわ!2曲歌わせてあげてよ。ぶっちゃけニューディレクションズより良かったと思うんですけどね。まぁ、トラブルトーンズが勝ってニューディレクションズがこっちに入れてもらうという展開にはできませんのでね…このパフォのときのメルセデスの髪型が可愛かったです。
ニューディレクションズは「ABC」「Control」「Man in the Mirror」のなんと3曲も贅沢に聞かせてくれました。ジャクソン5、ジャネットジャクソン、マイケルジャクソンとなぜかジャクソンファミリーなチョイス。歌うパートが全員にまんべんなくあったのが良かったなぁ。
トラブルトーンズがニューディレクションズに合流して歌った「We Are Young」も良かったな。レイチェルが停学中で彼女の歌が聞けなくて寂しかったので、最後に停学が解けてソロが聞けて良かったです。なんか青春!って感じの曲で胸が熱くなります。この曲がレイチェルの100曲目のソロだそうな。この曲はシーズン1で言うと「My Life would Suck without You」、シーズン2の「Dog Days Are Over」にあたるセクショナルに勝ったあとのセレブレーションソングですね。


マーガレットサッチャー~鉄の女の涙

2012-03-23 | シネマ ま行

今年のアカデミー賞主演女優賞に輝いた作品。さっそく見に行ってきました。

ワタクシが物心ついたときからイギリスの首相と言えばサッチャーさんメリルストリープ。その後はメージャー、ブレアと続くけど、やっぱり何と言っても印象が強いのサッチャーさんですね。

サッチャー首相の映画ということで、彼女の生い立ちから娘時代、政治家、首相時代と続いていくのかと思いきや、認知症になった現在のサッチャーの様子が中心に描かれていた。

最初、夫ジムブロードベントが普通に登場して会話しているからなんの違和感もなく見ていたら、実は夫はとうに亡くなっているのに、認知症の影響からか、夫の姿が彼女には見えているということだった。現実と妄想が分からなくなっていく中、過去の出来事が頭に浮かぶ。

時系列はバラバラだけど、彼女が地方の政治家であった父親アルフレッドロバーツイアングレンの考え方に大きく影響されたということはよく伝わってくる。実際彼女はよく父親が必要なことはすべて教えてくれたと公言していたそうだ。

あの時代、労働組合とのせめぎ合いがあり、IRAのテロが続き、フォークランド紛争があり、冷戦終結があり、と10年以上首相の立場にいた彼女には数えきれないほどのプレッシャーがあったことだろう。フォークランド紛争とか人頭税など疑問に思うところは多々ありますが、彼女の業績に関する賛否はここで議論しないでおきます。映画ではかなり肯定的に映し出されていたとは思います。まぁ、彼女自身が振り返っている形なんでそれは仕方ないのかもしれません。映画的な話で言えば、イギリス映画と言えばケンローチに代表されるような左派の労働者階級の映画を思い浮かべるワタクシとしてはやはり、サッチャーは敵!っていうイメージが強いんですけどね。それでも映画の中で「一日たりとも戦っていない日はない」と彼女自身が言っていたように、まさに最前線に立って戦い続けた彼女の強さには敬服しましたね。

映画の描き方については、政治家としてよりも一人の人間としての彼女を垣間見るようになっているので、もっと彼女の政治家としての姿や周囲の評価などを知りたかった人にはちょっと物足りないものになっていたかもしれないけれど、ワタクシは結構好きでした。

この映画を語るにはやはりメリルストリープの演技についてというのが一番にくることになると思う。彼女は実に17回もアカデミー賞にノミネートされているが、それでも実際の受賞となると1982年の「ソフィーの選択」以来となった。今回、彼女が30年振りに受賞したわけだけど、これには本当に納得する人が多いんじゃないかと思う。メリルストリープという人はどんな作品に出てもメリルストリープという存在感が消えることはないのに、かつ別の人に見えてくるという魔力を持っていると思う。彼女の演技なくしてはこの映画はまったく成り立たなかったと思うけれど、それプラス、アカデミー賞のメイキャップ賞を受賞していて、それがまたまた納得の素晴らしさだった。老けメイクというのはハリウッドの技術ではもう当たり前になっているけど、この作品の老けメイクは本当に自然過ぎて怖いくらい。

夫の幻を演じたジムブロードベントも同じように素晴らしかったです。彼はある種のチャーミングさと辛辣さを絶妙のバランスで兼ね備える演技ができる人だと思います。二人の若き日を演じたアレクサンドラローチハリーロイドも良かったですね。

思っていたよりも映画館がガラガラだったんですが、あんまり人気がないのかな…?これから行かれる方は背景を少しだけ勉強して行ったほうがより楽しめると思います。


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シャーロックホームズ~シャドウゲーム

2012-03-22 | シネマ さ行

前作からすでに続編ができるであろうと分かっていた作品ですね。キャスティングの意外さとかアクション、シャーロックホームズのキャラクターの意外さなどはすでに分かっていることなので、今回はどこで勝負するかが難しい続編だったと思います。

