シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

glee シーズン3 第17話 Dance With Somebody

2012-06-26 | 海外ドラマ

ホイットニーヒューストンの追悼の回です。これはもちろんホイットニーの急死を受けて製作されたものでしょうから、「ホイットニーの死から2か月経っても生徒たちは立ち直っていない」というセリフをシュー先生マシューモリソンに言わせたんでしょうね。

ホイットニーにお別れをするのと同時に自分たちの高校生活にも別れを告げるという課題だったので、彼らの卒業が間近に迫っているんだなぁというのがだんだん実感として出てきて悲しいです。

カートクリスコルファーはチャンドラーっていうゲイの子にレコード屋で知り合って何やら意気投合。最近冷たいブレインダレンクリスの代わりにメールのやりとりをやたらとしています。それがレイチェルリアミシェルに見つかって責められてるけど、カートは浮気じゃないって言い張ってます。

ブリタニーヘザーモリスとみんなが歌って踊るのを見て傷ついているクインダイアナアグロンのリハビリにジョーサミュエルラーセンがついて行ってあげたりして二人はなんかいい雰囲気。でもクインは自分が車いすなことで卑屈になり、ジョーはジョーでクリスチャンであることと恋愛の板挟みになってます。ワタクシはサミュエルはあんま好きじゃないのでクインとくっつくのは気に入りませんが、卒業まであと少しだしヨシとしましょう。

シュー先生は12月のエマジェマメイズとの挙式を5月に早めようと焦っています。どうやら、いまのグリー部の子達が卒業してしまって12月の式に来てくれなかったらどうしようと思っているみたいで。「彼らなら10年後に月で式を挙げたって来てくれるわ」というエマの言葉になぐさめられます。このシーン泣けました。シュー先生も彼らが卒業していくのがとても辛いんですね。彼らはやはり特別な生徒たちですもんね。

カートがチャンドラーとばかりメールしているのがブレインにバレます。ブレインは浮気だと責めますが、カートはあくまでも浮気ではないと言い張り、エマ先生のカウンセリングで、ブレインが最近カートに冷たかったのはカートがニューヨークに行く話ばかりして、自分が置いて行かれるのが寂しかったからだと判明します。確かに最近のカートはちょっと無神経でしたよね。ニューヨークに行くのが楽しみなのは分かるけど、ブレインの気持ちを考えてあげてなかった気がします。このカウンセリングのときにブレインが気になることを言っていたんですが、サムコードオーバーストリートメルセデスアンバーライリーってこの時点でも別れたままってことになってるの?先週いい感じだったのになぁ。

「How WIll I Know」オープニングナンバー。最近こういう始まり方多いですね。メルセデス、サンタナナヤリベラ、カート、レイチェルってコーラスが重なっていくのがすごくきれいでした。これぞ、グリー部の真骨頂ですね。
「I Wanna Dance With Somebody」ブリタニーとサンタナのデュエット。PVの衣装なんでしょうけど、なんか二人とも太って見えたなぁ。ブリタニーのダンスはやっぱりすごいです。
「Saving All My Love For You」これはクインとジョーの声にとても合った曲でした。
「So Emotional」サンタナとレイチェルのデュエット。すごく良かった。この曲が終わった直後にレイチェルがサンタナをハグしますが、そっとサンタナが避けていたのが印象的でした。このシーンのあと、サンタナのロッカーで、この3年間いがみあってデュエットできなかったのが残念だとレイチェルが話に行きます。サンタナは最初拒否しかけますが、やっぱり素直になってまだデュエットできるわよと言います。ロッカーにレイチェルの写真を貼ってと頼まれたときは複雑な顔をするサンタナでしたが、レイチェルの気持ちを受け入れて一瞬だけハグしてあげ、写真も貼ってあげました。実際、シーズン3に入ってからサンタナとレイチェルのツインボーカルの曲というのは何曲かありましたが、ちゃんとしたデュエットという形は初めてという解釈でいいのかな?「We Are Young」のときとか「I Kissed a Girl」のときとかかなり仲良くしているように見えましたけどね。製作側としては卒業までにきちんとオフィシャルに仲良しにさせておきたかったのかなと。
「It's Not Right But It's Okay」カートの浮気疑惑を受けてブレインが歌う曲。これもPV風にしてありますが、曲のアレンジが男性的になっていますね。
「I Have Nothing」ブレインの誤解を解こうとカートが歌います。カート、声高い!この時点ではまだブレインはカートを許すには至りませんでした。
「My Love Is Your Love」これはワタクシがホイットニーの曲の中でもっとも大大大好きな曲なので最後に歌ってくれてしかもニューディレクションズ全員で歌ってくれてものすごく嬉しかったです。やっぱりホイットニーの曲にはメルセデスの声が合うなぁ。これもコーラスが美しい曲なのでグリー部にピッタリでした。この曲のとき、サンタナがレイチェルにちゃんとしたハグをしてくれます。こんなふうに曲のパフォーマンスの中でそれぞれの関係性とかが示されるのがすごく好きです。


ディアドクター

2012-06-25 | シネマ た行

ケーブルテレビで見ました。西川美和監督の作品は初見です。「ゆれる」を見ようと思いつつまだ見ていません。

笑福亭鶴瓶は芸人としても役者としても好きだし、この題材ということで心温まるストーリーかなぁと思って見始めました。冒頭でいきなり、鶴瓶演じる村でただ一人の医師・伊野治の失踪というところから始まり、何やらただの心温まるストーリーではなさそうな予感。失踪の捜査に乗り出した刑事2人松重豊岩松了と村人とのやりとりから伊野の人物像に迫っていく。

物語は伊野が村の医療を一手に引き受けていた過去に戻る。村人たち、看護師・大竹余貴美子、研修医・相馬瑛太、製薬会社の営業・斎門香川照之などとのやりとりが描かれていく中で、さまざまな伊野のエピソードが語られる。

印象的なエピソードは寝たきりのおじいちゃんの臨終の床。最後まで延命治療と施そうとする研修医・相馬とは対照的に家族の、特に介護を引き受けている、いや、押し付けられているであろうお嫁さんの表情をうかがい、延命治療をせずに死亡宣告をする伊野。おじいちゃんを抱き上げ「よう今までがんばったなぁ」と言った瞬間おじいちゃんのノドに詰まっていた赤貝が出てきて息を吹き返し、周囲は「神様だ」と伊野をもてはやす。

一方、刑事たちの捜査が進むにつれ、伊野は実は医師免許を持っていないニセ医者だったということが判明する。それを分かった上で観客は伊野のエピソードを見ることになる。

東京で医師をしている娘りつ子井川遥がいる鳥飼かづ子八千草薫は娘に義理立てしてか胃が悪いらしいのに伊野に診せに来ない。熱中症で救急で診ることになったのを機にかづ子の胃の調子を診る伊野だったが、かづ子の胃にはガンがあることが判明する。娘には言って欲しくないというかづ子の希望通り伊野は胃潰瘍と偽って治療を続ける。

