シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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ザ・ホークス~ハワードヒューズを売った男

2015-03-30 | シネマ さ行

たいがい変な日本語題が多い中これは原題のまま「ザ・ホークス」カタカナだし音だけ聞くと普通の日本人なら the hawks と思わないかな?本当は the haox で、「タカ」ではなくて「だます」という意味を持つ単語。副題のハワードヒューズのほうはピンと来る人も多いかもしれない。レオナルドディカプリオが「アビエイター」という作品で演じた潔癖偏屈大富豪。

1970年代、冴えない作家のクリフォードアーヴィングリチャードギアは持ち込む本持ち込む本ボツにされ、思いついたのが当時隠遁生活を送っていた大富豪で超有名人のハワードヒューズの自伝を発表すること。しかも、自分だけが特別に本人と手紙のやりとりをして自伝を書くことを許されたと大嘘をついて、筆跡を真似て偽造した自筆の手紙を持参して出版社に売り込む。

筆跡鑑定までした出版社はクリフォードの言うことを信じて契約を結ぶ。出版社が払う大金をエサに親友ディックサスキンドアルフレッドモリナにハワードヒューズの調査を手伝わせる。ハワードヒューズと知り合いであることや彼から自伝を依頼されたことなどは全部真っ赤な嘘だったが、書く内容としてはきちんと書くつもりだったらしくクリフォードとディックはハワードの人生について調べて回る。

実際にあった詐欺事件を描いているのですが、原作はこのクリフォードアーヴィング本人が事の顛末を本にしたものらしく、ハワードヒューズの自伝のほうは最終的に嘘だとばれてしまったけれど、自分が起こした詐欺事件を本にして儲けたわけですね。どこまでもちゃっかりしています。

映画のほうは、クリフォードアーヴィングが周囲に疑われるたびにうまく切り抜けるさまや、彼がハワードヒューズに扮してテープレコーダーに声を吹き込んだりするシーン、そして、だんだんと自分の嘘に溺れていったクリフォードが何が本当で何が嘘なのかの境があいまいになっていくさまが描かれています。見ているこちらもどこからがクリフォードの幻想でどこからが実際にあったことなのか分からなくなってきて頭がこんがらがります。

人は小さな嘘よりも大きな嘘のほうがかえって信じやすいと言いますが、彼の嘘はまさにとてつもなく大きな嘘。いくらハワードヒューズが隠遁生活を送っているからといって自分が許可していない自伝が勝手に出たら、そりゃどこかからそんなウワサを聞きつけてバレるだろうことくらいは予想できたと思うんですけどねぇ。出版にこぎつけるまではいいけど、その後はどうしようと考えていたんでしょうか?そこまで考えないからあんな嘘つけるんでしょうけど。

クリフォード宛に送られてきたハワードヒューズとニクソンの関係が示された文書の入った段ボールは誰から送られてきたのだろう?ヒューズがニクソンに対して送ったワイロについての記述があったもので、ニクソンのことがだんだん疎ましくなってきていたヒューズ本人からのものだとクリフォードは考え、それを本に書くと意気込んでいたけれど、実際のとこあれはどこから来たものだったのかワタクシには分かりませんでした。

それが表沙汰になるのを恐れてニクソンが民主党がその本を手にしているかどうか知るためにかのウォーターゲート盗聴事件を起こしたというんだけど、本当?そこんとこが本当なのかどうかよく分からない。

このニヤついたクリフォードアーヴィングをリチャードギアが好演しています。彼って演技賞とかでノミネートとかされることはないけど、決して下手な役者さんではないですよね。熱演タイプではないけど。こういう役似合います。

あんまり見る機会がないかもしれませんが、ケーブルテレビなどで放映があればぜひ。

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イミテーションゲーム~エニグマと天才数学者の秘密

2015-03-24 | シネマ あ行

以前から楽しみにしていた作品。たくさんの賞レースにかかっていました。

第二次世界大戦時、ドイツの解読不可能と言われた暗号エニグマを解く任務についた天才数学者アランチューリングベネディクトカンバーバッチのお話。

アランは数学の天才らしく言葉で人を理解することは苦手で、他人といわゆる普通の会話というものがうまくできないタイプ。彼が仲間たちから高慢に思われるのも自分が優秀だということを鼻にかけているのではなく、自分が優秀だという事実を事実として発言することの普通でなさというのを理解できないからだ。

チームには彼の他にチェスプレイヤーのヒューアレグザンダーマシューグード、学者(だったかな?何分野の人か忘れてしまった)のジョンケアンクロスアレンリーチ、クロスワードパズルのテストで合格したピーターヒルトンマシュービアードがいた。そしてもう一人、重要な人材が。同じくクロスワードパズルのテストに合格したが、男性ばかりの中で働くことを両親が許さず女性ばかりの別の部署に配属という形で実はアランを助けているジョーンクラークキーラナイトレーがいた。

ジョーンが現れるまではあからさまにアランのことを嫌っていたチームのメンバーだったが、アランがジョーンからの忠告を受け入れメンバーに好かれる努力をし始めてからはチーム内の人間関係もうまくいくようになっていった。ジョーンとアランの素敵な関係が全編を通してとてもうまく表現さえています。

アランが取り憑かれたようにエニグマを解くための機械を作る過程と、アランの過去の話、チーム内で築かれていく友情・信頼関係、そしてアランの現在の話を非常にうまく絡めて1本の映画にしてある。たくさんの賞レースにかかりながらほとんどがノミネートに終わっている中、脚色賞は色んなところで受賞しているのがとても納得の脚本だと思う。