シャーロックホームズロバートダウニーJr.の宿敵と言えば、ジェームズモリアーティ教授ジャレッドハリスですね。今回は彼との直接対決です。

前回はアイリーンアドラーレイチェルマクアダムズがホームズ、ワトソン君ジュードロウに加えての第3番目のキャラクターでしたが、彼女はモリアーティ教授に殺されてしまい、今回の第3のキャラとしては兄がモリアーティ教授にはめられてしまった占い師シムということでノオミラパスを迎えています。なんかでもちょっとこのノオミラパスの使い方はもったいない感じがしました。どうしてもホームズとワトソン君の友情(愛情?)が優先されるシリーズですから、女性のキャラはないがしろにされがちですね。レイチェルマクアダムズがもう登場しないのも悲しいな。

ワトソン君がついにメアリーケリーライリーと結婚してしまうということで、ホームズはもう嫉妬の炎がメラメラ。モリアーティ教授がワトソン君夫妻を狙っているのをいいことに新婚旅行について来て、追手から二人を守るという名目でメアリーを汽車から突き落としてしまいます。もちろん、湖に落としてちゃんとお兄ちゃんスティーブンフライに助けに来るように手配していたんですけどね。それでもワトソン君と二人っきりになりたかったとしか思えない。メアリーはもっともないがしろにされている女性キャラですが、今回ホームズを手伝ってちょっと活躍の場面があるので良しとしましょう。

今回もアクションシーンはすごいです。ホームズが武術の達人ということでドンパチだけじゃなく、殴り合いも結構あって面白い。予告編にもありますが、みんなで敵の攻撃の中、森を駆け抜けていくシーンはすごくカッコ良かったです。アクションのときにガイリッチー監督が使う、カメラワークもワタクシ好みですね。専門的になんていうのか知りませんが。

あとはやっぱり笑いのシーンもよくできています。ホームズの女装とか背景になって隠れているシーンとか、ワトソン君の飼っているブルドッグとか、乗馬が苦手で一人だけポニーに乗って荒野を行くホームズとか。原作でも乗馬が苦手な設定なのかな?

物語はちょっと途中でダレる部分もあったかなー。まぁこの手の作品にはつきものな感じもしますが。ホームズの頭の中で展開する謎解きや相手との駆け引きをのぞいているような気持ちにさせてくれるシーンがワタクシはとても好きでした。観客は見逃しているかもしれないけれど、ホームズは決して見逃していない。そして、それをきちんと観客にも説明してくれる作りになっています。

またやっぱり続編があるのかな?The End にはクエスチョンマークがついてたしね。最後にホームズも生きていたようにモリアーティ教授もまだ死んだと決まったわけではないですもんね。それにしても最後に登場したホームズのあのコスチュームは笑えます。


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戦火の馬

2012-03-19 | シネマ さ行

小作人のテッドピーターミュランは農耕馬を買いにオークションに行ったのに、一頭のサラブレットに惚れ込んで地主デビッドシューリスに対抗してその馬を競り落としてしまう。妻ローズエミリーワトソンは怒るが息子アルバートジェレミーアーヴァインはその馬にジョーイと名前をつけ自分が訓練すると言う。

荒地を耕さないと地主に小作料を払えないため、アルバートはサラブレットであるジョーイに畑を耕させる。ジョーイは見事に畑を耕してみせるが、天候に恵まれずやはり小作料を支払えなくなったピーターはちょうど始まった第一次世界大戦のためにジョーイを軍馬として軍隊に売ってしまう。

アルバートと離れて戦地へ行くことになるジョーイ。ジョーイを買った将校は無事に戻ったらアルバートにジョーイを返してくれると約束してくれるが、その将校は戦死してしまい、ジョーイは敵のドイツ軍に連れられて行ってしまう。ドイツ軍の馬係が脱走したためにフランスの田舎の少女に拾われるジョーイ。その後また軍隊に取り返されてしまい、ジョーイは戦地のど真ん中で鉄条網に絡まれているところをイギリス兵とドイツ兵に助けられ、イギリス兵とともにアルバートが収容されている野戦病院へとやってくる。そこで再会するジョーイとアルバートだったが、戦争が終わり軍馬はオークションにかけられることとなる。

アルバートという少年と馬ジョーイの友情を描いた作品なのかなと思っていたら、それはもちろん大きなパートとして描かれていますが、一本の筋としては戦争を駆け抜けていく一頭の馬ジョーイの数奇な運命を描いている。原作の小説ではどうやら馬のジョーイ自身の目線で描かれているらしい。

アルバートのお父さんがサラブレットのジョーイに惚れ込んだくせに、畑仕事ができないと言って撃ち殺そうとしたりするのはなんだか意味が分からなかった。お父さんは人が良くて兄弟に良い土地を譲ってやり、脚も怪我していて苦労しているというのは分かるけど、それを馬に八つ当たりするのはどうかと思った。そもそも畑仕事に向かない馬だと分かっていて自分のエゴで買ってきたくせに、あれはないよなー。ジョーイは見事に畑を耕してみせたけど、やっぱり可哀想だという気持ちが先行してしまってどうもアルバートとの絆を育んだエピソードとして見られなかった。