看護師の大竹は伊野がニセ医者だということに気付きながらサポートし続け、緊急の患者が気胸になったときも針を刺す場所をそっと教えたりしていた。彼女は医者のいない村で伊野の存在がどれだけ大きいかをもっとも知っていた人だったんだろう。看護師という職業上は彼女のしたことは決して許されることではないんだろうけど、映画を見ている限りでは彼女に対して嫌悪感などはまったく感じなかった。

製薬会社の営業マン斎門も伊野がニセ医者だと知っていたが、薬の販売を手伝わせるなどして伊野を利用していた。ここのところはどういう経緯でそうなったか語られないが、かつてペースメーカー機器の営業だった伊野となんらかの形で知り合いだった斎門が伊野の素性を黙っておく代わりに薬を売りつけていたようで、これはどっちもどっちってな感じだけど、現実的には捜査が進めば、伊野が患者に必要でない薬を与えていたことも判明するだろうし、そうなれば斎門もヤバい立場に追いやられる可能性はあると思う。

研修医の相馬はすべての研修が終わったら伊野の下で働きたいと考えるほどになっていたが、伊野がニセ医者だったと刑事に知らされると「怪しいとは思っていた。伊野が変な治療をしないように目を光らせていた」などど言っていたのは、おそらく尊敬していた人に裏切られたという悲しみと、そんなニセ医者を尊敬してしまっていた自分の自尊心が傷ついたことへの怒りが原因だったのだろう。

研修医・相馬にここで働きたいと言われたときの伊野が「俺はニセモノや。資格がないんや」と言うときの鶴瓶の演技が秀逸だ。前半はコミカルな感じで進み、鶴瓶の芸人としての本領発揮といったところだが、こういうシリアスなシーンの鶴瓶の目の座り方はハンパなく怖い。普段へらへらした印象だけに、目の奥の底なし沼のような暗さに寒気がする。

先に書いたおじいちゃんの臨終の場面や、鳥飼かづ子との交流を見ると、日本の終末医療の在り方などの問題提起かというふうにも捉えられるのだけど、伊野がなぜニセものの医者になりすましこの村に入り込んだのか、研修医・相馬に告白したように年2000万円もらえるからと転がり込んだら抜け出せなくなったというのが真実なのかどうか、有名な医者だった父との確執がそうさせたものだったのか、はっきりと語られることはない。結局、村人が感じたように「あの人はなんだったんだろう?」という状態に観客もほったらかしにされて終わったような気がする。

ただ、伊野がニセ医者だったと知らされたときの村人個々の反応が、それぞれで「あの人のおかげでこの村は成り立っていた」と言う人と、「どうりでちっとも良くならなかったはずだ」とか今まではお世話になっておいて手のひらを返したように言う人で、さまざまな人間の心の奥を垣間見ることができる。

ガンの母親がニセ医者にウソの診断をされた鳥飼りつ子も伊野に憤りを感じているふうではなかったのが、ちょっと不思議な気はしたけど、母親をほったらかしにしていた自分とそばで面倒を見てくれていたニセ医者とどっちが偉いか?と自問自答していたということなのか。

鳥飼かづ子は伊野にとてもよくしてもらっていたわりに「何も分からなくて。怖いですねぇ」なんて言っていて、冷たいばあさんだなと思ったけど、ラストシーンのかづ子が入院している病院に給食業者を装って忍び込んできた伊野を見たときの笑顔でなんか救われた。


プレステージ

2012-06-21 | シネマ は行

ケーブルテレビで見ました。公開当時見に行こうかどうか迷った作品でした。クリストファーノーラン監督らしい作品ですね。彼の作品ってちょっと暗くて男のじめじめした部分が描かれる作品が多い気がします。

カッターマイケルケインというマジシャンの助手をしていたロバートアンジャーヒュージャックマンとアルフレッドボーデンクリスチャンベイルは、あるショーの夜アルフレッドの失敗により同じく助手であるロバートの妻が舞台上で死んでしまうという事故が起き、それがきっかけでロバートはアルフレッドに強い憎しみを抱き、二人は決別しそれぞれが一流マジシャンを目指して歩み始める。

ロバートの妻が死んだのは純粋に事故だったのだとは思うけど、ここから二人の執拗な復讐合戦が始まり、お互いのショーに変装して客として入り込んでは相手にダメージを与えあう。

ボーデンのほうが瞬間移動のトリックで人気を博し始めるとアンジャーも意地になってそのトリックを暴こうとし、影武者を使っているだけでは飽き足らず、科学者のニコラステラデヴィッドボウイが発明した瞬間移動の機械を使ってショーを始める。(デヴィッドボウイが出てきてちょっとビックリ)

映画はアンジャーがステージの裏でボーデンに殺されてしまい、ボーデンの裁判の様子から始まる。そこから時間をさかのぼって事件の真相が語られていくのだけど、そこんとこがまたクリストファーノーランらしく、なんだかややこしくまどろっこしい。

結局アンジャーのトリックはマジックでもなんでもなく、科学者が発明した機械ってことで「なぁんや」という気持ちにもなるし、ボーデンの瞬間移動もトリックは双子ってことで、これも言ってしまえば「なぁんや」なんだけど、ただこの双子のマジックにかける人生が壮絶で、常に二人で一人の人生を生き、ボーデンがアンジャーに撃たれて指を失くしていることから、双子の片割れも瞬間移動を演じきるため指を自分で切断したと言う。科学に頼ったアンジャーより、自らの人生を書けたボーデン兄弟のほうが最終的に“勝った”のは納得がいった。まぁ、あんな生き方気持ちが悪いけどね。それにミステリーのオチとして双子っていうのは一番やっちゃいけないパターンだと思うんですが、一応奥さんレベッカホールが彼の存在を疑っていて、そこここにヒントを出しているからいいとしよう。

この作品はヒュージャックマンとクリスチャンベイルの演技対決の面白さで成り立っていると思うのだけど、やはりクリスチャンベイルにかかるとヒュージャックマンの演技が大したことないように思えてしまう。でも、ミュージカルで歌えて踊れる陽気なオージー・ヒュージャックマンと少し神経質そうなイギリス人クリスチャンベイルというもともとそれぞれが持っている雰囲気にピッタリな役だったように思う。二人の演技対決以外の部分ではちょっと暗くて眠くなる可能性がある作品ですが、なかなかに巧妙にできていてさすがです。

二人の間を行き来する女性としてスカーレットヨハンソンが出てくるんだけど、彼女の使われ方は少しもったいない気がした。2006年ころの彼女のキャリアを考えるとあれくらい?最初にも書いたけど、クリストファーノーランはじめじめした男の世界を描くのが得意で、女性の扱いはそんなにうまくない気がします(スクリーン上のという意味で)。なんの根拠もないけど、女たらしじゃなくて愛妻家なのかな?とか思ったりして。





