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猫弁 |
かなり前に吉岡秀隆でドラマ化をされていたのをチラ見したことがあるのですが、原作を読むのは初めての猫弁シリーズです。
読んでみればなかなかにジャンル分けが難しく、ミステリーと呼ぶには奥深さ、謎解きの楽しみがありませんし、ホームコメディとでも呼べばよいのか、殺人などのどきつさはありませんし根っからの悪人がいませんから、2時間ドラマとしてのお茶の間向けにはピッタリかもしれません。
東大を主席で卒業をしながらも弁護士として最初に携わった仕事が猫屋敷事件、そんなこんなで猫弁と揶揄をされるぐらいに猫関係の訴訟が持ち込まれる天才百瀬が主人公です。
霊柩車が柩ごと盗まれる事件をきっかけに百瀬に持ち込まれる複数の依頼が一本に紡がれていく、その紡がれ方が半端ないです。
ある意味で水戸黄門であり、予定調和な展開と言ってしまえばそれまでですが、いくら何でも世間が狭すぎで、容易に先が読めてしまうわけですからわくわく感が足りません。
こうなるんだろうな、やっぱりこうなった、よかったね、とほのぼのとした雰囲気が売りなのか、そう考えれば百瀬の吉岡秀隆はピッタリですし、亜子の杏もツンデレな感じでよし、七重は今で言えば高畑淳子か、なんてことを思いながら読めばまた違った楽しみにはなります。
とりあえず勢いで全シリーズを買ってしまったので、次巻以降はもう少し謎は謎として撒いてくれないかなと、そんな願いを込めて★3つ、本音は★2つです。
2016年3月8日 読破 ★★★☆☆(3点)