戦場では過酷な任務に就かされるけど、ジョーイがどこに行っても馬係の人間には大切にされていたことに関しては少しほっとしたな。でもやっぱりフランス人のおじいさんニエルアレストリュプと孫娘のエミリーセリーヌバケンズのところにいたときが一番安心して見られたな。あのまま戦場に戻らないでいさせてあげたかった。最後にこのじーちゃんが粋なことをしてくれちゃうんですよねー。いやー、良かった良かった。ジョーイがイギリス軍やらドイツ軍やら、フランスの農民やらに飼われるんだけど、みんなが英語をしゃべってるもんだから、いまいち今ジョーイがどこにいるのかが分かりにくい。アメリカ人は字幕が嫌いだし、ファミリー向けの映画だから仕方ないかなと思いますが、ジョーイにとっては戦争の敵も味方も関係ないっていうメッセージが伝わりにくくなっているような気がする。

ジョーイという馬を11頭で演じたらしいんだけど、よくまぁこれだけ馬に演技をさせられるなぁとものすごく感心しました。どちらかと言うと映画の最中そのことばかり考えてしまっていたような気がします。ジョーイが仲良くしていた黒馬をかばって大砲を引く役をかってでるところは「んなワケない!」って思っちゃったけど、それ以外のシーンではやはりジョーイの賢さや一途さにジーンときます。それにしても撮影中一度も馬たちはケガとかしなかったのかなぁ?あれだけの大掛かりな撮影の中で馬が無事だったのかどうか気になります。公にはもちろん動物はケガしてませんっていうテロップになってるだろうけどさ。いやー、本当にジョーイはカッコ良かったですよ。以前から思ってはいるんですが、これを見てますます乗馬をしたくなりました。

アルバートを演じたジェレミーアヴァインはいかにもスティーブンスピルバーグ監督が好きそうな感じの男の子ですよねー。スピルバーグってハンサムではないけど優しそうな雰囲気の男の子が好きですよね。いや、なんか変な意味でではないですが。エミリーを演じていたセリーヌバケンズがすごく可愛かったですね。これから伸びてきそうなので注目していきたいです。

146分と長いんですが、慌ただしくジョーイと戦場を駆け抜けてしまったような印象の作品で、当然感動はしますけど、もう少し深く描いてくれたほうが良かったかもと思う部分がところどころある作品だったかな。



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ヒューゴの不思議な発明

2012-03-15 | シネマ は行

孤児のヒューゴカブレエイサバタフィールドは、時計職人のお父さんジュードロウを亡くし一人で駅の時計台に秘かに住んでいた。ヒューゴはお父さんが博物館からもらってきた機械人形を直すために日々機械の部品となるものを集めている。そんなある日、駅の中にあるおもちゃ屋のパパジョルジュベンキングスレーに泥棒だと言われ捕まってしまい、お父さんの残した手帳を没収されてしまう。手帳を取り戻すためにパパジョルジュのおもちゃ屋で働くことになるヒューゴ。パパジョルジュとママジャンヌヘレンマックロリーが育てている少女イザベルクロエグレースモレッツと親しくなり、イザベルが持っている鍵のペンダントがヒューゴの機械人形を動かす鍵だと分かる。

イザベルとその人形とのつながりは一体なんなのか?鍵によって動いた機械人形が描いた絵はお父さんが初めて見た映画だと言っていた「月世界旅行」の絵だったし、絵の最後には「ジョルジュメリエス」とパパジョルジュのサインが入っていたが、それは一体どういうことなのか?本当のことを言いたがらないパパジョルジュの陰で二人はパパジョルジュの過去に迫ろうとしていた。

映画の原題はシンプルに「Hugo」だけど、原作本の題名が「The Invention of Hugo Cabret」なので「ヒューゴの不思議な発明」という邦題になったのだと思うのだけど、この題名と宣伝の仕方によってどうも「ハリーポッター」のようなファンタジーアドベンチャーものだと思って見に行った方が結構いたかも。多分、そういう感じのものを期待していった方はがっかりされたでしょう。イジワルな見方かもしれないけど、宣伝部はわざとミスリードしたのかな?と思ってしまいます。

実はこの作品はそういうアドベンチャーものではなく、ヒューゴという少年がジョルジュメリエスという映画の創世記に大活躍した映画監督の半生をたどるファンタジーとなっています。