「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」


スノーホワイト

2012-06-20 | シネマ さ行

これはシャーリーズセロンの悪役っぷりを見たいだけで行った作品です。そのため内容には全然期待していなかったおかげで、思ったよりずいぶん楽しむことができました。

そもそも超美女のシャーリーズセロンが白雪姫の美貌に嫉妬する継母役で、白雪姫が美貌にははてなマークなクリステンスチュワートというキャストを知った時には完全にミスキャストやがな!とツイートしてしまったほどでしたが、そのクリステンもなかなかに美しく若さ、美貌、そして心の純粋さを持ち合わせたお姫様の役も全然違和感はありませんでした。

原題が「Snow White and the Hunstman」なので、このhuntsmanエリックを演じたクリスヘムズワースがキーパーソンなんだなということは分かったんですけど、まさか彼が白雪姫にキスをして呪いを解く王子様だったとはねぇ。白雪姫の幼馴染で彼女をずっと想ってきたウィリアムサムクラフリンの立場はーーーっ!?と思ったけど、継母ラヴェンナがウィリアムに化けて白雪姫を騙した時には白雪姫のほうからキスしてたんだから、彼女もウィリアムに気があったんだよねー?ということは本人も気づいてはいないけど、本当の運命の人はエリックよってことだったのかな。

白雪姫と言えば七人の小人たちなんですが、ボブホスキンスとかニックフロストレイウィンストンといった普通の俳優さんが小人役で登場したので驚いてしまいました。もちろん、ボディダブルの人たちは小人症の人たちが演じてそれをCG処理したんでしょうけど、CG処理だなんてまったく分からないくらい、彼らが有名な俳優さんだと知らない人が見たら絶対に小人症の人たちが演じていると思うだろうなというような仕上がりです。

白雪姫と言えば七人の小人たちなんて書きましたけど、実はワタクシ、彼らが登場してからしばらく経つまで彼らの存在があの「七人の小人たち」のことだと気付かずに見ていてしまいました。しばらくして「あ~、そっか白雪姫のお話やもんな。七人の小人か」と思いました。でもなんかあれ8人おれへん?って思ってたら一人死んじゃって…なんかあれってちょっとヒドい。最初っから一人は死ぬって分かってまうやん!それなら7人出しておいて、一人死んでしまって6人になってしまうほうがまだ良かったな。

白雪姫が妖精の森で(この妖精が超気持ち悪いんですが)、森の主の白鹿に出会うシーンがっ!もう!これねー、多分みんな書くと思うんですけど、書かずにはいられないんで。あれはもう完全にシシ神様@もののけ姫でしたよねーーーー!!!映画館で一緒に見に行っていたにゃおと顔を見合わせてしまいました。隣のカップルもずっと静かにしてたけど、この時ばかりはこそこそってなんか喋ってたし。いやー、あれはこそっとなんか言わずにはおれんわな。あの場面だけは日本全国ヒソヒソ話解禁にしてほしいくらい。

姫さんが小人たちと歩くのは妖精の森ですが、継母魔女ラヴェンナに幽閉されていたところから最初に逃げ込んだのは暗黒の森で、この二つの森のファンタジー映像がかなり面白くよくできていて楽しめました。ラヴェンナの魔法とか鏡のCGとかも全部美しくて目を奪われました。

あとはやっぱねー、シャーリーズセロンって演技上手いなぁって改めて感心しましたね。あの美しさだけでも魔女ラヴェンナを演じるのに有利だと思いますが、あの美しさで青筋立てて大声張り上げたり、かと思えば自分自身の不幸な生い立ちを思って涙したり。ああいう感情むき出しの役は返ってやりやすいのかもしれないけど、あの怒りとか焦りとか憎しみとかがあれだけ大げさに表現しておきながら、リアルに見えるといううまさを発揮しています。常々言っているのですが、彼女には真面目なものだけではなくてこういう系の作品やコメディなどにもどんどん出演してもらいたいものです。魔女ラヴェンナの衣装も要注目です。

最後の魔女ラヴェンナ対姫さんになるまでがちょっとまどろっこしいところもあるんですが、いざ対決になったら案外簡単にやられちゃったねラヴェンナ。あれでもう一回復活して攻撃してくるっていうパターンかと思ったら一刺しで本当にジ・エンドでした。その辺はしつこくなくて良かったけど、こういう話で上映時間127分はちと長いかな。もう少しだけコンパクトにまとめてくれても良かったかもしれません。


glee シーズン3 第16話 Saturday Night Glee-ver

2012-06-19 | 海外ドラマ

前から楽しみにしていた「サタデーナイトフィーバー」のトリビュートエピソードです。

今年の全国大会のテーマは「ヴィンテージ」だから、ディスコをやろうよというブレインダレンクリスの提案にシュー先生マシューモリソンは大賛成するが、他の生徒たちは「ディスコなんてダサい!」と拒否。それをスー先生ジェーンリンチに相談したところ、じゃあまた賞品出して競争させれば?ってことになる。

シュー先生はディスコソングの競争に将来の夢が定まってない生徒3人フィンコーリーモンテース、メルセデスアンバーライリー、サンタナナヤリベラを引っ張りだして、この課題から影響を受けて将来のことを考えてほしいと話す。

メルセデスの夢はディーバになること。サンタナの夢は有名になること。フィンの夢はアクターズスタジオに行って俳優になることに定まった様子。サンタナの有名になるという夢を叶えるためにブリタニーヘザーモリスがYou Tubeに二人のセックステープを投稿しちゃって一悶着ありますが。

サムコードオーバーストリートはメルセデスの夢を後押しするためにメルセデスが歌っている姿をYou Tubeにアップし、いかにみんながメルセデスのことをすごいと思っているかを証明します。そして、この二人はやっといい感じに。サムの恋心を応援していたので嬉しかったなぁ。サムセデス続いてほしい。

フィンはやっとただレイチェルリアミッシェルについて行くだけではなくて自分の夢を定めたようで良かったです。もうこのネタ引っ張り過ぎだったし、そろそろ決着つけていいころでしたし。

アメリカの高校生なんて卒業時点で大学を決めてない子も結構いると思うんですけどね。シュー先生はやたらとせっついてましたが。スー先生がこっそりサンタナのために大学に申し込んであげたりして、シーズン3ではすっかりいい人ですね。

マッキンリー高校のライバル、ヴォーカルアドレナリンのリードヴォーカルのウェイドとして「グリープロジェクト」のアレックスニューウェルが初登場しました。久々にヴォーカルアドレナリンのコーチとしてジェシージョナサングロフが出てました。散髪してすっきりしてたな。

このエピソード、ローリーダミアンマクギンティーとシュガーヴァネッサレンジーズが体調不良で休んでいたようで、それは全然いいんですけど、なぜかクインダイアナアグロンがほんのちょっとしか出てません。他の仕事?いま車イスだからいないとすぐに分かっちゃうよ。

今回の楽曲は「サタデーナイトフィーバー」のサントラからで、ワタクシはこのアルバムの楽曲がすごく好きなので、全部嬉しいパフォーマンスでした。せっかくだから、トラボルタに出てほしかった!

