電脳筆写『 心超臨界 』

一般に外交では紛争は解決しない
戦争が終るのは平和のプロセスではなく
一方が降伏するからである
ダニエル・パイプス

かけがえのない家族 《 「だれか食うで、ええわい」――梅原猛 》

2024-07-13 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  世の中でいちばん大切なものは家族と愛
  ( ジョン・ウッドン )
  The most important thing in the world is family and love.
  ( John Wooden )


◆「だれか食うで、ええわい」

『母ごころ 仏ごころ――豊かに生きる知恵』
( 梅原 猛、小学館、p11 )

私を育ててくれた母親は、血はつながっていませんが、伯母(おば)にあたる人です。この伯母は厳しい道徳心をもちつづけた人でした。私は子どものとき、成績が悪くて叱られたことはありませんが、嘘をついたときにはそれはきびしく叱られた。最近の母親は、成績の悪いときはしかるけれども、嘘をついたときにそれほど厳しく叱る人は少ないのではないでしょうか。やはり昔の母親のほうがきちんとした道徳を身につけていたと思います。私の伯母は、貝原益軒(かいばらえきけん)の『女大学(おんなだいがく)』を絵に描いたような人でした。おいしいごちそうはまず夫や子に食べさせ、自分はつつましい粗末なものを食べて、平気で耐えていました。朝早くから夜遅くまで働いて、夫や子どもの世話をする。それを何の苦もなく続けているようでした。

この伯母のつれあいの、私と血のつながっている伯父(おじ)である養父もたいへん立派な人で、天然自然に仏教の徳を身につけているような人でした。戦争中、私の家の米が盗まれて、養母は「明日から食べるお米がない」と小言をいった。そのとき養父がいった言葉を、今でも私は忘れない。「だれか食うで、ええわい」。自分たちが食べなくても、だれかが食べればそれでいいといって、平然としているのです。その後、養父の家で働いていた人の息子が犯人であることがわかって、警察の人がやってきた。そして「旦那(だんな)さん、申しわけないけれども、犯人の身元引受人になってくれませんか。犯人のお袋さんが旦那さんに、身元引受人のお願いをしてくださいといってますから」という。そして、身元引受人になってくれれば、犯人は釈放されるという。この申し出に対して、養父はひと言「ええわい」といいました。それで犯人が釈放されて養父のところへ挨拶(あいさつ)に来たとき、養父がいった言葉を、今も憶えています。「おまえも困ってやったんだろうけど、こんなことしとったらあかんぞ」、そのひと言で終わりなんです。

これもやはり、一つの道徳教育だと思いますが、かなりレベルが高い。しかし私が、この養父母のような道徳性を持っているかどうか疑問です。私は、道徳に関する知識は養父や養母より数倍多くもっていると思いますが、はたして養父のようにこんな立派なことがいえるかどうか……。父や母の時代には、このような仏教の徳、利他の徳が根強く残っていたのでしょう。
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