暗号解読という難解で緊迫したお話の中にありながら、アランの世間ずれしていない性格が笑いを誘うシーンも多くあったのが意外だった。それが物語の邪魔をするということもなく演出としてとても成功している。

ついにエニグマ解読!というシーンはもちろん超感動のシーンであるんだけど、いまいちエニグマ解読の内容まではバカな頭がついていかなかった。まぁそんなこと詳しく分からなくても十分に楽しめたし、十分に感動できるシーンでした。そして、ついに解読したっていうのに、もうすぐドイツ軍が一般市民の乗った船を攻撃すると分かったというのに、それを軍に知らせて阻止させてはダメだというアラン。はぁぁぁぁ???なんでー???とまたしてもバカなワタクシには分からなかった。そうなんだよねー。エニグマを解読したからって簡単に敵の攻撃をばかばか止めちゃったらエニグマを解読したことがドイツにバレてすぐにまた改良されちゃうんだよね。だからこちらが解読したということは分からないように止める攻撃、止めない攻撃を決めなくちゃいけないなんて、ものすごくつらかっただろうな。でも結局はそのほうが終戦を2年早めたとのちには言われているということです。

アランの戦前の学生時代と戦中、戦後の逮捕が紐解かれていく中でアランのクリストファー(エニグマ解読機にアランがつけた名前)への愛着(というか執着と言うべきか)の理由が徐々に分かって行き、とても悲しい結末へと向かっていくことが分かってしまうところが非常に胸が痛い。救いと言えばまだ彼を逮捕したノック刑事ロリーキニアが彼の性的嗜好などどうでもよくて、本当の彼の秘密は何なのかということを知りたがってアランの話をきちんと聞いてくれたことかな。

任務が極秘だったことで彼の功績は後世になってやっと評価されたということなんだけど、それにしてもね、、、ここまで国、というか世界に貢献した人の人生がこんなにも悲しいものだったなんてね。不遇の天才といったところなのかもしれないけど、こんなの「不遇」だけでは済まされないよね。あの時代同性愛で罰せられた人たちがたくさんいて、彼のようにそのせいで命を落とした人もたくさんいた。所変わればいま現在でもそういう人たちがたくさんいることも忘れてはいけない。

カンバーバッチ、ナイトレー、グードと主要メンバーの演技も素晴らしい作品でした。見に行こうか迷っている方にはぜひオススメいたします。

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アメイジングスパイダーマン

2015-03-20 | シネマ あ行

トビーマグワイア版の「スパイダーマン」から10年しか経っていないのに、そしてそのシリーズが失敗したわけでもないのに、なぜわざわざリブート版を作ったのか全然分からないのですが、何か事情があったのかな。まぁ「バットマン」も「スーパーマン」もリブートされたし流行りなんですね。

今回はピーターパーカーをアンドリューガーフィールド、その彼女のメアリージェーン、じゃなくて今回はグウェンステイシーをエマストーンというどちらもアメリカでとっても旬な若手を持って来ました。「スパイダーマン」当時はトビーマグワイアもキルステンダンストも旬だったのかもしれません。

今回初回ということでピーターの生い立ちとかおじさんマーティンシーンが殺されるだとか、どうやってスパイダーマンになったかとか、語られてまぁだいたい知ってるよーってな感じで見ていました。おばさん役がサリーフィールドなのが良い感じ。

ピーターはカメラが得意でスポーツはそんなに得意じゃないようなオタクっぽい感じなんだけど、あっさりグウェンみたいな可愛い彼女をゲットする。グウェンは成績優秀で警察署長デニスリアリーの娘だから真面目ちゃんでピーターみたいなタイプが好きなのかな。

失踪後死んでしまった父キャンベルスコットの元共同研究者コナーズ博士リースエヴァンスの研究所で特殊な蜘蛛に刺されてスパイダーマンになったピーターだが、今回蜘蛛の糸は彼の作った装置から出ていた。これは原作の通りなんだそうで、以前のシリーズではピーターの手首から直接出ていたけど、それはあの映画のオリジナルな設定だそうだ。でもなぁ、原作がそうなんだから仕方ないけど、あの装置から蜘蛛の糸が出るならあれさえつければ誰だってスパイダーマンになれるよね。身体能力はそこまでないとしても少なくとも落ちていく人や車を助けたり、空中を駆け回ることはできるわけだ。それってなんだかなー。ピーター、あんなもの開発できるならスパイダーマンやってるよりあれの特許取ったほうが儲かるし、何かの役に立てることがいっぱいあるかも、なぁんて。

ピーターはスパイダーマンになって超浮かれて空中飛び回って嬉しそう。冴えない高校生がいきなりあんな能力を手に入れたんだから、浮かれて当然だと思う。おじさんを殺した犯人を突き止めるために夜の町を徘徊して悪人を次々に成敗していくところはなかなかに楽しかった。

コナーズ博士は左腕がなくて、それを再生させるためにトカゲのDNAと融合し、トカゲ男になってしまう。そして、これを全世界にばら撒いて弱者のいない世界にしようと考える。コナーズ博士良い人そうだったのにね。スパイダーマンの悪役はなんかもの悲しい人が多いな。

全体的にこちらバージョンのほうが明るくてワタクシは好きでした。トビーマグワイア版のピーターはうじうじうじうじしてメアリージェーンもはっきりしないし、イライラしてたんですよねー。作品自体が嫌いだったわけではないですが。