まず「ジョルジュメリエス」という名前を聞いてピンと来る方は映画好きな方と言えるでしょう。ワタクシは小さい時から映画が好きで映画の創世記のころのことも色々と調べたりしたことがあるので、この作品に登場するリュミエール兄弟が世界で初めて開発したシネマトグラフによる「工場の出口」の映像や「ラ・シオタ駅への列車の到着」の映像のときに観客が汽車が自分たちのところに突っ込んでくると思って慌てて席を立ったエピソードや、ジョルジュメリエス監督の「月世界旅行」のロケットが月の目に刺さる映像、その後のバスターキートン、チャーリーチャップリンなどなどの映像にただただ心が熱くなってしまいました。多分、「映画」というものにそこまで思い入れのない人が見てもただの古い映像の羅列にしか過ぎないシーンなのかもしれませんが。

ヒューゴが直した機械人形をきっかけに、過去を封印していたパパジョルジュが心を開き、それによってすべて失われたと思われていた彼のフィルムが探し出される。ヒューゴの探究心は思いがけないところへ影響を及ぼし、パパジョルジュの、そして彼の家族、ファンの人生に大きな影響を与えた。そして、それによってヒューゴ自身も救われるという、実在の人物を基にしてはいるけれども非常によくできたフィクションとなっている。

ヒューゴを演じるエイサバタフィールドくんが「シックスセンス」に出てくる幽霊のようだし、奇妙な機械人形はちょっと気持ち悪いし、ベンキングスレーのメイクが奇妙だなぁなんて思いながら見始めていたんですが、最後にはそんなことは全部忘れてじーんと涙まで流してしまいました。

マーティンスコセッシがなぜこんなファンタジー映画を?と最初は思っていたワタクシもかなり納得の「映画の夢」と「映画への愛」が詰まった作品でした。

オマケ1サブストーリーのひとつとして、ヒューゴが暮らす駅のカフェのマダムフランシスデラトゥーアとお客さん(?)ムッシュフリックリチャードグリフィスの恋模様が描かれるのですが、この二人は「ハリーポッター」のハグリットの恋人マクシーム先生とハリーの養父バーノンダーズリーだったのでちょっと笑ってしまいました。

オマケ2自分の作品に登場するのが好きなスコセッシですが、今回も登場しましたね。探しながら見るのも面白いかもしれません。

オマケ3鉄道公安員サーシャバロンコーエンが連れているドーベルマンが駅の床をつるつる滑りながらヒューゴを追いかける姿を見て大型犬飼いのワタクシとしては、そんなところを走らせて関節は大丈夫?と変な心配をしてしまいました。



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glee シーズン3 第7話 I Kissed A Girl

2012-03-13 | 海外ドラマ

3月は「アメリカンアイドル」のスペシャルのせいで休んでやって休んでやってという隔週カスタネット放映であります。もうなんでよー。「アメアイ」に興味のないワタクシは怒っております。3月は「アグリーベティ」もずっとお休みだし、「モダンファミリー」も休みの週があってつまらんですよ。

さて、第7話。今回もお話の中心はサンタナナヤリベラです。町中にレズビアンだということが知れ渡ってしまうことになったサンタナを元気づけようとフィンコーリーモンテースがグリー部のみんなに声をかけて女性による女性のための曲を歌う週にします。先週の最後でフィンのことをビンタしたサンタナが停学になりそうになったところを「ビンタのふりだっただけで本当には叩かれていない」と言ってフィンが救い、その代わりにトラブルトーンズをニューディレクションズと一緒に活動するようにサンタナに言ったというのは、いつもオトボケのフィンにしてはナイスでした。というか、この回はフィンカッコ良過ぎです。まぁサンタナを救おうとした理由が初体験の相手だからっていうのはちょっと笑えたけど、グリー部の男子部長としてぴしっと決めてくれました。

みんながサンタナを励まそうとしているのにいつまでも「くだらないことのリストに入れてあげる」とか意地を張っていたサンタナで、途中まではサンタナ好きのワタクシもさすがにサンタナを嫌いになりそうになってしまいましたが、途中からは素直にフィンにお礼を言って仲直りのハグまでできて本当に良かった。おばあちゃんがサンタナのセクシャリティーを受け入れてくれなかったシーンは辛かったね。おばあちゃんに拒絶されたことでまた意地悪なサンタナに戻ってしまうのかと思ったけど、もうちゃんとフィンからのメッセージが伝わっていたみたいで良かった。

そのメインストーリーの他に今回はシーズン3始まってずっと言っていた生徒会選挙と議員選挙の投票がやっとありました。議員選挙のためにスー先生ジェーンリンチはコーチビーストドットジョーンズの恋人(?)クーターエリックブラスコッターを奪っちゃいました。恋人と言ってもビーストとクーターはいつも一緒にバーベルを上げたりしていただけのようですが…ビーストが傷ついてしまったのが辛い。

生徒会のほうはカートクリスコルファーを当選させたいがためにレイチェルリアミッシェルが不正をしてしまいました。レイチェル!!!そらアカンわ。そらバレるわ。しかもそのせいで一週間の停学くらってセクショナルに出られない事態に!どうなんのー???