You Should Be Dancingブレインがマイクハリーシャムジュニアとブリタニーのダンサー二人に囲まれてがんばって踊ってました。
Night Feverみんながちょっとずつ踊るのが良かったな。ティナジェナアシュコウィッツの踊りが可愛い。スー先生の踊りがちょっとズレてるのがまたいいです。
Disco Infernoメルセデスはバラードが多いので、こういう曲がたまにあると嬉しいな~。
If I Can't Have Youサンタナはブリタニーにラブソング歌いまくりですね。ブリタニーがうれし泣きしていたのが印象的。
How Deep Is Your Loveこの曲好きです。レイチェルが歌ってくれたのが嬉しい。「Don't Rain on My Parade」とは対極にあるようなしっとりとした歌い方で聞かせてくれます。
Boogie Shoesヴォーカルアドレナリンのパフォ。ウェイドが女装して歌ってます。ワタクシ「グリープロジェクト」を見たとき、最初アレックスのことを女の子だと思ってたくらいなので、彼が女装で歌ってもなんの違和感もないです。あれくらいゴツい女性もアメリカ人の中にはいますしね。声なんてほんとに女声だし。久々に彼の歌を聞きましたがやっぱり歌唱力は抜群ですね。アメリカでは彼が女装で歌ったことでちょっと物議をかもしたようです。
More Than A Womanフィンがレイチェルに歌うラブソング。ちゃんと付き合ってるカップルだけがステージで踊ります。この回は全体的に女の子たちがレトロな髪型とメイクで可愛いんですが、このときのレイチェルがすごく似合っていて可愛いです。
Stayin' Aliveこれは全員でお約束の白いスーツでキメてくれました。この衣装着てるクイン見たかったー。あの衣装ベッキーローレンポッターが作ったんだよね?ベッキーすげー。サンタナの腰の入れ具合が最高です。スー先生は大きくなり始めたお腹が目立ってました。この曲はもっと長い時間パフォーマンスして欲しかったなぁ。


パリ20区、僕たちのクラス

2012-06-15 | シネマ は行

カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた作品。パリ20区にある、とある中学校の1年間の国語の授業をドキュメンタリー風に描く。

パリの20区というのがどんなところなのか知らないけれど、この学校の生徒たちを見る限りでは移民の多い地域だということが分かる。アフリカ系、中東系、中国系と色んな人種、宗教の生徒がいるし、生徒の中でもまだフランス語が苦手な子もいるし、保護者の中にはフランス語がまったく話せない人もいるようだ。

そんなクラスの担任であり国語教師であるフランソワベゴドーはこの作品の原作を書いた人物でもある。

全然予備知識がなく見始めたワタクシは、「ん?これってドキュメンタリー?それにしてはカメラワークがしっかりしてるなぁ」と思いました。たとえば二人で話しているシーンなどで、どちらの話し手側からもカメラが向けられていて、ドキュメンタリーでは不可能なカメラワークになっていました。

ぶっちゃけ全部見終わった後「で?」と思ってしまった作品だったんですが、やっぱりこれがドキュメンタリーではなくて「ドキュメンタリー風」ということを考えるとそのリアルさに舌を巻かずにはいられなかったんです。この先生と生徒たちのやり取りがリアル過ぎる。先生役の人はまぁ大人だからうまいのはいいとしても生徒一人一人のリアルな演技がすごいです。しかもそれが全然演技っぽくなくて、本当にもし定点カメラなんかで撮影されたものだったら本物のドキュメンタリーだと思ってしまったと思います。

それはひとえに撮影前に行われた7か月間にも及ぶワークショップの賜物なのでしょう。生徒たちは自分自身のようなキャラクターを演じているのではなく、全然自分とは違ったキャラクターを演じているというのですから、これまたオドロキです。

ドキュメンタリー風ですから、きちんと脚本があって生徒たちはセリフをしゃべっているわけですから、これがどこまで実際のフランスの中学校の現実に沿っているのかは分かりませんが、フランソワベゴドーが実際に教師をしていた体験から書かれているものですから、それもかなりリアルなものなのかな。教室で中学生があそこまで自分の意見をしっかり言うというのは日本ではかなり珍しい光景ではないかなぁと思います。金八先生を始めとする学園もののドラマでは、ホームルームで生徒が活発に発言しますが、実際には日本の教室ではあんなことは少ないと思います。その辺はやっぱり国民性の違いだろうなと感じました。

大人になって聞いてみると生徒たちの言っていることのなんと生意気なこと!と思いますが、中学生なんて反抗期のまっただ中だし、大人は分かってくれないと思っていて、責任は取れないくせに自分はいっちょまえと思っている時期ですからあんなもんでしょうね。まぁ、人間あーいう時期もあっていいんだろうなと。ただ海外では日本と違って「退学処分」というのがあるので油断してはいられませんよね。フランスでは退学になっても他の学校に転校させるという処分みたいでしたが。そういうのは「退学」とははっきり言わないけど日本でもあるか。でも退学処分にするのに、教師と生徒と親代表が集まって裁判みたいなことをするというのに少し驚いた。

クラスがめっちゃ揉めてたかと思うと唐突に1年の最後になっていて、みんながこの1年で何を学んだかという話で終わるんだけど、最後に先生のところに来て「この1年で何も学んでいません」と言っていた女の子のことが気になった。彼女は反抗期ゆえの反抗心で言っているふうには見えなかった。学習上なにか困難を抱えているのか?その子に関しては何も分からないまま生徒と先生のチームが最後にサッカーをして1年が終わり、映画も終わってしまう。そこにちょっとしたもやもや感を感じながらのエンドクレジットだったのだけど、これこそがフランソワが感じた教師という仕事へのもやもや感なのか?というふうにも感じた。


星の旅人たち

2012-06-14 | シネマ は行

昔スペイン語を少しかじったときに(動詞の活用ですっかりつまづいてしまったのだけど)、このEl Camino de Santiago de Compostelaのことを少し習ったことがあって、予告編を見たときから興味があった。監督が昔から好きなエミリオエステベスだし、主演が彼の実の父親であるマーティンシーンということでこれまた楽しみにしていた。ワタクシは映画の事前情報をそんなに入れないタイプなので、この作品がどれくらい注目されているかは知らず、こんな小さな作品だからきっとがらがらだろうと勝手にタカをくくっていたら、小さな劇場ではあるけど、結構満杯だったのでビックリした。エミリオエステベスもマーティンシーンも日本の映画ファン以外にそこまで人気があるとは思えないし、これはEl Caminoへの文化的な興味からくるものなのかなぁ?やはり日本にはお遍路というものがあるからか?と勝手に想像したりして。