途中で助けた少年のお父さんがC・トーマスハウエルだったので、こんな一瞬の出番で終わるわけないよなぁと思っていたら最後に登場してスパイダーマンを助けてくれたので、やっぱりな、と思いました。

グウェンのお父さんがトカゲ男との戦いで死ぬ間際に、危険が及ぶからグウェンとは別れると約束させられて、一時はピーターもグウェンをあきらめようとしていたのでおいおいまたうじうじピーターの始まりかよーって心配していたら「守れない約束もある」なんて言ってくれちゃったもんだから嬉しくなりました。

これすでに「2」の公開もとっくに終わっていますね。近いうちに「2」も見てみようと思います。

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おみおくりの作法

2015-03-19 | シネマ あ行

地方公務員のジョンメイエディマーサンはロンドンの自分の担当する地区で身寄りのない方が亡くなるとその事後処理をする仕事をしていた。さっさと火葬を済ませ埋葬してハイ終わり、という仕事の仕方もできるが、彼は亡くなった人の身の回りの物を調査して家族や親せきがいないか、どの宗教を信仰していたか(葬儀の方式のため)などをきちんと調べ、調べ尽くしても最後まで身寄りが分からなかった、もしくは身寄りがいても葬儀をするほど親しくなかったなどが判明して初めて埋葬するというとても丁寧な仕事をしていた。彼は自分が埋葬した人々の写真をアルバムに丁寧に貼っており、その様子からも彼がいかに亡くなった方々に敬意を表しているかが分かる。

しかし、上層部は経費削減のため彼の仕事に不満で20年も務めてきた役所を簡単にクビにされてしまう。その直前に亡くなった男性の調査だけはさせてもらえることになり、少ない手がかりを持ってジョンは彼の人生を追って行った。

まぁぁぁぁ何とも地味ぃぃぃぃな作品です。ジョンメイの仕事ぶりや家に帰ってからの生活が描かれているのだけど、彼は独り暮らしで特に仕事の後に友人と飲み行くということもなく、食事もいつも決まったものを決まった時間に一人で食べて終わりだ。でも、ものすごく地味な雰囲気と展開のわりに退屈はしないというのが少し不思議な作品である。

ジョンメイは残された最後の仕事をやり遂げるため、様々な人に会いに行く。亡くなった男性の元妻、縁遠くなっていた娘ケリージョアンヌフロガット、元同僚、ホームレス仲間などなど。みんな長い間会っていなかった人が亡くなったと急に知らされてわざわざロンドンまで葬儀のために出かけるなんてしたくないと言う。いくら市が費用を負担してくれると言ったって仕事だって休まなくちゃいけないし遠いしな~といったところだろう。そりゃあそうだよね。

ジョンメイが会いに行く人々は葬儀に行くことはしないまでも、生前の男性について思い出を語り、服役していたこともあるし、決して立派な人間というわけではなかったらしいけど、それでもそれぞれがジョンメイのおかげでその男性について色々とまた考える機会を与えられてまた感慨深い思いもしているようだった。

ケリーとジョンがなんとなくいい感じになるという展開があって、えーーー?こんな歳の人と???と思ったけど、ジョンはまだ40代半ばの設定だった。(それでもケリーとは10歳くらいは離れているという設定だったと思うけど)ジョンって動きもゆっくりだしあまりにも地味ですごく歳取って見えていたので少しビックリしました。

激しくネタバレしてしまうけど、ケリーに次会うときの手土産を買ったジョンはバスにはねられて亡くなってしまう。途中からなぜだか分からないけど、この展開は予想していたので、やっぱりかーとは思ったのですが、この予想はあまり当たって欲しくはなかったかも。

身寄りのないジョンの葬儀。教会の祭司以外には誰も参列者はいない。亡くなる前に最後に担当した男性に自分用に買っていたお墓の場所を譲ってあげていたジョンは合同墓地に埋葬される。そのバックで行われているその男性の葬儀。ジョンが会いに行っていた彼の身寄りの人たちが全員参列してくれていた。そして、その葬儀をきっかけに参列者たちが知り合いになり、そこから始まる人の縁もありそうな雰囲気だった。ジョンの地道な努力の成果が現れた葬儀の一方で一人ぽっちのジョン。

そんなジョンのお墓の周辺にこれまでジョンが埋葬した人たちが次々に集まってくる。というファンタジックな映像が流れてきてちょっと驚いたのだけど、ジョンが最後にみんなに感謝されていたということが分かって良かったと思う。

もちろん、これまでそんなに楽しみもなかった(であろう)ジョンがケリーと出会ってさぁこれからって時に死んでしまうという展開は悲しかったけど、映画の展開としてはアリかなとは思えた。ジョンがやり遂げてきたことが彼は死んでしまいはしたけれど報われたようなラストで良かった。

オマケ不謹慎かもしれませんが、この作品に登場する後ろが全部ガラス張りになった霊柩車がカッコ良かったです。

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イントゥザウッズ

2015-03-18 | シネマ あ行

シンデレラが浮気されて~って面白そうやん、と思って見に行きました。

「イントゥザウッズ」というミュージカルは有名らしいのですが、ワタクシは全然知らなかったので、ミュージカルとどう違うからイヤだとかそういう感想もないし、シンデレラが浮気されるくらいなんだから夢のようなファンタジーじゃないだろうってことも分かっていたし、ジョニーデップ目当てで行ったわけでもない。それでもなぁ、、、豪華キャストのディズニー映画のわりにはいまいちだった。

