シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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リダクテッド

2008-11-28 | シネマ ら行
アメリカ兵がイラクで15歳の少女をレイプして、その少女を含む一家を惨殺したという実際に起こった事件を元にしたフィクション。映画学校志望のアメリカ兵エンジェルサラサールイジーディアスが取った映像という形で構成される擬似ドキュメンタリー。

擬似ドキュメンタリーってなんとも感想を書きにくいんだけど、まず、純粋にこの映画に出てきた人物たちを見ての感想を書くと、このレイプ事件が突発的に現場で発生したものではなくて、計画があって実行されたというところにかなりの違和感を覚えた。計画した奴らフレークパトリックキャロルとBBダニエルスチュワートシャーマンは脳みそがどっか欠落していて、いかにも“そういう奴ら”って感じで、そして、その計画を聞いたサラサールがまったく迷うこともなくその映像を撮るために同行すると言ったのも狂気の沙汰ではあるけれども、映像作家を目指すものとしてはそういう歪んだ好奇心みたいなものがあるのかもしれないと思えるのだが、その計画を聞いたマッコイロブデヴァニーとゲイブケルオニールが「なんてことを言い出すんだ!」とかなんとか言いながら、上官にチクることもなく、ゲイブは基地で震えていただけでマッコイに至ってはのこのこ現地まで着いて行って、その場でフレークに銃を向けられたからと言っておずおずとその被害者宅から出て行くというのが、ものすごく納得がいかなかった。ゲイブもマッコイも少なからずとも、上官を爆弾で吹っ飛ばされた憎しみの感情でフレークとBBの暴走を本気で止める気はなかったんじゃないとさえ思える。

そして、サラサールは報復と称して拉致され殺害される。これはメディアに対するブライアンデパルマ監督の皮肉なのか?マッコイは結局良心の痛みに耐えられず告発することになるが、実際のレイプ場面を目撃したわけではないマッコイに軍の当たりは厳しい。この辺りは、今しがた事件を目にした観客には腹立たしく映るが、実際に事件の立証となれば、マッコイがあんなふうに攻められるのはいた仕方ないことなのかもしれない。

帰国したマッコイに戦争体験を話してくれとせがむアメリカ人たち。そして、このレイプ事件のことを聞いたその後に「WAR HERO(戦争の英雄)の生還に乾杯」と言えてしまうアメリカ人の精神構造には心底胸くそが悪くなったが、なんだかもう脱力というか完敗した気分だった。

ブライアンデパルマと言えばベトナム戦争での集団レイプ殺人を描いた「カジュアリティーズ」があるが、実際のところこの「リダクテッド」も手法はまったく違うが、ほぼ同じことを描いていると言えるだろう。結局何年経ってもアメリカのやっていることは何も変わっていない。そして、この映画に多くのアメリカ人が拒否反応を示したというのも、彼らが何も変わっていないことを示しているような気がする。我らがWAR HEROに対して、こんなことするなんて失礼!ってワケですかね。この作品自体はフィクションでも、この事件そのものは本当にあったんだけどねー。この事件やアブグレイブやグァンタナモは“例外”だと?沖縄で頻発するレイプ事件は“例外”だと?(あ、沖縄でアメリカ兵が少女をレイプしていることなんてアメリカ人は知らないでしょうね)どんだけ例外と思えば気が済むねん!って感じです。

もちろん、テロを容認するつもりは毛頭ないけれど、イラクのテロ組織を倒して、イラクを民主化して“あげよう”という“崇高な”精神をお持ちのアメリカ。もういい加減にしてくれないだろうか?「大いなる陰謀」のところでも書いたが、「テロとの戦争に勝ちたいか?Yes or No?」という質問を世界に投げかけることそのものをもうやめないといけないんじゃないかと思うのだけれど。期待の星オバマ次期大統領もイラクからは兵を減らすが、アフガニスタンは増兵すると言ってるし。中東に居座り続けることで憎悪が憎悪を呼んでいるのなら、ワタクシなんかはもういっそのことせーので一回全員アメリカに帰ったら?って思うけど。

