電脳筆写『 心超臨界 』

一般に外交では紛争は解決しない
戦争が終るのは平和のプロセスではなく
一方が降伏するからである
ダニエル・パイプス

こころの一冊 《 「片手いっぱいの星」――後藤啓子 》

2024-07-13 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  人生は良書だと思う
  深く入り込めば入るほどより豊かな意味が見えてくる
  ( ハロルド・S・クシュナー )
  I think of life as a good book. The further you get into it,
  the more it begins to make sense.
  ( Harold S. Kushner, American rabbi, 1935- )


僕の父さんはパン屋で、夏も冬も4時に起き、パンを焼く毎日です。僕はこんな生活がいやでたまりません。ところが父さんはどうしてもパン屋を継がせようと、学校を辞めさせてしまいます。僕は、サリームじいさんが話してくれた、新聞記者になりたいのに……。とうとう大げんかをして、家出を決心しました。


「片手いっぱいの星」
 【 ラフィク・シャミ・作、若林ひとみ・訳、岩波書店 】

思春期の心の軌跡つづる―― かいだんぶんこ・後藤啓子
(「こころの一冊」09.07.16日経新聞(夕刊))

つい最近「結婚しました」「秋に結婚します」という、かつてよく本を借りていた子供たちの消息が入ってきました。これで、彼らの見え隠れしていた自分探しの思春期を、無事に通過したと知ってうれしくなりました。

この本は1960年代、不穏な政情下のシリア、ダマスカスが舞台です。主人公「僕」の、14歳から3年半にわたる思春期の心の軌跡が、日記の形でつづられています。

僕に日記を書こうと思わせたのは親友、75歳のサリームじいさんです。いつもじいさんは、独自の人生哲学を、僕の心にしっかり届くように語ってくれます。

自分は字が書けないから、時がたてば何もかも霧の中になってしまう。字を知っていたら、バラのトゲ1つ1つまでも思い出せるのに、とじいさんは言います。

僕は、新聞で見た「日記はバックミラーだ」という言葉が、じいさんの言うことと同じと思います。

僕の父さんはパン屋で、夏も冬も4時に起き、パンを焼く毎日です。僕はこんな生活がいやでたまりません。ところが父さんはどうしてもパン屋を継がせようと、学校を辞めさせてしまいます。僕は、サリームじいさんが話してくれた、新聞記者になりたいのに……。とうとう大げんかをして、家出を決心しました。

冬の夜、そっと階段を下りていくと暗闇にじいさんが座っていました。「半年頑張って、何も今と変わらなかったら、今度は自分が家出に手を貸してやる」と言って引き留めます。そしてこの半年には何と重みがあったことでしょう。

人の多様な生き方、恋、しっかり社会と向き合った末の僕の成長。じいさんが伝えたかったことは希望を持つ人生の輝きでした。中学生以上にふさわしいでしょう。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 用意ができたとき師が現われ... | トップ | こころのチキンスープ 《 子... »
最新の画像もっと見る

06-愛・家族・幸福」カテゴリの最新記事