「シンデレラ」「赤ずきん」「ジャックと豆の木」「ラプンツェル」などのお話のパロディミュージカル。あらすじとしては魔女メリルストリープに呪いをかけられて子供ができないパン屋の主人ジェームズコーデンと妻エミリーブラントは魔女から赤い頭巾、黄色い髪、白い牛、黄金の靴を手に入れれば呪いを解いてやると言われそれらを手に入れるべく森へと向かう。夫妻がそれぞれの物語の主人公からひとつずつアイテムをゲットしていきつつ、それぞれの主人公たちの物語がパロディとなって語られる。

前半はまぁ面白いです。うまいことできてるなぁ、と思いました。でも後半になるにつれてお話が無茶苦茶になってきてなんだかな、って感じでした。それが元々のミュージカルの脚本がそうだからなのか、ロブマーシャル監督の映画化がいまいちなのかは分かりません。

ただワタクシとしては、最近ほうぼうで歌いまくっているとウワサを聞いていたアナケンドリック(シンデレラ)の歌声を初めて聞くことができたし、予想もしていなかったエミリーブラントの歌のうまさにビックリしてまたまたさらに好きになってしまったし、アホな王子のクリスパインにも満足だったし、そういう面では良かったです。キャストにはほとんど満足なんですが、赤ずきんちゃんを演じた子リラクロフォードが可愛げがなくて嫌いでした。歌はうまいんですけど、声がなんか耳障り。パンも盗みまくりで感じ悪い。あれがもっと可愛い子だったらもうちょっと評価上がったんだけどなー。こういうブラックなお話だからわざとちょいと鼻につく子役にしたのか。

エミリーブラントが好きなワタクシとしては、彼女が急にあっけなく死んでしまって以降は、つまらんなぁ~となってしまいました。死ぬシーンもなくジャックダニエルハットルストーンがセリフで「彼女は崖から落ちた」って言うだけですもんね。このジャックが怒らせた巨人の妻フランシスデラトゥーア(「ハリーポッター」シリーズでも大きな女性を演じていました)のことをみんなでやっつけよう!ってさー、元はと言えばジャックが悪いんじゃんよ。まぁおとぎ話の主人公たちが自分勝手な行動を取るっちゅうのがこの「イントゥザウッズ」なのかもしれませんが。魔女も唐突にどっか行っちゃうしね。

ディズニー的なファンタジックミュージカルを求めて行かれた方はさぞがっかりしただろうなぁと思います。ワタクシはそれを求めて行ったわけではありませんが、それでもなんだかなぁなデキでした。あと、ジョニーデップ目当てで行かれる方は出番がかなり少ないので覚悟の上で行かれたほうがいいと思います。

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博士と彼女のセオリー

2015-03-17 | シネマ は行

ホーキング博士は有名な物理学者で、もちろん知っていますが、彼のような天才と言われる博士の理論には頭がついていかないし、分野的にも興味はないしで、彼のことをこの作品を見るまでアメリカ人だと思っていたくらい何も知りませんでした。

スティーブンホーキングエディレッドメインはケンブリッジ大学在学中に同じ大学で文学を専攻するジェーンフェリシティジョーンズと出会い恋に落ちる。そんな時、体に異変があり検査の結果ALSだと診断され医者に余命2年と宣言される。ひどく落ち込みジェーンとも別れようとするスティーブンだったが、ジェーンは「あなたを愛しているの」と別れようとはしなかった。

結婚した2人には子供もでき、スティーブンの論文が認められ物理学博士にもなり、余命と言われた2年もとうに過ぎ幸せな日々ではあったが、やはりジェーン1人に負担はのしかかり外部から手を借りようと提案するもスティーブンはそれを拒否した。

初めは拒否していたスティーブンだったが現実を受け入れ、ジェーンの教会の合唱隊の指導者で現在はやもめのジョナサン(いや、狙ってないよ‐笑)チャーリーコックスに手伝ってもらうことにする。子どもたち3人とスティーブン夫妻、プラスジョナサンの生活はうまく機能してジェーンも負担が軽くなっていたが、周囲の目はジェーンとジョナサンの仲を疑っていて、当の2人の心の中にもお互いを意識する気持ちが芽生えてしまっていた。

それでもやはり家庭を大切に思うジェーンはジョナサンに手伝いをやめてもらうことにするのだが、、、

本当に博士の人生について何も知らないでこの作品を見に行ったワタクシは結構びっくりした。博士とジェーンの夫婦愛の話だと思っていたから。最終的にはジェーンはジョナサンと歩む人生を選び、スティーブンのほうも介護士のエレインマキシンピークに魅かれるようになり、スティーブンとジェーンの関係は終わりを告げる。

普通なら離婚した2人についての物語がラブストーリーになるということは考えにくいのだけど、やはりスティーブンがALSだと分かってからも別れることはなく、子供を作り自分の研究も続けながら家庭を支え続けたジェーンの姿に胸が熱くなる。2人は最終的に違う道を歩むことにはなったけれど、それでもお互いに間違いなく深く愛し合っていたことが伝わってきたし、2人の関係がもう終わりだと悟ったジェーンが"I have loved you."(あなたを愛していたわ)とスティーブンに言うシーンには泣かされた。愛の告白は"I love you."と言うのが普通だけど、終わりを悟った妻が「これまであなたをとても愛していた」と言うのがとても感動的でした。

そんなふうに深く愛し合った2人だからこそ、スティーブンはエリザベス女王から勲章を与えられたときには別居はしていたけど、離婚はまだだったジェーンと子どもたちを一緒に連れて行ったのでしょう。