映画から話が逸れてしまいました。デパルマは挑戦的で挑発的なテーマを扱うことが多く、ある意味で偉大な監督だとは思いますが、残念ながら良い映画ばかり作っているとは言えない監督です。この作品も彼独特の雑さがあって、映画的にはイマイチと言えるところもあるのですが、映画ファンとしてはそういう雑さも含めてデパルマらしいなぁと思ってしまう作品でした。
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マルタの優しい刺繍

2008-11-27 | シネマ ま行
夫を亡くし、落ち込んでいるマルタシュテファニーグラーザー。そこへ村の男声合唱団の旗を修復してほしいという依頼がくる。昔、仕立て屋をしていたマルタは若い頃、パリに自分で仕立てた下着を売るランジェリーショップを開くのが夢だったことを思い出す。そんなマルタの夢を手伝ってくれるのが、親友のリージハイジマリアグレスナーやフリーダアンネマリーデューリンガー。もう一人の親友ハンニモニカグブサーも最初は反対していたけれど、途中から手伝ってくれるようになる。

マルタもかわいいおばあちゃんであるけれど、この親友たちがまたかわいい。リージは男を追いかけてアメリカに行ったことがあるというのが唯一の自慢だけど、この小さい村ではそれはとても大きなことで、彼女はとてもヒップな感覚を持ち合わせている。フリーダは老人ホームでインターネットを習い、マルタの下着販売を手伝ってくれる。そして、それをきっかけにホームでボーイフレンドをゲットする。ハンニは夫の病院への送り迎えをイヤがる息子に愛想が尽きて自分で運転免許を取ってやると息巻く。

小さな保守的な村で、セクシーなランジェリーショップを始めてしまったおばあちゃんに、村人たちは、「なんとハレンチな!」と反発。マルタの息子は牧師さんなのに、自分の母親がそんなことを始めてしまって大反対。(自分は不倫してるくせにねぇ)ハンニの息子も超保守的な男で、大大大反発。正直そこまで反対せんでもええやん。いまっていつの時代?って言いたくなるほどだけど、保守的な人ってそんなもんなのかもしれない。

これはスイスの片田舎のお話なんだけど、この反発する息子たちに対するおばあちゃんたちの反応がなんだかとてもヨーロッパらしいなぁと思った。村人のほとんどが反対していたランジェリーショップだけど、一番強く反対していたのはマルタ自身の息子とその親友ハンニの息子。なのに、このおばあちゃんたちはお互いに「アンタんとこの息子がね、、、」っていう話はしない。あくまでも「あの男めっ」ってその人個人を攻撃してる。なんかそこがね、個人主義な人たちっぽいなぁって思いました。

しっかし、おばあちゃん世代より息子世代が保守的ってどうよ?ねぇ。これはどこの国でもありえることでしょうね。老人同士の結婚に子供世代が「みっともない」とか言って反対しちゃうとかさ。もちろん、老人もわがままになって他人のこと考えられなくなったり、頑固になって他人の意見をまったく聞き入れなくなったりするところがあるから、全面的に老人の味方するつもりは全然ないですけどね、でも、マルタの場合はまったく誰にも迷惑なんてかけてないし、彼女が作った下着だって素敵なものばっかりだったじゃないねぇ。まぁ、だからこそ最後には村の人たちに受け入れてもらえたんでしょうね。いくつになってもこんなふうに生きがいを見つけられるって素敵ですよね。

他にも穴あきチーズの里だというこの村の牧歌的な風景や、大きなアップルパイやケーキ、ヨーデルなどとってもスイス的なものが楽しめる作品です。
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X-ファイル~真実を求めて