もうひとつのサブストーリーはパックマークサリングとシェルビーイディナメンゼルとクインダイアナアグロンの妙な三角関係。ワタクシ、グリーの登場人物ってほとんど好きなんですけど、シェルビーだけは実はあんまり好きじゃないんですよねー。もー、この件についてはさっさと解決してほしい。やっぱパックはロレインと付き合ってるときが一番良かったな。

今回はフィンは提案した「Lady Music Week」ということで女性の曲ばかりでしたね。カートとブレインダレンクリスが歌ったP!nkの「Perfect」は本当は「F**kin' Perfect」ですが、当然テレビでは放送禁止なのでマイルドバージョンになっていましたね。二人のハーモニーがとても良かったです。
フィンと男子たちがサンタナに捧げた「Girls Just Want To Have Fun」はシンディローパーの曲ですが、アレンジはグレッグラズウェルが歌ったバージョンだそうです。ノリのいい曲が好きなワタクシとしては最初だけゆっくりでどこかでテンポが速くなるのかと期待しながら聞いていたんですが、最後までゆっくりのままでした。でも、男子がこういう曲を歌うのってシーズン1のマドンナトリビュートの回の「What It Feels Like For A Girl」を彷彿とさせました。この歌を聞いてサンタナが素直にフィンにお礼を言うところが良かった。
コーチビーストが歌った「Jolene」コーチビーストの歌も実は結構好きです。たまにこうして歌ってくれると嬉しいな。
女子全員で歌った「I Kissed A Girl」ですが、これって確かティナジェナアシュコウィッツがグリー部のオーディションのときに歌った曲ですよね。ほんの一瞬でしたけど。女子全員で歌うとかってやっぱり楽しい。このパフォのときに意外とクインって背が高いんだなぁと思ったらこのパフォのとき結構かかとの高い靴履いてましたね。グリー部の女の子ってメルセデスアンバーライリーもレイチェルもサンタナもアメリカ人にしては背が低い子が多いですね。いつもの部室に入ってきた女子たちをブレインとカートが携帯で動画撮ってるのがいいですね。アーティケビンマクヘイルは他の人のパフォのときだいたい一番ノリノリで見てあげてて良い人って感じです。


長ぐつをはいたネコ

2012-03-12 | シネマ な行

試写会に行ってきました。

「シュレック」に登場する長ぐつをはいたネコ、プスを主人公にしたスピンオフ。おとぎ話の登場人物がたくさん登場する「シュレック」のスピンオフだけあって、プスの親友としてマザーグースのハンプティダンプティが登場し、お話のベースになっているのは「ジャックと豆の木」である。

プスの声をアントニオバンデラス、ハンプティダンプティをザックガリフィナーキス、プスに恋心を抱くネコ、キティフワフワーテをサルマハエック、悪役ジャックをビリーボブソーントンと豪華声優陣が揃っているのですが、残念ながら試写会は吹替えでした。プスが竹中直人でハンプティダンプティが勝俣州和というキャストで、竹中直人に関してはもう竹中直人以外の何者でもないって感じですが、まぁプスには合っていたかな。勝俣州和が意外とうまくてビックリしまいしたね。でもなぁ、やっぱりバンデラスとサルマハエックの声は聞きたかった。

幼いころからの親友プスとハンプティダンプティなんですが、ひょんなことから町の英雄になってしまったプスと不良仲間だったハンプティとの間に溝ができていき、お互い裏切られたという気持ちで別れ別れになっていた二人が再会し、子供の頃からの夢だった魔法の豆を手に入れて金の卵を産むがちょうを手に入れようっていう話なんですが、そこには実は騙し騙されみたいなお話がひそんでいて…ハンプティは確かにちょっと可哀想だけど、やっぱり根性悪いなぁっていう気がして最後に改心はしたものの、それまでの悪行がしつこかったのであんな一瞬で心を入れ替えたって言われてもちょっと納得いかない気もしたな。

お話そのものよりも、普通に人間と会話もできる設定のネコ、プスがミルクを飲むときにはちろちろと舌を出して飲んだり、レーザーポインターの光を追いかけずにはいられなかったりと急にネコとしての特性を出すところが笑えました。人間を説得するためにNoと言うことができないほどの可愛い瞳をして見せたりするところとかね。

あとは吹替えがバンデラスやサルマハエックということでも分かるように、このプスは完全にラテンのノリで、それがなかなかに面白い効果も発揮していると思います。ハンプティダンプティの気持ち悪さはやはりディズニーとは違うドリームワークスの仕事って感じかな。

全体のテンポがちょっと悪く感じるところがあるので物語としてはあまり良い点数はあげられない作品ですが、ところどころ笑えるポイントはきっちりあります。


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英雄の証明

2012-03-09 | シネマ あ行

シェイクスピアの悲劇「コリオレイナス」を現代版にしてレイフファインズが自ら監督し、主演した作品。

ローマの英雄コリオレイナス(ファインズ)は執政官になる直前に民衆の怒りを買い、ローマを追放される。コリオレイナスはそれまでずっと戦ってきた小国のリーダー、オーフィディアスジェラルドバトラーのところへ行き、ローマに報復するために小国の軍に入る。ローマに攻めてきたコリオレイナスに対して母ヴォルムニアヴァネッサレッドグレイヴと妻ヴァージリアジェシカチャスティンは情けを請い、両国は和平に至る。ローマを手中に収めることができなかったオーフィディアスはコリオレイナスを暗殺する。