この作品ではスティーブンホーキング博士がとてもユーモアにあふれた人だということもよく描かれています。病気になってからもユーモアを忘れない、自力で呼吸ができなくなって機械を通してしか話すことができなくなってからでさえもユーモアにあふれた言葉を発する彼はとても素晴らしいと思いました。余談ですが、彼がタイプした言葉を声にして発する機械がアメリカ英語でジェーンが「まぁアメリカ人の声だわ」と嫌がるシーンがあります。あぁ、それでワタクシは彼のことをずっとアメリカ人だと思っていたのだなと初めて理解しました。

アカデミー賞主演男優賞を受賞したエディレッドメインの演技は本当に本当に素晴らしかったです。正直なところ、まぁ病気の人とか演じると取りやすいよねなんて意地悪なことを考えていたのですが、そんなことを考えてしまってごめんなさいと思うくらい彼の演技には魂を揺さぶられるようなものがあると感じました。ジェーンを演じたフェリシティジョーンズもアカデミー賞受賞はしなかったもののとても素晴らしかったです。まだまだ若い2人ですのでこれからがとても楽しみです。

ジェームズマーシュ監督の全体的な演出も素晴らしかったのですが、アメリカでの講演会で最前列の女性がペンを落とした時、スティーブンの空想の中で立ちあがってそのペンを拾ってあげるシーンがとても印象的でした。最後に博士の時間がどんどん巻き戻ってALS発症前まで彼の半生を見せていく手法もとても良かったと思います。

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複製された男

2015-03-11 | シネマ は行

激しくネタバレしますので注意してください。

見終わった瞬間、「なんやこれーーーーー???」って叫びました。「わけ分からん」「わしにゃあ分からん、アホじゃけー」と千鳥の漫才のセリフを叫びました。

ドゥニヴィルヌーヴ監督なので一筋縄ではいかんやろうと思ってはいたんですがね。題名も「複製された男」だし。不条理感ぷんぷん。見てる最中は面白かったんです。複製された男アダムを演じるジェイクギレンホールは演技がうまくて好きな役者さんだし、女優陣もメラニーロランサラガドンというキレイどころが揃っているし。昔留学していたトロントが舞台ってことでそれだけでも贔屓目に見ちゃう部分もあって。

それにしても、自分とそっくりの男がちょい役で映画に出演していることを発見したアダムがどうしてあんなに偏執的にその男のことを突き止めようと躍起になるのか。いや、もちろん自分そっくりなのだから好奇心から興味が湧くのは普通の感情だと思うけど、それにしてもアダムはみょーーーーーに焦っているというか、そっくりさん探しに没頭して他のことが手に付かない様子でバックに流れる音楽もいちいちおどろおどろしい。自分にそっくりの男を見つけたってだけでなんでこんな怖い音楽が流れるわけ?と思いながら見ていた。

果たしてその男とご対面。普通に人目のあるレストランとかで会えばいいものをホテルの一室なんかで会っちゃって。危ない目に遭ったらどうすんのさ?そっくりさんアンソニーとアダムは顔が同じだけじゃない。手の形も同じ。お腹にある傷もまったく同じ。まさに複製された男だ。ま、ここまで来るとおどろおどろしい音楽ってのも分かる。

このそっくりさんアンソニーが考えついたのが、アダムの恋人メアリー(ロラン)とアダムのふりをして寝てやろうってこと。アダムに服を借りて(恋人とヤルなんて言われてるのになんで貸すかな?とこの時点では思いました)それで真面目な大学講師アダムもそれなら僕ちゃんもアンソニーの妊娠中の奥さんヘレン(ガドン)とヤってやろと思ったのかアンソニーんちに向かいます。

てかさ、自分とそっくりさんを見つけたからって、その恋人が美人だからって、じゃあ入れ替わったふりしてヤってやろって、どんだけ単細胞?どんだけ男の妄想爆発よ?と思ったわけですよ、この時点では。

結局アンソニーの目論みはメアリーにバレ(結婚指輪を外した跡があるってバレてたけど、メアリーめちゃ鋭いなー、とこの時点では思いました)ホテルから帰る途中に2人は車の事故で死んでしまう。(多分死んだ)

アンソニーの奥さんヘレンはアダムに「今日大学はどうだった?」とか聞いていてアダムがアダムであることに気付いている様子。それなのに、アダムを拒否せずに受け入れる。(浮気性のアンソニーに嫌気がさしていたヘレンはアダムのほうがいいや、こっちにしようって思ったんだと思った)

そして、アダムはアンソニーの家でアンソニーが以前から通っていた秘密のセックスクラブへの鍵を手にして、自分も行こうと考える。「今晩出かけるから」とヘレンに伝えに行くとなんとヘレンは大きな蜘蛛に変身していた。で、ジ・エンド。

はああああああ????でしょ。そりゃ。蜘蛛のモチーフはそれまでも何度か登場していて何かしらのヒントにはなっていたんだけど、最後にまさかヘレンが巨大蜘蛛になっているとはね。

ここまでさんざん「この時点では」こう思いました。という書き方をしてきました。見終わったあと、公式ホームページに行ってみたんです。そしたらなんと、これは不条理劇でもなんでもなくて、妊娠中の妻を持つ男が浮気相手と別れて妻の元に戻るまでの心の中を描いたっちゅうんですよ。ああああーーー、そういうことかー。これ聞いちゃうとなんだか逆に、は?っていう面もあるんだけど、見た時点での疑問はだいたい解けました。こういう答えになぁんやと言うのはコロンブスの卵ですね。