2008-11-21 | シネマ あ行
ワタクシは昔ツインピーカーで、いま現在はポタリアンだけど、その間には「Xファイル」があった。あの「TRUTH IS OUT THERE」という冒頭のメッセージにワクワクしたもんだ。とはいえ、シーズン9まで全部見てたわけじゃなくて途中、カナダ留学したときに見るのをやめちゃったからシリーズの半分くらいしか見ていない。なので、自身をXファイラー(ってこんな呼び方があるのかどうか知らないけど)と呼ぶのはちょっとあつかましいなと思います。

前回の映画のときはまだTVシリーズを見ていたころだから、なんの不安もなく「Xファイルが映画になるぅ!これは絶対見に行くぞ~」って意気込んで見に行ったけど、今回はシリーズも中途半端にしか見てないし、分かんなかったらイヤだから見ないでおこうかなーと思っていたんですが、やっぱり大好きだったモルダーデイヴィッドドゥカブニーとスカリージリアンアンダーソンのコンビがまた見れると思ったら、やっぱり見に行きたくなっちゃいました。一応、ストーリーはシリーズから独立したものだってことだったし、大丈夫かなって。

さて、その結果ですが、ハイ、大丈夫でした。今回は映画のために作られた新しい事件の顛末だったし、人間関係もモルダーとスカリー以外は今回の映画のためのキャストだったから。でも、やっぱり細かい内容は知らなかったことがあってビックリしちゃったなぁ。だって、スカリーがいつの間にか子供を産んで、何の事情が知らないけど、どうやらその子を手放したらしいし、そして、そして何よりもビックリしたのがモルダーとスカリーが一緒に住んでるんだよー。冒頭でスカリーがFBIの伝言をモルダーに伝えに行ったとき、「あ、ずっと二人はつながっていたんだ。良かったぁ」とか思っていたワタクシでしたが、途中で二人が同じベッドに入っているシーンがフッツーに出てきて、もう本当にビックリ&超うれしかった。だって、ワタクシ、TVシリーズも途中からはずっと難事件だとかUFOだとかなんてほとんどどーでもよくって、モルダーとスカリーの恋愛ものとして見てたもん。前回の映画もそういう含みが結構あってドキドキしたりなんかして。この二人の微妙な関係がどうなっていくのかが一番気になってたもん。だから、今回の映画を見に行くときも、実はモルダーとスカリーの関係がどうなっているのかが一番気になってたんだよね。

この二人が夫婦同然に暮らしているのを見て、そして、最後の熱~いラブシーンを見て、「あ~本当に良かったなぁ。こういう男女のコンビものって、微妙な関係のままくっつかないで終わらせるか、二人がくっついたことによってこっちが冷めちゃうかどっちかだけど、モルダーとスカリーはくっついてくれてほんとうれしい」とか思ってたんですよ。でも、どーやら、シリーズについてちょっと調べて見るとシーズン9では最後のほうかなりモルダーとスカリーはイチャイチャしてたらしいじゃないっすかー。いやー、まぁそれでもワタクシは全然がっかりなんかはしないですけどね。映画でワタクシが味わったドキドキ感はシリーズを全部見ていた人にとってはそんなにドキドキシーンではなかったのかなぁって思いました。ワタクシはそれでドキドキできて逆に良かったかもしれないな。

それで、モルダーとスカリー以外の部分はどうだったのかと言いますと、良い意味でも悪い意味でも「Xファイル」らしくてシリーズファンとしては好きだったな。シリーズのファンと言ってもワタクシは宇宙人関係はあんまり好きじゃなかったので、今回映画になったような感じの事件のほうが楽しめました。なんか、結局犯人にたどり着くところのチョロさとか、犯人のやってることの非現実感とかがかなり「Xファイル」してて良かったなぁ。これが普通の猟奇殺人系の映画なら、なぁんだで終わるところだけど、これが「Xファイル」だから許せちゃうんだよね。というわけで、シリーズファンでもなんでもない人にとっては、多分見ることもないだろうなという類の映画ですね。