前置きはこれくらいにしてと。大学を辞めて世界を見たいとアメリカを飛び出した息子ダニエル(エミリオエステベス)がピレネー山脈で嵐に遭遇して死亡したと連絡を受けた父親トム(マーティンシーン)は現地に息子の亡骸を受け取りに行き、息子がサンティアゴデコンポステラまでの巡礼の旅をする1日目で亡くなってしまったことを知る。亡骸をそのまま持って帰るつもりのトムだったが、息子の遺志を継ぎ、サン=ジャンから800キロにおよぶ巡礼の旅を息子の代わりにすることにする。

途中で出会うのは、痩せるために歩きに来たというオランダ人のヨストヨリックヴァンヴァーヘニンゲン、禁煙のために来たというカナダ人のサラデボラカーラアンガー、スランプから脱するために来たという作家でアイルランド人のジャックジェームズネスビット。トムは特に旅のお供を期待していたわけではないが、というよりどちらかと言えば独りになりたかったんだけど、巡礼の道がだいたいほとんどの人が同じコースを辿るため行きがかり上この3人と旅を共にすることになる。

途中途中のスポットで息子の遺灰を少しずつ置いていくトム。話したくない事情も少しずつ旅の仲間にはバレていく。カナダ人のサラは表向きは禁煙のためと言ってはいるが、どうやらDV夫との辛い過去を清算するために来たということも分かってくる。ヨストとジャックには隠している事情は特になさそうだったけど。

800キロを1か月から2か月かけて歩くというのだから、過酷な旅には違いないんだろうけど、途中の町の人々の巡礼者への温かい歓迎や、その土地土地の食べ物(特にダイエットに来たはずのヨストが一番楽しんでいたようだけど)風景など牧歌的な雰囲気がして、なんだかワタクシにもできそうな気さえしてしまう。いや…この映画を見てもしEl Caminoに行ったらかなり後悔することになると思うけど…

やっぱりこれだけの旅をするのだから、それぞれが人生において何か新しい出発をしようと望んでいるんだと思うんだけど、結局のところそれが何だったのかはワタクシには分からなかった。それがこの映画の中でうまく語られていなかったんじゃないかと言うとエミリオエステベス監督の度量不足のようになってしまうのだけど、ワタクシは決してそんなふうには思わなかった。2か月歩いたからといって人間が表面的に他人から見て何が変わるわけではない気がする。ただ自分の中でそれが意味を持つものであればいいんじゃないかなと。それは巡礼者にとってもっとも私的なことであり、そこに踏み込む必要はワタクシは感じなかった。

マーティンシーンの演技はいつもながら素晴らしく、息子と自分とに向き合う真摯な父親の姿を体現していた。これはやはり監督と主演俳優が実の親子であることに大きく起因していると思う。これは観客に見せるための映画としてきちんと成り立っていると同時に親子の個人的なフィルムであるようにも感じた。ヨスト、サラ、ジャックを演じたそれぞれの俳優たちも本人の国籍のままの配役で、ある程度素の部分も大切にしつつの演技だったのかなという気がする。

残念だったのは、これだけ雄大な風景が広がる中であまりカメラがその美しさを捉えきれていないと感じる部分があったことだ。トムの荷物を盗んだジプシーの子の親がお詫びにと夜の宴に招待するシーンでも、最後のサンティアゴデコンポステラの寺院に入るシーンでも、自然の光だけで撮影したようで暗すぎたり逆光だったりしてあんまり演者の表情などが見えなかった。これは多分わざとそうしたんだと思うんだけど、人工的でいいからちゃんと見たかったなと思いました。

エミリオエステベスのインタビューで知ったんだけど、彼の息子がEl Caminoの途中で出会ったスペインの女性と恋に落ち結婚してスペインに住んでいるという。彼にとっては自分の父親とのストーリーでもあり、息子とのストーリーでもあったということですね。


11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち

2012-06-13 | シネマ さ行

三島由紀夫の作品は「金閣寺」しか読んだことはありません。彼が自衛隊を占拠し割腹自殺をしたことは知っているけど、それ以外に特に彼に関する知識はありませんでした。それでもやはり三島由紀夫の半生が映画になると知った時には必ず見に行こうと思っていました。

三島由紀夫井浦新って明治時代とかのそういう軍国主義の日本に生まれていれば幸せだったのかなぁ。ワタクシ自身は三島の右派の思想にまったく共感しなかったので、どっか冷めた目で見てしまったんですよね。彼らの一所懸命さがなんか寒いっていうか、ぶっちゃけて言うとアホか?と思った部分も少なからずあったりして。日本の伝統的な文化を守るために戦いは日本刀でなければならない!なんてスーツ来てネクタイ締めてワイン飲みながら言われても、それのどこか日本の伝統よ?と思っちゃうところとかあったりしてね。しかし、本気で三島の望み通り自衛隊が蜂起していたとして、軍隊に昇格(?)したとして、そのとき諸外国と日本刀で戦うつもりだったのか?おうちも奥さん寺島しのぶの趣味かなんか分からんけど、思いっきり洋館だったしな。

彼の思想とワタクシの思想が全然違うというのはただの見解の違いということでいいんだけど、映画としてこの作品を評価すると、どうでしょうか。途中ちょっと退屈なところもあったかな。演出がどうも一本やりな感じがしましたね。

でも役者たちの演技には鬼気迫るものがあります。特に三島の腹心であった森田必勝を演じた満島真之介がすごかったですね。ほんと、これ言うと怒られるかもしれないけど、森田と三島の関係性はもうゲイ萌え?と思ってしまうくらいだったな。ああいう男同士の関係において、肉体関係はないにしても、そして本人たちに自覚はないにしても、同性愛的な感情が秘かにあるんじゃないかなぁと思いました。これは真面目な話として。

三島を演じた井浦新ですが、この作品のエンドロールにARATAと出るのが好ましくないと考えて芸名を本名に戻したらしいです。それだけこの作品には思い入れがあるということなんでしょうね。実際の三島を知っている人が彼の三島をどう感じたかは分かりませんし、ワタクシは本物を知らないのでなんとも言えないのだけど、実際の三島を写真で見る限りでは、ものすごく筋骨隆々なんですよね。井浦新のほうは自衛隊に入ったり、自分のことを「武士として、武士として」とかやたらと言う割にひょろっとした体だなぁと思ったんですよ。この作品に思い入れがあったならもっと体鍛えて欲しかったなぁ。

あの時代、右も左も結局最終的に武力に訴えるということしかなかったのかな。それはどの時代でも同じなのかもしれないけど。思想は違っても結局手段は同じっていうのがなんか稚拙に思える。よど号事件が起きて「先を越された」なんて世間の注目さえ浴びれば何でも良かったというのか。という気がしてしまった。最後の演説は命を賭して行ったわりにマイクも用意せず、野次でほとんどの内容が伝わらなかったようで、見ていて切なくもあり滑稽でもあった。

ただこの作品を見ただけで複雑な三島由紀夫の心理とか行動の動機などがすべて分かるとは思わない。この作品はあくまでも日本の近代史のひとつの衝撃的な事件をなぞっただけにすぎない。これをイントロダクションとして三島の人生をもう少し探っていきたい気になった。