元がシェイクスピア悲劇ですから、はっきり言ってお話はめちゃくちゃです。シェイクスピアって古典であるがために妙に難解に思われていると思うんですけど、詩的なセリフの難解さ以外で言うと物語のすじとしては結構むちゃくちゃなとこあります。娯楽がなかった時代の貴族も平民も一緒に楽しめる物語というわけで、悲劇となるととことん復讐に燃える登場人物たちがやたら執念深く恨みを抱いているかと思えば、一人の人の忠言でいきなり180度意見を変えたりだとか、妙に単純な思考回路だったりすることが結構あります。だから、シェイクスピアを見るときにはそういうつもりで見ないと「なんでそうなるわけ?」みたいなことが沢山起こってしまうのです。

この映画に関しても、コリオレイナスに怒っている民衆たちが彼の演説によってころっと彼の味方になったかと思うとその直後に他の政治家たちの扇動に乗ってコリオレイナスを追放してしまえーーー!なんてことになったりします。舞台が現代なだけ、これは世論なんてすぐに意見を変えるアホな連中の意見と皮肉っているのかとうがった見方をしてしまいました。

コリオレイナスという人は軍の英雄でありながら、家に帰ると強い強い母に精神的には支配されているようなマザコン男。この母親のキャラクターというのもかなりシェイクスピアっぽいですね。ヴァネッサレッドグレイヴの演技がもうさすが。

そして、コリオレイナスとオーフィディアスのライバル関係の描き方がまた何と言うか、「これはゲイ萌えムービー?」と途中で疑ってしまうような展開。現代の戦いらしくマシンガンやロケットランチャーが炸裂する中、この二人の対決はなんとナイフ。二人でくんずほぐれつ、もう愛し合っちゃってるの?っていうくらい激しく抱き合いながら息を荒くして戦ってくれます。コリオレイナスが自分の軍に入ってきたはいいけど、やたらと傲慢に振る舞われて怒るオーフィディアスもなんだか愛憎あいまみれって感じで。最後にとどめを刺すシーンもなんだかメイクラブ?的な。もちろん、そんなつもりはないとレイフファインズに怒られるかもしれませんが、そういうふうな見方をする人も結構いるんじゃないかなぁ。

現代劇なのに、「追放」とか「執政官」とかセリフ回しは古典のままとか、そういう部分で違和感を拭い去れないと感じる方には全然ダメな作品だと思います。ワタクシはシェイクスピアの「なんでそうなんねん?」みたいな展開が結構好きなので面白く見ることができました。



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おとなのけんか

2012-03-08 | シネマ あ行

オリヴィエ賞とトニー賞を受賞した舞台劇をロマンポランスキー監督が映画に仕上げた作品。舞台劇だけあってまさに舞台はオープニングとエンドクレジット以外はアパートの一室。登場人物は4人だけ。発端はブルックリンパークで11歳の少年同士が喧嘩したことにある。加害者の両親が被害者の両親の家に話し合いに行く。

ペネロペロングストリートジョディフォスター。被害者の母親。アフリカの内戦・虐殺などについての本を書いている。アートに造詣が深く、世界の問題に目を向けモラルを持ってコミュニティの人間同士は助け合うべきという信念を持っている。

マイケルロングストリートジョンC.ライリー。被害者の父親。日用品店を営んでいる。特に人生に野心もなく平凡が一番と思っている。げっし目が嫌いで娘の飼っていたハムスターを道端に捨てたりできる。

ナンシーカウアンケイトウィンスレット。加害者の母親。投資会社に勤め、家や子供のことをすべて取り仕切っている。完璧なファッションに身を包み一見隙のなさそうな雰囲気。良識派な感じでハムスターを捨てたマイケルを軽蔑する。

アランカウアンクリストフヴァルツ。加害者の父親。弁護士。家庭を顧みずすべて妻にまかせっきり。話し合いの最中にも何度も携帯が鳴り仕事の話ばかりしている。

始まって早々、話し合いは終わりという雰囲気でカウアン夫妻はアパートを去ろうとしている。のだが、、、コーヒーでもいかが?という誘いにまたリビングに戻ってくるカウアン夫妻。子供の喧嘩を解決しようと話してはいるが、なごやかな雰囲気の中にもお互い実は納得しておらずチクリチクリとやりあい始める。

このあたりまではねー、まぁ子供のいる方にはちょっと分かる部分もあるんじゃないでしょうかね。子ども同士のこととは思いつつケガをしたほうとしてはやっぱり許せない気持ちもあるだろうし、ケガをさせたほうにしても何か理由があったからじゃないかと相手の子どもを責めたいような気持ちにもなると。