オマケ1モルダーとスカリー以外は映画のオリジナルキャストということだったけど、絶対にTVシリーズファンをにんまりさせてくれる人が登場するだろうなと思っていたら、案の定出てくれましたねスキナー副長官ミッチピレッジ。登場の瞬間、声出しそうになってしまいましたよ。

オマケ2あの有名なテーマソングですが、映画の初めにちらっと鳴っただけだったのに、FBIの事務所でブッシュ大統領の写真が映るときにわざわざ“たららら~ん”って鳴らしたのはナゼ?ブッシュって宇宙人じゃねぇの?(理解不能だから!?地球をわざと窮地に立たせるようなことばっかやってるから!?)ってことだったのかい?
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かけひきは恋の始まり

2008-11-20 | シネマ か行
ジョージクルニーが自分で監督して主演して、大好きなグッドオールドデイズをまたまた映画にしちゃったよー。そして、相手役の女優はこれまらグッドオールドデイズがよく似合うレニーゼルヴィガー。ジョージが選んだキャストだよね、きっと。

「かけひきは恋の始まり」なんて言うから、ラブロマンスなのかと思いきや、そっちよりもプロフットボールリーグの創成期のてんやわんやのほうが時間が長いね。ワタクシはアメフトが好きだから、楽しめたけど、ラブロマンスかと思って見に行ってアメフトも全然好きじゃない人だったら結構辛いかも。

ジョージとレニーのテンポのいい会話とか、パブで大勢ですぐに殴り合いになっちゃうとことか、男同士が女性を巡って1対1で殴りあうところとか、どこを切っても昔の映画っぽくって、本筋の話自体は大したことないんだけど、途中から、もうジョージが楽しくてしょうがなくて撮ってるんだから、ジョージの好きにしたらいいじゃないっていう気になって、こっちもジョージが楽しんでる顔を見て楽しんだらいいんじゃないのって思えてきた。多分、こう思えなかった人はジョージの道楽にただただ付き合わされただけっていう感じがしちゃったんじゃないかなー?原題になっているレザーでできたヘルメットとか、サイドカーつきのバイクとかさ、ただただジョージが一回かぶってみたかった、一回乗ってみたかったってだけなんじゃないの?って感じだもんね。ワタクシはジョージが好きだからそれでも許すけどさ。

それにしても本当にフットボールリーグの創成期ってあんなだったんでしょうか?フィクション部分は大いにあるだろうけど、大筋ではあんな感じだったのかなー?あの時代からすでにスポーツエージェントなんてもんがついてたのかなぁ?さすが、お金大好きアメリカ人って感じですねー。(あ、一部のアメリカ人ね。苦情は受け付けません)

さてと、今回はジョージの道楽に付き合って差し上げましたから、次はきちんとしたものを届けてくださいよ。クルーニーさん。
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デスレース

2008-11-18 | シネマ た行

「バイオハザード」は結構好きな作品なんだけど、ポールW.S.アンダーソン監督ってそんなにおもしろい印象はなくて、というか「バイオハザード」シリーズはミラジョヴォビッチへのワタクシのひいき目もあるから、それをさっぴくとそのシリーズだけではまだ信用するに至っていないという感じなんですね。主演のジェイソンステイサムもそんなにおもしろい映画に出てる人という印象がワタクシはない。ワタクシがアクション映画好きではないからそれは仕方ないんだけど。というわけであんまり期待せずに試写会に行ってきました。

うん。期待してないで良かったよ。おもしろくなくはないけどね。もっとおもしろくできた素材ではあると思うんだよねー。せっかく元ネタの「デスレース2000」のときよりも、実際の世界で“リアルTV”っていうような企画ものが増えて、このデスレースをテレビ中継してるっていう設定に無理がない時代になったんだから、このデスレースに夢中になって“もっと”を要求する異常な群衆側も取り込んで、色んな側面からこのデスレースを盛り上げたほうがおもしろかったんじゃないかなと思う。視聴者、テレビ局、所長ジョーンアレン、囚人たち。この4つをもう少し関連付けて見せてほしかったなと。

