電脳筆写『 心超臨界 』

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( ルイ・パスツール )

不都合な真実 歴史編 《 ノモンハン事件――福井雄三 》

2024-03-09 | 05-真相・背景・経緯
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日本はノモンハンに負けたと錯覚して、ソ連に対して弱気になってしまった。その結果、日本陸軍伝統の北進論の矛先が鈍ってしまいました。陸軍の仮想敵国は一貫してソ連でした。ソ連と戦うことを前提に、陸軍は戦略戦術を練って訓練していたのです。ところが、ノモンハン事件をきっかけとして恐ソ病が生じました。それによって、「ソ連とは戦うべからず」という暗黙の雰囲気が陸軍を支配した。


◆ノモンハン事件をどう見るかで歴史の捉え方が変わる――福井雄三

『自ら歴史を貶める日本人』
( 西尾幹二、福地惇、柏原竜一&福井雄三、徳間書店 (2021/9/25)、p40 )

現代史を見直す時に、絶対に見落としてはいけないと思うのはノモンハン事件に対する評価です。ノモンハン事件をどう解釈するかで、歴史の捉え方がガラッと変わってくるからです。これまでノモンハン事件は、昭和に入ってからの日本の破滅と悲劇の象徴として論じられることが多かった。これは司馬史観の到達点ともいうべき考え方です。

司馬さんが亡くなった後、その系譜を継ぐ作家たちがノモンハンをテーマにした作品をいくつか発表しました。ところがソ連崩壊後の情報公開と最新の研究で、ノモンハン事件は実際には日本の勝利だということが明らかになっています。

例えば、ソ連軍の進んだ機械化部隊などというのは、全く事実に反していて、800台が日本軍によって破壊されました。それに対して日本軍の戦車の損害は、29台です。空中戦でも撃墜されたソ連軍の飛行機が1673機に対して、日本軍はその10分の1の179機でした。

戦闘に参加した兵力は日本軍2万人に対して、ソ連軍は23万人です。しかもソ連軍は日本軍よりも多くの死傷者を出している。十倍近い兵力で戦って、相手よりも多くの損害を出すというのは普通では考えられません。ソ連軍の兵器の質がいかに悪かったか、軍隊の指揮系統がいかに滅茶苦茶だったかの証拠です。

日本は実際は勝利していたにもかかわらず、情報不足と国際情勢認識のなさから日本が負けたと錯覚し、休戦に応じました。何よりも残念なのは、日本はノモンハンに負けたと錯覚して、ソ連に対して弱気になってしまった。その結果、日本陸軍伝統の北進論の矛先が鈍ってしまいました。

陸軍の仮想敵国は一貫してソ連でした。ソ連と戦うことを前提に、陸軍は戦略戦術を練って訓練していたのです。ところが、ノモンハン事件をきっかけとして恐ソ病が生じました。それによって、「ソ連とは戦うべからず」という暗黙の雰囲気が陸軍を支配した。

2年後、独ソ戦が始まった時に、日本は北進してソ連を打倒することを断念しました。そして海軍の南進論にずるずると引っ張られて、最後は日米開戦という最悪のシナリオに突入してしまった。

もしもこの時、日本が南進してアメリカと戦うという選択をせず、北進してドイツとともにソ連を東西から挟み撃ちにしていれば、第二次大戦は全く違う結果になっています。そしてスターリンの大謀略は未然に粉砕されて、第二次大戦後の世界における共産主義の恐るべき悲劇はなかったのではないか。

日本の情報不足と情勢判断の誤りで、ノモンハン事件の真相を正確に把握せずに、その後の日本の外交政策を誤らせてしまったということが、返す返すも悔やまれます。

【西尾】 ノモンハンの話が出たので、少し加えますが、今、私は、『GHQ焚書(ふんしょ)図書開封』(徳間書房)をシリーズで刊行しています。その焚書の中に昭和16年2月発行の『赤軍ノモンハン戦闘記 戦車旅団全滅』という本があります。著者はソ連将校のマキシム・ホーソン、手記の形で、富田邦彦訳、新興亜社刊です。

この中には今、福井さんが言っておられたソ連が壊滅状態になった話が書かれています。GHQによって焚書にされたので戦後には読まれていませんが、昭和16年にこのような本が出版されていても、その認識が十分に当時の軍・政府にも活用されていなかったことが今にしてわかります。

ノモンハンで戦っていた日本軍は戦意もあり、士気も上がっていて、あと一歩で勝利だという状況であったにもかかわらず、なんらかの誤情報で日本政府が間違った判断をした。その誤情報の可能性の中には、ゾルゲの名も出てくるわけです。

当時の政府と軍政府に対して、どのような情報伝達があり、どうして大敗北という認識に至ったのかを改めて知る必要がある。非常に謎めいていますが、私は関心がありますね。
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