そう言われれば確かにそうだと思えるところもあるし、それを知って新たに疑問が湧く部分もあります。クソ真面目で面白みがなさそうなアダムのほうが浮気相手と一緒にいて、軽そうだけど一緒にいて楽しそうなアンソニーが妻と一緒にいるという構図はステレオタイプ的に考えると逆じゃないのかなーという気がします。でも最終的にはアンソニーを浮気相手と一緒に殺すからそれでいいのか。

あの秘密のセックスクラブもなんか謎でしたよね。真面目なアダムはあんなとこ行かないという選択をするのかと思いきや最後に行こうとしていたし。それで奥さんが巨大蜘蛛になってるってなんかなー。結婚によって囚われた男みたいで、ちょっと女性を馬鹿にしているような気もする。巨大蜘蛛に絡み獲られたアダムは秘密のクラブにも行けなくなったか。。。

このブログでは過去の作品は面白くなかったものは取り上げません。この作品は「わけ分からん」と思いつつも見ている間は楽しめたし、ネタバレを読んでからも色々と考えることができたので取り上げました。まぁしかし、優柔不断男の頭ん中でウロウロさせられていたのか、とちょっとくやしい気持ちにもなるな。

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水曜日のエミリア

2015-03-10 | シネマ さ行

ニューヨークの弁護士事務所で働き始めた駆け出し弁護士のエミリアナタリーポートマンは、事務所のパートナーの既婚男性ジャックスコットコーエンに一目惚れ。妻子があることは分かっていたが出張先で誘惑することに成功。不倫関係を続けていたがエミリアが妊娠したのを機にジャックは妻で有名な不妊クリニックの産婦人科医キャロリンリサクードローと離婚。10歳の連れ子ウィリアムチャーリーターハンと一緒に暮らすことになる。

エミリアは出産するが生後3日で赤ん坊イザベルは亡くなってしまう。エミリアは悲しみを抱えつつも10歳のウィリアムとの生活をなんとかうまく続けようとしていた。

ジャックの前妻キャロリンっちゅうのが、所謂今時のエリートママで、子供にジャンクフードは食べさせないとか、映画は一週間に1本だけとか色々とルールを作ってウィリアムに守らせている。ウィリアムも頭の良い少しマセた子供でママの言うことにそんなに不満はない様子。エミリアは結構普通の感覚を持った人なのでそういうママのルールをアホらしいと思っていてウィリアムにルールを破らせたりするが、それが普通の子供にならウケたんだろうけど、ウィリアムはママが正しいと信じているのでエミリアがルールを破ったよとチクられたりして分が悪い。

ウィリアムはママの入れ知恵なのか何なのか、亡くなった赤ちゃんの用品はもういらないからネットで売ればいいとか、ユダヤの戒律では人は生まれてから8日経たないと人ではないからイザベルは人じゃなかったんだって。お葬式も必要なかったってママが言ってたよ、とかいちいちエミリアの気持ちを逆なでするようなことを言ってくる。こういうことを言うガキはしばきまわしてやったほうがいいんじゃないの?って思うんだけど、なんせエミリアは継母だし、その場で叱っても後で父親にまたチクられて注意されたりしてしまう。

略奪女はこれくらいバチが当たってもいいんじゃないの?と思う人もいるだろう。ワタクシはあまりそういうふうには感じないタイプなので必要以上に詠美リアに反感を持たずに見ることができました。前妻は当然エミリアのことを恨んでいるわけで、まぁ辛く当たってくるのはある程度仕方ないかもしれないけど、この旦那がちゃんとエミリアの味方をしないところにイライラしたなぁ。

と言ってエミリアがすごく性格の良いコかというと特にそういうわけではなくて、友人たちに毒舌で愚痴をこぼしたり、確執がある父親のことは完全に拒絶していたりと、結構どこにでもいそうな人っていうのが逆にワタクシは好感が持てました。まぁハーバード出の弁護士なのでどこにでもいるってわけじゃないけど。「ブラックスワン」のような分かりやすい派手な役よりもこういう普通にいそうな女性を演じるほうが難しい面があると思うのですが、やはりナタリーポートマンって上手だなと思わせる演技でした。優等生的なイメージのあるナタリーポートマンが本音トークをする(時にはちょっと言い過ぎる)女性を演じていたのが好印象でした。

どうしてもワタクシは生後3日の赤ん坊を亡くした女性という視点でエミリアを見てしまって、彼女に同情心を強く感じてしまった。映画の主題はそこではなかったのかもしれませんが。彼女が赤ん坊を抱いているうちに寝てしまって窒息させたんじゃないかと罪悪感を持っていることを告白した時のジャックの態度は酷いと思ったのですが、自分もショックを受けたらあんな態度になってしまうものなのでしょうか?彼女のことかばってやる気持ちにはなれないものなのかな。

ウィリアムもエミリアのおかげで少しずつ教育ママゴンの呪縛が解かれていって最後には「エミリアは僕の妹のお母さんだから永遠に家族だよ」と言ってくれるまでになってベタだけど感動してしまった。前妻さんも再婚したし、一度は別れたジャックともやり直すことになってちょっと都合が良いハッピーエンドになっていました。ジャックとはやり直さないというシナリオでも良かった気はしますが、どっちでもまぁ悪くはないかな。

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清州会議

2015-03-09 | シネマ か行

ケーブルテレビで見ました。清州会議というのは多分超有名な会議なんだろうけど、すみません、ワタクシ、日本史は苦手で、全然知りませんでした。というわけですので、清州会議って何?と思っている奴の感想です。

清州会議って何?と書きましたが、一応、作品の概要として「信長篠井英介と長男信忠中村勘九郎亡き後、織田家の跡継ぎを決めるための会議」ということだけは存じておりました。