トゥルース~闇の告発

2012-06-12 | シネマ た行

劇場未公開の作品です。ケーブルテレビで見ました。

ボスニア紛争後、治安を維持するためにボスニア入りしていた国連監視団、民間軍事会社の人々が周辺の途上国などから女性を連れてきて慰安婦としていた問題に気付いたアメリカ人女性警察官キャシーレイチェルワイズがこの人身売買を告発する過程を描く作品。

出演している役者さんもレイチェルワイズの他、ヴァネッサレッドグレーヴデヴィッドストラザーンモニカベルッチと有名どころが出ているにも関わらず、劇場未公開とはどうしてなんだろう?小さな映画祭では観客賞などを受賞したりもしているみたいなのに。日本って世界の中でもかなりたくさんの国の小さな作品まで見られる国だと思うんですけどね。国連の犯罪絡みということで何か黒い理由でもあるのかと勘ぐってしまいます。

治安を維持するためにボスニアにいるはずの人々がこういう犯罪に手を染めていたというのは、とてもショッキングでした。貧しい国から売られてきた(良い仕事に就けると騙されて)少女たちは、慰安婦として働かされただけではなく、逃げないようにパスポートは没収され、不潔で暗い部屋に何人も雑魚寝状態で押しやられ、逆らえば見せしめのように暴力を振るわれ、監禁され、しかも渡航費用や部屋代などを借金として返すよう強要されていた。

多額の報酬目当てにアメリカからボスニアに来て治安維持活動をしていたキャシーは全身傷だらけのラヤという少女を保護したことから偶然、少女の人身売買が行われていることを知る。女性として、母親として、警察官としてキャシーはこの事件を追う。背後にある恐ろしい力に気付かずに。

一般のバーを隠れ蓑にした売春宿に同じ民間軍事会社の連中が出入りしているという事実だけでもショッキングだったのに、少女たちの証言によると、国連、軍事会社の連中が少女たちを国境から運ぶ仕事までしていたことが分かる。しかし、上層部は当然そんな事実は認めず、軍事会社はキャシーをクビにしてしまう。

キャシーの味方は少なく、少女たちも組織の報復を恐れて証言できず、実際に証言した少女ラヤは見せしめに殺されてしまう。残る手段はマスコミにリークすることだけだが、様々な脅迫を受ける中、キャシーは証拠を持って出国できるのか。

というストーリーをサスペンスフルに描いていて、非常にうまい作りになっている。ラリーサコンドラキ監督はこれが初監督とは思えないほど、物語を分かりやすく語っているし、その上、映画的なサスペンスもあって盛り上がる。

これがただのサスペンスアクションものだったら良かったんだけど…これは実話を基にしているというんだから、本当にショッキングな話です。キャシーがこれをマスコミにリークしたあとも国連側はそんな事実はなかったと否定し、この人身売買にかかわった者たちも自分の国に帰されただけで、何のお咎めもなかったというのだからやりきれない。

たとえ、どんな強大な権力が後ろにあろうと、警察官として自分の仕事をするだけだというキャシーの姿勢がものすごくカッコいいし、こういう闘志あふれる女性の役にレイチェルワイズはぴったりだ。数少ないキャシーの味方である国連の高官を演じたヴァネッサレッドグレーヴは、反体制派として活動している人だからおそらくこの映画の製作に共感して出演したものと思われる。DVDのパッケージには日本での知名度を考慮してかモニカベルッチが大きく出ているけど、出演時間はとても短く、しかも被害者の少女たちのことよりも事務手続きを重視するヤな奴の役ですので、ファンの方は多少がっかりするかもしれません。

本当にこんな素晴らしい作品が、あまり知られていないというのはとても残念です。もちろん、目をそむけたくなるような話ではあるのですが、機会があればぜひ見てほしい作品です。





「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」


私が、生きる肌

2012-06-08 | シネマ わ行

ワタクシはペドロアルモドバル監督が好きだ。彼の作品のすべてが好きとは言わない。なんだこれ?最悪!みたいに思った作品もある。でも、それでもやっぱりアルモドバルは嫌いになれない。

この作品、原作があるらしいのだけど、描かれる世界はとってもアルモドバル的。彼はいつも「君はこれを“愛”と呼ぶか?」というテーマをぶつけてくる。いやいやいやいや、これを“愛”だなんて言えないよ。っていつも思うんだけど、それでもそんな形の“愛”もあるのかもしれないと思ってしまう、、、というか錯覚しそうになるとでも言っておいたほうがいいでしょうかねぇ。

数年前、ロベルレガル医師アントニオバンデラスの妻は不倫相手ロベルトアラモと駆け落ちする途中交通事故で全身やけどを負い、命は助かったものの自らの醜い姿に絶望して自殺。そのせいで娘ノルマブランカスアレスは精神のバランスを崩して入院してしまう。

退院することができたノルマだったが、友人の結婚式に参加した際、パーティを抜け出した男にレイプされまた精神を病み、やがてノルマも自殺してしまう。犯人を突き止めたロベルはそ男ビセンテジャンコルネットを拉致・監禁する。

物語は時系列通りには進まず、まず始めにロベル医師と監禁されている美しい女性患者ベラエレナアナヤの生活が描かれる。ベラはなぜか全身タイツをまとっており、医師の家で鍵のかかった部屋で生活をさせられている。ベラには自由がなく、メイドのマリリアマリアパレデスに買い物なども頼んでいるようだ。ベラが自殺をはかり、それから過去に戻って物語が始まる。

ロベルの過去と現在がどのようにつながるのか全く話が見えない中で進んでいくのだけど、まぁなんとなく途中からは分かるけど、それにしてもまぁ、、、すごいね。完全にネタバレしてしまうけど、娘をレイプした男を拉致して性転換しちゃうんだからなぁ。そこまではまぁもしかしたら究極の罰という意味では考えられないことではないかもしれないけど、女にしてしまっただけではなくて、顔から肌からすべて変えてしまって亡き妻にソックリにしてしまい、しかもその元レイプ男を愛してしまうっていうんだから、もう倒錯しまくり。

これで女にされてしまったビセンテもロベルを愛してしまい…っていうさらなる倒錯の世界に進むのかと思いきや、案外その辺は普通でビセンテが復讐を遂げて自分の家に帰ってくるところで終わる。この自分の家ってのがお母さんが経営しているブティックで、そこにビセンテがかつて好きだった女店員がいるんだけど、その店員さんはどうやらレズビアンでビセンテの想いは叶わなかったという過去があるので、女になって帰ってきたビセンテにはその人と結ばれる可能性がでてきたというのは深読みしすぎ?ビセンテの心は男性のままだろうからどうだか分かんないけど。

それにしても、ビセンテはノルマをレイプしたといっても、あんなのほとんど合意の上って感じだったし、ノルマが精神病だなんて知らなかったんだし、ほんとうに災難としか言いようがないね。

