電脳筆写『 心超臨界 』

想像することがすべてであり
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( アナトール・フランセ )

不都合な真実 《 戦後76年の「特別な夏」――門田隆将 》

2024-06-30 | 05-真相・背景・経緯
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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国会決議は全党一致が原則だ。だが、対中非難決議は国会の最終段階で立憲民主党や共産党に至るまで「決議賛成」にまわり、成立は自民・公明の与党“2幹2国”に委ねられた。2幹2国とは、与党の幹事長、国対委員長会談のこと。ここでどの法案を提出し、どの部分を修正し、どの決議を出すかなど、すべてが最終決定される。しかし、もともと親中勢力として知られる公明党と、自民党の二階俊博幹事長らが中国の機嫌を損ねる決議を提出できるはずはなく、予想どおり最終段階で阻止されたのである。


◆戦後76年の「特別な夏」に思う――門田隆将・作家/ジャーナリスト
(「正論」産経新聞 R03(2021).08.19 )

令和3年の夏は特別なものである。異常な五輪中止運動を経て東京五輪は無事、成功を収めた。メダル総数58、金メダル数27という「今後、百年、これ以上は望めない」とまで言われる最高の戦績を記録し、国民は感動と熱狂の17日間を過ごした。

〈 雨の靖國に参拝者の長い列 〉

そして五輪閉幕7日後の8月15日。戦後76年の終戦の日を迎えた靖國(やすくに)神社には雨が降り続く中、終日、参拝者の長い列があった。若者の参拝者が多くなり、すっかり様変(さまが)わりした風景の中、私は靖國会見での戦歿(せんぼつ)者追悼中央国民集会で講演をさせていただいた。

令和3年は、「国民の分断」が顕著に現われた年として特筆されるが、そのことを含め、日本の危機を訴えたかったのである。特に1年延期された東京五輪をめぐり、異常ともいえる中止運動が展開された問題は大きかった。

8年前、自ら手を挙げ、勝ち取った五輪開催の栄誉。それは同時に、世界のアスリートに対して「開催責任を負った」ことを意味する。その使命を放棄する五輪返上の運動は、日本をとんでもない信用失墜に追い込む危険を孕(はら)んでいた。

そして五輪反対勢力はそれだけでなく、アスリートたちにも牙を剥(む)いた。白血病から生還した競泳の池江璃花子選手にまで罵詈(ばり)雑言を浴びせ、五輪が始まっても、多くの選手がツイッターなどを通して、心ない誹謗(ひぼう)中傷を受けた。「日本人って、いつからこうなったんだ?」そんな思いに駆られた人も多かっただろう。変わりゆく日本を示す現象の一つである。

それに加えて、今年明らかになったのは、中国にひれ伏す日本の政治の実態である。6月16日、通常国会の最終日に、いわゆる「対中非難決議」が葬り去られた。

それは、あらゆる意味で日本がいかに中国共産党の“影響下”にあるかを国民に教えてくれるものだった。新疆ウイグル自治区でのウイグル人ジェノサイド(民族虐殺)問題は、欧米各国が中国への非難決議を経て、さらには実際に具体的な制裁へと移っている。しかし、日本では第一段階の非難決議すらできなかったのである。

〈 中国にひれ伏す政治でいいか 〉

国会決議は全党一致が原則だ。だが、対中非難決議は国会の最終段階で立憲民主党や共産党に至るまで「決議賛成」にまわり、成立は自民・公明の与党“2幹2国”に委ねられた。

2幹2国とは、与党の幹事長、国対委員長会談のこと。ここでどの法案を提出し、どの部分を修正し、どの決議を出すかなど、すべてが最終決定される。しかし、もともと親中勢力として知られる公明党と、自民党の二階俊博幹事長らが中国の機嫌を損ねる決議を提出できるはずはなく、予想どおり最終段階で阻止されたのである。

私は、中国にひれ伏す情けない政治状況を見て、靖國神社に祀(まつ)られている英霊のことを思い浮かべた。ペリー来航以来の246万6千柱に及ぶ国事殉難者たちは、中国共産党にいいようにあしらわれている現代日本をどう見ているのだろうか、と。

1949年建国以来の侵略の歴史と、チベットやウイグル、南モンゴル、そして香港等々で続く激しい人権弾圧…日本やアメリカが助け、技術と巨額の資金を提供し、手取り足取りで育て上げた“巨大モンスター”中国共産党は、今や台湾への軍事侵攻の意図も隠さなくなり、連日、尖閣への領海侵入をくり返している。ついには習近平国家主席が「百年の恥辱を晴らし、偉大な中華民族の復興を果たす」という建国百年の2049年までの国家目標を掲げるに至った。

百年の恥辱を晴らす対象は、いうまでもなく「日本」である。満洲国の建国、あるいは支那派遣軍百万の大兵力に攻めこまれた歴史的事実を習近平国家主席は決して忘れていない。

〈 危機に対し準備できているか 〉

では、日本はこの危機に対してどれくらい準備ができているだろうか。強大な軍事力を持つようになった中国に、一国で対抗することは不可能だ。平和を守るためには、中国に攻め込まれる隙を与えてはならない。中国に戦争させない、つまり、中国が手出しできないような集団安全保障体制を築くのが急務なのだ。

国民の命を守るために集団的自衛権さえ否定する憲法を一刻も早く改正し、戦後のヨーロッパをソ連の侵攻から守ったNATO(北大西洋条約機構)のような集団安保体制の構築が不可欠なのだ。アジア版NATOを創り、中国の力による現状変更を阻止しなければならない。

そのためには中国を利する日本国内の反日・親中勢力とも「子や孫の命を守るために」戦わなければならないだろう。

先人が示してきた日本人としての誇りや毅然(きぜん)とした生き方を私たちは思い起こさなければならない。そのことを誓うべき「特別な夏」であることを国民全員で理解したいのである。
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