会議に集まったのは織田家の家臣柴田勝家役所広司、丹波長秀小日向文世、羽柴秀吉大泉洋。もう一人来るはずの滝川一益阿南健治が遅れていた。勝家と長秀は織田家の三男信孝坂東已之助を跡継ぎに押しており、秀吉は次男の信雄妻夫木聡を押していた。滝川が到着しないため、もう一人を会議に参加させることになり池田恒興佐藤浩市が選ばれるが、勝家側と秀吉側が池田を取り込もうと裏工作に出る。

次男の信雄はちょいとオツムの足りない子で、秀吉は彼を跡継ぎにすれば自分が後見人として自在に操ることができると踏んだのだったが、信雄のあまりの馬鹿さ加減にさすがの秀吉もこりゃダメだということになり、信長の長男信忠の長男でまだ幼い三法師を押すことにする。

作品のポスターを見てもらえば分かるんだけど、いま書いたよりもさらに登場人物が多くて、勝家、秀吉、お市の方鈴木京香の関係とかそれぞれの思惑、策略などが描かれていてなかなかに忙しい。

歴史に詳しい方が見たら怒られちゃうような作品なのかなぁと思いながら見ていました。ワタクシは普通に楽しめました。三谷幸喜監督にしては笑いの要素は少なかったと思いますが、それぞれのキャラクターの性格が生きている作品だと感じました。またそのキャラクターっていうのがそれぞれのイメージと違うとお叱りを受けるっていう具合になると思いますが。

情に厚いけど、そんなに切れ者ではない勝家と自分は庶民、庶民と言いながら裏では相当大きな野望を持っている秀吉。そんな秀吉を陰になり日向になり支えるお寧中谷美紀。自分の夫と息子を殺した秀吉への復讐のため秀吉が一番嫌がるであろう嫁ぎ先である勝家のところへ嫁に行くお市の方。自分の父・武田信玄の血を絶やさず息子に天下を取らせようと計算する松姫剛力彩芽。陰謀うずまく戦国の世を三谷幸喜は彼らしく飄々と描いています。

大泉洋という人はとても器用な人だと思いますが、今回の人たらし秀吉も非常に合っていました。表の顔は誰にも親しみやすい猿。裏の顔は計算高い策略家。そんな二つの顔を非常にうまく演じていました。そして、お寧を演じた中谷美紀も素晴らしかったなぁ。キレイ処の女優さんなのに、今回のお寧はちょっとした汚れ役。もっともコミカルな役と言ってもいいかもしれません。ま、「嫌われ松子」を演じた人ですもんね。これくらいお手の物だったかも。あの踊りは志村けんみたいで、よくやったなぁという感じ。出番は少なかったけど、たわけものを演じた妻夫木聡も良かったな。なんか可愛らしかったです。付け鼻で一瞬誰か分からなかった。

最後の最後まで憎ったらしい計算づくの秀吉にころっと騙される勝家と実は一番計算高かった松姫にニヤリとしました。

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ウォームボディーズ

2015-03-06 | シネマ あ行

アメリカでヒットした青春ゾンビ映画。ニコラスホルトテレサパーマーも好きなので見たいと思っていました。

オープニングから革新的。なんとゾンビである「R」(ホルト)のモノローグで始まる。「僕はゾンビ。毎日空港をうろついてる。僕の周りの人たちもみんなゾンビ。僕の名前は、、、覚えていない。確かRで始まるってことだけは覚えてる。友達も家族も仕事も生きていたときのことは全部忘れてしまった。こんな服装してるんだから失業してたのかな」「あれは僕の親友のMロブコードリー。毎日見つめ合ってうなり合ったりする。食べ物の趣味は同じだ。生きた人間」「あいつらはガイコツ。僕らのなれの果て。なんだって食べちまう凶暴な奴ら。ああはなりたくないもんだ」

ゾンビは人間を喰らい、人間からすれば恐怖のやっつける対象でしかない。そんなゾンビの心の内を聞く日が来ようとは。

Rたちはお腹を空かせ狩りに出かける。そこへ安全地帯から物資の調達にやってきた人間の若者たちの一行にでくわす。とある青年デイヴフランコを食べながら、見上げたRの目に飛び込んできたのは、他のゾンビに銃を向けている美しい少女ジュリー(パーマー)だった。どっきーーーーん!一目惚れしたRはその子を他のゾンビから守り連れて逃げた。

空港の飛行機の中に作った自分のスペースにジュリーを連れ帰ったRだったが、ジュリーはなかなか打ち解けてくれない。(そりゃそうだ)Rは彼女を少しそっとしておくようにして、自分は持ち帰った青年の脳みそを食べることにした。実はゾンビたちは人間の脳を食べるとその人間の記憶を追体験することができる。眠らず夢を見ることもできないゾンビたちはこの追体験を楽しみにしていた。その青年の脳みそを食べたRが見た記憶は彼とジュリーのものだった。なんとその彼はジュリーの彼氏だったのだ。

Rが食べた青年ペリーはジュリーの彼氏だったとはいえ、もう2人はうまくいっていなかったというのはペリーが食べられる前にほのめかされています。だから、いいじゃんっていう問題ではないとは思いますが、一応、それで彼氏を食べたRのこともジュリーが受け入れてもおかしくないという設定になっています。