ジェイソンステイサムはそんなに悪くはなかったですね。あの背中の筋肉ムキムキは一体なんなんでしょうか?人間が生きていく上では完全に必要のない筋肉ですね。ジョーンアレンは「ボーンスプレマシー」のところでも書いたけど、年をとるごとに良くなっていく女優さんですね。今回はかなりなBITCHを演じていますが、ヤセこけた感じのキツめの顔でガイコツのようなので、とても似合っていました。ジェイソンステイサムの相棒役を演じるナタリーマルティネスはセクシーな役どころでしたが、もう一押し露骨なセクシーさがあっても良かったかなぁという気がしました。“ナタリーマルティネス”って名前がなんだかすごーーーくセクシーに感じてしまって、ちょっと期待しすぎた感アリでした。(って“ナタリーマルティネス”っていう名前にセクシーさを感じるかどうかはかなり人それぞれ、、、というかワタクシだけでしょうか?)

レース映画ですからもちろん準主役は車なんでしょうけれど、全体が埃色でそれぞれの車の特徴が分かりにくくて残念でした。ワタクシは車に詳しくはないけど、それでもやっぱりこういう映画だとかっこいい車が見たかったな。

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その土曜日、7時58分

2008-11-17 | シネマ さ行

「十二人の怒れる男」「狼たちの午後」のシドニールメット監督、84歳の新作。フィリップシーモアホフマンイーサンホークが兄弟役で出演。というわけで見に行くことに決定です。そして、劇場予告を見てお~おもしろそうと期待は高まるばかり。

会社のお金を横領して麻薬にも手を出し、妻とは倦怠期でなんだかうまくはいかない会計士の兄アンディ(ホフマン)は、離婚して養育費をまともに払えず首が回らない弟ハンク(ホーク)に強盗計画を持ち込む。簡単な強盗計画だ。だって、両親が営む宝石店を強盗するだけなんだから。盗んだ宝石は保険でカバーされるから大丈夫。自分たち兄弟は現金が手に入り、いまの苦境から逃れられるし、両親には実質的な被害は出ない。四方丸く収まるんだから心配ない。

…はずだった。


て、んなわきゃあない。そんなもんうまくいったら映画になるか。

弟ハンクが自ら実行するはずだったんだけど、チキンアウトしちゃってなんだかろくでもなさそうな友達に実行犯を依頼したところからまず1つ目の歯車は狂い始め、そしていつも店番をしているはずのパートのおばちゃんが都合が悪くて、普段は店に出ていない二人のお母さんローズマリーハリスが店番に来ていたことが2つ目の誤算。普通のサラリーマンっぽかったハンクになんでこんな友達がいるのか全然わかんないけど、このごろつきは本物のピストルなんか持って来て、店ん中で振り回し、なんとお母さんはこのごろつきに対抗して隠していた銃をぶっぱなしちゃった。。。ごろつきももちろん撃ち返しお母さんは重体に。

もうこの先の物語は落ちるとこまで落ちるしかない。

時間軸が微妙にいじってあって、物語の視点も何度か兄から弟へまた兄へ。そして父へっていうふうにいろいろと変わっていく。そういう見せ方のおかげで、この家族の秘密が少しずつ暴かれていって、すごくスリリングでね、その楽しみっていうのはあるんだけど、結局のところ、「で?」って感じにしかならないのよねー、残念ながら。兄アンディの奥さんジーナマリサトメイが実は弟ハンクともデキてて、ハンクは結構その関係に本気で、とか、ジーナはアンディとやり直したいって思ってる感じもするんだけど、それでもどうにもならないこの夫婦だとか、お母さんが撃たれて死んじゃった時「おやじなら良かったのに」と言っちゃう兄アンディとお父さんアルバートフィニーの関係だとか、そういうのが全部気になるのになんだか中途半端にほっとかれた感じがするんです。上映時間もう少し長くしてもいいからそこんとこもう少し掘り下げて欲しかった。父親と長男の関係は特にね。出演者も渋い面々ばかりだし、映画全体的な作りが非常に良いだけにちょっとそこはもったいなかったなぁ。とは言え、監督が84歳とは思えないくらいの攻め具合ですがね。