ベラを演じたエレナアナヤが非常に美しく、アルモドバル好みの女優さんという雰囲気だ。アルモドバルはゲイだけど美しい女性が好きですね。一種の憧れなのかな。崇拝対象というか。

相当エログロなんで、ワタクシは嫌いじゃない内容でしたが、アルモドバルファンじゃない方にはあえてオススメはしません。





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君への誓い

2012-06-06 | シネマ か行

最初に設定と主演レイチェルマクアダムスチャニングテイタムと聞いたとき、またニコラススパークスか~と思ったら違ってた。
事故で二人が出会ってからの4年間の記憶を失くした妻とその愛をもう一度取り戻そうとする夫の話。実話がベースだそうだ。

ワタクシはレイチェルマクアダムスが好きなので見に行くことにしました。

実話がベースということなので、基本の筋はもちろん素敵だしロマンティックな話ですが、映画の運び方としてはちょっと物足りないかなぁという気がしました。多分、フィクションで付け加えたんだと思うけど、妻・ペイジのほうの家族が実は事故に遭ったときにはすでに疎遠になっていて、でも最近の記憶を失った彼女には家族の良い思い出しか残っていない、とかいう設定も映画としてはよくできていると思ったし、前の婚約者スコットスピードマンの存在も設定としては良いと思う。こういう恋愛ものにはこういった障害があるほうが盛り上がるもんね。

最初はいきなり見ず知らずの男に「夫だ」と言われて戸惑うペイジ。もちろん、自分の記憶には家族や元婚約者しかいないのだから、知らない男性よりそっちに頼りたくなるものなんだろうけど、二人の写真とか結婚式のビデオとか見たらもうちょっと歩み寄ろうとはしないもの?とペイジの努力のなさにちょっとイライラ。

夫・レオのほうは見ていて可哀想だし、こちらのほうが感情移入はできるけど、途中で結局あきらめてるよね?それは彼女が新しい生活を始めたほうが幸せだと考えたレオの愛ということは分かるんだけど、そこんとこの描写が映画としてはちょっとあっさりし過ぎてたような…あそこでもっと苦しんでいるレオをきちんと映したほうがもっと盛り上がった気がする。

最終的に自分がなぜ家族と疎遠だったかということがペイジには分かり、父が自分の親友と不倫していたという衝撃的な事件をレオが自分と家族のことを思って黙っていたというのに心打たれたペイジがレオのところに戻ってくるというわけなんですが、なんかこれもレオの努力ではなかったのがちょっと残念。まぁ、これもレオがペイジを想う気持ちが伝わったってことだとは思うけど、恋愛映画として見るにはちょっとパンチが弱い。レオの人柄の良さがペイジに伝わったというのは素敵なことなんだけど、観客に見せる物語としてはちょっとドラマチックさが足りないな。

そして、やっぱり恋愛映画と言えば感動的なラストシーンが必要だと思うんだけど、これもなんだかあっさりしていたなぁ。記憶の戻らないペイジと昔の思い出を辿るのをやめて二人で新たな道を歩き始めたというのは良かったんだけど、やっぱり最後には素敵なキスシーンが見たいもの。お約束をあえて外したのか、もやっと感の残るラストになっちゃいました。

とは言え、もちろん全体的には素敵なお話だし、レイチェルマクアダムスはやっぱりチャーミングだし、(この「チャーミング」という形容詞がいまもっとも似合う女優さんだと思う)チャニングテイタムも無骨な雰囲気なのにロマンス映画が良く似合う。二人の出会いのシーンのストローハットは絶望的に似合ってなかったけどね。


アメリカドラマ忘備録6

2012-06-05 | 海外ドラマ

いくつか最終回になったシリーズがあるので書いておきます。

「グリー」シーズン1、2、3(途中)




これは別記事でどうぞ。


「アグリーベティ」シーズン1、2、3(途中)




長い間の中断からやっと復活しました。嬉しい!久しぶりに見るベティはやっぱ楽しいです。最近のエピソードではあんまり大きな事件は起こってない気がしますが。ウィルミナヴァネッサウィリアムスの赤ちゃんいつになったら生まれるんだろう。中断が長いので随分長いことお腹にいる気がする。アマンダベッキーニュートンがベティアメリカフェラーラのアパートに転がり込んできて引っ掻き回してます。アマンダ、いい加減それはイヤな奴すぎるやろーって思ったころに絶対ベティをほろっとさせるようなことをするんですよね。
ダニエルエリックメビウスのお姉ちゃん(元お兄ちゃん)がいなくなったので、レベッカローミンが出なくなったのが寂しいな。


「グッドワイフ」シーズン1



シーズン1終わりました。カリンダアーチーパンジャビはアリシアジュリアナマグリーズに「レズビアンなの?」と聞かれて「答えたくない」って言ってましたけど、カリンダってアリシアのこと好きなのかな~って思ったりしてます。何かとアリシアを助けてくれてるしなぁ。
ピータークリスノースはやっぱり最後までなんか腹立つなぁ。キリスト教に傾倒したりしてるけど、本当に反省してるんか???ピーターのおかんメアリーベスペイルも腹立つし。
アリシアに愛を告白してくるウィルジョッシュチャールズにアリシアが「ロマンスは分かったからプランはあるの?」と聞くシーンが良かった。確かに子供も二人いて夫が検事の選挙に出ようという"Good Wife"を誘ってるんだから、プランが大事よね。さすがアリシア。
シーズン2の放映予定はあるのかなぁ?まだ未定みたいなんですが…早く見たいです。


「キャッスル」シーズン1、2、3(途中)



シーズン3の一回目は見逃してしまったんですが、とりあえず2回目以降見てます。なんかこないだベケットスタナカティックに恋人が登場してたぞ。あれって前に出てきた人だっけ???忘れた。シーズン1からどんどんベケットの髪の毛が伸びて良い感じになってきましたね。シーズン2はずっと中途半端な髪型だったけど、シーズン3になって素敵な髪型になりました。


「モダンファミリー」シーズン1




あー、シーズン1終わってしまったぁぁぁぁ。もうどのエピソードがどうとかじゃなくて全部が全部面白かった。後半でクレアジュリーボーウェンが加速度的に面白くなっていったような気がします。毎週楽しみにしてたのに寂しすぎる!早くシーズン2放送してーーー。
マニーリコロドリゲスの役はやりやすそうだけど、ルークノーラングールドの役って逆に難しそうですよね。実は彼ってものすごく芸達者なのかも。
上の写真は最終回の家族写真なんですが、すごく良いエピソードでした。笑いの中にも心温まるエピソードがあってすごく好きです。


「ライトゥミー」シーズン1、2、3(脱落)




シーズン2の後半あたりからカルティムロスのイヤな奴っぷりに磨きがかかって至近距離で人の顔を覗き込む姿とか、思いっきりお尻をずらしてイスに座る態度とかがわざとと分かっていても鼻について仕方なくなってきて、ストーリーもマンネリ気味でイヤになったのでシーズン3の数回を見て見るのをやめてしまいました。ジリアンケリーウィリアムズは好きだったんだけどなぁ。