何度かゾンビに襲われそうになったジュリーをRが助けたことで信頼を得たR。ジュリーが少しずつ心を開いてくれるようになる。ジュリーとRのつかの間の楽しいひととき。ここでもRの心の声が可愛くて笑えます。「ほら、なんか気のきいたことを言え」とか「ほら、笑え」とか普通の人間のようにスムーズに動けないゾンビが頑張っている姿が健気で超可愛い。時々「こんな猫背の僕なんか相手にしてもらえるわけない」とかちょっと卑屈になっちゃうところもまるで普通の青春映画の主人公だ。

2人の心が通い始めると、Rや他のゾンビたちの体に変化が起こり始め、ゾンビと人間という種(?)を越えた愛が地球を救う!というべたな展開がまた青春してていい。そこにガイコツというもうひとつの種を加えることで人間とゾンビの共通の敵と闘うという設定がうまく機能していると思います。

Rとジュリーが恋に落ちたことでどうしてゾンビたちが人間に戻り始めたのかっていう理由は全然分からないけど、もうそんなのどうでもいいやーって思えるくらい2人が可愛らしかった。そして、Rが人間だったとき、どこで何をしていたかとかそういうまどろっこしい部分も全部うっちゃってしまってRはRのままでいいんだっていうのもそれで逆に良かったと思います。

全編を通してのRのモノローグが笑えるし、人間にばれないように人間風のメイクをしたりとかもウケました。まさかゾンビに胸キュンする作品に出会えるとは思ってもみませんでした。最近「ウォーキングデッド」をずっと見ているんですが、これからはゾンビの心象風景を想像してしまいそうだな。

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シェフ~三ツ星フードトラック始めました

2015-03-05 | シネマ さ行

「スウィンガーズ」のジョンファブローは「アイアンマン」などでいつの間にかビッグバジェットな監督になっていて、もう「スウィンガーズ」の人だってことを忘れかけていた今日この頃。彼が非常にパーソナルな低予算作品で帰って来た。

一流シェフのカールキャスパー(ファブロー)は有名料理ブロガー・ラムジーオリヴァープラットが店に来ると大張り切り。いつもの料理をやめて独創的な料理を作ろうと計画していたが、レストランのオーナー・リーバダスティンホフマンに創造性あふれる突飛な料理は作らずに昔からそのレストランで出している料理を作れと言われ仕方なくいつもの料理をラムジーに出す。

翌日のラムジーのブログでこき下ろされたカールは、ツイッターでラムジーに暴言を吐きケンカを売ってしまう。ツイッターの使い方をよく知らず、メールのようにラムジーだけにメッセージを送ったつもりだったカールだが、それは全世界に発信されていて、カールのアカウントは大炎上。そこでリベンジマッチを申し込んだカールだったが、結局リーバにまたもや独創的な料理を出すことに反対され店をやめてしまう。

かねてから思い通りにならない店で働くより自分でフードトラックを出したほうが良いと元妻イネスソフィアベルガラに言われていたカールはこれを機にフードトラックを出すことに。元部下のマーティンジョンレグイザモは速攻で店をやめて手伝いに来てくれ、夏休み中の息子パーシーエムジェイアンソニーと一緒に里帰り先のマイアミからLAまでキューバンサンドイッチ他を売りながらフードトラックで帰ってくる。

このフードトラックを始めるまでのくだりがちょいと長い気がしたのと、元妻イネスがどうしてやたらとフードトラックを薦めていたのかっていうのがちょっと分からなかったってとこが前半引っかかった部分。あそこまで一流のシェフにフードトラックなんか普通薦めるかな?あと元妻の元夫にロバートダウニーJr.が出ていて「アイアンマン」の付き合いで出たことは明らかなんだけど、この元夫がなんだか妙な奴で、と言ってがははと笑えるシーンでもなく、なんか意味不明だった。

いったんフードトラックを始めてしまえばこっちのもの。待ってましたよ、この展開。息子パーシーがさすが現代っ子、ツイッターを駆使してパパのフードトラックを宣伝しまくって行く先々で大盛況。またねぇ、カールの作るキューバンサンドイッチやらなんやらが美味しそうなんだよねー。映像的にもツイッターのあの小さい青い鳥がピヨピヨ~と飛んでいったりしてとても可愛らしいし、マイアミ、ニューオリンズ、テキサスとロードムービーとしての魅力もたっぷり。

この作品の魅力はその料理と何と言っても息子のパーシー。両親が離婚してパパと過ごす時間が少ないことに不満を覚えている彼が夏休み中パパとフードトラックで過ごせるとなって大喜び。小さい体でパパの料理を一所懸命手伝ってツイッターで宣伝までして可愛いのなんの。ビジュアル的にもお目目くりくりで成長したらハンサムな青年になりそうな雰囲気。彼とパパとの関係がとても良かったです。

部下であり、カールの親友でもあるマーティンを演じたジョンレグイザモも素晴らしかったですね。ぶっちゃけ、彼がいなかったらカールだけではフードトラックは成功しなかったんじゃないかとさえ思えるほど、頑張ってくれていました。ラテン料理のトラックに彼は絶対に必要な人材でした。

最後、フードトラックで成功して、批評家のラムジーとも和解し、和解どころか仕事のパートナーにまでなって彼が持っている店のシェフになるカール。これって当然大成功のハッピーエンドってことなんだろうけど、ワタクシはなんか「あ、結局やっぱお店がいいのね。フードトラックじゃダメなのね」と思ってしまった部分はありました。ひねくれてますかね?

ラテンミュージックが中心のサントラもノリノリで最後の再婚ウェディングパーティも可愛らしかったです。

あ~キューバンサンドイッチ食べてみたいー。(って多分みんな思ったな)

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