いままさにアカデミー賞の発表が行われているところですが、おそらく取るでしょう。今年は「ラ・ラ・ランド」の年と言っても過言ではありませんね。
ライアンゴスリングとエマストーンがミュージカルと聞いただけでワクワクしていました。ゴールデングローブ賞も取ったし、期待大と速攻見に行ってきました。
冒頭の高速道路の渋滞からみなが歌いだすシーンから心躍りました。急に誰ともなく歌い始めてみんなが振付を知っていて、息ピッタリに歌い踊る。そして歌が終わったらまるで何事もなかったかのようにそれぞれの世界に戻っていく、というミュージカルの典型のシーンですが、ミュージカルだめな人は多分もうこのシーンでだめでしょうね。ミュージカルだめな人でこの作品を見に行く人もほとんどいないとは思いますが。
オーディションに落ちまくっている売れない女優ミア(ストーン)が今日もまたオーディションに落ちて、ピアノの音色に魅かれてふらっと入ったお店でセブ(ドスリング)と出会いますが、ここでの出会いは予告で見たあのキスシーンとは全然違う最悪の出会いでした。あれ?あのシーンは宣伝のため?と思ったのだけど、それは最後の最後にからくりが。
その後家に帰ったミアとルームメイトたちの4人でのダンスがまた素敵。それぞれ違う色のドレスを着て並んで踊る姿がとても魅力的でした。そしてそのパーティでセブと再会。まだ印象は最悪でしたが、徐々に魅かれていき、、、というまぁよくある恋の始まり。
セブは売れないジャズピアニストで自分の店を持つという夢を持っていますが、仕事はなかなかうまくはいっていないよう。ライアンゴスリングが特訓してピアノを弾いているらしいのですが、音色も全部彼のものなのかな?それなら本当にすごいと思います。3か月の特訓であそこまで弾けるようになるものなの?音楽もやっていた人だからもともと素養があったのかな。
ただライアンとエマの歌とダンスは正直びっくりするほどうまいというほどではなくて、まぁ普通にうまいという感じでした。なので、「レ・ミゼラブル」のようなスケールのミュージカルを期待していた人はがっかりしてしまったかもしれません。
映画の始まり方を見ても分かるように往年のハリウッドの雰囲気を湛えたまま舞台を現代に置き換えているので、そもそも舞台劇としてのミュージカルではなくて往年のハリウッド映画のライトな雰囲気を持ったミュージカルの再来として楽しむほうがいいのかもしれません。
物語としては上に書いた予告編で使われていたキスシーンが登場するのが、なんとセブの妄想ハッピーエンドの中というなんとも切ないお話。あの最後の妄想が実は現実で、パリで成功して結婚して子供もいるエマのほうが実は「if」だったというオチを切実に願いながらあの妄想シーンを見ていたのですが、やっぱりそうは問屋が卸しませんでした。あまり単純に「男」「女」と二極化して語るのは嫌いですが、過去にすがり生きる「男」と未来を見て生きる「女」の違いが描かれたラストでした。
ワタクシは必ずしもハッピーエンドの映画が好きなわけではありませんが、この作品にはハッピーエンドで終わって欲しかったなぁ。2人とも夢を叶えてその分にはハッピーエンドと言えるのかもしれないけど、やっぱり恋人同士としてハッピーエンドを迎えて欲しかったです。そう思えるのも主人公が魅力的な物語だからかもしれませんね。
追記この記事をアップした直後に作品賞の発表がありまして、取りませんでしたねー。今年はガチガチやと思ってたんですが。しかもあんな世紀のハプニングというか大失態があるとは。「ムーンライト」も楽しみです。