「アルカトラズ」シーズン1(途中)




結構面白いんだけどこういう荒唐無稽な話ってアメリカのドラマでは結局なんやったん?みたいな終わり方するのが多いからちょっと不安もありです。1話目でレベッカマドセン刑事サラジョーンズが犯人が残した薬莢を素手で拾い上げたのを見て「(NCISの)ギブスに怒られるで!」と言ってしまいました。最近、ドラマで刑事がヘマをすると必ず「ギブスに怒られるぞ」と思ってしまいます。

と思って、4,5回見たんですけど、シーズン1で打ち切りが決まったみたいですねー。視聴率イマイチだったのか…そんなこと言われたら見る気がなくなる。とりあえずシーズン1の最後までは見るかどうしようか…迷ってます。


「ヒーローズ」シーズン1、2、3(途中)



もういまいちって分かってるんですが、一応最後まで見ようと思って見ています。クレアヘイデンパネツィーアはどんどんカッコ良くなっていくね。あと、やっぱニキ(トレイシーか)アリラーターがカッコいいな。スレシュセンディルラママシーは何をとち狂ってしまったのか?スレシュの体がおかしくなってウロコみたいのがめくれてくるのがすごく気持ち悪かったなぁ。今後、ペトレリ家のお母さんクリスティンローズの若いときの役でスタナカティックが出るらしいのでそれを楽しみにしています。ペトレリ家のお母さんって一番こそこそして悪い人そうですよね。サイラーザカリークイントのことを自分の息子とか言ってたぶらかしてたし。「グリー」で嫌な奴だったテリジェサリンギルシグがこちらのシリーズではカッコいい役を演じていて素敵です(もう死んじゃったけど)。クレアのお母さんアシュレイクロウがただの人間なのにクレアを守るために活躍するのが好きです。


「コールドケース」シーズン1(途中)




普通の放送はシーズン5までいっているようです。今回おさらい放送が始まったので見始めました。まぁとにかく主役のリリーラッシュを演じるキャサリンモリスが美人なのがいいですね。やっぱりずっと見るドラマの主役は美しいほうがいいです。(そういう理由で「クローザー」は見てないんだよね)
昔の事件を解決する話なので、その事件が起こった時代を振り返るシーンのBGMがその年に流行った曲が流れるのですごく懐かしい気分になります。映像もちょっとノスタルジックだったり、スローモーションの多様でちょっと詩的に見えるシーンが多くてわりと好きです。リリーラッシュの私生活のほうも気になる。


「ブラザーズ&シスターズ」シーズン1(途中)



先日ファイナルシーズン(シーズン8)が終わったところで、またシーズン1から再放送が始まりました。アメリカ版「渡る世間は鬼ばかり」???あんなにダサくないですけどね。カリスタフロックハートはどうしても「アリーmyラブ」のイメージで見ちゃうんですが、こちらのキティという役のほうがアリーよりずっとしっかりしてます。2姉妹3兄弟の家族のお話で家族の絆、葛藤、裏切り、仕事、恋愛などを描いています。長女のサラレイチェルグリフィス、長男のトミーバルサザールゲティはワタクシの好きな役者さんなのでこれからが楽しみなシリーズです。


「23号室の小悪魔」シーズン1(途中)



これはまだ1回しか見ていないのでかなりの未知数です。1回目はまぁまぁといったところでした。シーズン1は7回しかないみたいですが、シーズン2と続くようなのでアメリカでは順調なのかな?

その他、「NEW GIRL」「クーガータウン」は何度か見てやめてしまいました。やっぱり「モダンファミリー」ほど面白いコメディはない!


glee シーズン3 第15話 Big Brother

2012-06-04 | 海外ドラマ

クインダイアナアグロンの衝撃の事故から随分待たされました。クインが死ぬなんてことはないだろうと思いつつも気になって仕方なかったよ。

始まって速攻でクインがレイチェルリアミッシェルの後ろからアーティケヴィンマクヘイルとペアで車いすで登場。あ~良かった。けど、ずっと車いす?って思ったけど、どうやら徐々に治るとお医者さんから言われているとか。アーティやジョーサミュエルラーセンには「(一生車いすであるという)現実を受け止めなくちゃ」と言われたクインだけど、クインが車いすから立ち上がる日を受け入れられないのはアーティのほうでは?という気がした。

ブレインダレンクリスのお兄ちゃんクーパーマットボマーがホームタウンに帰って来てるとかで学校に遊びに来るんだけど、どうやら、彼はケチなCMとかに出てるだけのクセに超有名人気取りのイヤな奴。周りもカートクリスコルファーも含め、なんとスー先生ジェーンリンチまでも、目がハートになってるからブレインにしてみると面白くない。オハイオ州ライマでは超出世頭ってとこなのかもしれませんね。

スー先生はグリー部の全国大会優勝に協力すると言って生徒たちをしごいています。プライベートではお腹の赤ちゃんの検診に。赤ちゃんが女の子だということは分かったんですが、羊水検査で異常が見つかったとかで…スー先生がベッキーローレンポッターを抱きしめて、「お前みたいな可愛い子が生まれるんだよ」と言ったときには泣きそうになりました。

クインの事故で結婚式が取りやめになったレイチェルとフィンコーリーモンテースですが、フィンはまだ将来をどうしようか決めかねていて、パックマークサリングにLAに行ってプール清掃業を立ち上げようと言われて、心が揺れている様子。レイチェルに相談するけど、レイチェルはNY行きしかオプションになく・・・これは、ちょっとフィンも覚悟が足りない気がするなぁ。レイチェルがNYに行くのはずっと言ってることだし、それを分かった上でプロポーズしたくせに、あとからごちゃごちゃ言うなよって感じ。

あと、最後にクインがジョーをグリー部に誘ってこの回から仲間入りということみたいです。

今回はゲスト出演のマットボマーが中心な感じで、特に彼のことを知らないワタクシは「なんかどーでもえーわー」ってなっちゃいまいした。アメリカでもクインの事故から7週間も待たされてこのエピソードってことで結構評判悪かったっぽい。

次回のエピソードに期待!ってまた来週休みやん!もうアメリカでのシーズンフィナーレも終えたんやし、いい加減に全部連続でやってほしいなぁ。

歌は今回、ブレインとクーパー、クインとアーティしか歌っていないという珍しい回。
「I'm Still Standing」クインとアーティの車いすダンスが良かったです。
「Hungry Like The Wolf / Rio」ブレインとクーパーが子供の頃歌ってたという曲。デュランデュランが懐かしかった。
「Fighter」ブレインのソロ。
「Up Up Up」クインとアーティのデュエット2曲目。楽しげな歌でシーンにとてもよく合ってました。
「Somebody That I Used To Know」これは良い曲ですね。ゴティエはグリーバージョンは気に入らなかったらしいけど。
今回は曲自体は良かったけど、ニューディレクションズみんなで歌うのがなかったのでちょっとつまんなかったな。