それにしても、その間にもアランの携帯がガンガン鳴ってアランも悪びれず取って大声で話しているのがすごくイライラします。もちろんその場にいる全員もイライラしてくるわけですが、ここでちょっと西洋人っぽいなと思ったのはアランの妻ナンシーが決して夫の行動を相手夫婦に対して謝らないんです。日本人ならここですぐに「(夫がこんなんで)ごめんなさいね」と言うと思うんだけど、ナンシーの性格もあるとは思いますが、非常識な夫に対してナンシーも一緒に腹を立てるだけで相手夫婦に謝ったりはしません。

お互い色々とチクチクやりあっているうちにナンシーが気分が悪いと言いだし、なんとリビングルームでゲロ(失礼!)をぶちまけてしまいます。この大事件が起きて、マイケルがお酒を飲み始め全員が一緒に飲み始めたあたりから一気に話し合いはカオスとなってしまいます。

被害者親vs加害者親だったのが、一人の発言から急に男vs女になったり、妻vs夫になったり、男vs男、女vs女ととにかくめまぐるしく争いの内容が変わっていく。

ゲロの他にもナンシーが怒ってアランの携帯を花瓶にドボンしてしまったり、ナンシーの鞄をペネロペが放り投げたりとアクションのほうも色々と忙しい。ただなー、途中からは結局みんな酔っちゃって、酔っ払いのたわごととか泣き上戸笑い上戸みたいになっちゃうのがワタクシとしてはイマイチでした。こういうセリフだけが命みたいなお話では、しらふでお互いにチクチクやりやって言葉の裏を探り合っているほうが面白いと思うんですよね。まぁ、酔っぱらって泣きながらヒステリックに叫ぶジョディフォスターというのも見ものでしたけどね。この4人の演技合戦はやはり楽しく見ることができました。ケイトウィンスレットのファンとしてはやはり彼女が一番うまいななんて思っちゃいましたけど、クリストヴァルツのイヤらしい演技もさすがでした。

結局大騒ぎしたあとのエンドクレジットでくだんのハムスターは野生でたくましく無事生きていたし、喧嘩した子供同士は無邪気に一緒に遊んでいるというオチがついていてその皮肉にニヤッとしながら劇場を後にしたのでした。



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ドラゴンタトゥーの女

2012-03-07 | シネマ た行

スウェーデン版の「ミレニアム~ドラゴンタトゥーの女」は公開時に見に行こうと思ったのだけど、時間が合わず行けずじまいでレンタルもまだしておらず、原作も読んでいないのでこのシリーズはこれが初見になった。

とにかくオープニングの映像がカッコ良過ぎる!ツェッペリンの「移民の歌」をカレンOがカバーした曲が流れ、本格的なPV顔負けの映像が流れる。さすがPV出身のデヴィッドフィンチャー監督。この映像をいつまでも見ていたいような気にさせられたが、おっと映画を見に来たんだった。オープニングの映像から一気に映画の世界へ突入し、爆走開始!かと思ったのだけど、映画そのものが始まるといたって普通な雰囲気で始まった。

「ミレニアム」誌の記者ミカエルダニエルクレイグが大富豪ヘンリックヴァンゲルクリストファープラマーに依頼され40年前に失踪したヘンリックの兄の孫娘ハリエットの事件の真相を追うことに。捜査の途中、ミカエルは一風変わった調査員リスベットルーニーマーラの助けを借りることにする。

40年前の少女失踪事件が思わぬ連続少女強姦殺人事件へとつながっていく過程がなかなかに面白い。ただの謎解き話としても十分に面白い要素を持っている物語である。しかし、この物語のもっとも重要なファクターは当然ドラゴンタトゥーの女リスベット。黒づくめの服装で個性的な髪型、全身ピアスとタトゥーだらけ。必要最低限以外のことは話もしないリスベット。いわくありげな過去を持っていそうな女。

…そうなんだよなー。見に行く前に当然期待するのはリスベットのキャラでしょう。そこがねー、ちょっとワタクシが期待した以上のものではありませんでした。期待値が高すぎたというのはあると思うのですが、リスベットにはもっと見ているこちらまでもが恐怖を覚えるような暴力性と見ていてヒリヒリするような危険な肌感覚があるのかと思っていたのです。確かに自分をレイプした男へ報復するシーンは良かったけど、ミカエルに対して結構簡単に心を開くんだなぁと意外に思いました。ミカエルとセックスするのはいいんですよ。あれが彼女の通ってきた性への感覚だと思うし。それがね、セックスだけの関係なら良かったんですが、なんか簡単にミカエルのこと好きになっちゃったのがどうもなぁ。あれじゃ、単なるファーザーコンプレックスの寂しい少女ってだけになってしまった気が。いや、確かにリスベットは「ファーザーコンプレックスの寂しい少女」なんでしょうけど、それを簡単に見せてしまうタイプじゃないと思ってたんで。