オマケ1原題の「Before the Devil Knows You're Dead」もカッコいいけど、邦題の「その土曜日、7時58分」もカッコよくてワタクシはどちらもなかなか好きです。

オマケ2もう途中からフィリップシーモアホフマンとイーサンホークがブタとサル、猪八戒と孫悟空にしか見えなくなっちゃたのはワタクシだけでしょうか

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あぁ、結婚生活

2008-11-13 | シネマ あ行

若い愛人ケイレイチェルマクアダムスを愛してしまい、妻パットパトリシアクラークソンと別れたいのだが、妻のことを思うと離婚を言い出せない。ならばと、妻を毒殺することにした男ハリークリスクーパーだが…

クリスクーパーが主役を演じる映画なんてとても珍しいし、パトリシアクラークソンも出ているということで、これはなんだかおしゃれな映画っぽいなぁと思って見に行きました。設定も1940年代だしね。

ハリーの心配をよそに実は妻も妻で若い愛人デヴィッドウェンハムとよろしくやっていて、しかもケイのことを相談したハリーの親友リチャードピアースブロスナンもケイのことを気に入っちゃって、、、

と設定的にはおもしろそうなお話だったんだけど、若いケイもプラチナブロンドに真っ赤な口紅といかにもいかにもな風貌で登場したわりには、なんも裏もない期待はずれな普通の子で、親友リチャードももう少しピエロ的な役割を果たしてくれるのかと思いきや、普通にケイのこと好きになっちゃって、(ってこれ、中高年のおっさんが自分の親友だけにオイシイ思いをさせてたまるかって気持ちからケイを好きになっちゃっただけじゃないの?って気もしなくはないけど)まぁ、もちろんハリーが妻を殺せるわけもなく…

長いこと結婚してるとこういうこともあるよね~みたいな共感を呼びたいのかもしれないけど、長いこと夫婦やってるからって浮気していいってことにはならないしね。若い愛人に振られて元鞘っていうのもなんだかなーって気はしたな。この展開は最初から分かってはいたことだけどね。それならもう少しテンポよくコメディ風味にしてほしかったな。せっかく奥さんがパトリシアクラークソンなんだからもうちょっと毒っ気を出してくれても良かったし。奥さんは「愛とはセックスだ!」っていう人でハリーはそれに不満だったって言ってたけど、あんな若い愛人連れてこられたら、それはアンタのほうでしょーがって言いたくなっちゃうし。

この展開に共感できる人はご自分の夫婦関係を振り返ってみたほうがいいのかもしれませんね。

オマケハリーの親友リチャードが「他人の不幸の上に幸せは成り立たない」っていうセリフを言いますね。これって世間的にもよく言われるセリフだと思いますが、ワタクシはあんまり共感できません。浮気とか不倫とかワタクシは大嫌いな人間ですが、その人たちが元のパートナーと別れて、その人たち同士でくっついたとしてもワタクシは、その人たちが不幸になるとは思えません。誰を不幸にしてもくっつきたければくっつけばいいし、それでも人は幸せになる権利があると思う。それを掴んで維持するだけの気持ちがあるならドーンとやっちゃえばって、これじゃ浮気や不倫は大嫌いっていうのに矛盾するとは思うけど、浮気や不倫で二重生活する人よりはちゃんと元の人と別れて新しい人とくっついて幸せになるほうがいいと思うのです。

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