確かにハリウッドの女優にとってこの役を演じることはリスキーであるに違いない。外見だけでも過激なのに、レイプシーンや全裸でのセックスシーン、暴力シーンを演じなければならない。だから映画の中のリスベットに少しがっかりしたからと言ってルーニーマーラがすごく頑張っていたことには変わりないと思うけど。何十回とテイクを撮ることで有名なデヴィッドフィンチャーですが、レイプのシーンとか何十回も撮らされたのかな?実際どうだったのか知らないですが、その辺は少ない回数で切り上げてほしい気がしますね。

最後にリスベットが大物実業家の不正なお金をすべて横取りしちゃいますが、リスベットは天才ハッカーなんだし、あんなことができるなら何も後見人にブロウジョブしてまでお金をもらう必要はなかったような気がしますが、リスベット自身も不正でお金を得るよりも彼女としてはきちんと自分のお金を後見人からもらって真っ当に生きようと心掛けていたからなのかなと思ったりもしました。

上映時間が2時間38分もあって驚いてしまうんですが、全然長くは感じませんでした。期待したようなスピード感というものはあまり感じませんでしたが、ミカエルとリスベットが別々に行動しているときなのどの切り替えや進行が非常にうまく飽きることなく見ることができました。犯人を追いかけていこうとするリスベットがミカエルに「殺していい?」と聞くシーンはちょっと可愛かった。全体的にリスベットは意外と可愛い印象でした、なんて言うとあんなエログロの映画で?って思う方もいるかもしれませんね。ワタクシは結構好きなんですが、エログロが嫌いな方にはあまりオススメしない作品です。

最後まで見て最初のオープニング映像が一番良かったって言ったらこの映画のファンの方に怒られちゃいそうですが、あまりにもカッコいいのYou Tubeからダウンロードしようと思っています。

あまり良い事を書いてないですが、3部作ということでこれからの2作はやはり楽しみですね。この先リスベットのキャラがどうなっていくのか?ミカエルとの関係もどうなっていくのか楽しみなシリーズができました。またスウェーデン版もレンタルしてみようと思います。



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すべて彼女のために

2012-03-02 | シネマ さ行

以前に「スリーデイズ」という作品を見に行ったときにレビューを書きました。こちらが本家のフランス版です。ケーブルテレビで見ました。

「スリーデイズ」が134分の長丁場に比べて、本家がなんと96分というコンパクトさ。それもそのはず「スリーデイズ」のほうは、脱獄の計画がそりゃあもう綿密に描かれており、途中ちょっと退屈してしまったんですよねー。それに比べると脱獄の手順などはほぼ同じなんですが、こちらはあんまり細かいところまでは説明せず大まかに、でも夫ジュリアンヴァンサンランドンは無実の妻リザダイアンクルーガーを脱獄させるために綿密に計画を立ててますよという状況を説明しているという感じ。

「スリーデイズ」で描かれた冒頭の弟の恋人との口論というシーンはこちらにはありません。子供を一人もうけながら、帰宅途中のエレベーターの中でも激しく抱擁しあう夫婦の愛し合っている姿だけを映し、ちらっと妻のセリフでのちに殺される上司が嫌いという一言だけを言わせ、あとは無実の逮捕劇が展開されます。この辺の無駄な説明がないこちらのほうが冒頭入り込みやすい。

裁判の説明とかもこちらのほうがすっきり。子供を友達の親に預けたりとかいうまどろっこしいところも一切なく、ある意味フランスのフィルムノワール的な犯罪映画の雰囲気も漂わせつつなんですが、いかんせん素人犯罪なものでちょっとドン臭さも漂っています。

あと、「スリーデイズ」のエリザベスバンクスには申し訳ないんだけど、奥さんがダイアンクルーガーなもんでねぇ…そりゃあもう美しいわけですよ。そりゃああんな冴えない中年の教師なら全力で美人の奥さん助けたいやろうよ!って共感しちゃうわけですよ。一緒にいてやれずだんだん息子の心も離れていって、無実の罪で入れられた刑務所の生活に耐えられず自殺未遂しちゃうような奥さんなんだから一刻も早く脱獄させてやりたくなるわけですよ。

脱獄させてからの逃亡劇もだいたい似たような感じなんですが、ここもこちらのほうがスリムかな。車で国境超えたりEU内なら空港で違う国籍の人間が怪しまれにくいのはヨーロッパならではの感覚かなぁと思いました。アメリカ版ではスポーツ観戦の人たちの波に紛れて同じ応援シャツを着て警察をまくシーンがあり、それはアメリカ版のほうが技アリって感じでした。空港でタッチの差で手配のファックスが見られずに済むシーンはドキドキものでした。

ひとつ「スリーデイズ」のほうがいいなと思ったのは最後の奥さんが本当に無実の罪なんだということが分かるシーンですね。あそこはさすがポールハギスの脚本だなという感じがしました。

まぁ内容としてはほぼ同じなので、短いこちらのほうをオススメするかな。フランス語の映画を見ると退屈しちゃうという方はアメリカ版をどうぞ。


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